専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域

東海大学医学部付属病院は、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。 ※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表

消化器内科

分野

消化器・一般内科

特色

東海大学医学部付属病院の30年の歴史の中で、従来、肝胆膵を専門にする内科と、消化管を専門にする内科が各々独立していたが、01年より両科をまとめてできた比較的新しい消化器内科である。

症例数

11年の病院全体の年間外来患者数は約733,333人で、病院全体の入院患者数は約29,135人である。うち消化器内科は常時40人前後の入院患者がいる。消化器センターとして年間約11,500例の上部消化管の内視鏡施行と、約3,500例に下部消化管内視鏡を行っている

食道疾患=GERD(胃食道逆流症)の患者が年々増加しており、その診断治療を行っている。早期食道癌に対しては、EMR(内視鏡的胃粘膜切除術)やESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)などの内視鏡的治療を行い、進行食道癌に対しては、手術適応の症例については消化器外科で手術を行ってもらい、手術不能例では放射線化学療法を行っている

胃・十二指腸疾患=早期胃癌については、EMRやESDを行っており、年間約200症例に達するのではないかと思われる。内視鏡的治療不適応症例は外科手術へまわし、さらに手術不能症例はTS-1やCDDPの抗癌剤治療を行っている。早期大腸がんに対してもEMRやESDを行っており、ESDも100例を超す勢いである。ヘリコバクター・ピロリについては現在、総除菌症例数が2,000人以上に達している。我々はピロリ除菌で消化性腫瘍が治癒するだけでなく、特発性血小板減少性紫斑病も除菌によって50%以上の症例で改善することを見いだした。現在3次除菌なども検討中である

小腸・大腸疾患=現在、原因不明の消化管出血に対してダブルバルーン小腸内視鏡、シングルバルーン小腸内視鏡を行っており、08年11月からカプセル内視鏡を施行している。様々な珍しい症例、濾胞性リンパ腫、小腸癌などを小腸内視鏡で発見している。進行大腸癌に対しては基本的に手術を行う。炎症性腸疾患のうち潰瘍性大腸炎に対してG-CAP、L-CAPなどの治療を積極的に行っている。クローン病に対してはレミケード投与で治療している

肝疾患=現在、C型慢性肝炎に対して多くの患者にペグインターフェロンとリバビリンの併用療法の多施設共同研究を行っている。さらに、ペグインターフェロンの副作用をおさえるためにメロキシカムを投与するペグインターフェロンの多施設共同研究も行っている。最近ではテラプレビルを含む3者併用療法を行っている。B型慢性肝炎についても、核酸アナログの使用方法について一定の指針を出そうとしている。肝細胞癌に対しては、当科では手術療法とTACE(動脈塞栓術)+RFA(ラジオ波焼灼療法)を主に行っており、2年生存率は50%ぐらいである。ネキサバールの投与も行っている

胆膵疾患=当科ですべてのインターベンションについて対応できるようにしている。ERCP(内視鏡的逆行性膵胆管造影)を応用した手技、例えばEBD(内視鏡的胆道ドレナージ術)、ENBD(内視鏡的経鼻胆道ドレナージ術)、内視鏡的総胆管切石術を行うことができる。また、PTBD(経皮経肝胆道ドレナージ)を介した内視鏡的胆管切石術を行える。さらに、慢性膵炎に対しESWL(体外衝撃波結石破砕装置)で膵石を破砕し、膵管ステント留置術等を行ったり、ステント留置によりERCP後膵炎を防止することも証明している。EUS(超音波内視鏡)も年に400件近く行っており、EUS-FNA等の手技も手がけている。まず、全体的に言えることは患者数が非常に多い。その利点を生かして、多施設共同研究を行っている。常に最先端の医療ができる。疾患のバラエティーにも富んでおり、様々な症例を経験できる点にある。

医療設備

CT(当日施行可能)、MRI、電子スコープ(上部・下部消化管、小腸・大腸)、拡大内視鏡、経鼻内視鏡、カプセル内視鏡、超音波内視鏡(EUS)、カラードプラ超音波、NBI、UPD(コロナビ)、洗浄機(過酢酸)など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 〇
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

循環器内科

分野

循環器科

特色

神奈川県西湘地区の3次病院として、すべての重症の緊急疾患に対応している。救急車、ヘリコプターで来院する循環器疾患には救命救急科と協力して当科が24時間対応できる

★救命に一刻を争う急性心筋梗塞に対しては、緊急冠動脈インターベンションを直ちに施行できる体制を365日確立している。最先端の治療に対する取り組みも行っており、撓骨動脈アプローチ冠動脈インターベンションにて楽に受けられ、かつ成績も良い冠動脈治療を行っている。また、カテーテルが細いので診断カテーテル検査は日帰りで可能となり、日帰り検査を積極的に推進している

★不整脈に対するアブレーション治療、心房細動のアブレーション、植え込み型除細動器、両心室同期ペーシング療法などの高度医療もすべて対応している

★末梢動脈疾患に対するインターベンションも充実し、下肢潰瘍を伴う重症虚血肢に対して他院で断わられた重篤な例に対しても治療を行っており、頸動脈狭窄に対するステント治療も充実している。慢性血栓塞栓性肺高血圧症に対するバルーン拡張術も開始した

★弁膜症などのストラクチャー心疾患に対しても、経皮的僧帽弁交連切開術に良好な成績を収めており、心房中隔欠損に対するカテーテルによる中隔閉鎖術も施行している。今後は、経皮的大動脈弁置換術(TAVI)も積極的に行う予定であり、すべてのカテーテルによる最先端治療に取り組んでいる。

症例数

大学病院としては全国でも有数の症例数を誇っている。疾患診療実績:観血的検査・治療、 年間件数(11年度の実績)

冠動脈・末梢動脈関連=総カテーテル件数1,451件、総カテーテル検査数762 例。冠動脈インターベンション数(PCI)574例、末梢インターベンション数(EVT)99例[うち腎動脈ステント留置術(PTRA)10例]、頸動脈ステント留置術数(CAS)11例、経皮的大動脈弁拡張術(PTAV)1例、経皮的僧帽弁交連裂開術(PTMC) 1例、経皮的中隔心筋焼灼術(PTSMA) 1例

不整脈関連=電気生理学的検査(EPS):総検査数95例。カテーテルアブレーション42 例、ペースメーカー植え込み92例、植え込み型除細動器(ICD)植え込み30例、心臓再同期療法(CRT)6例、植え込み型ホルター心電計 (ILR) 5例。

医療設備

心臓血管カテーテル室、CCU・ICU、心臓核医学検査室、心臓CT室、心血管生理検査室、心臓リハビリテーション室、MRI室など。
  • セカンドオピニオン受入 〇
  • 初診予約 〇
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

心臓血管外科

分野

心臓血管外科

特色

06年1月に、より高度な治療を可能とする設備を整えて新棟をリニューアルオープンし、07年4月より、豊富な成人心臓・大血管手術経験を有する上田が教授として着任した。体制を一新し、以来心臓疾患・大血管疾患に対する外科治療を充実させてきた。世界標準の心臓血管外科治療を第一の目標に掲げ、狭心症に代表される虚血性心疾患・心臓弁膜症・不整脈等の後天性心疾患、大動脈瘤・大動脈解離を中心とする大動脈疾患、先天性心疾患、閉塞性動脈硬化症を含む四肢・内臓の動静脈疾患を対象とした外科治療を幅広く行っている

★また、疾患の特異性から一刻を争う緊急性の高い患者さんの治療も担っており、東海大学附属病院が地域救急医療に貢献する使命を果たすという大方針を掲げていることもあって、少数精鋭のスタッフは、文字通り昼夜を問わず粉骨砕身、診療にあたっている。高度な外科治療の供給が私たちの目標かつ義務と考え、外来診療では紹介患者さんの診断および治療方針の決定と、術後早期の患者さんケアが中心。病診連携とその発展のため、術後安定期に入られた患者さんは地元のクリニック等にお願いし、診療して頂くことを心掛けている。

症例数

主な対象疾患=虚血性心疾患では狭心症をはじめ、心筋梗塞後左室瘤、虚血性僧帽弁閉鎖不全症、心室中隔穿孔、左室破裂など。心臓弁膜症では大動脈弁閉鎖不全症・狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症・狭窄症、三尖弁・肺動脈弁の疾患や細菌性心内膜炎。収縮性心膜炎など心膜疾患。大動脈疾患では急性大動脈解離、真性大動脈瘤、大動脈縮窄症、外傷性大動脈損傷。末梢血管では閉塞性動脈硬化症を筆頭に四肢の血管の狭窄や急性もしくは慢性閉塞の他、下肢静脈瘤や静脈血栓症、腹部臓器の内臓動脈瘤等々。また、心疾患に合併した発作性もしくは慢性心房細動や心室頻拍の外科治療。洞不全や房室ブロックなど徐脈性不整脈も治療の対象。先天性心疾患は今のところ学童期以降の患者さんを対象として、心房中隔欠損症、心室中隔欠損症、動脈管開存症などの手術を行っている

主な診療実績=12年の手術件数は500件余りで、人工心肺使用開心術と、胸部大動脈手術の症例数が計206例、腹部大動脈手術が66例、末梢動脈手術が53例の他、下肢静脈瘤手術なども多数行っている。手術手技では冠動脈バイパス手術が57例、弁形成もしくは弁置換手術が71例、胸部大動脈の人工血管置換術もしくはステントグラフト留置術が98例と、代表的な疾患に対する手術がほぼ均等に行われているのが特徴。また、東海大は高度救急医療を積極的に行っている施設であり、大動脈や末梢血管の手術例のうち30%以上が緊急手術である。また保存療法を行った患者さんを含め年間60例以上の急性大動脈解離症例を治療しているが、その多くが西湘地域の病院から救急車で転院搬送された患者さん。私達が特に力を注いでいる領域は、虚血性心筋症に対するドール手術などの左室形成術(12年は8例に施行)、大動脈基部拡張による大動脈弁閉鎖不全症に対する自己弁温存基部置換術(2例に施行)、僧帽弁形成術(僧帽弁手術の80%に施行、残る患者は殆ど生体弁置換であった)、心房細動に対するメイズ手術(16例に施行)、大動脈瘤に対するステントグラフト留置術(胸部25例・腹部30例に施行)などである。10年後期から人工心肺装置を2基並列で使用可能な環境が実現し、予定手術中の緊急対応も可能となった。また、カテーテル治療と外科手術の双方を同一手術室で、いわゆるハートチームとして行うことのできるハイブリッド手術室の実現に向けてワーキンググループが稼働中。将来、地域医療にさらなる貢献を果たせるものと考えている。

医療設備

シネアンギオ手術室、ICU・CCU(32床)、EICU他。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 〇
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

リハビリテーション科

分野

リハビリテーション科

特色

当院は高度救命救急センターが併設されていることもあり、急性期からのインテンシブなリハビリをリハビリ科専門医の指導下に行っている。さらに、特定機能病院の特色を生かした高度なリハビリを追求している。脳血管疾患等、運動器、呼吸器、心大血管リハビリテーション料、いずれも(I)届出施設。日本リハビリテーション医学会認定研修施設。

症例数

年間の新患者数約3,800人、1日あたり訓練患者数約150人

★新生児から高齢者にいたる広範囲のリハビリに対応可能である

★高度救命救急センター入院患者をはじめとして、脳血管障害、脳・脊髄・四肢・胸腹部臓器外傷、熱傷などについて必要に応じて可及的早期よりリハビリが開始されている

★救急のみならず各科の予定手術の術前術後のリハビリを行っている。特に、整形外科手術、乳癌の手術などに関しては、術前より評価を行い術後の早期回復へとつなげている

★内科系疾患、外科手術後の廃用に対するリハビリについても積極的に関与している

★神経伝導検査・筋電図検査は、年間約300例を当科で施行している

★経頭蓋磁気刺激、ボツリヌス毒素を用いた治療にも力を入れている

★関連病院との連携を通じて包括的なリハビリ・システムの構築を目指している。

医療設備

総合病院としての各種画像診断・機能診断用機器、筋電計、経頭蓋磁気刺激装置、各種理学療法・作業療法訓練用機器。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

形成外科

分野

形成外科

特色

当施設は顔や手足の先天異常、交通事故などによる顔のけが(骨折を含む)、やけど、皮膚の良性・悪性腫瘍、乳癌や頭頸部癌の術後の変形に対する再建、顎変形症、慢性潰瘍など形成外科領域全般に対応している。クリニカルパスやデイサージャリーを導入し、平均在院日数も全国有数の短期間である。また、各種のアザに対するレーザー治療および美容外科手術(保険対象外)も行っている。

症例数

11年度1年間での入院手術数は887例、外来手術数は1,680例であった

マイクロサージャリー=口腔内や頭頸部癌の根治術後の変形に対して、顕微鏡下に細い血管や神経を縫い合わせることにより、様々な組織の再建が可能となる

レーザー治療=大学病院としては日本で最初に炭酸ガスレーザーを導入、さらにルビーレーザーの開発に携わるなど、レーザー治療に関して長年にわたる経験を有する。赤アザ、黒・青・茶アザ、ホクロや顔のシミ、入れ墨の除去、脱毛などに用いられる。今のところは、ホクロや顔のシミ、入れ墨除去、脱毛に対しては健康保険が適用されていない

乳房再建=乳癌などで乳房を切除後、大きな瘢痕と変形を残している女性に対して、背中や下腹部からの筋肉と一緒に皮膚と脂肪組織を胸に移動させてきれいな乳房を再建する手術を行っている。当院では、乳腺外科による乳癌切除と同時に再建を行う一期的再建が可能であり、乳癌患者さんにとって精神的な苦痛が軽減できる

口唇・口蓋裂=口唇裂は生後3~6カ月、口蓋裂は6カ月~1歳を目安に手術を行っている。口蓋裂は小児科、耳鼻咽喉科、言語治療、小児歯科、矯正歯科の専門医による総合的診療を行い、術後の言語発達、顎発育、咬み合わせ、滲出性中耳炎の予防などに細心の注意をはらっている。ほぼ全例で術前の矯正装置を併用し治療を行っている

顎変形症=いわゆる「受け口」のように、顔の骨が異常な変形や発育を来している症例に対して、手術で顎の骨の位置を移動して変形や咬み合わせを治している。矯正歯科医と協力して治療している

やけど=重症患者は熱傷センターにおいて救命救急部と協力し、診療にあたっており、救命率の向上につなげている

皮膚悪性腫瘍=基底細胞癌、有棘細胞癌、悪性黒色種、乳房外パジェット病など、近年増加傾向にある皮膚悪性腫瘍の切除、リンパ節郭清を含む拡大切除術、再建術、術後の化学療法や放射線療法などの補助療法、経過観察を行っている。また、センチネルリンパ節生検を併用し、リンパ節郭清の範囲を決定するため必要最小限での手術が可能である

顔のけが=顔のけがは骨折を含めて受傷直後の治療が最も大切で、スタッフが全員体制で治療にあたっている

デイサージャリー=乳幼児に対するレーザー治療や簡単な手術においては、成人を含めて全身麻酔における日帰り手術を行っている。ただし喘息などの既往がある場合には、安全のため原則として1泊入院としている

慢性潰瘍=糖尿病性潰瘍を含む慢性化する潰瘍に対してフットケア指導、外科的治療を行っている。

医療設備

CT、MRI、超音波、ウルトラパルス炭酸ガスレーザー、Qスイッチルビーレーザー、ロングパルスアレキサンドライトレーザー、ヤグレーザー、色素レーザーなど最新機器を完備している。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ×
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 ×

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

産婦人科

分野

産婦人科

特色

東海大学医学部付属病院産婦人科は産科学、生殖医療および腫瘍学の3つのセクションに分かれ、地域の医療施設と密接な病診連携を築きつつ、より専門性の高い医療の提供を推進している。産科、生殖医療外来はほぼ毎日、婦人科腫瘍外来は月・水・金の週3回行っている。急性期医療に特化した医療体系で臨んでおり、時にドクターヘリを利用した神奈川県西域を中心とした救命救急医療に従事している。入院はクリニカルパスの導入により迅速で効率的な診療に心がけ、分かりやすい医療を目指している。急性期疾患で入院され、積極的な治療が終了し病状が安定した患者さんは、病診連携を利用し近隣施設に紹介している。

症例数

産科・周産期=日本周産期新生児医学会の基幹研修施設に認定され、高度な周産期管理と周産期専門医の育成に力を入れている。最近3年間の年間分娩数は550~600例(帝王切開が約半数)で、ハイリスク妊娠や合併症妊娠、多胎妊娠、胎児疾患などの受け入れをはじめとして、オールラウンドな産科管理を行っている。神奈川県指定の総合周産期センターを開設し、24時間体制で周産期救急の3次医療機関としてNICU(新生児集中治療室)担当医師らとともに早産・未熟児医療を率先して行っている。また分娩後に大量に出血し止血が困難で他施設から搬送された例など、従来子宮摘出をせざるを得なかった症例も、子宮動脈塞栓療法を積極的に取り入れ子宮を温存するように努めており、その後の妊娠例もある。その他、公的臍帯血バンクの実施、助産師外来、遺伝相談なども積極的に行っている

生殖医療=日本生殖医学会専門医制度における認定研修施設である。不妊症では一般治療から体外受精・顕微授精まで、各患者に対するテーラーメイドな治療をめざしている。その過程で内視鏡手術(腹腔鏡・子宮鏡)を多く取り入れていることが大きな特徴である。不妊症患者以外でも良性卵巣腫瘍、子宮筋腫、子宮内膜症や異所性妊娠等の救急疾患に対して低侵襲、妊孕性(妊娠ができうる機能)温存を重視した内視鏡手術を行っている。11年の治療実績は人工授精261例、採卵149例、体外受精(通常媒精)67例、顕微授精76例、新鮮胚移植38例、融解胚移植145例、腹腔鏡下手術167例、子宮鏡下手術26例である

婦人科悪性腫瘍=07年1月より東海大学医学部付属病院は地域がん診療連携拠点病院に指定され、これまで以上に積極的な婦人科癌治療に力を注いでいる。また、当院は日本婦人科腫瘍学会・腫瘍専門医修練施設に認定されており、進行婦人科癌の治療も積極的に行っている。11年度の婦人科癌手術実績は、子宮頸癌55例、子宮体癌63例、卵巣癌66例となっており、全国の婦人科癌手術件数でトップ10前後に毎年入っている。病診連携により、周辺の医療施設から多くの患者さんをご紹介いただき、婦人科癌手術、癌化学療法および放射線治療も年々増加している。手術に際して貧血のない患者さんには術前に自分の血液を貯める自己血貯血を行い、一般的な輸血リスクを回避している。当科は婦人科悪性腫瘍研究機構(JGOG)の臨床治験に参加登録しており、様々な癌化学療法に取り組んでいる。

医療設備

MRI、ヘリカルCT、核医学診断装置、血管撮影装置、超音波断層撮影(カラードプラ)、腹腔鏡、子宮鏡、炭酸ガスレーザー、高周波メス、リニアックなど。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 ○

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

小児科

分野

小児医療

特色

東海大学病院小児科では、よく見られる急性疾患から、高い専門性が要求される慢性・難治性疾患、救急疾患に至るまで、小児の疾病に幅広く対応している。病院内の他科との円滑な診療を維持し、地域医療にあたっても、神奈川県西部地区の1次、2次医療機関と密な連携に努めている。小児救急は、厚生労働省の認可を受けた高度救命救急センターが医学部付属病院にあるため、小児の3次救急対応施設として豊富な経験を生かし、最先端の小児救急医療を提供している。周産期医療においても、総合周産期母子医療センターの指定を受けており、疾患を有する新生児や未熟児に対する医療の中心的施設として活動している。さらに大学病院の小児科として、高度な医療技術、設備を基盤に、専門家による充実した専門外来を運営している。10の疾患別の臨床グループ(救急医療、周産期医療、血液・悪性腫瘍、循環器、腎尿路、神経、内分泌・代謝、呼吸器、アレルギー・免疫、膠原病)にそれぞれの専門のスタッフを配置しているので、安心して受診してください。

症例数

アレルギー=アレルギー外来では、小児のすべてのアレルギー疾患に対応している。アレルギーの素質や何に対してのアレルギーかについて、詳しくお話を聞いたあと、血液検査や皮膚テストを行って確認している。喘息では、気道過敏性や呼気中一酸化窒素測定など、わが国でも最先端の技術を用いて診断や治療判定を行っているが、喘息日記や日常の環境調整など、生活面の指導にも力を入れている。食物アレルギーでは、血液検査や食物の除去試験、必要に応じて負荷試験を行い、その結果をもとに食事療法を行うが、時機をみて安全な少量長期の減感作療法も行う。アトピー性皮膚炎では、薬物療法、食事療法とスキンケアの指導が中心になる

呼吸器=各種画像検査や呼吸機能検査などを用い、先天性あるいは後天性の気道疾患の診療を行っている。また難治性・反復性の呼吸器感染症の診断治療にも力を注いでいる

新生児・周産期=06年4月1日付で総合周産期母子医療センターの指定を受けNICU12床、GCU12床を有し、神奈川県湘南地区の基幹施設として周辺の医療機関と協力しながら診療活動を行っている。疾患を有する新生児や低出生体重児の受け入れは母体搬送または外来紹介からの院内出生、および院外出生からの新生児搬送として行っている

小児救急=当院は湘南・県西・一部県央地域を担当する3次救急医療施設として重症患者の診療に当たっている。また当院高度救命救急センターと連携し神奈川県ドクターヘリでの搬送、治療も行っている

腎臓=学校検尿で異常を指摘された学童や、腎炎、ネフローゼ、先天性腎尿路奇形(水腎症など)、尿路感染症、慢性腎不全など小児における腎疾患を幅広く診療している。超音波検査、CT、MRI、核医学検査、尿路の造影検査に加えて、腎生検による組織診断も行っている。尿路感染症や先天性腎・尿路疾患については小児外科、泌尿器科と連携して診療にあたる

血液腫瘍=血液グループでは、白血病・悪性リンパ腫といった血液系悪性腫瘍を含む小児がん、並びに、再生不良性貧血・溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑病などの血液疾患の診療を行っている

循環器=当院出生の心臓病の新生児、他の医療機関からご紹介いただいた患者、学校心臓検診で精密検査が必要な児童の診断、治療が中心となっている。特に学校心臓検診については様々な市町村の検診を担当し、年間約2万人の心電図を判読している

内分泌=内分泌グループでは、子ども達の発達・発育をみながら、特にホルモンの病気を中心に診療を行っているグループ。具体的には低身長、甲状腺疾患、第二次性徴(思春期)、糖尿病などといった病気の診療を行っている

神経=小児神経筋疾患は、熱性けいれん、てんかん、不随意運動などの発作性疾患、インフルエンザ脳症、急性散在性脳脊髄炎などの中枢性(免疫性)炎症性疾患、その他重症筋無力症、筋ジストロフィーなどの筋疾患および自閉症などの発達性疾患と多岐にわたる領域を診療している。

医療設備

大学病院であり、多くの先進設備を備えている。小児患者であっても重症症例ではICUにおいて集中治療を行っている。また、造血細胞移植のための無菌病棟も備わっている。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

小児外科

分野

小児外科

特色

診療各科と協力して、幅広い外科的疾患を持つ子たちについて小児に特有な病態生理、心理をふまえた心の通う診療を目指している。生まれたばかりの新生児は06年4月に設置された総合周産期母子医療センター内のNICU(新生児・未熟児集中治療室)に収容して診療し、乳児以上では小児専門病棟で診療を行う。最近5年間で年平均396人が入院。その内訳は、新生児(生後1カ月未満)24人、乳児(生後1年未満)69人、幼児(1~6歳)178人、学童以上(6歳以上)116人。日本小児外科学会認定施設。

症例数

日帰り手術=最も多い鼠径ヘルニアなどの治療、全身麻酔を必要とする検査は、家庭からできるだけ離れないように、日帰りシステムで診療している。毎年約150人の子どもたちが、このシステムによって手術・検査を受けている

新生児外科的疾患の治療=出生前超音波検査などで先天性外科疾患のあることを疑われた患児や、出生後発見された外科的疾患のある患児は、当院産科に搬送されたり、当院で出生したり、他院で出生後当院に搬送されて、治療する

小児がん(固形悪性腫瘍)の治療=小児固形悪性腫瘍(がん)はまれな病気であるが、治療法の進歩により多くの患児が助かるようになった。その治療にあたっては、各科と綿密な連携をとりながら知恵を出し合っての治療(集学的治療)を行うことにより、より良い成績が期待できる。最近5年間に37人の子どもたちの治療を行った

小児救急診療=救命救急センターの活動に伴い、小児救急患者が転送されるが、最近5年間に入院治療した子どもたちは、外傷107例、熱傷30例、腸重積66例、急性虫垂炎86例、異物誤飲24例などである。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

眼科

分野

眼科

特色

05年度より大学病院がリニューアルされ、診療体制も新しくなった。神奈川県西部地区医療の中核として、従来の役割を変わらずに果たしながら、大学病院ならではの高度先進医療を提供するために、今後より一層の努力と取り組みをしていく。他科との連携が必要な全身疾患を合併した眼科手術、一般の眼科では診療困難な小児診療はさらに充実させている。地域医療との良好な連携と分担を行うために、進歩著しい最新の医療機器による診療も進めている。特に近年患者数の増加している網膜硝子体と緑内障に対しては、より診断の精度と治療成績の向上を目指していきたいと考えている。外傷をはじめとした、休日・夜間の緊急患者は、神奈川県内だけでなく、御殿場、伊豆半島等の静岡県東部地区までカバーしており、救命救急センターにドクターヘリが常備されてからは、さらに広い地域から緊急患者が搬送されるようになった。

症例数

外来患者数は、過去3年を平均すると、初診患者数約3,200人、再診延べ患者数約4万人で、ほぼ同数で推移しているが、手術件数については増加している。03年には約900件であった手術件数は、07年度は約1,200件、12年度は約1,620件となり、その内訳は、白内障手術1,114件、硝子体手術331件、網膜復位術46件、斜視手術81件、緑内障手術47件等である

網膜硝子体疾患=近年、眼科の中で特に診断治療の発展が顕著な分野で、対象となるのは糖尿病網膜症・網膜静脈閉塞症・加齢黄斑変性・網膜剥離・黄斑円孔・中心性漿液性網脈絡膜症などである。失明に至る主要な眼疾患である糖尿病網膜症については、レーザー網膜光凝固、硝子体手術といった従来の治療法に加え、黄斑浮腫に対するステロイドや抗VEGF抗体の注射などの治療法にも積極的に取り組んでいる。また、最近の検査機器の技術進歩により病態の新たな考え方が示され、従来は治療対象とならなかったものにも積極的に治療を行っている。特に黄斑疾患においては、最新の検査機器による眼底診断により治療成績が向上しつつあり、現在重要な失明原因となっている加齢黄斑変性においては、光線力学的療法(PDT)・抗血管新生薬等による先進的な治療も行っている

緑内障=疫学調査で、未治療の緑内障患者が40歳以上で約5%と非常に多いことがわかり、現在様々なマスメディアを通じて盛んに40歳以上の検査を呼びかけている。緑内障の中で最も多いとされる正常眼圧緑内障(NTG)は、眼圧下降がNTGの視野障害進行防止に有効であることはほぼ確実と考えられ、早期発見・早期治療が必要な疾患である。NTGの診断は、緑内障様病変を来す種々の視神経疾患を鑑別する必要があり、CTやMRIによる頭蓋内検索も行っている

白内障手術=手術機器の発展により、画期的に術後経過が良好となった手術であるが、手術対象が高齢であること、当院においては全身合併症を伴うことも多いため、術前の全身検査に細心の注意を払っており、関係各科と綿密な連絡の下、術中前後の眼および全身合併症予防を心がけている。全身的に問題がないと考えられた患者の予期せぬ不整脈、高血圧等にも素早く対応し、関係部署の連携により順調に運営されている

裂孔原生網膜剥離手術=進行の早い症例は、視力視野障害を最小限にするため、全例緊急手術を行っており、初回手術による復位率は90%以上で、難治症例は初回から硝子体手術を行うことで100%に近い復位率を得ている。

医療設備

★治療機器として、色素レーザー装置、ヤグレーザー装置、PDTレーザー装置、超音波乳化吸引手術装置、硝子体手術装置等

★診断機器として、ハンフリー静的視野計、FDT視野計、超音波診断装置、角膜内皮測定装置、角膜形状解析装置、ICG・FAG眼底カメラ、レーザーフレアセルメーター装置、光干渉断層計(OCT)等を備えている。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

耳鼻咽喉科

分野

耳鼻咽喉科・頭頸部外科 

特色

県中央、西部、湘南地区の広い地域が診療圏。クリニカルパスの応用で短期入院手術を多く手がける。平均在院日数は12日。病診連携、病病連携を重視し、近隣の他病院からの手術症例の紹介も多い。他院から、または他院へのセカンドオピニオンの依頼も受けている。必要に応じて他科と連携して診療している。

症例数

年間外来患者数は約30,000人、うち初診患者数は約5,000人である。年間入院患者数は700人前後、11年の総手術件数は約1,000件。耳鼻咽喉科外来と手術室がつながっており、外来での局所麻酔手術も手術室で行う

★耳科領域は、慢性中耳炎や真珠腫に対する鼓室形成術82件、耳硬化症に対するアブミ骨手術4件、滲出性中耳炎や反復性中耳炎に対する鼓室チューブ留置術54件、アブミ骨手術4件、その他に聴神経腫瘍手術や外耳・中耳腫瘍手術など頭蓋底手術にも力を注いでいる。顔面神経麻痺はステロイド大量療法や抗ウイルス薬大量療法を実施し、高い治癒率をあげている。さらに筋電図を用いた予後診断を行い、後遺障害が予想される症例には顔面神経減荷術(11年度 11件)も行っている。加えて、突発性難聴に対しては一般的なステロイド治療の他に高気圧酸素療法も行っている

★鼻副鼻腔領域の手術はほとんど内視鏡下に行う。クリニカルパス(入院時治療計画表)を導入し、4泊5日での入院治療で実施している。内視鏡下鼻内手術190件、鼻中隔矯正術や下甲介手術40件。これまで内視鏡下手術の合併症に重篤なものはない。脳神経外科との連携により、境界領域の手術も手がける

★口腔・咽頭領域では、扁桃摘出・アデノイド切除 59件、UPPP(いびき、睡眠時無呼吸に対する口蓋垂軟口蓋咽頭形成術)2件、耳下腺良性腫瘍21件、顎下腺摘出16件。顔面神経機能を良好に温存している。急性炎症よりの深頸部膿瘍も数多く手がけており、保存的治療、手術治療に対応している

★喉頭疾患(良性および悪性)に対してラリンゴマイクロ(喉頭顕微鏡下の微細手術)45件で炭酸ガスレーザーによる喉頭早期癌の保存的治療を積極的に行い、良好な術後機能と治療成績を維持している

★頭頸部悪性腫瘍の年間新患者数は約180例。悪性腫瘍の根治手術が118件。頚部郭清88側。各種遊離、有茎皮弁による再建術を行い (皮弁による再建27件)、安定した術後経過、入院期間短縮と良好な術後機能を得ている。臓器機能を温存(経口的部分切除術、TOVS、喉頭部分切除、下咽頭部分切除)、再建する手術(中咽頭再建)に特に力を入れ、術後機能の客観的評価を行っている。臓器温存を目的とした放射線治療と化学療法の併用療法を行うにあたり、放射線治療科とは毎週合同カンファレンスをもち、最適な治療法を検討している。治療成績(5年生存率)は、口腔癌70%、上咽頭癌65%、中咽頭癌60%、下咽頭癌40%、喉頭癌70%。手術と放射線化学療法の適応のみならず、患者さんの背景などを十分に検討し、症例ごとに最適な治療法を選択する。当院で実施していない治療についても説明のうえ、希望があれば他院へのセカンドオピニオン依頼、診療依頼を行う。食道癌、中下咽頭癌などの重複癌の早期発見に努め、消化器外科とのチーム医療によりNBI内視鏡の使用や彎曲型喉頭鏡により、QOL(生活の質)を維持した根治手術を行っている。緩和医療チームとの連携により、治療早期から、また再発、転移をきたしてからの緩和ケアにも力を入れている。

★甲状腺癌の手術を内分泌内科と連携し数多く手がける。確実な反回神経機能温存とともに根治性の高い手術をしている

★06年に新病院棟に移転し、CT 5台が稼働し、外来初診日に可能な限りの検査を行える体制を整えている。より急性期に特化した病院となり、在院日数の短縮と手術部門の充実を図っている。

医療設備

MRI 6台、CT 5台、ナビゲーションシステム、HD CCDカメラ、炭酸ガスレーザー、アルゴンプラズマ凝固装置、リガシュアー・スモールジョー、ハーモニック・フォーカス、高圧酸素治療装置など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 ○

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

口腔外科

分野

歯科口腔外科

特色

インフォームド・コンセントを十分に行い、患者の病態に応じた優しい医療を口腔顎顔面領域の疾患全般について行っている。特に口腔癌治療および歯性感染症、難治性骨髄炎に対する抗菌化学療法および薬剤耐性菌に対する臨床、基礎研究に力を注いでいる。口腔癌治療では臨床、基礎研究と共に機能温存を目指した外科的治療を行っている。形成外科、耳鼻咽喉科、放射線治療科、外科、リハビリテーション科、病理診断科をはじめとする他科とのチーム医療が円滑であり、各専門医が相互に緊密な連携を取りながら、各々の役割を果たす集学的治療を行っている。集学的治療は院内にとどまらず、口腔機能の回復のために、秦野伊勢原歯科医師会をはじめ、近隣歯科医師会、医師会の先生方との診療連携を積極的に行っている。

症例数

10年度の初診患者数6,113人、入院患者数428人、中央手術例数251例(口腔悪性腫瘍手術件数は124例)

口腔悪性腫瘍=外科療法を主体とし、放射線療法、化学療法と共に集学的治療を実施している。外科療法は神経、筋肉および血管などを温存した方法で行い、顕微鏡を用いた血管吻合により口腔組織の再建を行っている。出血量の少ない手術を行い、無輸血の手術を目指している。手術後感染、院内感染にも十分配慮し、予防抗菌薬の投与期間を短くしている。初期から進行癌まで含め、口腔癌の5年生存率は70%。Stageごとの分類ではI期90%、II期80%、III期64%、IV期49%

劇症型歯性感染症および骨髄炎=う蝕などが原因で、初期治療で軽快せず、深頸部膿瘍など重篤な感染症を起こす例、慢性の骨髄炎などを起こす例が紹介で来院されている。それらの疾患に対して適切な外科療法、抗菌化学療法を行う。現在、歯性感染症の原因菌にも薬剤耐性化が認められる。初期治療で軽快しない疼痛などは、骨髄炎などに移行している可能性もある。初期のX線検査では骨髄炎と明確に断定できないので核医学検査、MRIなどの画像検査を行い診断し治療する。慢性骨髄炎は再燃を繰り返すことが多い疾患。通常の歯性感染症の膿瘍、蜂巣炎のように、顔が腫れたり、高熱がでたり、血液検査で炎症所見が顕著に認められないことが慢性骨髄炎では多く、疼痛の原因が他人に理解されないために患者さんは精神的にも苦労されることが多い疾患である。骨髄炎は外来通院で経口抗菌薬を用いて治る例から、入院し骨髄炎手術、高圧酸素療法などが必要となる例など様々である。いずれにしても早期の治療が望まれる

顎変形症=矯正科医と診療連携の下、術前に自己血貯血を行っている。骨の接合はチタンプレートを用いている

顎関節症=薬物療法、スプリント療法および理学療法を主体として行っている

粘膜疾患=口腔乾燥症、粘膜に器質的変化を伴わないが灼熱感のある舌炎、舌痛症から扁平苔癬、前癌病変といわれている白板症など、色々な疾患がある。それぞれの症状に応じた治療を行っている

★埋伏抜歯などは通常の外来抜歯に加えて手術侵襲や、ご希望により静脈内鎮静法を併用することにより恐怖心、痛みなどの苦痛を少なくする1泊程度の短期入院抜歯も行っている。利点は①静脈内鎮静法の併用により苦痛が少ない②術前、術後の処置が確実にできる(特に術後出血、疼痛への対応が迅速にできる)③術後の食事の心配がない④通院回数が少ない─などである

★のう胞、良性腫瘍などは外来手術または入院中央手術室で行う

★インプラント治療では骨造成も含め、主に外来手術で行っている。

医療設備

MRI、CT、レーザー、超音波など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ×
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

皮膚科

分野

皮膚科

特色

一般外来では、すべての皮膚疾患の診断、治療を行っているが、その専門性を高めるために多くの専門外来を開設し、診断確定、治療方針決定、そして加療を一貫して行い、疾患別にその診断、症状、治療法別に応じた診療を行っている。とくに、新しい治療に関して、多くの臨床試験を手がけ、その確立に努力している。また、皮膚症状だけでなく、常に全身的な病態との関連にも注目し、院内の診療各科との連携を積極的に図っている。さらに、東海大学医学部4付属病院初め、一般病院、開業医との病診連携を密接に行い、最適、円滑な日常診療の遂行を目指している。また、下記の専門外来を開設している。

症例数

1日の外来患者数は約130人、年間初診患者数は約5,300人、手術件数は約300件、入院患者は1日平均5人前後である(11年実績)

乾癬外来=個々の患者により、適切な治療法を選択し、有効に治療をすすめるためには、その疾患の理解、治療法の把握、そして日常生活の留意点などについて、患者自身がその正しい知識を持つことが最も大切との観点から、独自の患者指導書を作成(第3版)し、それに基づき、十分な時間をかけて説明している。外用療法を基本に、内服療法(免疫抑制薬、ビタミンA酸誘導体など)、光線療法(紫外線療法、光化学療法など)、生物学的製剤療法が行われている。また、乾癬の新しい治療法開発(臨床試験)に対しても、積極的に参加し、全日本レベルでの多くの臨床研究を行っている。なお、厚生労働省稀少難治性皮膚疾患研究班(膿疱性乾癬)に参加し、その治療法の確立についても研究している

アトピー性皮膚炎外来=診断確定、必要に応じた諸検査を行い、個々の患者ごとに治療方針を決定し、その治療にあたっている。治療としては、スキンケア、外用療法、対症的止痒内服療法、免疫抑制薬内服療法、さらには光線療法などを行っている。とくに、アトピー性皮膚炎では、性別、年齢、食事、環境、社会生活状況、時には性格などに基づいた生活指導が治療の鍵と成るため個々の患者ごとに、それらについても十分な問診、指導を行っている

腫瘍外来=種々の皮膚腫瘍の診断確定、経過観察、手術の決定、手術後の経過観察を行っている。とくに悪性腫瘍、全身に波及あるいは内臓悪性腫瘍との関連がある腫瘍では、全身精査を行うとともに、関連各診療科との連携を図り、その診断・治療方針決定、そして全身的治療にあたっている

アレルギー外来=アレルギー性要因が原因となる疾患(接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、薬真など)の検査と診断を行っている。その結果に基づく生活指導、さらには関連領域との連携を計って、その治療にあたっている

帯状疱疹外来=帯状疱疹および帯状疱疹後神経痛の治療、経過観察を行っている。なお、独自の患者指導冊子(第3版)を作成し、疾患の特徴、症状の経過、神経痛、生活指導について、それを基に説明している。とくに帯状疱疹後神経痛に関しては、内服療法、症状に応じてイオントフォレーシス療法を行っている(約1,500人以上に実施し、2/3以上に有効)

自己免疫外来=種々の自己免疫疾患、膠原病に関して、その検査、診断、治療、生活指導、経過観察を行う。必要に応じて、関連各科との連携を図り、その治療にあたっている

痤瘡(ニキビ)外来=年齢、皮疹部位、症状、生活環境などにより、個々の患者ごとに治療方針を検討し、生活指導もふくめて総合的な治療を行っている。スキンケア、外用療法、必要に応じた内服療法を中心に、必要に応じて、形成美容的治療(ケミカルピーリングなど)を行っている

光線外来=種々の皮膚疾患(乾癬、掌蹠膿疱症、白斑、アトピー性皮膚炎、皮膚悪性リンパ腫など)に対して、光線療法(紫外線療法、光化学療法)を行っている。また、光線過敏症に対する光線の検査も行っている

爪外来=爪疾患、爪の変形に対する治療、日常生活指導を行っている。とくに、陥入爪に対しては、症状に応じた処置、手術、生活指導を行っている

真菌外来=皮膚真菌症の診断確定(菌学的検査)とその治療にあたっている。また、爪白癬の治療と生活指導も行っている

水疱症外来=自己免疫水疱症(天疱瘡、類天疱瘡など)の診断確定とその治療を行っている。また、その治療おいては、近隣の病院、開業医、老人施設などと密な連携を図り、適切な治療および経過観察ができる環境を整えるよう努力している

毛髪外来=毛髪に関する疾患を対象とし、主に脱毛を主徴とする疾患の診断治療を行っている。

医療設備

特定機能病院・大学病院としての最新の医療設備はすべて完備し、皮膚科診療でも、外来、入院でその診断、治療に利用。皮膚科外来医療設備は、光線治療照射装置(全身型、局所型/長波長紫外線UVA、中波長紫外線UVB、ナローバンドUVB、近赤外線)、光線過敏測定装置、イオントフォレーサー(イオン導入装置)、炭酸ガスレーザー照射装置、冷凍治療法機器、シャワー・浴槽設備、皮膚生理検査機器、ダーモスコピー、真菌検査・菌体保存機器、アレルギー検査用材、アレルゲン保存冷凍庫など。
  • セカンドオピニオン受入 〇
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

血液腫瘍内科

分野

血液内科

特色

当科は、神奈川県央部、湘南、西部、静岡県東部に及ぶ医療圏の血液専門診療を担っている。白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの造血器悪性疾患をはじめ、再生不良性貧血、骨髄異形成症候群、特発性血小板減少性紫斑病などの難治性血液疾患まで、すべての血液疾患の診断から治療までを一貫して行っている

★血液疾患の診断・治療には病理診断学、臨床検査室、看護部、治験・移植コーディネーターなどによるチーム医療が必須であるが、これらのスタッフの充実ぶりは特筆に値し、質の高い医療を提供すべく努力している

★治療面では、特定機能病院として造血幹細胞移植、細胞免疫療法などの先進医療を行うとともに、血液疾患の標準的治療の確立を目指し、全国規模の多施設共同研究(JALSG、 JCOGなど)に積極的に参加している。患者さんの治療成績向上につながると期待される新規薬剤の治験にも数多く参加しており、新規薬剤や新しい治療法を世に送り出すという大学病院の社会的使命の一翼を担っている。これらの新しい治療法は、すべて大学および付属病院の倫理審査委員会での厳格な審査・承認を経て施行されている

★病院ホームページ:http://www.u-tokai.ac.jp/hospital/fuzoku/

症例数

年間の新規症例数は白血病50例、悪性リンパ腫180例、多発性骨髄腫30例、骨髄異形成症候群30例前後。病床の稼働数は35~40床前後

急性白血病=JALSG(日本成人白血病治療共同研究グループ)に参加し、標準治療としてJALSGレジメンによる治療を行っている。急性骨髄性白血病の治療成績はJALSG全体とほぼ同等で、5年生存率で40~50%前後である。ハイリスク症例には、初回寛解後に造血幹細胞移植を積極的に行う。高齢者に対しても骨髄非破壊的前治療による同種移植(いわゆるミニ移植)が行われるようになり、これまで移植は不可能とされてきた患者さんにも移植医療の適応が拡大されている

慢性骨髄性白血病=慢性期の治療として、チロシンキナーゼ阻害薬イマチニブ(グリベック®)、ニロチニブ(タシグナ)、ダサチニブ(スプリセル)を用いる。チロシンキナーゼ阻害薬は内服薬であり、基本的に外来での加療が可能であるため、患者さんのQOL(生活の質)は大きく向上している

悪性リンパ腫=JCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)のリンパ腫グループに属しており、標準的治療法確立のための多施設共同研究の中心的役割を担っている。現在、未治療びまん性大型B細胞型悪性リンパ腫に対するリツキサンの投与スケジュールの検討(JCOG 0601)をはじめ、多くの臨床試験が行われている。先に述べたように、治験実績も豊富である。再発例は、病型、リスクなどにより、最善と考えられる治療法を選択する

多発性骨髄腫=従来から広く、MP療法、VAD療法が行われてきたが、近年新規抗骨髄腫薬ボルテゾミブ(ベルケイド)、サリドマイド(サレド)、レナリドミド(レブラミド)が保険適用となり、治療ストラテジーが大きく進歩している。初発・再発、年齢、全身状態などにより、最新のエビデンス(根拠)に基づいた治療を行っている。適応症例に対しては、自家末梢血幹細胞移植を行っている

再生不良性貧血=重症度と年齢によって治療を選択している。重症および中等症例には抗胸腺細胞グロブリン(ATG)とシクロスポリンの併用療法を行い、若年の重症例には造血幹細胞移植を第一選択としている

骨髄異形成症候群(MDS)=病型、年齢、全身状態などにより治療法を選択している。近年アザシチジン(ビダーザ)が保険適用となり、治療の選択肢が広がった。ハイリスクMDSに対しては、多剤併用化学療法による寛解導入療法やミニ移植などが行われている

★外来化学療法室が院内に設置されており、非ホジキンリンパ腫に対するR-CHOP療法、ホジキンリンパ腫に対するABVd療法、MDSに対するアザシチジン(ビダーザ)など治療強度が強くない抗癌剤治療は、原則的に通院で行っている

造血幹細胞移植=12B病棟に無菌室が設置されており(13床・小児科と共同利用)、HLA一部不適合移植を含む同種(血縁・非血縁)造血幹細胞移植(骨髄・末梢血・さい帯血)、同種ミニ移植などの治療を行っている。院内には、厚生労働省指導(GMP基準)に基づいた細胞処理・培養設備が併設されている

11年の移植実績=血縁者間骨髄移植・末梢血幹細胞移植10件、非血縁者間骨髄移植11件、臍帯血移植24件、自家末梢血幹細胞移植2件、計47件。日本さい帯血バンクの移植認定施設。

医療設備

無菌室(13床・小児科と共同利用)、移植患者・家族支援滞在施設「かもめの家」10室。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

リウマチ内科

分野

リウマチ・膠原病内科

特色

東海大学医学部付属病院は病床数804床の特定機能病院であり、神奈川県から委託された難病治療研究センターとしても機能している。診療圏は神奈川県西部を中心とし、横浜、川崎、静岡県にまで及ぶ。当科は病院内各診療科とも緊密な連携を取っており、迅速かつ円滑なチーム医療を実践している。日本内科学会認定医制度教育病院、日本リウマチ学会教育施設。

症例数

関節リウマチ(RA)、全身性エリテマトーデス(SLE)、多発性筋炎/皮膚筋炎(PM/DM)、全身性強皮症(SSc)、血管炎症候群などをはじめとする古典的膠原病に加え、シェーグレン症候群(SjS)、混合性結合組織病(MCTD)、成人スティル病、抗リン脂質抗体症候群(APS)、ベーチェット病、血清反応陰性脊椎関節症などの膠原病類縁疾患、その他の自己免疫疾患(特発性血小板減少性紫斑病、自己免疫性溶血性貧血)などを診療対象としている

RA=リウマチ内科の代表的疾患であるRAについては約1,200人の患者を外来で診療している。メトトレキサート(MTX)をはじめとする疾患修飾性抗リウマチ薬、生物学的製剤(インフリキシマブ、エタネルセプト、ヒュミラ、アクテムラ、アバタセプト、ゴブリマブ)による積極的治療は、著効例や寛解例を増加させることが国内外の多くの試験により明らかにされている。早期診断および早期治療に努め、関節破壊の進行を抑制するように可能な限りリウマチの炎症活動性をコントロールすることを目指しており、その結果、高い有効率、寛解率が得られADL(日常生活動作)およびQOL(生活の質)は著しく改善している。また、日本リウマチ学会MTX診療ガイドライン策定小委員会(委員長:鈴木康夫教授)で11年に発表されたMTX診療ガイドラインに基づいた実践的RA治療を構築するための前向き臨床研究も開始している

SLE/APS=SLEは、疾患活動性が高い時期には入院による加療が必要な場合がある。腎炎や神経障害など重篤な臓器障害を伴っていることもまれではない。院内各科と緊密な連携を取り合い、腎生検や神経生検などを行い病態の把握に努めていくとともに、加療として副腎皮質ステロイドに加えシクロホスファミド、アザチオプリン、タクロリムス、ミコフェノール酸モフェチルをはじめとした種々の免疫抑制剤の併用、血液浄化療法などを行い病状の改善に努めている。また、APS症例の妊娠・出産に関しては、産婦人科と協力して診療を行っている。

PM/DM=初発時は入院にて精査加療を行っている。副腎皮質ステロイドの投与に加え、ステロイド抵抗性や間質性肺炎合併などの難治例ではメトトレキサートやシクロスポリン、アザチオプリン、タクロリムスといった免疫抑制剤の併用や、免疫グロブリン大量療法による先端的な治療も行っている。また、PM/DMでは予後不良の急速進行性間質性肺炎や悪性疾患の合併が認められることもあるため,自己抗体検索や全身検索を行い、早期発見・早期治療に努めている

難治性血管炎=ANCA関連血管炎は難治性病態であり、副腎皮質ステロイド剤にシクロホスファミド、アザチオプリンなどの免疫抑制剤を積極的に併用している。また、最重症例では血液浄化療法も行い、効果をあげている

MCTD・膠原病重複症候群=MCTDでは、難治性病態である予後不良の肺高血圧症を高頻度に合併することが知られており、その診断・治療が問題となる。当院では、肺高血圧症の早期診断と治療法の開発も行っている

膠原病の薬物療法=副腎皮質ステロイドをはじめとする強力な治療が必要であるが、これらの薬剤の副作用が問題になることがある。当科では、ステロイド性骨粗鬆症や免疫抑制療法に伴う感染症などの副作用の予防および治療に力を入れている。また、疾患や治療薬に関する多くの最新医療情報を提供し、療養支援を行っている。定期的に開催する難病に関する講演会は、当院通院患者でなくとも参加可能である。

医療設備

CT、MRI、RI、血管造影検査、骨密度測定装置、各種内視鏡、超音波検査、筋電図検査など。
  • セカンドオピニオン受入 △
  • 初診予約 〇
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

神経内科

分野

神経内科

特色

t-PA静注、MERCIなどの血管内治療など急性期脳卒中の治療や神経疾患の全般にわたって診断・検査・治療を行っている。病院と救急隊や近隣医療機関、医師と他職種、神経内科と他科、教室員同士の連携協力体制は極めて良好であり、脳卒中、てんかん、脳炎など、救急患者の受け入れ数も多い。医局内で、専門分野の異なるスタッフがそれぞれの領域の指導を行って、血管障害、神経変性疾患、脱髄疾患、脊髄疾患などをカバーし、週2回のカンファレンス、総回診で診療方針を検討している。また、連携パスにより地域医療機関との連携を強化している。厚生労働省が認可した治験(臨床試験)には、地域の基幹病院として積極的に参加し、新薬の開発に貢献している。

症例数

年間の神経内科入院患者数は約650人。病床数は時期によって異なるが30~60床程度。外来患者は1日およそ150人。対象とする主な疾患は脳卒中、認知症、脳炎・髄膜炎などの感染症、パーキンソン病などの変性疾患、多発性硬化症などの脱髄疾患、てんかん・顔面けいれんや頭痛などの機能性疾患、脊髄疾患、ギラン・バレー症候群や慢性炎症性脱髄性神経炎などの末梢神経疾患、重症筋無力症や筋炎などの筋疾患など、神経内科疾患全般に及ぶ。外来はパーキンソン外来、もの忘れ外来、頭痛外来などの特殊外来を開設している

★急性期脳卒中は、瀧澤教授の専門分野である。病院に併設されて3次救急を担う高度救命救急センターからの入院を含め、年間約360例の入院を受け入れている。最近話題の組織プラスミノゲンアクチベータ(t-PA)は、日本でt-PAが認可されて以来、総数で130例以上に投与されている。t-PAの投与率は高く、発症後4、5時間以内の脳梗塞に対して8.4%、心原性塞栓症に限ると19.8%と際立っている。急性期脳梗塞患者に対しては、臨床症候、画像、頸動脈や心臓を含めた全身状態の評価をもとに脳梗塞の病型診断を行い、抗脳浮腫薬、オザグレルナトリウム、アルガトロバン、エダラボンなどの治療薬を選択している。アテローム血栓性脳梗塞とラクナ梗塞の再発予防として、患者ごとの血小板凝集能・活性化の指標をもとに抗血小板薬を選択し、オーダーメイド治療を目指している。近隣の回復期リハビリテーション施設に教室員が出張し、08年4月からは西湘地区での脳卒中地域連携パスの体制を立ち上げて、リハビリテーションを可能な限り早期に行う方針をとっている

★パーキンソン病は、高橋准教授の専門分野であり、専門外来を設けて外来診療にあたっている。脳神経外科と協力して入院の上、深部脳刺激療法を行っており、近隣や遠方から受診者が多い。患者・家族のためのパーキンソン病あゆみの会を年に数回、開催している

★多発性硬化症、ギラン・バレー症候群、重症筋無力症などの自己免疫の異常が関与する疾患は、いずれも治療が難しい疾患であり、血漿交換療法、ステロイドパルス療法、免疫抑制療法などを適宜行っている

★頭痛に対しては永田栄一郎准教授を中心に、近隣医療機関から紹介をいただき、外来への少数回の受診で診断、治療方針の決定を行い、紹介元への通院を勧めている

★神経系の遺伝性疾患については、他科と共同し、遺伝カウンセリング外来を開設している。遺伝関連の専門学会のガイドラインを遵守し、社会的、経済的な面も含めて十分に面談する。遺伝子検査のメリットとデメリットを説明したのちに、必要と判断される人のみに遺伝子検査を行っている。遺伝はデリケートな問題を含むことが多いので、専門看護師の協力を得て完全予約制で1回30分以上の時間をかけて行っている

★その他、パーキンソン病の音楽療法、終夜睡眠検査など特殊な検査、治療を行っている。

医療設備

CT、MRI、MRA、MRXO、SPECT、脳血管撮影、超音波(エコー)検査(頸動脈、心臓、経食道)、脳波、筋電図、末梢神経伝導速度、誘発電位など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 〇
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

乳腺内分泌外科

分野

乳腺・内分泌外科

特色

当科で扱う疾患は乳腺・甲状腺・副甲状腺の悪性疾患を中心として、良性疾患まで幅広く網羅している。乳腺診療においては日本乳癌学会および日本乳癌検診学会の精密検査実施機関としての必要条件を満たし、神奈川県中央・西部地域という広い範囲の中核病院になっている。年間の外来受診患者さんは約2万人(延べ人数)、新規外来患者さんは約1,400人を受け入れている。また年間手術症例数は、乳癌約280件、良性乳腺疾患約100例を行っている。早期乳癌に対する乳房温存療法やセンチネルリンパ節生検、局所進行乳癌に対する術前化学療法などを行っている。さらに他院で治療不能と説明された進行・再発乳癌患者さんを紹介頂き、治療にあたっている。治療にあたる患者さん一人ひとりについて、病理診断科、放射線診断科、超音波診断などの部門と合同会議を行い治療方針を決定している。科学的根拠に基づく診療を行うことを原則としており、わが国における乳癌診療のガイドラインの作成に参画している。大量化学療法や分子標的療法では先駆的立場にあり、科学的根拠のない領域では新しい治療薬や診療技術の開発(治験や臨床研究等)に積極的に参加している。このため一般病院よりも治療手段の多い施設といえる。これら悪性疾患の診断時から終末期に至るまでの入院や外来において、患者やそのご家族も含めた身体的・精神的な緩和ケアを積極的に行い、安心して癌の治療を受け、苦しくなく過ごせるような診療に努めている。

症例数

11年の乳癌の手術症例は約270例であった。この他、全国から治療不能となった進行・再発乳癌症例の紹介を受け、治療にあたっている

★乳腺疾患の診断では、初回の受診で、マンモグラフィ、超音波検査、さらに必要に応じて細胞診あるいは針生検を行っており、可及的短時間に診断をつけるように心がけている。状況により、迅速細胞診を行い、当日にすべて診断をつけることも可能です。手術は原則として、乳房温存術(部分切除術)と乳房切除術(全摘術)の利点、欠点を説明し、患者さん本人に術式の選択を委ねている。約60%の患者さんが乳房温存術を受けている

★乳房切除術を選択された患者さんでは、希望により、主として腹直筋皮弁を用いた一期的乳房再建術(健康保険適用)を行っている。切除された癌組織は、免疫組織化学、分子生物学的方法により、種々の予後因子の解析を行い、腋窩リンパ節転移の有無と併せて検討し、癌の中でも悪性度の高い場合や、再発の危険が高い患者さんに対して、科学的根拠に基づき、本人、家族と相談の上、再発防止の補助薬物療法を行っている。補助化学療法を施行する外来化学療法は、快適な設備が整った外来化学療法室で、専任の医師・看護師・薬剤師による安全で確実、かつ迅速な治療を行っている

★当院の術後10年生存率は、非浸潤癌(Tis)100%、1期95%、II期88%、3期66%、IV期28%。再発の患者さんに対しても、積極的な治療戦略をたて、約20%の患者さんで、完全寛解が5年以上続いていることは、再発患者さんにとって、大きな希望と考えている

★甲状腺疾患の手術は年間約20例で、良性疾患から悪性腫瘍までを幅広く行っている。予後不良な甲状腺未分化癌症例には、化学療法と放射線治療を組み合わせた集学的治療を行っている

★これら悪性疾患の診断時から終末期に至るまでの入院や外来において、患者やそのご家族も含めた身体的・精神的な緩和ケアを積極的に行い、安心して癌の治療を受け、苦しくなく過ごせるような診療に努めている。

医療設備

マンモグラフィ、ステレオガイド下マンモトーム、ハンディタイプマンモトーム、超音波、CT、MRI、PET-CT、ガンマ・プローブ、核医学診断装置、放射線治療装置。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 ×

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

放射線治療科

分野

放射線科

特色

最新の放射線治療機器を備え、IMRT(強度変調放射線治療)、体幹部定位照射、画像誘導放射線治療(IGRT)の高精度放射線治療および小線源治療が可能である。特にIGRTやIMRTに力をそそいでいる。また、全身照射や術中照射は長年の経験をもつ。充実したスタッフのもと、チーム医療として円滑に治療にあたる。当科の方針は「患者様に優しい放射線治療」をテーマに、患者様に優しく丁寧な治療を目指す。各疾患に専門の担当医がいて各診療科と連携し、患者様に最適な治療法を提供する。

症例数

11年度の新患者数902人。主な疾患別症例数は、乳癌239例、肺癌148例、頭頸部癌109例、食道癌61例、血液リンパ腫41例、婦人科腫瘍67例、前立腺癌108例、大腸癌45例。すべての患者様に3次元治療計画を立て、照射野や線量の評価を医師・技師・物理士のもとで行う。特殊治療は全身照射28例、定位照射14例、IMRT(強度変調放射線治療)が29例小線源治療30人。

医療設備

リニアック2台(うち1台は画像誘導放射線治療が可能)、X線シミュレーション、治療計画専用マルチスライスCT、3次元治療計画装置5台、高線量率イリジウムアフターローディング装置、全身照射用移動型寝台装置、定位用固定具、マイクロマルチリーフコリメーター、PET-CT。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 ×

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

麻酔科ペインクリニック

分野

ペインクリニック

特色

東海大学医学部付属病院は75年2月より診療が開始され、麻酔科ペインクリニックはそれから数年後より滝口守前教授のもと開設された。痛み治療として神経ブロック療法、レーザー治療、薬物療法を中心に行っている。

症例数

1日平均外来患者数は30~50人(うち数人は初診)

★当院ペインクリニック外来では、三叉神経痛、帯状疱疹関連痛、変形性脊椎症、椎間板ヘルニア、圧迫骨折、変形性関節症などの運動器の痛みのほか、顔面麻痺、眼瞼顔面けいれんなどの非痛み疾患の治療や癌性痛の治療を対象とする

★治療は、主に神経ブロック療法、レーザー治療、薬物療法であるが、慢性経過した痛みには薬物療法だけで治療することは困難であるため、実際にはこれらを併用して行うことが多い。神経ブロック療法では硬膜外ブロック、星状神経節ブロック、三叉神経ブロック、肋間神経ブロック、トリガーポイント注射等が多く行われる。またX線透視法や超音波ガイド法による神経ブロックはその効果の確実性や合併症の回避し得る方法であり、適宜施行することにより治療成績の向上をもたらしている。難治性痛には高周波熱凝固法による神経ブロックを積極的に施行している

★当院には緩和ケアチームが設置されており、多角的な癌治療アプローチが可能である。当科では主に入院患者の併診として、痛みの管理を行っている。外来診療は待ち時間に配慮し、すべて予約制としている。初診時には患者個々の痛みが抱える問題点に傾聴し、診察、検査を行い、治療計画を立てている。

医療設備

超音波装置、X線透視装置、高周波熱凝固装置、キセノンレーザー治療器、MRI、CT、骨密度測定など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

東洋医学科

分野

東洋医学

特色

本科は、県内大学病院において、初めての東洋医学の専門診療科であり、05年4月から病院診療科として診療を行っている。診療は毎日行っており、大学病院の一診療科として他科と非常に密接な連携を図って、漢方と西洋医学の両面から統合的な医療を行っている。漢方外来は保険診療で、エキス剤が中心であるが煎じ薬も保険診療で取り扱っている。鍼灸外来は自費診療(保険対象外)。

症例数

漢方治療の適応は内科領域のみならず、婦人科、耳鼻咽喉科、皮膚科、整形外科、心療内科など多岐にわたっている。具体的には①西洋医学治療では効果がみられない疾患(頭痛、めまい、耳鳴り、冷えなどの自律神経失調症状、更年期障害)②検査では異常がないのに愁訴がある方(原因不明の熱、痛み、痺れなど)③アレルギー性疾患(アトピー性皮膚炎、花粉症、気管支喘息など)④高齢者や虚弱者の疾患(腰痛、頻尿、夜間尿など)⑤西洋医学治療で副作用が生じる疾患(抗癌剤、ホルモン剤投与後)などである。さらに、東洋医学の普及啓蒙活動として、一般の方を対象とした漢方および鍼灸の勉強会である「漢方教室」を定期的に開催しており、参加された方々から好評を得ている。

医療設備

MRI、ヘリカルCT、内視鏡検査など、大学病院としての最新設備を有する。
  • セカンドオピニオン受入 ×
  • 初診予約 ×
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

高度救命救急センター

分野

救急医療

特色

87年に救命救急センターを開設以来、救急車で搬送されてくる重症患者のみならず、軽症の患者も受け入れており、ER機能を有した神奈川県西部における救急医療の中核医療機関としての役割を果たしている。特に「救急現場からの救急車は絶対に断らない」という方針を堅持し、同時に搬送されてくる救急患者も含めて、搬送要請にすべて応需するために、センターでは常時、救急専門医4~5人、2~3人の研修医という、他の救命救急センターでは類をみないマンパワーをもつ診療チームが初期対応にあたっている(診療チームは3チーム)。治療に際しては、必要に応じて院内各科と密接な連携を取りながら、遅滞なく、専門治療を行っている。さらに、救急医療チームの活動は病院内にとどまらず、プレホスピタル(救急現場)にまで拡大展開している。ドクターヘリは91年交通科学協議会の委託研究、99年の厚生省ドクターヘリ試行的事業といった全国の先駆けとしての実績を有し、現在は神奈川県ドクターヘリ基地病院として年間約350件の患者搬送を行っている。また、海上で操業中の漁船で救急患者が発生した場合に、船上の傷病者を救出する日本水難救済会の洋上救急システムに初期から参画しており、出動要請時には海上保安庁、海上自衛隊とともに患者救出に向かい、現場から患者治療を開始する。災害医療分野では神奈川DMATチームを擁し、災害医療派遣要請に備えている。

症例数

救急車搬送症例8,497件、ドクターヘリ搬送345件、救命救急センターへの総来院患者数19,343人、センターへの入院3,397人(11年度)であった。救命救急センターへ搬送された主な重篤な傷病は、心肺停止268人、重症脳血管障害389人、急性心筋梗塞および心不全275人、重症呼吸不全67人、重症外傷809人、重症熱傷51人、急性中毒241人であった(11年)

外傷=外傷治療に関しては、24時間緊急手術が可能な体制を敷いていることはもちろんだが、センター内において救急専門医による血管造影下における止血術も行っている。放射線専門医ではなく、救急専門医が行うことによって、止血術開始までの時間が短縮されるので、医学的効果も高い

心肺停止症例=特に院外発生の心室細動による心停止には、蘇生後に低体温療法を施行している

中毒=中毒の症例数は国内有数である。薬物中毒では、中毒センターにおいて原因薬物の特定のほか、血中濃度を経時的に測定しながら、臨床症状とともに治療効果判定を行っている。また急性一酸化炭素中毒には、急性期に積極的に高気圧酸素治療を行っている

重症熱傷=県内外から重症熱傷患者が搬送されてくる。本人の皮膚細胞を培養増殖させ、移植のための皮膚シートを作成し移植する培養皮膚移植や関連する研究も行っている。

医療設備

★救命センター1階部分は外来(ER):救急車による搬送患者を対象としたベッド9床。また軽症患者用診察室6室(耳鼻咽喉科、眼科、婦人科も可能)。MRXO(CT-血管造影-MRI)を設備。急性中毒症例に対して、液体クロマトグラフ質量分析計、ガスクロマトグラフ質量分析計を使用し、原因物質特定のための分析などを行う中毒室。スキンバンクなど

★2階部分は集中治療室(ICU)19床、ハイケアユニット(HCU)36床、熱傷センター3床。医療機器:経皮的人工心肺補助循環装置(PCPS)、大動脈内バルーンパンピング装置(IABP)などの循環補助装置、人工呼吸器、熱傷用空気流動ベッド、血液浄化装置、脳波計、聴性誘発電位検査装置、低体温療法用ブランケット、各種内視鏡、超音波診断装置等。また国内に数少ない、多人数収容可能な第2種高気圧酸素治療装置を配備。
  • セカンドオピニオン受入 /
  • 初診予約 /
  • 主治医指名 /
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

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