出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
家族性良性慢性天疱瘡(ヘイリー・ヘイリー病)
かぞくせいりょうせいまんせいてんぽうそう(へいりー・へいりーびょう)
もしかして... 遺伝子診断
家族性良性慢性天疱瘡(ヘイリー・ヘイリー病)とは?
どんな病気か
中年以降に発症することが多く、腋の下や股など、こすれやすいところに水疱ができて、治りにくい病気です。
ATP2C1という遺伝子の変異で起こり、高温、多湿、摩擦、感染などで増悪します。
症状の現れ方
通常は中年以降に起こる病気で、摩擦などの起こりやすいところに水疱が生じ、じくじくと湿潤します。一度治ったように見えても、何度も反復するのが特徴です。
検査と診断
①皮膚をとって顕微鏡で検査する(皮膚生検)、②遺伝子診断の2種類がありますが、通常は①の方法で確定診断できます。
治療の方法
重症例ではステロイド薬を内服します。DDS(レクチゾール)が有効とする報告もあります。軽症から中等症では、ステロイド外用薬(塗り薬)を使用します。
病気に気づいたらどうする
高温、多湿を避けます。不潔にしないように気をつけ、こすれないように保護に努めます。
天疱瘡に関連する可能性がある薬
医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、天疱瘡に関連する可能性がある薬を紹介しています。
処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。
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ベトネベート軟膏0.12%
鎮痛,鎮痒,収斂,消炎剤
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献血ヴェノグロブリンIH10%静注0.5g/5mL
血液製剤類
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水溶性プレドニン10mg
副腎ホルモン剤
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デルモベートクリーム0.05%
鎮痛,鎮痒,収斂,消炎剤
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ソル・コーテフ注射用100mg[注射剤]
副腎ホルモン剤
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メドロール錠2mg
副腎ホルモン剤
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コートリル錠10mg
副腎ホルモン剤
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プレドニゾロン錠1mg(旭化成)
副腎ホルモン剤
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