環状紅斑
かんじょうこうはん
もしかして... シェーグレン症候群 亜急性皮膚エリテマトーデス ライム病 虫刺症
環状紅斑とは?
どんな病気か
輪状あるいは環状の形をした紅斑を示す皮膚病の総称です。
原因は何か
リウマチ・膠原病に伴うもの(リウマチ性環状紅斑、シェーグレン症候群、亜急性皮膚エリテマトーデス)、ライム病(ボレリアというスピロヘータの感染症)による慢性遊走性紅斑、内臓の悪性腫瘍に伴うもの、妊娠に伴うもの、虫刺症によるもの、原因不明の遠心性環状紅斑、遠心性丘疹性紅斑など、多様です。
症状の現れ方
環状紅斑の生じる部位、広がる速度、鱗屑(薄皮のむける状態)、かゆみの有無などの違いだけでは、どの皮膚病による環状紅斑なのかの判断は困難です。ただし、木目状あるいは年輪状を示す場合は、匍行性迂回状紅斑と呼ばれ内臓の悪性腫瘍による可能性が大です。病気によっては皮膚以外の症状を伴うことがあります。
検査と診断
症状の現れ方と皮膚生検(皮膚を数mm切り取って行う病理組織検査)から、どの病気に該当するのかの見当がつきます。リウマチ・膠原病であれば血液検査で自己抗体を、シェーグレン症候群であれば涙液や唾液の出方を検査します。
内臓の悪性腫瘍が疑われる場合は、全身の精密検査が行われます。
治療の方法
原因がわかった場合は、その病気の治療が行われます。たとえば、ライム病による慢性遊走性紅斑であれば、テトラサイクリン系(ミノマイシンなど)またはペニシリン系抗菌薬(パセトシンなど)を2~4週間、内服投与します。
原因不明や原因を取り除くことができない場合は、症状を軽くするために副腎皮質ステロイド薬の外用または内服が、かゆみが強い場合は抗ヒスタミン薬(アタラックスなど)の内服がある程度は有効です。
病気に気づいたらどうする
まず皮膚科専門医を受診し、原因を調べる検査を受けてください。もとになる病気によっては、内科や各専門科での検査や治療も必要になります。
紅斑症に関連する可能性がある薬
医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、紅斑症に関連する可能性がある薬を紹介しています。
処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。
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トランサミンシロップ5%
止血剤
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アルメタ軟膏
鎮痛,鎮痒,収斂,消炎剤
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水溶性プレドニン10mg
副腎ホルモン剤
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ソル・コーテフ注射用100mg[注射剤]
副腎ホルモン剤
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メドロール錠2mg
副腎ホルモン剤
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コートリル錠10mg
副腎ホルモン剤
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プレドニゾロン錠1mg(旭化成)
副腎ホルモン剤
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ベタメタゾンジプロピオン酸エステル軟膏0.064%「テイコク」 ジェネリック
鎮痛,鎮痒,収斂,消炎剤
・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。
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