化膿性脊椎炎
かのうせいせきついえん
化膿性脊椎炎とは?
どんな感染症か
前項で述べた化膿性骨髄炎のひとつで、脊椎(背骨)に細菌が感染して発症する病気です。細菌が遠位部から血液やリンパ液を介して脊椎に運ばれたり、脊椎に隣接する臓器や組織からの感染の波及などによって発症します。
脊柱の静脈は、脊柱に沿って周囲に複雑な血管網を形成しています。また、この血管網は、身体各部の静脈系や門脈系とも連絡しています。しかし、これらの静脈には逆流を防ぐ弁がないため、血液の逆流や、逆流に伴う転移性感染を起こしやすいのです。
主な原因菌は、黄色ブドウ球菌や緑膿菌などです。危険因子としては、糖尿病、血管内カテーテルや尿道カテーテルの留置などがあります。また、汚染された注射器を使用する薬物乱用者の化膿性骨髄炎は、脊椎に生じやすく、高齢者の血行性の化膿性骨髄炎は、胸椎や腰椎が主要な感染部位になります。
衰弱した高齢者の泌尿生殖器感染では、化膿性脊椎炎を起こすことが知られています。このようなケースでは通常、グラム陰性菌が原因になります。
症状の現れ方
発熱と、背部痛や腰痛の増強がみられ、急に膿汁がたまります。脊髄を包む硬膜が外部から圧迫されている場合は、神経が圧迫され、知覚障害や運動障害が起こります。
検査と診断
脊椎炎が疑われたら、臨床検査(血液検査、CRP)、X線、CT、MRI検査などで診断を行います。膿汁がたまっている場合は穿刺(針を刺す)して採取し、細菌培養を行います。
治療の方法
原因菌を決定し、適切な抗菌薬を投与します。また、原因となる血管内カテーテルや尿管カテーテルを除去します。神経の圧迫症状が認められる場合には、たまっている膿汁を排除します。
脊椎炎に関連する可能性がある薬
医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、脊椎炎に関連する可能性がある薬を紹介しています。
処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。
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ナイキサン錠100mg
解熱鎮痛消炎剤
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ヒュミラ皮下注40mgシリンジ0.4mL
他に分類されない代謝性医薬品
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水溶性プレドニン10mg
副腎ホルモン剤
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セフメタゾールナトリウム静注用0.5g「日医工」
主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
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ソル・コーテフ注射用100mg[注射剤]
副腎ホルモン剤
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ミノサイクリン塩酸塩点滴静注用100mg「サワイ」 ジェネリック
主としてグラム陽性・陰性菌,リケッチア,クラミジアに作用するもの
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プレドニゾロン錠1mg(旭化成)
副腎ホルモン剤
・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。
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