出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
すべて
病名
 × 

陰茎形成性硬結症
いんけいけいせいせいこうけつしょう

もしかして... 陰茎がん

つぶやく いいね! はてなブックマーク

陰茎形成性硬結症とは?

どんな病気か

 30~50代に多く、陰茎海綿体を包む白膜という結合組織に瘢痕(硬いすじ状の組織)ができることより勃起時に陰茎が屈曲してしまう病気です。別名パイロニー病と呼ばれています。

原因は何か

 原因はまだよくわかっていません。何らかの炎症反応によって、瘢痕が形成されるといわれています。

症状の現れ方

 陰茎の皮膚のなかに硬いしこりを触れます。陰茎の陰嚢と反対側の面にできることが多くみられます。平常時は痛くもかゆくもありませんが、勃起した時に陰茎が瘢痕のできた側に曲がってしまい、痛みを伴うことがあります。曲がり具合にもよりますが、性交時に挿入不能になってしまいます。

検査と診断

 特徴的な症状と触診所見で診断がつきます。

治療の方法

 発症直後には炎症を抑える薬が使われます。超音波治療、ステロイド薬注入、コラーゲン分解酵素注入などが試みられていますが、あまり有効ではないようです。痛みがある時に放射線照射が有効という報告もあります。のみ薬としては、ビタミンEの内服が有効とされています。

 性交渉に障害が出るような場合、本人が希望すれば手術を行います。硬化した陰茎海綿体の白膜を切除し、欠損部には皮膚の移植を行います。

病気に気づいたらどうする

 悪性の病気ではないので命に関わることはありませんが、性生活に支障を来すようであったり、他の病気、たとえば陰茎がんなどとの見極めが困難な場合は、泌尿器科に相談してください。

(執筆者:神奈川県立がんセンター泌尿器科医長 岸田 健)

おすすめの記事

陰茎形成性硬結症に関する医師Q&A