出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
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ビタミン障害
びたみんしょうがい

もしかして... 口内炎  くる病

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ビタミン障害とは?

どんな病気か

 ビタミンは、体の代謝を調節して体調を維持するために必要な栄養素です。ビタミンのほとんどは体内で作られないため、食事からとらなくてはなりません。

 レトルト食品、ファーストフード、頻繁な外食など食生活が変化していること、朝食をとらない、偏食など不適切な食生活によりビタミン欠乏が起こりやすくなっています。

 また、ビタミン欠乏を補おうと、サプリメントなどからビタミンを摂取することで、逆にある種のビタミンが過剰摂取になることもあります。

 欠乏症を起こしやすいビタミンはA、B1、B2、ナイアシン、C、Dです。

症状の現れ方

・ビタミンA欠乏-夜盲症、目の乾き、皮膚のかさつき

・ビタミンB1欠乏-脚気、食欲不振、疲れやすい

・ビタミンB2欠乏-口内炎、口唇・口角が荒れやすい

・ナイアシン欠乏-口内炎、皮膚のかさつき

・ビタミンC欠乏-皮下出血しやすい

・ビタミンD欠乏-くる病、骨変形

治療の方法

 ビタミンを多く含む食品は以下のとおりです。

・ビタミンA-ニンジン、レバー、マーガリン

・ビタミンB1-玄米、豚肉、ゴマ

・ビタミンB2-レバー、ノリ、シイタケ

・ナイアシン-青身魚、レバー

・ビタミンC-ブロッコリー、イチゴ、キウイ

・ビタミンD-マグロ、イワシ

 レトルト食品やファーストフードに頼らず、3食きちんとバランスのよい食事をとることが大切です。これが守られれば、とくに食品に神経質にならなくてもビタミン欠乏は起こりませんし、サプリメントも必要ありません。

(執筆者:長岡中央綜合病院小児科医長 竹内 一夫)

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コラム栄養失調症

長岡中央綜合病院小児科医長 竹内一夫

 食べ物が余って捨てるほど豊かな現代では、肥満や成人病が問題になることが多く、栄養失調症とは無縁かと思われがちですが、そうではありません。

 たとえば、アトピー性皮膚炎の治療のために、母親が神経質になりすぎて過度の食事制限をしたり、民間療法に頼りすぎて乳児が栄養失調症になる場合があります。また近年、虐待のひとつであるネグレクト(養育拒否)が社会問題になっています。子どもは食事をとらせてもらえず、低栄養になります。親戚や近所の人、保健師、医療関係者などが早く気づき、適切に対処することでネグレクトによる子どもの死を防がなければなりません。

 乳児が低栄養状態になると抵抗力が低下して、重症な感染症にかかりやすくなります。医療機関を受診した時には手遅れだったということも少なくありません。

 年長児、とくに女児では、極端なダイエットや神経性食思不振症(拒食症)から栄養失調症となることがあります。急激な体重の減少には注意が必要です。

 このように、核家族化や孤立した養育環境などのもたらす不適切な子育てや、情報氾濫の影響による誤った「やせ願望」など、昔ではみられなかった原因による栄養失調症があるのです。

ビタミン障害に関する医師Q&A