[身近な病気を知ろう ~QLife調査~] 2011/07/11[月]

いいね!つぶやく はてなブックマーク

 痔はごく一般的な病気であるにもかかわらず、恥ずかしさが先に立って、発症から受診まで数年以上かかる人も少なくない病気です。QLifeではアンケート調査を行い、痔の受診・治療にかかる実態を確認しました。
 それによると、痔の受診率は4割弱にとどまり、逆に誰にも相談せず一人で悩む人も4割強に上ることがわかりました。また、実際に治療を受けた人の満足度は痔の種類によって異なるが平均で6割、不満足度は1.5割。痔に関する情報は「インターネット」を参考にする人が多く、何も調べずに治療を受けた人は2割弱という結果になりました。

1.痔で悩んだことはありますか?最もあてはまるものを一つ選んでください。


(※クリックで拡大します)

痔になった(悩んだ)ことのある人は75.2%。年に1~数回という軽症の人が多くを占めるが、「月1、2回程度以上」悩むという本格的な罹患に限定すると、罹患経験率は26.0%であった。そのうちの半数以上(14.7%)が、今でも悩み続けている。性別では、男性の罹患経験率の方が若干高い。

2.(痔の未経験者のみ)「痔」に対して抱くイメージを教えてください。


(※クリックで拡大します)

多くの未経験者にとって痔は、「恥ずかしい」イメージを第一に抱くもののようだ。見られる恥ずかしさ(65.4%)に加え、知られる恥ずかしさ(50.4%)を持っている人も多い。特に女性にその傾向が強い。
一方で、「診察の/治療の/治療後の痛さ」や「治療期間が長い」といったイメージを抱く人も少なくないが、男女の間でポイント差は大きくない。

3.(痔の経験者のみ)あなたを悩ませる(悩ませた)痔の種類を教えてください。


(※クリックで拡大します)

どんな痔が多いのか、悩んでいる人に痔の種類を聞いたところ、「裂肛(きれ痔)」が48.9%と半数を占めた。「内痔核(いぼ痔)」と「外痔核(いぼ痔)」はほぼ同数。「痔ろう(あな痔)」は5.8%と少ない。また、複数の種類に罹患している人も少なくなく、平均で約1.2種類を経験している。
男女別では、裂肛は女性に多く、痔ろうは男性に多いという特徴がある。

4.(痔の経験者のみ)病院で痔の診断を受けたことがありますか。病院で痔の治療を受けたことがありますか。


(※クリックで拡大します)

(※クリックで拡大します)

痔になっても、きちんと病院で診断を受ける人は少ない。能動的な受診は28.7%に過ぎず、受動的な受診を含めても合計37.4%しかきちんと診断を受けていない。男性の方が、受診率は高い。
一方で治療率は、男性が32.0%、女性で25.5%であった。
診断を受けた人が治療に進む率は、全体で78%であった。

受診率、治療率を痔の種類別にみたところ、「裂肛」が最も低く、2割強の人しか自ら受診・治療をしていない。一方で最も高いのは「痔ろう」で、7割程度の人が受診・治療をしている。
診断を受けてから治療に進む率は、痔の種類別で大きな差は見られず、診断を受けた人の8割程度が治療を受けている。特に痔ろうは、89%の率で治療を受けている。

5.(痔の経験者のみ)痔に関して医師以外に相談したことはありますか?あてはまるものを全て選んでください。


(※クリックで拡大します)

43.7%の人が、医師以外の人に痔について相談をしていた。相手は「家族や親類」が圧倒的に多く、36.9%の人が相談している。
受診有無別でみると、「医師に相談する人は、医師以外にも相談する」傾向がある。
そして、「医師にも他人にも一切相談せずに独りで悩む人」が、全体の42%に上ることがわかった。

6.(悩んでいるのに治療経験ない人のみ)痔で悩んでも、病院で治療を受けない理由は何ですか。


(※クリックで拡大します)

医療機関で治療を受けない理由は、前出の“痔に対して抱くイメージ”と同様に、「見られる恥ずかしさ」が大きかった。ただし、「治療を受ける程でない」や「費用」を理由に挙げる人も多く、特に男性では「費用」が「知られる恥ずかしさ」を上回る。「その他」の具体的内容では、「市販薬で対応しているから」が最も多かった。

7.(痔の治療経験者のみ)どのような医療機関で「治療」を受けましたか?治療を最後に受けた医療機関を指して最もあてはまるもの一つ選んでください。


(※クリックで拡大します)

痔の治療を受ける医療機関は、専門の病院・クリニックが多い。57.4%と過半を占めた。

この記事を読んだ人は他にこんな記事も読んでいます。
記事の見出し、記事内容、およびリンク先の記事内容は株式会社QLifeの法人としての意見・見解を示すものではありません。
掲載されている記事や写真などの無断転載を禁じます。