女性ホルモン執筆者:昭和大学病院医学部医学教育推進室教授 高木 康/昭和大学横浜市北部病院病院長 田口 進

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医師が使う呼び方:「エストロゲン」「プロゲステロン」

女性ホルモンの基準値

エストロゲン(尿検査)プロゲステロン(血液検査)
男性2~20μg/日0.4ng/ml以下
女性卵胞期3~20μg/日0.1~1.5ng/ml
排卵期10~60μg/日2.5~28.0ng/ml
黄体期8~50μg/日5.7~28.0ng/ml(黄体中期)
閉経期10μg/日以下0.2ng/ml以下

卵巣や黄体、胎盤の機能などをチェック

 エストロゲン、プロゲステロンともに卵巣から分泌される女性ホルモンです。

 エストロゲンは、女性の第二次性徴の発現、生殖機能維持や卵胞の成熟、排卵促進、子宮内膜の増殖などの性周期の前半を維持する役割を果たしています。

 一方、プロゲステロンは、卵胞発育の抑制などの性周期後半の維持、子宮内膜の肥厚、妊娠持続作用などの役割を果たしています。

 これらのホルモンは、卵巣や黄体、胎盤の機能を調べるときに検査します。

検査値からの対策

 エストロゲンやプロゲステロンの値は、性差・個人差・年齢別変動・月経周期変動が極めて大きいため、これらを考慮して解釈しています。

 すなわち、1回の測定で診断を行うのでなく、日をかえて何回か測定し、その測定値を総合的に判定します。

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疑われるおもな病気などは

  • エストロゲン

  • 高値→エストロゲン産生腫瘍、先天性副腎酵素欠損症

  • 低値→卵巣機能不全、黄体機能不全

  • プロゲステロン

  • 高値→排卵誘発剤使用

  • 低値→卵巣機能不全、黄体機能不全

出典:四訂版 病院で受ける検査がわかる本 2014年7月更新版