鼻茸
はなたけ
- 耳鼻咽喉科
- 診療に適した科
鼻茸とは?
どんな病気か
副鼻腔粘膜または鼻腔粘膜から生じる炎症性増殖性の腫瘤で、形は、茎を有する洋梨状、釣り鐘状で、みずみずしく浮腫状のものから、発赤があるもの、線維性のものなど、多種多様です。また、単房性のもの、多房性のもの、鼻腔内を充満するもの、さらには後鼻孔方向に発育する後鼻孔鼻茸もあります(図5)。鼻ポリープとも呼ばれています。
原因は何か
鼻茸の発症の原因は単一なものではなく、種々の因子が関与しているものと考えられています。しかし、鼻茸は副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、気管支喘息の症例での合併が多いため、感染とアレルギーが原因として最も有力です。
各病気における鼻茸の合併率を表2に示します。
症状の現れ方
鼻茸をもつ患者さんで、最も頻度の高い症状が鼻づまりです。鼻づまりが両側にわたって高度な場合は両側性鼻茸、あるいは後鼻孔ポリープも疑うべきです。次いで頻度の高い症状は嗅覚障害、鼻汁、後鼻漏、頭痛です。また、喘息、アレルギー性鼻炎が合併する場合には、それぞれの症状が伴います。
検査と診断
まず、問診でアレルギー性鼻炎の有無、気管支喘息の合併の有無、アスピリン過敏性の有無をチェックします。診断は、鼻腔ファイバー(内視鏡)による検査が基本です。通常は、中鼻道から鼻茸が発生しているのが観察されます。また、内視鏡を用いて後方や上方にも鼻茸がないかどうかを観察します。非常にみずみずしい、高度に浮腫状の鼻茸は、アレルギーの関与がある症例に多い傾向があります。
また、鼻汁の性状が膿性であるか、粘性であるか、水様性であるかを観察します。さらに、鼻副鼻腔X線やCTなどの画像診断、鼻汁細菌検査、アレルギー検査も行います。これらの検査で、その鼻茸が感染性のものか、あるいはアレルギー性の要素が強いかが推定されます。
治療の方法
鼻茸の治療の目的は、鼻づまりや嗅覚障害といった鼻茸そのものによる症状を改善することです。次いで後鼻漏や鼻漏、頭重感、睡眠呼吸障害などの付随症状も改善します。さらに、下気道の病気を合併している場合は、鼻呼吸を可能にすること、あるいは後鼻漏が軽減することによって呼吸機能の改善が得られます。
全身的薬物療法としては、気管支喘息などの合併がなく、膿性あるいは粘膿性の鼻汁を伴う鼻茸の場合は感染型副鼻腔炎に伴う鼻茸の可能性が高いため、14員環系マクロライド(エリスロマイシンなど)の少量長期投与(マクロライド療法)を行います。また、アレルギー要素の強いと思われる鼻茸、あるいは喘息の合併する鼻茸に関しては、抗アレルギー薬の内服、ステロイド薬の点鼻が行われます。
保存療法で効果が得られない場合は、手術療法が選択されます。単なる鼻茸切除だけでは高率に再発を起こすため、内視鏡下で鼻内副鼻腔手術を行って病巣を除去します。
鼻茸に関連する可能性がある薬
医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、鼻茸に関連する可能性がある薬を紹介しています。
処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。
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水溶性プレドニン10mg
副腎ホルモン剤
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プレドニゾロン錠1mg(旭化成)
副腎ホルモン剤
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オルガドロン注射液1.9mg
副腎ホルモン剤
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デカドロン注射液1.65mg
副腎ホルモン剤
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ケナコルト-A皮内用関節腔内用水懸注50mg/5mL
副腎ホルモン剤
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リンデロン注20mg(0.4%)
副腎ホルモン剤
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デキサート注射液3.3mg ジェネリック
副腎ホルモン剤
・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。
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鼻茸手術の説明わかりやすく、入院時対応も丁寧
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私はまさき先生が共済病院の耳鼻科にいらっしゃる頃、鼻茸の手術を先生の執刀で受けましたが、実に見事でした。 的確な判断力と手先の正確さがすごいです。 周りの看護婦さんからも、この手術でこれほど出血が少… 続きをみる
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気さくで頼れる感じの先生。医者嫌いな私でも好感が持てました。
kijimunarさん 30~40代男性 2006年10月05日投稿
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