偽性副甲状腺機能低下症
ぎせいふくこうじょうせんきのうていかしょう
もしかして... 甲状腺機能低下症 無月経 特発性副甲状腺機能低下症
偽性副甲状腺機能低下症とは?
どんな病気か
副甲状腺ホルモン(PTH)の十分な生成はあるものの、腎でのPTHに対する反応が低下しているために低カルシウム血症、高リン血症を来すものです。
原因は何か
腎尿細管のGs蛋白の異常などPTHの機能の発現に必要な遺伝子の異常が考えられています。
症状の現れ方
低カルシウム血症の症状として、しびれ感、テタニー、けいれん(すべての形)、喉頭けいれん・気管支けいれん、歯牙発育障害などがあります。甲状腺刺激ホルモン(TSH)や性腺刺激ホルモン(LH、FSH)に対する不応症を合併し、甲状腺機能低下症や無月経などの性腺機能不全を示す場合もあります。タイプIa(後述)では、円形顔貌、低身長、第4中手骨の短縮、皮下骨腫などのアルブライト骨異栄養症(AHO)が認められます。
検査と診断
血液検査で低カルシウム血症(アルブミン補正値8・5mg/dL未満)、高リン血症(4・5mg/dL以上)があり、インタクトPTHが30pg/ml以上なら本症が疑われます。確定診断にはエルスワース・ハワード試験を行い、その結果でタイプIa、Ib、IcとタイプIIの4型に分類されます(表24)。
タイプIaでは大脳基底核の石灰化がCTスキャンでよく認められます。AHOを認められても低カルシウム血症のないものは、偽性偽性副甲状腺機能低下症と呼ばれます。
治療の方法
テタニーやけいれんを起こしている時には、カルシウム製剤(カルチコール)を静脈注射により投与します。明らかな症状がなければ、活性型ビタミンD製剤のアルファカルシドール(アルファロール、1~2μg/日)やカルシトリオール(ロカルトロール0・5~1μg/日)の内服が行われます。
病気に気づいたらどうする
内分泌疾患の専門外来をもつ小児科を受診します。
偽性副甲状腺機能低下症と関連する症状・病気
副甲状腺機能低下症に関連する可能性がある薬
医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、副甲状腺機能低下症に関連する可能性がある薬を紹介しています。
処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。
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アルファカルシドールカプセル0.25μg「フソー」 ジェネリック
ビタミンA及びD剤
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フルスタン錠0.15
ビタミンA及びD剤
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カルシトリオールカプセル0.25μg「BMD」 ジェネリック
ビタミンA及びD剤
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ワンアルファ錠0.25μg[骨粗鬆症、慢性腎不全]
ビタミンA及びD剤
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ホーネル錠0.3
ビタミンA及びD剤
・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。
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