圧迫性視神経症
あっぱくせいししんけいしょう
- 眼科
- 診療に適した科
圧迫性視神経症とは?
どんな病気か
眼球から後方に延びる視神経が、頭蓋内の視交叉に至るまでの間に何らかの病変により圧迫を受け、視神経線維に直接的な圧迫や循環障害が起こり、視力・視野障害が起こった状態です。片眼に慢性、かつ進行性の視力・視野障害が起こります。
原因は何か
眼窩内の腫瘍(図65)や、甲状腺機能異常に伴う外眼筋の腫大(甲状腺眼症)、副鼻腔の占拠性病変(蓄膿手術後の嚢胞、悪性腫瘍など)、頭蓋内腫瘍(髄膜腫、頭蓋咽頭腫など)、頭蓋内内頸動脈瘤や内頸動脈硬化症などによる視神経の圧迫が原因として報告されています。副鼻腔病変による圧迫性視神経症は、鼻性視神経症や鼻性視神経炎と呼ばれることもあります。
症状の現れ方
一般には、片眼に数カ月にわたってゆっくりと進行する、無痛性の視力低下・視野異常として起こります。ゆっくりと進行すること、痛みがないことが他の視神経症と比較して特徴的です(ただし、副鼻腔の腫瘍の場合は痛みを伴うことが多い)。眼窩内の病変による場合は、眼球突出を伴うことがあります。
中心視力が低下することが多いのですが、視野狭窄のみで視力は低下しないこともあります。視野異常も中心が見えにくくなる中心暗点から、耳側もしくは鼻側半分が見えにくくなる半盲性障害までさまざまです。
検査と診断
眼底検査では、進行すれば視神経乳頭に萎縮所見を示しますが、多くの場合は異常はありません。片眼性の場合は、瞳孔の対光反応に左右差があることが特徴的で、診断上重要です。
症状・経過・眼底および視野検査・瞳孔反応などから圧迫性視神経症が疑われる場合、確定診断にはCT・MRIなどの画像診断が必須になります。動脈瘤など血管性病変が疑われる場合は、MRアンジオグラフィ(MRA)や脳血管造影が必要になります。
また蓄膿の手術歴があるか、甲状腺疾患を指摘されたことがあるかなど、十分な病歴聴取も診断の一助になります。
治療の方法
基本的には原疾患の観血的治療(手術など)が原則となり、脳外科や耳鼻科などと連携した治療が必要です。術後は、神経の保護目的でビタミンB12製剤(メチコバール)を内服することがあります。
病気に気づいたらどうする
多くは片眼性・無痛性で、急激発症の形をとらないため、たまたま片眼を閉じてみたら見えにくいことに気づく場合がほとんどです。
ゆっくりではあるものの慢性進行性である点が重要で、そのような場合はできるだけ早く眼科で精密検査を受ける必要があります。
まず、眼科で視機能低下の原因となるような病変が眼内にないことを確認のうえ、画像診断を受けることと、耳鼻科や脳外科などとの連携が重要です。
視神経障害に関連する可能性がある薬
医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、視神経障害に関連する可能性がある薬を紹介しています。
処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。
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メドロール錠2mg
副腎ホルモン剤
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コートリル錠10mg
副腎ホルモン剤
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水溶性プレドニン10mg
副腎ホルモン剤
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プレドニゾロン錠1mg(旭化成)
副腎ホルモン剤
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フルオレサイト静注500mg ジェネリック
その他の診断用薬(体外診断用医薬品を除く。)
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オルガドロン注射液1.9mg
副腎ホルモン剤
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デカドロン注射液1.65mg
副腎ホルモン剤
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ケナコルト-A筋注用関節腔内用水懸注40mg/1mL
副腎ホルモン剤
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リンデロン散0.1%
副腎ホルモン剤
・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。
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