脳腫瘍執筆者:昭和大学病院医学部医学教育推進室教授 高木 康/昭和大学横浜市北部病院病院長 田口 進

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 脳腫瘍はその発生部位から、脳の実質内に発生するものと脳の実質外に発生するものとに分けられます。脳実質内に発生する腫瘍のほとんどが悪性で、神経膠腫(こうしゅ)(グリオーマ)、髄芽腫(ずいがしゅ)、胚(はい)細胞腫などがあります。脳実質外に発生する腫瘍としては、髄膜(ずいまく)腫、下垂体腺腫、脳神経鞘腫(しょうしゅ)などがあり、ほとんどが良性です。

おもな症状

 腫瘍があることによる頭蓋(ずがい)内圧の亢進(こうしん)症状として、頭痛、吐き気など。さらに、腫瘍が発育したり圧迫する部位の脳機能低下による片まひ、失語症、記憶障害、脳神経まひなどが現れます。

手順

①頭部CT/MR/PET-CT

②頭部血管造影

 検査項目はおもなものを示してあります。また手順は、症状やがんの状態などによっては順序がかわることがあります。

問診とCT、MRでほとんどわかる

 何らかの症状を訴えて受診した場合、専門医が問診すれば、ある程度の見当がつきます。脳腫瘍が疑われた場合は、頭部CTやMRがスクリーニング(ふるい分け)検査として行われます。ほとんどはこの段階で腫瘍の有無を判別することが可能です。

 また、造影剤を使ったCTと使わないCTの画像を比較することで、その腫瘍の性質や広がり具合も診断することができます。その他、頭部血管造影によって血管の様子を観察し、診断することも重要です。

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出典:四訂版 病院で受ける検査がわかる本 2014年7月更新版