出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
すべて
病名
 × 

抗悪性腫瘍薬による神経障害
こうあくせいしゅようやくによるしんけいしょうがい

もしかして... 認知症

つぶやく いいね! はてなブックマーク

抗悪性腫瘍薬による神経障害とは?

どんな病気か

 がん細胞を特異的、選択的に死滅させる薬はなく、多かれ少なかれ正常細胞にも影響を及ぼすため、がん治療は副作用との闘いともいえます。化学療法の多くは神経細胞に対して毒性を示すことが多く、神経症状が起こることがありますが、投与経路、用量、放射線療法との併用の有無などにより、その発生頻度は異なります。

症状の現れ方

 メトトレキサートは、大量投与や髄腔内への反復投与により進行性白質脳症、脊髄症を生じ、認知症、意識障害、振戦(震え)、失調、けいれん、運動麻痺などを起こします。フルオロウラシル(5-FU)などのフッ化ピリミジン系製剤も亜急性白質脳症を起こします。ビンカアルカロイド系のシスプラチンは末梢神経の代謝を損い、感覚・運動・自律神経障害が生じることがあります。

(執筆者:脳神経センター大田記念病院院長 栗山 勝)

おすすめの記事

抗悪性腫瘍薬による神経障害に関する医師Q&A