カテコールアミン執筆者:昭和大学病院医学部医学教育推進室教授 高木 康/昭和大学横浜市北部病院病院長 田口 進

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医師が使う呼び方:「アド」「ノルアド」

カテコールアミンの基準値

血中尿中
アドレナリン0.12ng/ml以下15μg/日以下
ノルアドレナリン0.05~0.40ng/ml10~150μg/日
ドーパミン0.20ng/ml以下100~700μg/日

褐色細胞腫をチェック

 カテコールアミンは副腎髄質(ふくじんずいしつ)から分泌されるホルモンで、交感神経支配臓器に作用して血圧を上昇させたり、肝臓でのグリコーゲンの分解を促進して血糖を上昇させるなどの役割があります。

 カテコールアミンには、アドレナリン(エピネフリン)、ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)、ドーパミンなどが含まれます。

 顔面蒼白、動悸、頻脈(脈が速いこと)、めまい、発汗、頭痛、呼吸困難、手足の冷感、吐き気、嘔吐(おうと)、高血圧などの症状を発現する褐色細胞腫(かっしょくさいぼうしゅ)の疑いがあるとき、このホルモンを調べます。褐色細胞腫は、副腎髄質などに腫瘍のできる病気で、カテコールアミンが高値になります。

検査値からの対策

 薬剤を使用している場合には、最低限1週間の休薬後に再検査をします。褐色細胞腫の臨床症状は非常に多彩であり、単なる不安感や腹痛しか症状が出ない場合もあるため、境界値の場合であっても経過を観察し続ける必要があります。

 腫瘍が検出された場合には、ただちに手術により摘出します。

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疑われるおもな病気などは

  • 高値

    褐色細胞腫、本態性高血圧
  • 低値

    特発性起立性低血圧
出典:四訂版 病院で受ける検査がわかる本 2014年7月更新版