腰痛の治療はオーダーメイド それぞれの人にあった治療で痛みの改善を目指す
[九州・沖縄] 2013年6月03日 [月]
労働者健康福祉機構 長崎労災病院
副院長・勤労者脊椎・腰椎センター長・小西宏昭先生
長崎大学医学部卒業。99年長崎労災病院・勤労者脊椎・腰椎センター長、02年より同院整形外科第一部長兼務、09年より現職。日本整形外科学会専門医、日本脊椎脊髄病学会外科指導医。日本脊椎脊髄病学会評議員監事、日本整形外科学会代議員、日本脊椎脊髄病学会メンバーシップコンプライアンス委員会委員長、日本職業性腰痛研究会幹事。
腰痛の治療はオーダーメイド
長崎県北部の基幹病院として、14名の常勤医師(専門医9名)で整形外科疾患の治療を行っている長崎労災病院。中でも小西先生は腰痛のスペシャリストとして、多くの実績を持っている専門医です。
「神経の通り道が狭くなり、痛みやしびれなどの症状が出る腰部脊柱管狭窄症は、多くが加齢に伴う変化として現われる疾患です。腰部脊柱管狭窄症と診断されると『やはり手術が必要なのでは?』と思われる患者さんも多くいらっしゃるのですが、整形外科の治療はオーダーメイドです。症状が悪いからと言って、必ずしも手術をしなければならないわけではなく、その方の困り具合や、今後どのような生活スタイルを希望されるかなどによって、患者さんご自身と相談をしながら、治療方針を決めることができます」
クリニカルパスで、復帰までの道のりが明確に
もし手術が必要になった場合でも、顕微鏡や内視鏡を用いた「低侵襲手術」という痛みなどをなるべく抑えた方法が取られるので、早期退院、早期回復を目指すことができます。
「当院ではクリニカルパスを採用しています。クリニカルパスとは、診療スケジュール表のことです。これによって、患者さんも入院に際し、どのような検査があり、いつ手術なのか、いつからリハビリを行うか、そしていつ頃退院できるかを把握することができます。そのため、患者さんたちからも『入院生活の不安が解消された』との声をいただきます。また、スケジュールがあることで復帰までの励みになるという方が多くいらっしゃいます」
自分自身の痛みを知ることが改善につながる
手術を行わない場合、痛みとうまく付き合っていく必要がありますが、小西先生は「患者さんの持つ不安を解消するためにも、痛みを数値化しておくことが大事」だと言います。
「痛みが長期化した場合、1年前の痛みの程度は覚えていないことが多いものです。ですからご自身の痛みを10段階評価にしてみて、最初は7くらいだったのが、薬を飲んだら5~6くらいになった、体を動かしたら8になったなど、自己申告で構いませんので数値化しておくと、どうしたら痛みが出るのかを把握し、予防することができます。また、これを医師に診せれば、診断の材料になり、より適切な診療を受けることができます。長期の痛みで悩んでいる方は、ぜひ一度試してみること、そして専門医を受診して適切な治療を受けることをおすすめします」
労働者健康福祉機構 長崎労災病院
公式サイト:http://www.na-robyo.jp/