前庭神経炎
ぜんていしんけいえん
- 耳鼻咽喉科
- 診療に適した科
前庭神経炎とは?
どんな病気か
片側内耳の前庭器官が急激に障害され、突発的にめまいが起こる病気です。
原因は何か
原因は不明ですが、めまいが起こる前に、かぜのような症状があることが比較的多いので、ウイルスなどの感染が原因として考えられています。
症状の現れ方
激しい回転性のめまいが急に起こり、普通それが数日~1週間程度続きます。めまいには、吐き気や嘔吐、冷や汗を伴いますが、難聴や耳鳴りなどの聴覚の症状を伴わないのが特徴です。
めまいはその後、少しずつ軽くなっていきますが、発症から1週間程度は歩行に困難を感じます。めまいは発症から3週間くらいでほぼおさまりますが、体を動かした時や歩く時のふらつきは、しばらくは持続するのが一般的です。時には6カ月くらいたってもふらつきが持続することがあります。
治療の方法
安静と薬による治療が主体になります。早期に治療すれば、一度障害を受けた前庭機能が回復することがあります。このような時には、比較的早くめまいが軽くなります。
しかし、早期の治療にもかかわらず、症状がだらだらと長く尾を引くことがあります。このような時は、その状態に早く慣れるためにも、めまいに対するリハビリテーションが必要になります。
病気に気づいたらどうする
早期の診断と治療が必要です。他のめまいを起こす病気との区別も早くしなければなりません。できるだけ早く専門医の診察を受けてください。
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コラムめまいの検査
①眼振の検査
めまいがする時に、患者さんは天井などのまわりの景色がぐるぐる回っていると訴えます。この時、実際に天井が回っているのではなく、眼球のほうが回っているためそう見えるのです。この眼球の動きを眼振といいます。
眼振をよく観察するためには「フレンツェルの眼鏡」を使います。この眼鏡は強い凸レンズです。そのため、まわりのものがぼやけてよく見えず、視線を固定することができなくなります(非注視状態)。この状態では弱い、かすかな眼振も観察しやすくなります。
耳が原因の眼振の多くは水平性、あるいは水平回旋混合性の眼振です。この時、眼球はゆっくりと右あるいは左に動いたあと、急速に反対に動いて元の位置にもどります。この動きを繰り返しています。
一方、垂直性の眼振がみられる場合などは中枢性(脳、とくに小脳、脳幹)のめまいの特徴で、すぐにCTやMRIなどの検査が必要となります。このように眼振の詳しい観察は、めまいの原因を知るうえで非常に重要なものです。
②温度眼振検査
ヒトの外耳道に冷たい水や温かいお湯を入れると、内耳の三半規管が刺激されて眼振が起き、また、めまいが起こります。この眼振の続いている時間(正常では約2~3分)や眼振の速度から、三半規管の機能がどのくらい保たれているかがわかります。
もし反応がまったくなければ、内耳(半規管)の機能をほとんど失っていると考えられます。前庭神経炎では、この反応が高度に低下します。メニエール病では初期のうちは正常のことが多いのですが、めまい発作を繰り返しているうちに、徐々にはたらきが落ちてきます。薬物などによる前庭機能高度低下例では、この反応が耳の両側とも高度に低下し、結果として常時ふらつきが起こることになります。
③瘻孔症状検査
耳を押さえたり、耳たぶを引っ張ると、めまいがすると訴える患者さんが時々います。このような患者さんの外耳道に陽圧や陰圧の刺激を与えると、めまいが起こり、眼振がみられます。このような症状を瘻孔症状といい、その有無を調べる検査を迷路瘻孔症状検査といいます。
慢性中耳炎、とくに真珠腫性中耳炎でよく起こりますが、鼓膜に穴があいていなくても、先天性梅毒、メニエール病、外リンパ瘻などでまれにみられることがあります。一般的には、「ポリツェルのゴム球」を外耳道に密着させ、ゴム球を圧迫して陽圧刺激を加え、次いで陥没したゴム球が元の形にもどることにより陰圧刺激を加えます。眼振の観察はフレンツェル眼鏡下で行ったり、電気眼振計に記録したりします。
61歳の母の事なんですが、先に母の持病を書きます(乳がん、高血圧、糖尿病、脳梗塞、動脈硬化症) 今年…