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[患者さんの相談事例] 2014/12/05[金]

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 現代の医療現場では、自分なりの判断や意思決定が求められます。患者側にだって、治療パートナー(医療者)と上手に対話して、疑問解消・意思伝達できるコミュニケーションスキルがあった方が良いですね。
 ここで紹介する「相談事例」は、患者側視点に基づくもので、実際にはもっと他の背景があったかもしれませんが、「私ならどうするか」を考えてみませんか?

患者さんから実際にあった電話相談

説明不足の担当医に不安が募り、手術を保留中です。別の医師に手術をお願いしたいのですが…。(76歳・男性)

 20年ほど前、少し動いただけで息切れするようになり、受診しました。その結果、不整脈が原因と診断されました。1分間の脈拍数は40回を切っていて、脈が遅い「徐脈」の状態だからと、ペースメーカーを入れました。これまでに1度、ペースメーカーを取り換える手術を受けましたが、ペースメーカーを入れてからは安定した生活を送っていました。
 しかし1年前、再びペースメーカーの取り換えが必要と言われました。以前、取り換え手術を受けたときには、ドクターから丁寧な説明があったので、妻と一緒に説明を受けて納得したうえで承諾書にサインしました。ところが今回、2年前から担当になっているドクターからは説明がなく、手渡された入院に関する書類一式のなかに手術の承諾書も入っていました。私は以前と同じ手術だからと安易に考えてしまい、あまり詳しく承諾書の内容を読まずにサインし、提出してしまったのです。
 ところが手術後、どうも体調が優れず確認したところ、これまでと異なるメーカーのペースメーカーが入っているとわかりました。さらに、これまでは1分間の脈拍数が50回になるような設定だったのに、今回は70回に設定されていたのです。それでこんなに苦しいのだとわかり、ドクターに回数を下げてほしいと頼んだのですが、「慣れてくるから」と応じてもらえませんでした。
 しかし、2か月経っても慣れませんでした。そこで、「せめて60回に下げてください」と書面にして受診時に提出したところ、ようやく対応してもらえ、今回のペースメーカーについての説明も受けることができました。ただ、ドクターは私の質問にしぶしぶ答えているという感じで、説明はとても納得のいくものではなく、さらに不安が増してしまいました。
 その後も、皮膚の感染症や器械のトラブルなど、ペースメーカーに関係する不具合が続き、結局、2か月経ってもう一度ペースメーカーを入れ換えることになりました。また、手術に際して検査を受けたのですが、新たに心臓が肥大していることもわかりました。体調が優れない原因はそこにあったのかもしれないと思ったのですが、ドクターはそのことも明確に説明してくれません。私は不安で、この病院で取り換え手術を受ける決心がつかず、いまは手術を保留している状態です。いまのドクターに代わってからの2年、どんなときに説明を求めても納得できる対応をしてもらえたことがありません。かといって、同じ病院で別のドクターにお願いするのは、気まずくなるので気が進みません。どうしたらいいのでしょうか。

より良いコミュニケーションを目指そう!患者さんこうしてみては・・・?
 マイナスの状況にあるときに、親身に向き合ってもらえなかったり、きちんと説明や対応をしてもらえなかったりすると、不安や不信感が増すのは当然だと思います。
 何度か担当のドクターが代わっているということからすると、いまのドクターもまた異動する可能性はあるかもしれません。20年の病歴を把握してもらっているという安心感を優先するなら、いまの病院で我慢しつつドクターとの関係構築の努力をするしかないかもしれません。しかし、それがどうにも我慢できず、同じ病院でドクターを代えるのも気が進まないとなれば、やはり別の医療機関に転院するしかないと思います。そのあたりをしっかりと考えたうえで、結論を出されることが大切だと思います。
より良いコミュニケーションを目指そう!医療機関さんこうしてみては・・・?
 やはり、どんな治療のときにも、事前の丁寧な説明は欠かせないと思います。まして、これまで入れていたペースメーカーと異なるメーカーのものを使用したり、設定を変更したりするのであればなおさらです。
 また、患者が不具合を訴え、説明を求めてきたときには、誠実に向き合う姿勢を示してもらえないと患者の理解、納得は得られません。丁寧な対応が求められると思います。
※写真はイメージです

この実例紹介とアドバイスのご提供は・・・


NPO法人
ささえあい医療人権センターCOML

理事長 山口育子

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