口腔カンジダ症
こうくうかんじだしょう
口腔カンジダ症とは?
どんな病気か
口腔内に常在するカンジダ菌という真菌が異常繁殖して起こる病気です。従来、お年寄りや免疫力が低下した状態の人がかかる病気と思われてきましたが、最近では単に唾液分泌低下や、義歯の清掃不良といった局所の要因でも発症することがわかってきました。
原因は何か
カンジダ菌(主としてカンジダ・アルビカンスという菌)の感染で生じます。長期間の抗菌薬による菌交代現象、生体の抵抗力の低下が感染の要因となるため、抗アレルギー薬、免疫抑制薬、抗がん薬、ステロイド薬の投与を受けている人などで生じるほか、口腔や義歯の清掃不良、唾液分泌低下なども関連します。通常、高齢者や幼児に起きますが、エイズなどの免疫抑制状態では若い人の口のなかにもみられることがあります。
症状の現れ方
口腔に、ぬぐうと取れる白い苔状のものができる場合(偽膜性)(図5)と、白苔がなく粘膜が赤くなる場合(萎縮性)(図6
)とがあります。従来、カンジダ症というと偽膜性が代表でしたが、最近では萎縮性が増えています。
萎縮性は飲食時に舌にヒリヒリとした痛みがあるのが特徴です。ほかに義歯の下の粘膜が赤くなる、両側の口角が切れる、苦味や違和感を感じるなどの症状があります。
検査と診断
白苔を生じる偽膜性は、視診により診断は容易ですが、白苔がなく粘膜が発赤、萎縮する萎縮性は、舌痛症や、鉄、亜鉛、ビタミンB12などの欠乏による特殊な舌炎との鑑別が必要になるため、血液検査によるこれらの判定と、カンジダ菌を証明するための培養検査や顕微鏡検査を行います。
治療の方法
抗真菌薬であるうがい薬、塗り薬、内服薬を使用することで一般にはよく効きますが、それぞれの薬の使用方法をよく守ることが大切です。
また、日頃から舌を主体とした口腔粘膜の清掃を心がけ、義歯の正しい清掃や管理、口腔乾燥がある場合には唾液分泌や口腔の保湿を促す口腔ケアが重要です。
病気に気づいたらどうする
適切な口腔ケアを行っても症状が改善しない場合は、前述の薬剤を使用する必要がありますので、口腔内科、口腔外科などで治療を受けてください。全身状態が悪い場合は、口腔カンジダ症を放置することで肺炎などの深部感染症を起こす危険が高まるため、注意が必要です。
カンジダ症に関連する可能性がある薬
医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、カンジダ症に関連する可能性がある薬を紹介しています。
処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。
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ジフルカンドライシロップ350mg
その他の化学療法剤
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フロリードF注200mg
その他の化学療法剤
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ニゾラールクリーム2%
寄生性皮ふ疾患用剤
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テルビナフィン錠125mg「サンド」 ジェネリック
その他の化学療法剤
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ファンガード点滴用25mg
主としてカビに作用するもの
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イトリゾール内用液1%
その他の化学療法剤
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アンコチル錠500mg
その他の化学療法剤
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アスタット軟膏1%
寄生性皮ふ疾患用剤
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エンペシドクリーム1%
寄生性皮ふ疾患用剤
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マイコスポールクリーム1%
寄生性皮ふ疾患用剤
・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。
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