腰痛や膝痛で治療中の方は要注意!ちゃんと伝えていますか?治療中の病気のこと、飲んでいるお薬のこと

[ニュース・トピックス] 2013年10月17日 [木]

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(この画像はイメージです)

 痛みの治療で整形外科を受診している患者さんには「ほかの病気を別の病院・クリニックで治療中」という方も少なくありません。初診時に渡される問診票にも「今現在、他の病気で通院・治療をしていますか?」というような質問を見たことがある方も多いでしょう。
 みなさんはその質問にキチンと回答していますか?また、お薬を処方される薬局で、ちゃんと別の病気のお薬について伝えていますか?QLife痛みでは、痛みの治療で整形外科に通う患者さんにアンケートを実施しました。その結果をご紹介します。

「痛むのは別の部分だから関係ない」は大間違い!
「飲み合わせ」で症状が悪化する危険性も!

 みなさんは整形外科の先生に、その他で通院中の病気の情報を伝えていますか?調査では、整形外科医に対して、治療中の痛み以外の疾患について、何らかの情報提供をした患者さんは77.3%だった一方、内科系医師に対して、痛みの治療について、何らかの情報提供をした患者は63.2%と差が出ました。
 「すべての治療の情報を伝えることは、あなたの健康を守ることになります」と語るのは、筑波大学附属病院光学医療診療部長の溝上裕士先生。
 「例えば、鎮痛剤として多く処方されているNSAIDsと呼ばれるお薬に関しては、炎症を抑える効果が高い一方、胃などに潰瘍を作ってしまう副作用があります。胃・十二指腸潰瘍で治療中の方がこのNSAIDsを服用すると、より潰瘍が進行してしまう場合があります」

整形外科に対して他の診療科目での治療内容を伝えたか
内科系医師に対して整形外科での治療内容を伝えたか

 「何も伝えていない」患者さんの割合をみると、「脂質異常症」「糖尿病」「気管支喘息」「高血圧」の患者さんで、整形外科医と内科系医師に対しての情報提供に差があることが分かりました。「例えば、高血圧と腰の痛み。この2つの病気自体には関連性が低いですが、それぞれで処方されるお薬によっては、症状が悪化する場合があります。“なんで整形外科に内科のこと伝えなければならないの?”と面倒がらずに、しっかりと“今、他にどんな病気を治療中なのか”を伝えましょう。もちろん、逆のパターンもそうです。積極的に伝えることが、結果的にあなたの健康を守ることになります」(溝上先生)

1か所のかかりつけ薬局&お薬手帳がベストな組み合わせ。
でも3人に2人がかかりつけ薬局が「無し」か「2つ以上」

 あなたの代わりにお薬の飲み合わせや相性をワンストップで管理してくれるのが、「かかりつけ薬局」です。
 「でも、かかりつけ薬局はなるべく1か所に集中した方が良い」と溝上先生。
 「かかりつけ薬局が複数に分散、もしくはかかりつけ薬局をもたないと、どんなお薬をこれまでのんできたか、今、他にどんなお薬をのんでいるか、が患者さん本人しか分からない状況になっていまします。例えば意識を失った時など、治療にあたる医師が、過去にどんな薬をのんでいたかなどを知りたい場合、特定のかかりつけ薬局があればすぐに解決します」

かかりつけの薬局はあるか かかりつけの薬局は何か所か

 7割の患者さんが、かかりつけの薬局が「ある」と回答しました。また、かかりつけ薬局の数について「1か所」と回答した患者さんが51.1%、「2か所」が42.4%となりました。ほっと一安心・・・ではありません!この2つの回答から、溝上先生の薦める「特定の1つのかかりつけ薬局がある」患者さんは全体のわずか35%しかいないことが分かりました。
 「それでも、お薬手帳にしっかりと記録し、どこの薬局であっても薬剤師さんにしっかりと見せることで、解決するので安心してください。気をつけなければいけないのは、お薬手帳を複数持っていても意味がありませんので、どこかのタイミングで情報を統合することが大事です。最後に強調しておきたい事があります。それは、『いかなる医療機関(歯科も含む)にかかる時にも、必ずお薬手帳を持参する』ことです」(溝上先生)
 まずは、お薬手帳をしっかりと見直し、常に持ち歩けるように準備しましょう!

溝上 裕士(みぞかみ ゆうじ)先生

1981年東京医科大学卒業、同年、兵庫医科大学第4内科入局。1991年国立加古川病院内科医長。 2007東京医科大学第5内科准教授。2011年筑波大学附属病院光学医療診療部長、病院教授。
・日本消化器病学会指導医、学会評議員、関東地方会評議員
・日本消化器内視鏡学会指導医、社団評議員、関東地方会評議員、関東地方会幹事
・日本消化管学会胃腸科認定医、専門医、代議員
・日本肝臓学会専門医
・日本リウマチ学会専門医

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