好中球減少症
こうちゅうきゅうげんしょうしょう
好中球減少症とは?
どんな病気か
好中球は白血球の構成成分の一種で、主に細菌や真菌(かび)に対しての感染を防ぐはたらきをしています。さまざまな原因で好中球が減ることにより、細菌や真菌の繰り返す感染や重症化が起こります。
原因は何か
好中球自体に原因がある内因性(先天性好中球減少症や周期性好中球減少症など)、細胞外の原因による外因性(免疫性好中球減少症や薬剤性、感染症に伴うもの)、好中球減少を合併するシュバッハマン・ダイアモンド症候群や先天性角化異常症などによるものなど、さまざまな原因で好中球が減ります。
症状の現れ方
繰り返す発熱、口内炎や口腔内潰瘍、皮膚感染症などで疑われます。
検査と診断
一般的には末梢血中の好中球数が1500/μL未満の状態と定義されますが、臨床上で易感染性(感染しやすい)を示して問題になるのは、500/μL未満の場合です。ただし周期性好中球減少症が疑われる場合には、約21日の周期で好中球が減るため、計画的な複数回の末梢血検査が必要です。
また、他の疾患を除外したり好中球系の低形成や成熟障害を確認するために、骨髄検査も必要になることがあります。好中球エラスターゼ遺伝子の変異が、先天性好中球減少症では約70%、周期性好中球減少症ではほとんどの患者さんに認められています。
治療の方法
①感染症の予防と治療
イソジン含嗽(うがい)や皮膚の清潔を保ち、感染の予防を心がけます。一部の疾患ではST合剤(バクタ、バクトラミン)の定期的な内服が有効です。感染症を起こした場合には、早期に、適切な抗生剤の投与が必要になります。
②顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)
先天性好中球減少症に対してはG-CSF製剤投与の有効性が確認されています。しかし、G-CSF投与によると考えられる二次性骨髄異形成症候群や急性骨髄性白血病が約10%の症例に発症したという報告があり、注意深く経過観察する必要があります。
先天性好中球減少症で、G-CSF投与に反応せず重症の感染症を繰り返す場合や、骨髄異形成症候群を発症した場合には、根治療法として造血幹細胞移植も選択肢のひとつになります。
好中球減少症に関連する可能性がある薬
医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、好中球減少症に関連する可能性がある薬を紹介しています。
処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。
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タゾピペ配合静注用2.25「DSEP」 ジェネリック
主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
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メロペネム点滴静注用0.5g「日医工」 ジェネリック
主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
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ジーラスタ皮下注3.6mg[造血幹細胞の末梢血中への動員]
その他の血液・体液用薬
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イトリゾール内用液1%
その他の化学療法剤
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グラン注射液75[抗がん剤または血液の病気による好中球減少症]
その他の血液・体液用薬
・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。
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