横浜市立大学附属市民総合医療センター

専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域

横浜市立大学附属市民総合医療センターは、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。 ※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表

消化器病センター外科

分野

消化器・一般外科

特色

当消化器病センターは内科、外科が一体となり、診断から治療まで一貫して迅速に行われるように組織されている。良・悪性を問わず幅広く消化器疾患を対象に治療にあたっているが、癌の頻度が非常に高い。それぞれの患者様の癌の進行度に応じて、ガイドラインに準じ適切な治療法を選択する。すなわち、早期癌に対しては侵襲の少ない内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を施行し、外科手術でも従来の開胸・開腹術よりも患者様の負担が少ないとされる鏡視下手術を積極的に行っている。食道癌に対しては胸腔鏡補助下手術を、早期胃癌に対しては腹腔鏡下手術を、大腸癌に対しては直腸癌の一部を除き腹腔鏡下手術を原則として行っている。さらに、最近では肝胆膵領域の癌にも腹腔鏡下手術を導入しつつある。また、最新の臨床試験のデータをもとに抗癌剤治療も積極的に併用し、治療成績を向上させるべく、集学的治療を行っている。

症例数

ここ数年のの主な手術症例数は、食道癌30例、胃癌150例、大腸癌220例、肝臓癌(原発・転移)25例、膵臓癌10例、胆嚢・胆道癌5例、胆嚢結石症30例であった

食道癌=年間の手術症例数30例。stage(進行度)I、II、IIIの症例に対しては放射線化学療法か、あるいは鏡視下手術を患者様ご自身に選択してもらう。進行度IVの症例には、放射線化学療法を施行する。累積5年生存率は、stageI:87.3%、II:56.8%、III:31.0%、IV:13.4%であった

胃癌=年間手術症例数150例。うち、腹腔鏡補助下手術は70~80例。早期胃癌で分化型、潰瘍瘢痕のない粘膜癌では大きさに制限なくESDを施行し、潰瘍瘢痕のある粘膜癌では30mmまでの病変にESDを施行するが(消化器病センター内科)、その症例数は年間160~170例である。病変が漿膜浸潤なしと診断した場合には腹腔鏡下手術を選択し、浸潤ありと診断した場合には従来の開腹術を選択している。累積5年生存率は、stageIA:95.8%、IB:84.9%、II:74.7%、IIIA:48.4%、IIIB:39.7%、IV:22.1%であった

大腸癌=年間手術症例数は220例。拡大内視鏡検査によるピットパターンから病変の壁深達度を診断し、粘膜癌あるいは粘膜下層に1,000μmまで浸潤した癌では内視鏡的切除術を施行し、切除可能な大腸癌には腹腔鏡補助下切除術を第一選択としている。さらに、下部直腸癌に対しては、可能な限り肛門を温存できるよう括約筋温存術を採用している。累積5年生存率は、stage 0:91.6%、I:94.2%、II:84.5%、IIIa:77.5%、IIIb:67.6%であった

肝胆膵癌=年間手術症例数は約40例。癌の手術に加え、胆嚢結石症の手術も多い。いずれの手術も画像診断を駆使し、術前診断を正確に行い、過不足のない治療ができるよう心がけている。大腸癌からの転移性肝癌に対しては、安全な切除範囲を算出し、必要に応じて門脈塞栓術を追加するなどして多段階的に切除術を施行する。原発性肝癌、転移性肝癌の治癒切除後の累積5年生存率はそれぞれ51.7%、46.9%であった。膵癌の治癒切除後の累積5年生存率は14.0%であった

化学療法=消化器癌全般にわたる化学療法を積極的に施行している。入院治療では化学療法班をおき、集中的に高度な医療を提供できるように工夫している。さらに、外来化学療法室の設立とともに、外来においても高い治療効果が期待できる化学療法の確立を目指している。最近、保険適用が認められた抗癌剤感受性試験を積極的に行い、その後の治療に応用できるよう研究を重ねている。

医療設備

MRI、ヘリカルCT、DSA、各種電子内視鏡、超音波内視鏡、超音波、リニアック、心・腹部血管造影、腹腔鏡下手術装置、胸腔鏡下手術装置、骨密度、RIなど、最新の設備を整えている。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 〇
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 ×

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

呼吸器病センター内科

分野

呼吸器内科

特色

呼吸器疾患の幅広い領域で、高度かつ最新の医療を提供すべく、呼吸器内科を専門にする医師が、集学的医療を実践している

★大きな特色として、当呼吸器病センターでは、内科と外科が同じ外来スペースおよび同じ病棟で、それぞれの専門性を発揮しながら、一つの診療科として協力体制のもとに診療を行っており、大学病院としてはほとんど例を見ない理想的な環境が備わっている。したがって、内科に受診した場合でも手術の必要性がある場合は、速やかに外科の診療を受けていただくような対応がとられており、呼吸器内科と外科のいずれの領域の疾患かの判断がつかなくても、紹介していただくことが可能である

★呼吸器病センターは、日本内科学会・日本呼吸器学会・日本アレルギー学会・日本臨床腫瘍学会、日本呼吸器内視鏡学会、日本外科学会、日本胸部外科学会、日本呼吸器外科学会の認定施設となっており、呼吸器内科の専門医とともに4人の呼吸器外科の専門医が診療に当たっている。さらに、医師のみでなく、メディカルスタッフの充実を図り、患者さんに対する支援と指導を熱意を込めて行っている

★12年10月発行の週刊ダイヤモンド誌の特集「全国1196病院頼れる病院ランキング」において、横浜市立大学附属市民総合医療センターは、全国1位に選出された。呼吸器病センターも高度な医療と併せて、安心・安全の医療を提供することを常に心がけている。

症例数

外来患者数(呼吸器病センターとしての総数)は、年間約23,000人で、延べ入院患者数は年間約16,000人である。主な対象疾患は、気管支喘息、COPD (肺気腫および慢性気管支炎)、急性気管支炎・肺炎などの呼吸器感染症、間質性肺炎、睡眠時無呼吸症候群、気胸、そして手術の対象とならない肺癌等である。排菌のある肺結核を除くほぼすべての呼吸器内科疾患の診療を行っている。外来患者のうち約6割を気管支喘息およびCOPDが占め、入院においては、肺癌が大多数を占めている

肺癌=気管支鏡検査で大部分が確定診断に至り、さらに胸部CTおよびPET-CTまたは上腹部CT、頭部MRI、骨シンチなどで病期を確認し、全身状態や年齢を考慮して治療方針を決定している。臨床病期I期およびII期の症例では外科治療を優先している。III期症例、特に縦隔リンパ節転移や隣接臓器に直接浸潤している場合は、化学療法や放射線療法を先行させ、腫瘍の縮小が得られた場合に手術を行うことを原則としている。手術適応外と判断された場合には、放射線療法と化学療法を組み合わせたバランスのとれた集学的治療を行っている。また、外来化学療法室(16床)が完備しており、快適な環境において、通院で化学療法を受けることができる

喘息・COPD=国内外のガイドラインに従い、科学的根拠に基づいた治療を選択し、急性期および慢性期の管理を行っている。気管支喘息では、毎日のピークフローの測定、喘息日誌の記入を基本とした自己管理法を指導している。健康な人と変わらない日常生活が送れることを目標として、自己管理を徹底し、生活の質の向上とその維持を目指している。喘息のより良いコントロールを得るために、インパルスオシロメトリーを用いた末梢気道病変の評価や呼気中一酸化窒素(NO)濃度を指標とした気道炎症のモニタリングにより、個々の病態を詳細に分析して、きめ細やかなテーラーメイドの治療を行っている。また、慢性呼吸不全に対する在宅酸素療法(HOT)や非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)などの在宅医療も積極的に行っている

禁煙支援外来=禁煙補助薬を用いるだけでなく、時間にゆとりを持たせ、カウンセリングを中心にした「禁煙支援外来」を行っている(受診には、院内診療科からの紹介が必要)。

医療設備

CT、MRI、超音波検査、呼吸機能検査、インパルスオシロメトリーシステム、アストグラフ、呼気NO測定装置(SIEVERS Nitric Oxide Analyzerおよび NIOX MINO)、気管支鏡検査、気管支腔内超音波断層法、胸腔鏡検査、放射線治療装置(リニアック、ラルス)、外来化学療法室など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 〇
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

心臓血管センター

分野

循環器科

特色

心臓血管センターは循環器内科と心臓血管外科が一体となって診療を行い、24時間体制で循環器診療にあたっており、スタッフの充実した心臓血管外科との緊密な連携のもと手術適応も含め治療を行っている。病床数は、心臓血管センターとして77床で、このうちCCUが6床、循環器内科一般病棟が42床である

★循環器内科では、急性冠症候群をはじめとする虚血性心疾患、心不全、不整脈、心筋疾患、肺血栓塞栓症、末梢動脈疾患などを中心に診療をしている。循環器疾患の性格上、救急医療に特に力を入れている。例えば、急性心筋梗塞症例では来院から治療までが短時間に行われることが重要とされているため、24時間変わりない治療が受けられるよう体制を整えている。このため、来院から初回バルーン拡張までの時間(閉塞した冠動脈の血流を再開するまでの時間)は、夜間休日においても遅れることなくガイドライン等で推奨される時間内となっている

★当施設の治療スタンスはエビデンス(根拠)に基づくとともに個々の患者さんにあわせた治療を心がけることであり、患者さんの意見を十分に取り入れた標準的な治療選択することを旨としている。このほか、日本循環器学会において虚血性心疾患を中心に6つのガイドライン作成にも携わっていることや、日本内科学会認定研修施設、日本循環器学会認定循環器専門医研修施設、日本心血管インターベンション治療学会認定研修施設に認定されており、大学病院としてのマンパワー下に臨床を重視した質の高い医療を提供することを理念としている。

症例数

11年のCCU入院患者数は520人であった。発症24時間以内の急性心筋梗塞は、最近では年間約120~170例と多く、血栓溶解療法や血管内イメージングガイド下の経皮的冠動脈インターベンション(PCI)により治療している

★年間の心臓カテーテル検査数(PCIを含む)は約1,200件、年間のPCIは400-450件となっている。PCIに際しては基本的に血管内イメージングガイド下で行っており、90%前後の症例でステントを留置し(このうち薬剤溶出ステントは約60%)、石灰化の強い病変ではロータブレーターも使用している(11年は23件)。末梢動脈疾患に対するカテーテル治療も行っており、年間症例数は約50件となっている

★不整脈では、ペースメーカー植え込み(電池交換含む)が約70~80件、植え込み型除細動器植込み術が約30~40件、重症心不全に対するペーシング治療が5~7件あり、専門外来で定期的なフォローを行っている

★このほか、中央検査部とともにトレッドミル運動負荷心電図を年間に約800件、心臓超音波検査を約6,000件、放射線部とともに負荷心筋シンチグラフィーを約1,000件行っている

★また、心肺停止症例や心原性ショック症例には、高度救命救急センターと協力して適応例に対して経皮的心肺補助装置(PCPS)や大動脈内バルーンポンプ法(IABP)を用いた循環補助による治療も行っており、年間のPCPS施行症例は20例前後であった。

医療設備

心臓カテーテル検査装置3台、IVUS装置5台、OCT装置1台、心臓超音波装置、トレッドミル、エルゴメーター、ホルター心電図、心臓核医学検査、CT、MRI、PCPS、IABPなど。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

心臓血管センター(外科)

分野

心臓血管外科

特色

横浜市の中心に位置する基幹病院として00年1月に開設。前身である横浜市立大学附属浦舟病院からの伝統と最新の医療設備により高度先進医療を24時間体制で提供している。緊急症例に対しては高度救命救急センター、心臓血管センター内科部門と協力して迅速かつ的確な治療を行い、待機手術症例では十分なインフォームド・コンセントを重視し、患者家族とともに治療方針を決定する。術中術後の全身管理においては多数の麻酔専門医、集中治療専門医が全面的なバックアップ体制をとる。また総合病院であるため糖尿病、腎不全、消化器疾患など全身のあらゆる併存疾患に対応可能である。www.ycu-cardiac.jp

症例数

11年の手術総件数は409件、このうち心臓胸部大血管手術は264例であった

★胸部大動脈手術は、一般の心臓血管手術に比べ難易度が高く、死亡率も高い。また破裂しショック状態となって緊急に手術を行わなければ救命できない場合も多い。従って当センターでは24時間365日、心臓血管外科医、麻酔科医、手術室スタッフが待機し、患者来院後直ちに手術を施行する体制をとっている。11年の胸部大動脈手術は118例あり、このうち58例が解離や破裂に対する緊急手術であった。手術死亡率は待機的な胸部大動脈瘤手術で8.3%、胸部大動脈瘤破裂で10%、急性大動脈解離に対する緊急手術で6.3%であった

★大動脈ステントグラフト内挿術は胸部大動脈瘤や腹部大動脈瘤に対し、急速に広がりを見せている低侵襲治療である。従来手術が不可能で破裂を待つのみであった大動脈瘤患者に大きな福音となった。われわれは96年から本治療を開始し良好な成績をあげ、11年には59件の本治療を施行した。近年合併症を有する急性大動脈解離にも本治療を導入しその有用性を報告、国際的にも高い評価を得ている

★冠動脈バイパス術は内科の積極的なカテーテル治療の適用により近年減少傾向にあったが、天皇陛下の手術以来、その安定した遠隔成績が再認識され紹介患者が増加しつつある。11年の単独冠動脈バイパス術は70件で、死亡は準緊急手術の1例のみであった。患者術前状態により、人工心肺手術(29件)、オフポンプ手術(41件)を適宜使い分けている。急性心筋梗塞後の左室破裂、心室中隔穿孔など致死的な合併症に対する緊急手術では独自の術式を考案、学会発表を通じ全国に広まりつつある。11年には左室破裂3例中2例、心室中隔穿孔3例全例を救命した。狭心症、心筋梗塞では手術の適応、時期、術式決定のため循環器内科医との密接な連携が不可欠である。当センターでは院内の循環器内科だけでなく、周辺病院の循環器内科とも合同症例検討会を開催し、術前検査検討や術後経過報告をおこない、内科と外科で治療における共通認識を持つハートチームを構築している

弁膜症=11年の手術件数は57件で手術死亡は3例であった。高齢、透析、心機能低下といったハイリスクな症例が増加しており、術中の心筋保護や術後集中治療に改善の取り組みを続けている。弁形成術も積極的に行っており、困難な症例では国内の第一人者を招聘し指導を受け、最善の手術を患者に行えるよう努力している。近日中に本邦で認可されると思われる経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)にも対応すべく、ハイブリッド手術室の整備をすすめている

★腹部大動脈瘤に対してもステントグラフトを希望する患者が増加し、11年は非破裂症例で開腹手術、ステントグラフトとも22件ずつであった。しかしステントグラフト手術施行後も大動脈瘤が拡大を続ける症例が少数ながらあり、瘤の形態や年齢から開腹手術をお勧めすることもある。破裂症例10例では開腹手術8件、ステントグラフト2件を施行した。腹部大動脈瘤での手術死亡は0であった

先天性心疾患=必要に応じ、横浜市立大学附属病院小児循環器センターに転送している。

医療設備

心臓カテーテル、血管造影検査装置、MDCT、MRI、超音波検査、アイソトープ検査、人工心肺装置、補助人工心臓、PCPS(経皮的人工心肺補助装置)、IABP(大動脈内バルーンポンプ)など、循環器診療に必要なあらゆる機器を完備、これらの操作にあたる臨床工学士も15人が在籍。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

泌尿器・腎移植科・生殖医療センター

分野

泌尿器科

特色

患者さんとよいコミュニケーションをとることを最優先に考えて、診療にあたっている。疑問があれば何でも聞ける雰囲気作りを心がけている。市民医療に徹した地域医療の基幹病院として、市民の医療ニーズに合致した患者さん本位の高度な専門医療を提供している。初診時すべての患者さんに癌告知に関する御希望を調査し、患者さんの知る権利、知りたくない権利を尊重している

★泌尿器・腎移植科=泌尿生殖器腫瘍(腎臓、副腎、尿管、膀胱、前立腺、精巣など)、尿路感染症、尿路結石(結石破砕が必要な症例は他院に紹介している)、神経因性膀胱、尿失禁、排尿障害、など一般的な泌尿器科疾患の治療と腎移植手術、小児泌尿器科手術を行っている。救命救急センターと連携して尿路外傷に対応している。生殖医療センターにおいて男性不妊症を担当している

★病病連携=神奈川県内外の総合病院泌尿器科からの手術依頼も多い。血液透析中あるいは両側腎癌など、治療にともない血液透析が必要な症例や、下大静脈腫瘍塞栓をともなった進行腎癌症例、褐色細胞腫、精巣癌の巨大後腹膜リンパ節転移など、麻酔科、循環器外科、消化器外科などとの連携を要する困難な手術の依頼を数多く受け入れている

★腹腔鏡手術=腎摘出術(移植ドナーを含む)、腎部分切除術、副腎摘除術、膀胱全摘術に鏡視下手術を選択肢に加えている。切開線が小さく(腎癌で約6cm)、術後の回復が早く、安全かつ優れた術式である。

症例数

泌尿器・腎移植科の1日平均外来患者数は約80人。泌尿器・腎移植科の病床数は25床。含個室5〜6床(差額あり)。一般病室は4床室で各病室に洗面トイレが付帯。年間約350件の泌尿器科手術(腎移植術を含む)を行っている

★11年の主な手術は腎尿管悪性腫瘍摘出術42例(うち16例は腹腔鏡手術、腎部分切除6例含む)、副腎腫瘍摘出術6例(うち3例は腹腔鏡手術)、膀胱全摘手術8例(回腸導管、回腸利用代用膀胱)、前立腺癌全摘出術23例、経尿道的膀胱癌切除術(TUR-BT) 118例、膀胱尿管逆流症手術19例、精巣固定術9例、尿道下裂手術5例、腎移植11例(生体腎8例、献腎3例)などいずれも良好な術後成績をあげている

生殖医療センター=12年4月開設。婦人科と共同で「夫婦で治す不妊症」をコンセプトに診療を行う。男性単独の受診も可。泌尿器科、婦人科ともに生殖医療専門医が常勤し共同で治療を行う。泌尿器科は男性不妊症を担当し、薬物療法、手術療法(精巣内精子回収術、精索静脈瘤手術、精路再建術)を行っている。とくに精索静脈瘤手術では腹腔鏡下手術に力を入れている。開設後からの9カ月で新患数は73人。精巣内精子回収術9例、精索静脈瘤手術7例(うち腹腔鏡手術4例)、精路再建術1人に施行

精子凍結保存=若年者の進行性精巣癌など、抗癌剤を用いた頻回の化学療法により妊孕性を失う可能性のある症例に対して、化学療法前に精子の凍結保存を行っている。これにより治療後に無精子症となっても体外受精などの生殖医療技術により挙児が期待できる

ED(性機能障害)=内分泌学的検査などを行い、適応症例には薬剤(バイアグラなど)の処方を行っている。

医療設備

CT、MRI、RI診断、放射線治療(強度変調放射線照射:IMRT)、超音波診断装置(カラードプラ)、膀胱尿道鏡(軟性鏡を含む)、尿流動態検査装置、尿路内視鏡手術装置、腹腔鏡手術装置。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 ×

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

泌尿器・腎移植科

分野

腎移植

特色

当院は横浜市内唯一の腎移植施設であり、横浜市内のみならず、横須賀・湘南地域、神奈川県西部の腎移植希望者の移植手術および腎移植後の患者の外来フォローを行っている。また、小児腎臓内科医と連携し、小児腎不全患者に対する治療の一環として腎移植医療に積極的に取り組んでいる。

症例数

横浜市立大学では横浜市立大学附属病院において96年より腎移植を開始、00年の当院開院以降は、腎移植を全例当院において施行しており、12年末までに105例の腎移植手術の施行実績がある(生体腎84例、献腎21例)。腎移植件数は年々増加しており、現在月1件以上の頻度で継続して腎移植手術を施行している。これまで当院において腎移植を受けた腎不全患者の手術時年齢は6歳から69歳までと幅広く、透析治療を経ずに透析導入のタイミングで腎移植を行う先行的腎移植、ハイリスクとされる血液型不適合腎移植や2次腎移植、小児腎移植なども施行している。また、生体腎移植ドナー手術として、腎臓の摘出創が小さい腹腔鏡下腎採取術も施行している。00年の当院開院以降の生体腎移植の生着率(移植腎が機能し透析離脱したままでいる確率)は5年で94%、10年で87%と良好な成績が得られている。免疫抑制剤であるステロイドについては、術後より早期の減量を行っており、特に小児例を中心にステロイドの中止も行っている。

医療設備

3DCT、MRI、血管造影、超音波、各種核医学検査など。
  • セカンドオピニオン受入 〇
  • 初診予約 〇
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

整形外科

分野

整形外科

特色

当科は大学附属病院であるが、市民のための医療に貢献することを基本とし、高度かつ専門性の高い医療とともに安全性の確立した医療を提供することが目標である。原発性の悪性骨・軟部腫瘍は扱わない。変形性(変性)関節症、炎症性疾患(関節リウマチなど)、脊椎疾患などの慢性疾患が中心であるが、骨折やスポーツ障害などの外傷など幅広い領域を対象としている。このうち変形性関節症を主とした股関節・膝関節疾患、腰部脊柱管狭窄症などの脊椎疾患、関節リウマチが多い。関節リウマチは手術治療だけでなく、生物学的製剤を含めた最新の薬物治療も行っている。人工膝・股関節置換術では両側の障害例では両側同時の手術を積極的に行っている。また、最小侵襲手術手技を採用し、ナビゲーションシステムなどを使用して正確な手術を行っている。腰部脊柱管狭窄症などの腰椎疾患では、神経根・硬膜外ブロックなどの保存的治療も積極的に行い、難治例では手術を施行している。入院患者は早期離床、早期退院、早期社会復帰を目指し、侵襲が小さく安全・確実な手術を選択している。

症例数

外来患者数は1日平均100人。初診患者は紹介制で1日平均15人。再診患者は脊椎クリニック、上肢クリニック、下肢クリニック、リウマチクリニックの専門外来にて治療を行う。年間手術件数は650例。変形性膝・股関節症や関節リウマチなどに対する人工関節置換術は200例、骨切り術は30例、半月板・膝靱帯損傷などに対する関節鏡手術は30例、脊椎・脊髄手術は200例、大腿骨頸部骨折などの下肢外傷は70例、上肢の手術は50例、リウマチ・その他が80例程度である

★人工関節置換術は、変形性膝・股関節症や関節リウマチなどに施行される。人工膝関節置換術は年間約120例であるが、その6割は1回の手術で両側の膝の手術を行っている。膝関節では両側ほぼ同様に障害されている場合が非常に多いため、経済的、精神的、肉体的に利点が大きい。人工股関節置換術は年間100例ある。このうち10例が両側同時の手術である。ナビゲーションシステムを用いて正確な手術が可能である。8cm程度の小皮切による手術で負担が軽く、入院も両側の手術で2週間程度である。関節リウマチでは肘、肩、指などの人工関節を使用してADL(日常生活活動)の向上が可能となる。人工関節手術では肺塞栓症や感染症などの合併症が僅かであるが発生する。発生予防のための処置を十分に行っており、また発症時には循環器・呼吸器・麻酔科などと集学的かつ高度な治療(ICU、CCU治療)が行われ、安心できる治療体制が確立している

★脊椎・脊髄の外科は、腰部脊柱管狭窄症に対する手術が100例である。年齢、症状、骨質に応じて手術方法を選択している。最近はインスツルメントを用いた固定術が多く、安定した成績が得られている。頸椎の手術においては椎弓形成術が多いが、プレートを用いた前方固定術も施行されている。正確で安全な固定のためにナビゲーションシステムも利用している

★骨切り術は変形の少ない比較的若年者に施行している。変形性膝関節症では人工骨を使用してプレートで固定するため、初期より荷重が可能で早期退院ができる。変形性股関節症には、寛骨臼回転骨切り術を行っている

★高齢者の骨折は近年急増している。特に大腿骨頸部骨折は50例あり、手術が必要である。入院後早期の手術と早期歩行を開始し、2週間での退院を目指している

★関節リウマチは膝・股関節の人工関節とともに手関節形成術、指・肘・肩の人工関節、さらに足趾の変形に対する手術を積極的に行っている。足趾の変形矯正手術は変形の強制とともに歩行時痛も消失し、喜ばれている。また、薬物治療にも積極的に取り組んでいる。最近使用可能となった生物学的製剤は有用性が非常に高い。

医療設備

MRI、CT、RI、骨密度測定装置、その他各種診断検査機器、クリーン手術室など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 〇
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

総合周産期母子医療センター

分野

産婦人科

特色

神奈川県周産期救急医療システムの基幹病院として、妊娠・分娩と新生児に関するあらゆるトラブルに24時間体制で迅速かつ確実に対応し、高度な医療を提供することを第一の目的としている。このため産科と新生児科のそれぞれの専門医師が産婦人科、小児科といった枠から離れ、一つのセンター医師として協力して診療にあたり、必要に応じ高度救命救急センターをはじめとした他のセンター・診療科とのチーム医療を行っている。07年には総合周産期母子医療センターの認定を受けた。また予約数に制限はあるが、合併症等のない通常の妊婦さんの分娩も行っている。不必要な医療介入を避け、母乳育児・24時間母子同室等、お母さんと赤ちゃんへの優しさをモットーとした方針で行っている。ユニセフ・WHOの「母乳育児成功のための十カ条」を実践している施設に与えられる「赤ちゃんにやさしい病院」に03年8月に大学病院として、また神奈川県下の医療施設として初めて認定されている。http://www-user.yokohama-cu.ac.jp/~urabosi/参照。

症例数

周産期=11年の総分娩数は1,168件で、そのうちの99件は救急搬送症例、464件は外来紹介された症例であった。その他にも産後の大量出血などで救急搬送された症例が17件あり、治療後に搬送元へ転院し分娩した例などを含め、年間を通じた救急症例の受け入れ件数は143件にのぼっている。分娩の内訳は、帝王切開術による分娩が336例(28.8%)、鉗子・吸引分娩が48例(4.1%)であった。ハイリスク妊娠・分娩の内訳は、前回が帝王切開分娩143例、双胎53例、3胎2例、妊娠34週未満の早産85例、重症妊娠高血圧症候群45例、前置胎盤または低置胎盤21件、常位胎盤早期剥離26例などである。その他では、流産手術76例、羊水穿刺術18例、子宮頸管縫縮術6例、前置癒着胎盤などに対する子宮全摘出術8例、子宮内反整復術2例などが主な手術件数である。また、救急搬送による早産例も多く、11年には1,000g未満の新生児が43例出生しており、このうちの34例が生存している。総合医療センターとして高度救命救急センター、心血管センター、精神医療センターなども併設されており、母体救命や高度の母体合併症(心血管疾患、炎症性腸疾患、膠原病、精神疾患など)にも多く対応している。切迫早産や胎児疾患に対し、新生児科との合同カンファレンスによって症例ごとに治療方針を慎重に決定している。また、産後の大量出血に対しては、経皮的動脈塞栓術による止血なども救命救急センターの協力のもとで行っている

不育症(習慣流産、反復流産)=2回以上反復し、流死産となった症例を系統的に検査、診断、治療へと進め、妊娠初期から十分な管理・治療をする。内分泌治療、抗凝固療法などの治療が行われている

遺伝相談外来=一般的な遺伝相談のほか母体合併症などの妊娠前相談、出生前相談も含め、専門資格のある遺伝相談カウンセラー医師が応じている(予約制)

国際先天異常監視センター=直接患者さんと接する診療部門ではないが、環境ホルモン、薬剤、放射線など先天異常をひきおこす可能性のある環境有害因子をはじめとした諸因子を含め、全国規模で行われている日本産婦人科医会の先天異常調査監視システムのセンターがおかれている。センターはWHO関連の国際先天異常監視機構のメンバーとして国際情報交換を行っている(平原史樹センター長)。

医療設備

大学病院として最新の高度医療機器が完備されている。超音波診断装置は母子医療センターのみで10台、分娩監視装置は中央監視システムとなっている。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 ×

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

婦人科

分野

産婦人科

特色

★腹腔鏡を用いた低侵襲手術を積極的に行っている。特に12年度からは子宮体癌に対する腹腔鏡下手術も先進医療として行っている。また、当院は子宮外妊娠や卵巣嚢腫茎捻転などの婦人科救急疾患を多く受け入れているため、24時間体制で腹腔鏡下手術を行える体制を整えている

★低侵襲手術としては、そのほかに子宮鏡手術やマイクロ波による子宮内膜凝固術(MEA)も積極的に行って良好な成績を収めている。また、本年度から子宮筋腫に対する治療として子宮動脈塞栓術(UAE)も導入している。若年の子宮頸部高度異形成や子宮頸部上皮内癌に対する子宮頸部円錐切除術としては、11年度よりLEEP法も導入している

★また、12年度より不妊治療に関する専門機関として生殖医療センターを立ち上げ、不妊症原因の一つとされる多のう胞性卵巣症候群や子宮内膜症に対する腹腔鏡下手術も積極的に行っている。

症例数

11年の手術件数は499件、内訳は腹腔鏡下手術284件(準広汎子宮全摘4件、子宮全摘89件、子宮筋腫核出58件、付属器摘出・卵巣嚢腫摘出102件、子宮外妊娠手術26件、その他5件)、開腹術70件(広汎子宮全摘5件、準広汎子宮全摘11件、子宮摘出・付属器摘出45件、その他9件)、腟式手術145件<子宮鏡下手術39件、子宮頸部円錐切除術55件(LEEP法19件、通常の円錐切除36件)、MEA4件、流産手術・内膜掻爬術31件、その他16件>である。特に、腹腔鏡下手術は適応拡大により年々増加し、12年には年間300件を超えている。

医療設備

腹腔鏡(モルセレーター、血管シーリングシステム)、子宮鏡、レゼクトスコープ、マイクロターゼなど。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

小児総合医療センター

分野

小児医療

特色

横浜市の中心近くに位置し、大学病院としての高度3次医療から、市立病院としての2次医療の役割まで、幅広く地域医療を担っている。9つのセンターと19の診療科からなる総合病院(ベッド数720床)として、00年1月より新棟開設に伴い名称が医学部附属浦舟病院から横浜市立大学医学部附属市民総合医療センターに変更された。当小児総合医療センターでは、アレルギー疾患、神経疾患、腎臓疾患、内分泌・糖尿病、膠原病の一部、新生児医療などの内科系疾患を主に担当し、横浜市立大学附属病院(膠原病、リウマチ性疾患、血液・悪性腫瘍、循環器)との間で機能分担を行っている。さらに、02年6月から横浜市小児救急医療の3次病院として、小児の救急医療にも積極的に取り組んでいる。また、05年4月から新たに小児病棟にPHCUが8床設置され、これまで以上に小児の重篤な疾患に対してより良い医療が提供可能になった。同時に名称が小児総合医療センターに変更された。

症例数

小児総合医療センターの外来患者数は年間約12,000人、1日外来患者数は平均50人である。入院患者数は約600人、平均在院日数は12日である。また、入院患者の紹介率は約60%となっている。小児総合医療センターの病床数は小児病棟に30床(外科系5床を含め)で、院内学級(小学校・中学校)も併設されている。さらに総合周産期母子医療センターにNICU 9床、NHCU 12床がある

★それぞれの専門領域では、アレルギー疾患約400人(気管支喘息・食物アレルギー・アトピー性皮膚炎など)の診断と治療と研究を実施している。食物負荷試験を年間約200症例実施している

★膠原病・免疫疾患では、川崎病のガンマグロブリン治療不応例に対する血漿交換療法の実施年間約20症例、若年性特発性関節炎に対する生物学的製剤(抗TNFα抗体、抗IL-6R抗体など)を用いた治療を全国に先駆けて実施している

★神経疾患約800人(てんかん・変性疾患、脳性麻痺、筋疾患、脳炎・脳症、発達障害、自閉症など)の診断と治療と研究を実施している。ボトックス治療や神経生理学的検査に力を入れている

★腎臓疾患約400人(ネフローゼ・腎炎・尿路奇形・尿路感染症など)の診断、治療、研究を行っている。血漿交換療法、血液透析、腹膜透析なども実施している。さらに腎生検は年間40症例程度行っている

★内分泌・糖尿病約300人(糖尿病、甲状腺・副腎・下垂体疾患、ウイルソン病などの代謝疾患など)の診断・治療、研究を行っている。特に、小児糖尿病患者数は国内でもトップクラスである。さらに毎年糖尿病児のサマーキャンプなども実施し、患者教育にも力を入れている

★新生児医療については、当院総合周産期母子医療センターで治療を実施している。母体搬送ならびに新生児搬送に対応している。特に、超低出生体重児、極低出生体重児の診断・治療、研究が主体であるが、その他胎児診断なども実施している。当院は国内の大学病院としては初めてWHO「赤ちゃんにやさしい病院」としての認定を受けた。

医療設備

MRI、CT、DEXA(骨密度測定装置)、US、ABR(聴性脳幹反応検査)など、多くの先進設備が備わっている。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

耳鼻咽喉科

分野

耳鼻咽喉科・頭頸部外科 

特色

横浜市立大学附属病院として最新の設備と高度な医療技術を備えつつ、市民総合医療センターとしてすべての耳鼻咽喉科疾患に対して積極的な治療を行っている。特に慢性副鼻腔炎、人工内耳、頭頸部癌の治療に関しては、独自の臨床研究にもとづく治療方法で良好な治療成績を得ている。また、緊急症例や外傷を含め他の病院からの手術依頼や地域の診療所からの紹介が多い。人工内耳リハビリや音声・構音・嚥下障害の訓練は常勤の言語聴覚士が担当している。初診診療は完全紹介制である。

症例数

11年の外来受診患者数は1日平均68.3人で、うち初診患数は年間1,708人。耳鼻咽喉科病床は25床で、年間の入院患者数は500~650人、手術は450~550件

耳疾患=真珠腫性中耳炎、慢性中耳炎、鼓膜穿孔・伝音難聴などに対して手術治療を行っている。鼓室形成術は年間約40件。手術成績は良好で鼓膜穿孔閉鎖は95%以上、聴力改善は80%以上である。また、鼓膜穿孔閉鎖の日帰り手術も可能で入院期間の短縮(3~14日)を目指している。喘息に合併する難治性中耳炎(好酸球性中耳炎)にはステロイドの局所投与を行っている

鼻・副鼻腔疾患=慢性副鼻腔炎にはアレルギー関与の有無など病態の分類を行い、個々の症例に合わせた治療を行っている。薬物治療の効果を評価し、不十分な場合には内視鏡下副鼻腔手術を行っている。鼻・副鼻腔手術は年間110件程度で、手術成績は極めて良く、気管支喘息を合併した難治性の好酸球性副鼻腔炎もコントロールは良好である。また、アレルギー性鼻炎に対するレーザー手術(コブレーター手術)も外来通院で行っている

頭頸部癌=癌の根治とQOL(機能温存)を考慮して、放射線治療と強力な抗癌剤治療を併用した化学放射線同時療法を施行し、進行癌に対しても高い制御率を得ている。また、化学放射線同時療法のみでは治癒しない症例に対しては機能温存根治切除術や、形成外科と協力した拡大手術を行っている。治療に際しては十分な説明を行い、医師、看護師、薬剤師が一体となったチーム医療を行っている

難聴・めまい=従来の聴力検査に加え、ABR(聴性脳幹反応検査)や耳音響放射などを用いて正確な診断を行い、突発性難聴に対しては入院治療を行っている

高度難聴・人工内耳医療=小児の高度難聴例は必要に応じ横浜市リハビリセンター、ろう特別支援学校、地域の療育センターと連携して聴覚・言語訓練を行う。また、補聴器では十分なコミュニケーションが難しい高度難聴症例には積極的に人工内耳医療を行っている。また、先天性難聴の遺伝子検査も行っている

扁桃疾患=重症な急性炎症例には入院治療を、扁桃炎を繰り返す慢性例には扁桃摘出手術(年間約30件)を行っている

睡眠時無呼吸症候群=睡眠時無呼吸の検査機器を貸し出し、外来通院にて自宅での睡眠時無呼吸を検査する。中等度以上の睡眠時無呼吸症例には、症例に合わせ鼻閉の手術や咽頭形成術などの手術治療を行っている

音声・嚥下障害=音声外来でのストロボスコープを用いた音声検査や嚥下外来でのX線透視下の嚥下検査など詳しく診察し、言語聴覚士がリハビリの指導を行っている

頭頸部腫瘤=耳下腺腫瘍、顎下腺腫瘍、顎下腺唾石、頸部腫瘤などの頸部手術を多数行っている。 

医療設備

CT、MRI、放射線治療装置、コブレーター、ABR、ASSR、平衡機能検査装置、ストロボスコープ、電子内視鏡などの高度な設備がそろっている。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 ○

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

内分泌・糖尿病内科

分野

糖尿病内分泌内科

特色

1871年(明治4年)設立以来、十全病院として横浜市民に親しまれ、名称を変えながら発展してきた。00年1月、屋上にヘリポートを有し、地上15階、地下2階の近代的な建物に変わり新装開店した。また、独立行政法人となり公立大学法人横浜市立大学附属市民総合医療センター(通称市大センター病院)となった

★糖尿病療養指導士の資格を有するスタッフが多数在籍している。外来の看護師、病棟看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、歯科衛生士、臨床心理士、理学療法士のメディカルスタッフを中心に当科医師を加えた糖尿病教育チームによる指導には定評がある。糖尿病患者会「さえずりの会」が市内ホテルと提携し、糖尿病患者向けの低エネルギーの洋食フルコース食事会を開催するほか、料理教室、ハイキング、糖尿病講演会などの行事も多く活発な活動を行っている。また、若手の1型糖尿病の患者会「H1」も活発に活動し、妊娠中の諸問題の相談、就労問題、新しい治療法などについての情報交換を行っている

★地元の南区、近隣の西区、磯子区、中区、港南区、保土ヶ谷区はもちろん市内全域あるいは横須賀、逗子、鎌倉、東京都内の医療機関と密接な医療連携を進めている。市民医療に徹した地域医療の基幹病院として高度・専門医療を実施すべく、糖尿病教育入院、外来糖尿病教室、栄養指導あるいは総合病院の利点を生かし、眼科、神経内科、腎臓内科、心臓血管センター、皮膚科、神経科、外科、母子医療センターなど他科の協力を得て、全身病といわれる糖尿病の合併症を診療している

★病室は大部屋の場合、4人室で各室にトイレ、洗面所を設置してあり、各ベッドに液晶テレビ、冷蔵庫が設置されている。個室・特室も多く、療養環境の充実を図り、食事もおいしいと患者さんの評判は上々である。また交通アクセスも申し分ない。現在、日本糖尿病学会教育認定施設、日本内分泌学会内分泌代謝科専門医認定教育施設。

症例数

外来はかかりつけ医、入院は当科という方針で特に入院に主力を注いでいる。紹介率100%、逆紹介率90%という実績である。新患者数は年間約1,000例であるが、現在定期的に外来で管理している症例は糖尿病2,000例、甲状腺300例、脂質異常症単独200例、内分泌疾患50例である

★病棟は12床で、うち4床が糖尿病教育用である。教育入院担当看護師2人が2週間の教育入院を担当し、日常の療養について指導するほか、管理栄養士による栄養指導、バイキング教室、薬剤師による服薬指導、講義、臨床検査技師による自己血糖測定指導および検査についての講義、臨床心理士によるカウンセリング、歯科衛生士によるブラッシング指導、医師による講義など内容豊富である。そのため短期間で糖尿病についての関心、知識が高まり、以後の療養に絶大な効果があると患者のみならず、紹介医からの評価も高く、多くの患者を紹介していただいている

★糖尿病の治療にあたっては、病態に応じた治療法を選択することはもちろんであるが、患者の生活習慣、背景、希望などを十分考慮して、適切な治療法を選択し、QOL(生活の質)を維持したまま良好な血糖コントロールができるように配慮している。最新の治療としては24時間持続血糖測定器(CGMS)を用いて、24時間持続的に血糖測定を行い、きめ細やかな血糖コントロールを行っている。また、1型糖尿病に対してはカーボカウントを用いて、食事内容に応じてインスリン量を調節するフレキシブルな治療法を行い、QOLを高めている。症例に応じて持続皮下インスリン注入療法(CSII)を行っている。病床利用率は100%、平均在院日数は14日である

内分泌疾患=最近では市内の内分泌科医の減少から、多くの内分泌疾患の紹介がある。副腎疾患(アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫)、下垂体疾患(腫瘍、機能低下症)、副甲状腺疾患、膵内分泌腫瘍(ガストリノーマ、インスリノーマ)などについて的確な診断を行い、甲状腺外科、泌尿器科、脳神経外科、消化器病センターと連携し、最先端の診療ができるよう努力している

高脂血症=脂質代謝異常も専門にしており、家族性高コレステロール血症などの難治性高脂血症患者の診断、治療を積極的に行い、論文発表、臨床報告を数多く行っている。

医療設備

CT、MRI、各種超音波など大学病院としての設備は整っている。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

血液内科

分野

血液内科

特色

当院は横浜市の中心部に位置し交通の便も良く、市内ばかりでなく近隣の市町からの受診患者も多い。また9部署の疾患別センターと18科の専門診療科を擁しており、高密度な総合医療を提供・実施している。当科は血液疾患全般、特に白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの血液悪性腫瘍を対象とした化学療法や造血細胞移植を積極的に行っている。日本血液学会認定研修病院、日本骨髄バンク認定移植・採取病院、日本さい帯血バンクネットワーク認定病院。

症例数

外来=11年度の外来患者数は毎月1,000人ほどであり、そのうち新患者数は約35人である。紹介率は118%、逆紹介率は109%であった。外来化学療法室も、悪性リンパ腫や多発性骨髄腫の化学療法が主に行われている。このほか外来における輸血治療などQOL(生活の質)を重視した包括的医療を行うために、精神的・社会的支援の窓口として医療相談室を活用している

★入院治療において、当科の基準病床数は30床であり、他に完全無菌室が4床ある。11年度の入院患者数は延べ11,018人で、1日平均入院患者数は30.1人である。疾患内訳は白血病・悪性リンパ腫が80%以上を占め、他に多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群などで、化学療法や造血細胞移植を中心とした治療を行っている。毎週定期的に医師、看護師、薬剤師、検査技師を交えてカンファレンスを開き、入院患者の診療に関する検討を行っている。移植医療を中心とした無菌室においては、関連部署(医師・看護師・放射線部・薬剤部・栄養部・運営課など)から構成される「無菌室スタッフ会議」を定期的に開いている。これら他部署とも綿密に連携を取りながら多角的に集学的医療を行っている

★急性白血病は、JALSG(日本成人白血病治療共同研究グループ)に所属し、これに沿ったプロトコールで治療を行い、80%の寛解率と50%前後の5年生存率が得られている。慢性骨髄性白血病については、グリベックや第二世代のタシグナやスプリセルを用いた分子標的治療を行い、高い治療効果が得られている。これらエビデンスに基づいた治療法を提示し、実施している。当科の症例数は全国でも有数の施設である

★悪性リンパ腫は、リンパ腫病理専門医と緊密な連携を取り、迅速かつ的確な診断のもとに治療を行っている。非ホジキンリンパ腫についてはCHOP療法を主体とし、特にB細胞性リンパ腫ではリツキシマブを併用している。ホジキンリンパ腫についてはABVD療法を主体とした治療を行っている。初回治療を除き、原則としてこれらの化学療法は外来での治療を基本としている

★造血細胞移植は、白血病・骨髄異形成症候群・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫・再生不良性貧血などの疾患で、通常の化学療法では治癒が望めない、あるいは可能性が低いとされる場合に、血縁者間や骨髄バンク・臍帯血バンクからの造血細胞移植を積極的に行っている。移植の適応や方法などについて、年齢、全身状態、疾患の病期や予後等をスタッフ全員で検討し決定している。11年度には同種移植が22件、自家移植が8件の合計30件の造血細胞移植が行われたが、00年の開院以来の12年間では同種移植が187件、自家移植が92件の合計279件が行われた。このうち急性骨髄性白血病の第一寛解期に行われた同種移植の5年生存率は約70%である

★その他、標準的治療の確立と患者自身の治療参画を目的として、セカンドオピニオンの受け入れと紹介を推進している。また新規治療法や薬剤の開発を目的とした全国多施設共同研究や治験には積極的に参加しており、さらに診療レベルの向上と均一化を目的として、横浜市立大学病院リウマチ・血液・感染症内科の関連病院との間で治療方針に関する定期的な会議を行っている。

医療設備

無菌室20床で、そのうち完全無菌室4室、準無菌室は個室4室、4床室3室。他に簡易無菌装置24台、血球分離採取装置などを備えている。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

リウマチ膠原病センター・内科

分野

リウマチ・膠原病内科

特色

日本リウマチ学会認定施設。国際的に通用するEBM(科学的根拠に基づく医療)を実践している。他医からの紹介患者のために「早期リウマチ外来」「リウマチ膠原病外来」を開設し、発病早期の関節リウマチや膠原病患者を積極的に受け入れている。

症例数

定期通院患者は約1,500人。内訳は、関節リウマチ約600人、全身性エリテマトーデス約200人、強皮症約100人など

★癌治療と同様に、リウマチ膠原病の治療(国内で認可されている薬剤の種類や用量)は欧米の標準治療に比べ大きく遅れている。専門の内科医に管理されていない点も同様の問題点である。当科では十分な説明と同意のもとに、海外で標準的に行われているエビデンス(科学的根拠)に基づいた治療を行っている。海外で使用されないエビデンスレベルの低い国産の薬剤は極力使用していない

★関節リウマチでは、国際的な標準治療薬であるMTXの使用例が多く(関節リウマチ患者の約8割)、投与量も週20mg程度まで増量している。難治例には生物学的製剤の投与も行っている(同約3割)。全身性エリテマトーデスや強皮症などの難治例には、シクロフォスファミドやMMFなどの免疫抑制剤を投与している。このような最新の治療を行うことで、良好な治療成績を収めており、その成果については国内外の学会で公表している

★発症早期や重症の患者を積極的に受け入れる一方、医療の質と安全を維持するため軽快患者は近隣の医療機関に逆紹介している。欧米と同様に、関節リウマチの薬物療法と全身管理は、リウマチ専門内科医が行うべきであることを、近隣の整形外科医に啓蒙している。

医療設備

大学附属病院として、ほとんどの設備が完備している他、関節超音波・MRIが利用可能。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 〇
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

神経内科

分野

神経内科

特色

脳・脊髄・末梢神経・筋肉の疾患すべてに対する診療を幅広く行っている。超急性期の脳卒中診療という1分1秒を争う神経救急から神経変性疾患すなわち神経難病の検査入院まで広くカバーしているのが特徴。高度救命救急センター、脳神経外科、精神医療センターやその他の専門科との密接な連携の下、患者中心の医療を実践している。地域支援病院として精神医療センターと共にものわすれ外来も担当し、回復期リハビリ病院やかかりつけ医との連携についても勉強会や研究会を通じて取り組んでいる。

症例数

入院患者総数は年間400人。入院患者の大まかな内訳は脳血管障害160人、パーキンソン症候群などの神経変性疾患100人、てんかん30人、多発性硬化症などの脱髄疾患30人、髄膜炎・脳炎などの神経系感染症20人、多発筋炎などの筋肉疾患20人、ギラン・バレー症候群などの末梢神経障害15人など

脳血管障害=発症4.5時間以内に来院した脳梗塞に対して、適応基準を満たせばt-PAによる血栓溶解療法を速やかに施行して効果をあげている。それ以外でも発症後早期に来院された方はCT、MRI、頸動脈や心臓のエコーを使って脳出血や脳梗塞の的確かつ迅速な診断とさらに細かい分類を行い、病態に応じたきめ細かい治療を心がけている

認知症=高齢化とともに近年増加し、社会問題となっているアルツハイマー病のほか、各種認知症の鑑別診断を行い、早期治療を目指す。またクロイツフェルト・ヤコブ病や遺伝性プリオン病の診断も行う

パーキンソン症候群=歩行障害、動作緩慢を主訴に来院された方の中には診断に難渋する場合があり、正確な診断をするために検査入院のうえMRI、脳血流および心臓シンチグラフィー、腰椎穿刺検査を行う

脊髄小脳変性症=歩行時のふらつきを主訴に来院された方は、原則として入院のうえ正確な診断を期する。パーキンソン症候群と同様の検査以外に自律神経機能検査と遺伝子検査を行う

てんかん=てんかん重積に対しては、ICUにて集中的に全身管理を行いながら抗てんかん薬や麻酔薬を十分量投与して早期回復を目指す

多発性硬化症=再燃時には入院のうえ速やかにステロイドパルス療法を行い、後遺症の低減を図る。発作間欠期には病態に応じて再発を予防するため、インターフェロンやステロイド持続少量投与を導入している

髄膜炎・脳炎=原因となった細菌やウイルスの同定に全力を挙げると同時に、可及的速やかにガイドラインに則った治療を開始する。重症の際にはICUにて集中的に全身管理を行う

末梢神経障害=急速に四肢麻痺を生じるギラン・バレー症候群は、呼吸筋麻痺に陥る前に可及的速やかに診断をつけ、治療を開始する必要がある。病態に応じて血液浄化療法や免疫グロブリン大量療法を施行する

重症筋無力症=眼筋型か全身型か、胸腺腫の有無そして抗アセチルコリン受容体抗体の有無を診断した後に、それらに応じて胸腺摘出術や免疫グロブリン大量療法を併用したり副腎皮質ステロイド薬を極力少なくすることに注意しながら使用する

多発筋炎=筋生検を行って筋内への炎症細胞浸潤を確認し、診断を確定した後に副腎皮質ステロイド薬を導入する。〔成績〕:脳血管障害=超急性期脳梗塞24人中、全く後遺症がなく回復した著効例は5人。改善した例は6人。急性期脳梗塞では約半数の方が歩いて自宅へ退院している

パーキンソン病=現在通院中のパーキンソン病はパーキンソン症候群を含めると400人に上る。ほとんどの人が投薬により軽快している。難治性パーキンソン病に対する脳深部刺激療法(DBS)も年間3~4人実施

多発性硬化症=現在40人余り通院中であるが最新の治験も行い数例を除いて発作を抑えることに成功している

髄膜炎・脳炎=重症が市内の様々な病院から転院して来るが死亡例は3年間で2人にとどまる

ギラン・バレー症候群=死亡は1人もいない。3年間で完全四肢麻痺に陥り人工呼吸器装着した人は2人いるが、1人は車いすレベルで残りの1人は歩行練習中である

重症筋無力症=現在30人余り通院中であるがいずれも社会復帰をしている

多発筋炎=10人余の通院患者はやや改善~完全回復を果たしている

治療法の適応基準=日本神経学会、日本神経治療学会、日本神経感染症学会、日本脳卒中学会、日本認知症学会のガイドラインに従ってすべて患者本人とご家族に説明し、その希望により適応を決定している。

医療設備

CT、MRI、MRA、SPECT、脳血管撮影、頸動脈エコー、経胸壁および経食道心エコー、脳波、末梢神経伝導検査、筋電図、誘発電位、磁気刺激誘発電位など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ×
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 ×

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

脳神経外科

分野

脳神経外科

特色

高度救命救急センターを有し、3次救急医療も充実した横浜市南部の臨床に特化した大学附属病院。疾患別センターを中心とした関連専門医がチームを組み、総合的な医療を実施している。脳腫瘍、脳血管障害、脊髄脊椎、顔面けいれん等を含む機能的脳神経外科疾患など、幅広い脳神経外科診療を行っている。脳卒中、頭部外傷に対して救命センターを中心に24時間対応している。

症例数

年間入院数は577人、11年の手術件数は307件(血管内手術は100件)で、平均在院日数は約15日であった

★手術の内訳は脳腫瘍が64例と比較的多く、ナビゲーションや神経モニタリングを駆使し、QOL(生活の質)を重視した治療計画を立て良好な成績をあげている。下垂体腫瘍に対する経鼻的経蝶形骨洞手術も積極的に行っている

★脳血管障害に関しては外科的手術および血管内手術の双方に対応が可能である。脳動脈瘤に対する開頭クリッピング術とコイル塞栓術や、内頸動脈狭窄症に対する頸動脈内膜剥離術と頸動脈ステント留置術(CAS)など、個々の症例に応じて最良の治療法を検討し治療を行っている。急性期脳虚血性疾患に対し、MerciやPenumbraを用いた血管内治療による急性期血行再建術にも対応している

★手術適応のある三叉神経痛や顔面けいれんに対しては微小神経血管減圧術を行い、症例に応じて三叉神経ブロックやボトックス療法などの補助的治療も選択し行っている

★パーキンソン病に対する深部脳刺激療法も導入し、横浜市で唯一治療を行える施設として良好な成績をあげている。重症の脳卒中や頭部外傷は、併設する救命救急センターと協力して対応している。

医療設備

MRI、マルチスライスCT、SPECT、3D-DSA、放射線照射装置、超音波吸引器、術中超音波診断装置、神経モニタリング装置、術中ナビゲーション装置など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 ○

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

放射線科

分野

放射線科

特色

乳癌、頭頸部癌、泌尿器癌(前立腺癌を含む)、消化器癌、肺癌、子宮頚癌、脳腫瘍、血液癌などの幅広い疾患を、EBM(Evidence Based Medicine:根拠に基づく医療)に沿って、治療している。金マーカーやコーンビーム CTを用いた前立腺癌のIG-IMRT(画像誘導強度変調放射線治療)や肺のSBRT(定位放射線治療)など最新の高精度放射線治療を行っている。これらにより、副作用を最小限に減らし、腫瘍制御率を最大限に高め、治療成績を向上させることが可能である。バス、地下鉄、電車など交通の便が良く、毎日の外来通院治療に適している。また、通勤をしながら治療を行うことが可能である。毎日の放射線治療は午前9時~午後4時までの予約制である。患者様が安心して能率よく診療が受けられるように心がけている。

症例数

11年度の治療患者数は522人であり、いずれも標準以上の成績を上げている。主な内訳は、乳癌158例、頭頸部癌96例、泌尿器癌(前立腺など)79例、消化器癌(食道など)82例、呼吸器癌(肺など)48例である。また、子宮頚癌などの腔内照射起患者数は12人である。骨髄移植の前処置として行う全身照射数は16例である。頭頸部癌および食道癌は、耳鼻科・外科と協力し、放射線治療と抗癌剤を併用した同時併用療法を行っている。2009年度から行っている前立腺癌のIG-IMRTは100例(11年度40例)を超えたが、1例も重篤な副作用はなく、治療成績も良好である。肺の体幹部定位放射線治療は11年度5例に行っている。

医療設備

リニアック2台、治療計画用CT (MD-CT)、3次元治療計画装置、高線量率アフターローディング装置など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 〇
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

高度救命救急センター

分野

救急医療

特色

横浜市中心部に位置する大学附属病院に併設された独立型3次救命救急センターで、集中治療室13床、一般病床34床で構成される。横浜市消防司令センター、市内救急車とホットラインで結ばれ、横浜市内および川崎、湘南、三浦半島などの周辺地区から患者を受け入れている。屋上にヘリポートを持ち、ヘリ搬送による患者の受け入れも行っている。また、大学附属施設として医師の卒前卒後教育を行い、横浜市医師会の生涯教育施設でもある。さらに横浜市救急救命士養成所における救急救命士の養成ならびに再教育も行っている。常勤医師は横浜市救命指導医の委嘱を受けて、交代で消防局司令課に勤務し、救急現場に直接指示と助言を行っている。市内全62救急隊の救急車内から直接に12誘導心電図伝送を受けることが可能で、特に急性冠症候群の診断、治療に活用している。ドクターカーを保有し、消防局の要請に基づく医師院外派遣も積極的に行っている。

症例数

年間の入院患者数約1,200件、外来患者数約2,100件で、来院時心肺停止が約400件、急性心筋梗塞140件、急性薬物中毒110件、重症外傷282件、急性大動脈解離・大動脈瘤破裂60件、脳血管障害50件、呼吸不全30件、重症熱傷76件、急性腹症(手術例)20件、切断指46件。年間の全身麻酔手術は約400件、血管造影約300件

★院外心肺停止症例の蘇生率は30%を超えており、10%は生存退院、数%は社会復帰が望める状況であり、近年は蘇生後低体温療法を積極的に施行することで社会復帰率が向上している。通常の心肺蘇生法に加えて、来院後直ちに経皮的心肺補助装置(PCPS)の導入が可能で、蘇生症例、PCPS症例には急性心筋梗塞に対する緊急冠動脈カテーテル治療などの原疾患治療が迅速に行われる

★急性薬物中毒に対しては、尿スクリーニング検査、主要薬剤の血中濃度測定で診断をすすめ、一般的な治療に加えて適応症例には薬物吸着、急性血液浄化療法が常時可能。自殺企図症例には、精神科専門医と連携を図りながら診療にあたっている

★重症外傷に対しては、ガイドラインに基づく初期治療と緊急CT、緊急MRI、血管造影、動脈塞栓術、緊急手術などが迅速に行われる。ショック症例に対するダメージコントロール手術などの超緊急手術は、初療室からエレベーターで直接手術室へ入室し、来院から概ね十数分で開始可能

★脳血管障害にはCT、MRI、脳血管撮影が常時可能で、緊急手術症例には来院30分以内の手術開始を目標としている

★切断指には、形成外科医と整形外科医が連携し、適応症例に再接着術を施行している。生着率は90%を超えている

★DMAT(災害派遣医療チーム)を有して災害地派遣を行っており、災害救急病院の役割を担っている。

医療設備

当施設専用のマルチスライスCT、血管造影室、緊急手術室、高圧酸素治療室、各種内視鏡、各種超音波診断装置、PCPS、IABP、血液浄化装置、毒薬物検査装置等。
  • セカンドオピニオン受入 /
  • 初診予約 /
  • 主治医指名 /
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

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