出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
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尖圭コンジローマ
せんけいこんじろーま

もしかして... 子宮頸がん  梅毒  いぼ  陰茎がん

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尖圭コンジローマとは?

どんな病気か

 生殖器、とくに陰茎にできる良性の腫瘍で、ウイルスによって広まる性行為感染症のひとつです。女性では、原因のウイルスと子宮頸がんとの関連が推定されています。

原因は何か

 性行為によって広まるヒトパピローマウイルス(HPV)6型、11型の感染により引き起こされます。このウイルスに感染した人がすべてすぐに発症するわけではなく、ウイルスが体内に潜んでいるだけの人がかなりいるといわれています。そのため、うつされた相手がはっきりしない場合も多くみられます。

症状の現れ方

 陰茎、亀頭の皮膚にできる無痛性の腫瘍です。もろくて軟らかく、乳頭状に発育し、多発するとカリフラワー状を示します。まれには尿道粘膜に生じることもあり、肛門周囲の皮膚や口腔にできることもあります。いったん治療して消えても、ウイルスが皮下に潜んでいて再発を繰り返すことがよくあります。

検査と診断

 梅毒でみられる扁平コンジローマと違って先のとがったおできで、多発すると鶏冠状を示すため、多くは見た目で判定できます。判断が難しい場合は、一部を切除して顕微鏡検査で判定します。

治療の方法

 5-FU軟膏、尿素軟膏などの塗り薬も効果があるといわれていますが、一般的には液体窒素による凍結凝固、レーザー、電気メスによる焼灼(焼き切る)などが有効です。大きかったり、多発、再発する場合はまわりの皮膚を含めて切除します。

 これらの治療によって一時的に腫瘍は消えますが、ウイルスは周囲の皮膚に潜んでいるため20~50%の再発率があると報告されています。

病気に気づいたらどうする

 正常の陰茎にも1~2mmの小さないぼのようなぶつぶつがみられることがありますが、これは治療の必要はありません。

 しかし、陰茎にできる腫瘤(おでき)には悪性のものや性行為でうつるものまでさまざまなものがあり、気になるおできを見つけたら、一度皮膚科か泌尿器科にかかるほうがよいでしょう。診断が確定したらきちんと治るまで性行為はひかえるか、コンドームを使用してください。

尖圭コンジローマと関連する症状・病気

(執筆者:神奈川県立がんセンター泌尿器科医長 岸田 健)

尖圭コンジローマに関連する可能性がある薬

医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、尖圭コンジローマに関連する可能性がある薬を紹介しています。

処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。

・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。

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