東京慈恵会医科大学附属病院

専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域

東京慈恵会医科大学附属病院は、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。 ※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表

消化器・肝臓内科

分野

消化器・一般内科

特色

建学の精神である「病気を診ずして病人を診よ」に基づいて、病気そのものの診断と治療だけでなく、病をもっている人の心をよく理解し、不安や悩みなどを取り除き、常に患者さんにとって最適かつ最良の医療を提供することを第一としている。都心の好立地な場所にあり、当科には消化管疾患、肝臓病、膵臓病、内視鏡に関する指導医・専門医として豊富な人材を擁しており、上部・下部消化管、肝臓、胆道および膵臓疾患を中心に、消化器病全般の診療を行っている。日常検査としては上部・下部消化管のX線および内視鏡検査、腹部超音波検査、肝生検、腹腔鏡検査、血管撮影検査等を実施している。

症例数

外来患者数は年間約70,000人(1日平均約250人)、入院患者数は年間約1,600人(1日平均71人)。年間の検査数:上部内視鏡検査数約12,000例、下部内視鏡検査数約5,700例、胆膵内視鏡検査・治療(ERCP、EST、ステントなど)500例、血管造影検査数約260例、肝生検は約180例、局所治療(RFA、PEIT)による肝癌治療は約120例である

★消化管疾患では、食道、胃、大腸のポリープあるいは早期癌に対して、内視鏡を駆使した治療に積極的に取り組んでいる。上記の内視鏡検査例の約30%は治療内視鏡であり、早期胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は年間100~120例、大腸腺腫と早期大腸癌に対するポリペクトミーや内視鏡的粘膜切除術(EMR)800例である。また、近年増加している潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患および過敏性腸症候群をはじめとする機能性胃腸障害に対しても、専門的な診療を行っている。潰瘍性大腸炎305例、クローン病98例、潰瘍性大腸炎に対して白血球除去療法約30人、クローン病に対して抗TNF-α療法を約50人に行い、良好な治療成績を得ている。ヘリコバクター・ピロリに対する除菌療法、消化器がんに対する化学療法も日常診療のなかで行っている。また、最近注目されてきた小腸疾患に対してカプセル内視鏡、小腸内視鏡を用いた診断・治療も行っている。カプセル内視鏡はすでに200例以上の実績があり、主に原因不明の消化管出血に対して保険診療で対応している

肝疾患=広く肝疾患の病態の解明と治療法の確立に精力を注いでいる。特に自己免疫性肝疾患は、多数の紹介症例を有し自己免疫性肝炎では約150例、原発性胆汁性肝硬変症では200例を超える。肝癌に対しては集学的治療、すなわち肝動脈塞栓術(TACE)、肝動脈注入療法(TAI)、ラジオ波焼灼療法(RFA)による治療を実践しており(年間230~250件)、肝癌治療チームが一貫して各種治療法に対応している。劇症肝炎や急性肝不全に対する血漿交換をはじめとする血液浄化療法も行っている。肝癌発症のハイリスクグループとされ、国民的課題とされる慢性ウイルス性肝炎治療についても、積極的な抗ウイルス治療を行っている。C型慢性肝炎に対してはペグインターフェロン+リバビリン療法を積極的に導入し、高ウイルスの難治例や高齢症例に対しても奏効率と安全性の向上に努めている。インターフェロン自己注射の導入も適応症例には積極的に推進している。

医療設備

内視鏡室には電子内視鏡装置12台、超音波内視鏡4台、レーザー装置1台、アルゴンプラズマ凝固器2台、電気凝固装置4台を装備している。腹部超音波装置は、基本的に病院2階超音波センターに集約されているが、当科病棟・外来にはカラードプラ超音波装置を含めて3台保有しており、病棟での肝生検、腫瘍生検やRFAに対応している。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東京都版」(ライフ企画 2011年11月)

肝胆膵外科

分野

消化器・一般外科

特色

東京都心の新橋・愛宕山の近くにあるわが国最古の私立医大で、建学の精神「病気を診ずして病人を診よ」を基本理念に、患者中心の診療を行っている。肝胆膵外科高度技能医制度修練A認定施設で、ベッド定数26床。肝胆膵外科高度技能指導医(矢永、三澤、脇山)、内視鏡外科技術認定医(三澤、石田)が常勤する。手術の安全性、低侵襲性と根治性のバランスならびに早期社会復帰、手術後の生活の質(QOL)を重視し、内視鏡外科手術を組み込んだ治療体系を構築し、患者の自己決定権を尊重した納得診療を心がけている。癌化学療法(癌治療認定医4人)、感染制御(Infection Control Doctor 2人)、外科栄養、緩和医療などを包括したチーム医療を実践し、合併症をなくす努力と集約化した周術期管理で平均在院日数14日を達成している。

症例数

10年の年間症例数は549例

肝臓癌=91例。癌の進行度、肝予備能と安全性を考慮し、肝切除術(69例)、局所療法(マイクロ波/ラジオ波凝固)、肝動脈塞栓化学療法(TACE)から最適な治療法を選択している。肝切除に際しては先進医療の肝切除ナビゲーションを駆使して過不足のない切除を心がけ、術後の入院期間は平均13.8日、入院死亡率は1.3%である。腫瘍の発生部位によっては腹腔鏡下肝切除を行っている。進行した肝硬変を合併した場合、生体肝移植を行っている。転移性肝癌に対しては積極的に肝切除または経肝動脈的化学療法を行っている

胆石症・総胆管結石症・胆嚢ポリープ=227例(胆嚢摘出術159例、うち腹腔鏡下148例)。胆石症や胆嚢ポリープに対しては体への負担が少ない腹腔鏡下手術を第一選択としており、可能な限り開腹手術は行わない方針である。腹腔鏡下手術の術後入院期間は原則3日である。総胆管結石を伴っている場合は、手術前に内視鏡部で総胆管結石の内視鏡治療を施行し、手術はできるだけ胆嚢摘出のみを行う方針を採っている。合併症発生率は1.1%(うち胆道損傷0.5%)

胆道・膵臓癌=154例。外科治療のみでは根治困難なため、内科・内視鏡科・臨床腫瘍部との合議・協力体制の下、手術(49例)と化学療法を組み合わせ、早期の社会復帰に努めている。根治手術後の入院死亡率は2.4%である。手術不能・再発膵癌に対しては、癌の抗癌剤耐性の克服目的で肝動注ポートからのプロテアーゼ阻害剤投与を標準的全身化学療法に追加した独自の化学療法を行っており、顕著な延命・疼痛抑制効果を得ている。高度に進行した胆道・膵臓癌で閉塞性黄疸や消化管の通過障害を有する場合、胆道ステントによる黄疸の軽減、あるいは消化管のバイパス手術と疼痛管理により食事摂取や外来通院が可能となるよう、QOLを最重視した管理を行っている。良性・低悪性度の膵腫瘍に対する腹腔鏡補助下膵体尾部切除は良好な成績を得ており、先進医療の認可施設である

脾臓疾患=摘脾(12例、うち7例は腹腔鏡下)。特発性血小板減少性紫斑病、遺伝性球状赤血球症に対する脾臓摘出術では腹腔鏡下手術を、また脾腫瘍に対しては腹腔鏡補助手術を第一選択とし、術後疼痛の軽減、入院日数の短縮および早期社会復帰に努めている。またC型肝硬変患者にインターフェロン使用を可能にする目的で腹腔鏡下脾臓摘出術を意欲的に行っており、良好な成績を得ている

肝不全=07年2月より矢永教授のライフワークである生体肝移植を開始し、9例全例がほぼ1カ月以内に退院しており、ドナーは全員術前状態に復している。肝移植ドナー外来を開設しており、全国の肝臓ドナーの相談に応じている。

医療設備

検査機器(MRI、CT、DSA、超音波診断装置、電子内視鏡、超音波内視鏡)、手術機器(腹腔鏡下手術装置、超音波外科吸引装置、超音波凝固切開装置、リガシュアー、マイクロウエーブ装置、アルゴンビームコアギュレーター、体外潅流用バイオポンプ)、肝切除ナビゲーション装置ほか。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 ○

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東京都版」(ライフ企画 2011年11月)

呼吸器外科

分野

呼吸器外科

特色

呼吸器外科の専門として手術の安全と同時に最も低侵襲である完全胸腔鏡手術に徹底してこだわっている。肺癌を含め、あらゆる呼吸器外科疾患を対象としており、多くの患者さんにもとの元気なままで社会復帰していただいている。社会の高齢化により、他の多くの疾患の合併が増加しているが、歴史ある慈恵大学病院の総合力と、新しい低侵襲な完全胸腔鏡手術により、他の施設で受け入れられないような重症者にも、手術を受けていただけるよう努めている。院内他科との連携も密である。慈恵医大三付属病院(青戸・柏・第三)呼吸器外科とは有機的に連携している。セカンドオピニオンはすべて教授が行っている。

症例数

肺癌は年間平均110例前後、自然気胸などのいわゆる良性疾患は50例以上である。縦隔腫瘍や胸腺腫は年間30例以上

★肺癌は高齢者や合併疾患などのため、専門病院ですら受け入れない患者も多い。ほとんどの手術を小さな傷の完全胸腔鏡手術で行っているため、術後の回復が良く後遺症が少ない

★自然気胸は若い人に多い疾患であるが、当院では難治例といわれる他では手術を断られるような高齢者や元ヘビースモーカーも積極的に受け入れ、治療している

★縦隔腫瘍もほとんど完全胸腔鏡手術で治療している。特に胸腺の手術ではえり元部に傷がつかないため、高齢者だけでなく若い女性にも好評である。

医療設備

CT、HR-CT、MDCT、3DCT、MRI、DSA、気管支鏡、ビデオ縦隔鏡、気道ステント、胸腔鏡など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東京都版」(ライフ企画 2011年11月)

循環器内科

分野

循環器科

特色

東京慈恵会医科大学附属病院は1,075床の特定機能病院で、循環器内科は循環器専属病棟でCCU 6床を含む42床を担当している。特に循環器疾患の特殊性を考慮して早期診断、早期治療を基本理念としている

★循環器救急部門(救急外来およびCCU)には常時専任スタッフを配属し、急性心筋梗塞、急性心不全、不整脈などの緊急症例に対して24時間体制で診療している。急性心筋梗塞症例や不安定狭心症例は、速やかに緊急カテーテルを施行し、必要に応じて冠動脈インターベンションを施行している。全般の循環器疾患(虚血性心疾患、不整脈、心不全、心筋症、弁膜症、先天性心疾患、動脈疾患)に対して、それぞれ専門医を擁して入院および外来治療を行っている。虚血性心疾患の診断には心臓カテーテル検査による画一的な方法はとらずに、心臓核医学やマルチスライスCTなどの非侵襲的検査を優先的に行っている

★治療方針も心臓外科と提携し、カンファレンスを定期的に行い、外科的治療および冠動脈インターベンションの適応を検討し、最適な方針を決定している。不整脈治療に関しても、専門のスタッフによりカテーテルアブレーション法による根治治療を積極的に行っている。また、当院は循環器疾患を有する外科手術患者さんが非常に多いために、手術が安全に行えるように専任のスタッフが周術期管理も担当している。港区医師会および城東地区医師会と研究会、勉強会を開催して病診連携に努めている。日本循環器学会指定研修施設。

症例数

"月に4,500人の外来患者さんを診療しており、初診および再診を問わずに常時救急受け入れ可能な体制をとっている

CCU=東京都CCUネットワークに加盟し、年間約250症例を収容している。急性心筋梗塞、不安定狭心症などの急性冠症候群は約120例であり、緊急冠動脈インターベンションの再灌流成功率は97%、CCUの院内死亡率は6%である。一般入院は検査入院や冠動脈疾患の心臓カテーテル治療および不整脈のアブレーション治療などの入院が多いために、平均在院日数は約10日と短い

虚血性心疾患=診断として心臓核医学検査は年間約450件、冠動脈のマルチスライスCT検査は約1,400件、診断カテーテル検査は約800件である。治療として専門のスタッフによるカテーテルインターベンションは年間約300件施行している。冠動脈インターベンションの際には全例血管内超音波法を併用、必要に応じて冠血管内圧測定法を施行し、最適な治療法を選択している

不整脈=特にカテーテルアブレーション法による頻脈性不整脈(WPW症候群、発作性頻拍症、心房細動など)の根治術に積極的に取り組んでおり、年間約270例を治療し95%以上の成功率をあげている。01年度からはアブレーションによる心房細動の根治術にいち早く取り組み、約80~90%の成功率をあげている。また、最新機器であるCARTOマッピングシステムの導入により、従来は治療困難であった不整脈も根治可能となっている(心房頻拍、心室頻拍など)。徐脈性不整脈に対するペースメーカー植え込み術は専門の医師により年間約70件で、致死性不整脈に対するICD(植え込み型除細動器)治療や、重症心不全に対する両心室ペースメーカー治療も年間約20件施行している

心不全=急性心不全および慢性心不全の急性増悪は入院にて加療し、必要に応じて血液濾過装置による除水や各種の補助循環を用いている

急性大動脈解離・肺塞栓症・弁膜症=外科的治療が必要な場合は、心臓外科・血管外科と連携して速やかに治療を行っている。 "

医療設備

心臓カテーテル装置2台、DSA、IABP、PCPS、心臓超音波ドプラ装置、心臓核医学検査、マルチスライスCT検査(2管球CT 64 slice)、MRI、ホルター心電図、トレッドミル、エルゴメーターなど。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東京都版」(ライフ企画 2011年11月)

心臓外科

分野

心臓血管外科

特色

慈恵医大心臓外科は新生児、未熟児を含む小児の先天性心疾患から虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、弁膜症、大動脈疾患に代表される成人疾患を一貫して扱っている(腹部、末梢血管は血管外科が担当)。救急科、循環器・腎臓・糖尿内科、循環器小児科、血管外科との密接な連携のもと、日々の診断および外科治療にあたっている。成人疾患は橋本教授を中心に対応しており、大学病院特有の他疾患合併を伴うハイリスク患者(再手術例を含む)が多く、特に透析患者さんの率が極めて高い施設である。術後管理に大事な集中治療室は、スタッフ充実度が日本一といえる。近年、大木隆生教授が率いる血管外科と大動脈ステント治療での協力体制が確立され、ハイリスク、高齢患者への大動脈領域での治療適応拡大がなされている。小児先天性心疾患は森田教授が担当し、総合母子保健センターとしての機動性を生かし小児医療にかかわる新生児科、循環器小児科、産科をはじめ他の多くの小児外科系診療科と密接な連携のもと、診断および外科治療にあたっている。また新生児搬送、母体搬送、院内出生後の緊急対応など心血管系緊急小児疾患に対しても、成人疾患部門と同様に24時間緊急体制を整え対応している。

症例数

当科の心臓手術数は過去5年間220~240例を推移している

冠動脈外科=ここ5年の成績は平均吻合数3.2本、グラフト開存率98%、緊急・待機的手術で入院死亡率0~1%と安定している。積極的な動脈グラフトの使用に努力し、人工心肺を用いないオフポンプバイパス術がスタンダードとなっている

弁膜症=大動脈弁疾患の手術対象患者の平均年齢は70を超え、生体適合性の高い生体弁の使用率が90%以上となっている。僧帽弁疾患、特に僧帽弁形成術の達成率は近年95%、10年の遠隔成績は日本のトップに値する成績である。両疾患とも抗凝固療法が軽度ですみ、患者様には弁置換に比べ有利と言える。再(再々)手術症例を含め弁疾患の入院死亡率は2%前後

大動脈=年間手術症例数は増加の傾向にあり40~50例で、この5年間での入院死亡は緊急も含め1例であった。成人疾患全般にて術後合併症の発生率も極めて低値で推移している

小児心疾患=01年11月の母子センター開設以来の年次手術症例数は徐々に増加しており、最近ではおおむね80~90例/年で推移している。ことに近年では大学施設付属の母子センターという特殊性により、産科・新生児科との連携による胎児診断・母体搬送症例など重症新生児緊急症例が増加し、このため手術対象症例の大部分は1歳未満の新生児〜乳児例および複雑心奇形である。最近の手術死亡率は2~3%で推移しており、いずれも緊急手術を要した重症新生児開心術症例であり乳児期以降の手術死亡は認めていない。

医療設備

血管撮影およびCT装置付き手術室、ICU(透析、感染室)、 CCU、小児ICU、新生児ICU、シネアンギオ室、MRI、マルチスライスCT、二管球CT、超音波診断センター、人工心肺装置、経皮的人工心肺補助装置、大動脈内バルーンパンピング、クライオアブレーション装置、自己血回収装置。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東京都版」(ライフ企画 2011年11月)

血管外科

分野

心臓血管外科

特色

慈恵医大本院血管外科では、血管病治療先進国である米国で血管外科教授を兼務する大木教授が、「東京に居ながらにしてニューヨークの医療」、つまり本邦初である先進性と専門性の高い手術・医療を提供している。最新のテクノロジーもいち早く導入しており、ライブサージャリーを中心とした医療者向けのシンポジウムも主催し、他施設への技術発信も行っている。日本の外科教室で初めてフラットパネルX線透過装置を持つ血管治療専用手術室を備え、大動脈瘤のステントグラフト手術をはじめ、様々な疾患に対し、安全かつ体に負担をかけない治療を行っている。従来のステントグラフトでは治療できない胸腹部大動脈瘤では、内臓の血流を温存するために、枝をつけたステントグラフト(枝付き)を用いた開胸も開腹もしない治療を日本で唯一行っている

★当科で治療している血管疾患は、頸動脈(内膜剥離術とステント術)から大動脈(ステントグラフト術と開胸・開腹手術)、腎動脈(主にステント術)、脚の動脈(カテーテル治療とバイパス術)に至るまでのすべての血管で、それらすべてに対し、低侵襲なカテーテル治療と外科手術の両方を高いレベルで提供している。これら治療法にはそれぞれ一長一短があり、従って一方の治療法に偏ることなく、個々の患者さんにとってベストの治療法を選択し施行することが肝要である。これまでに全国47都道府県のすべての地区から手術・治療不能患者を受け入れてきた。診療の詳細・報道情報は、www.jikeisurgery.jp

★また、下肢静脈瘤治療に関しては、これまで本院手術室が約半年待ちと常にパンク状態であるため、ごく限られた重傷な患者の治療のみ行っていたが、より多くの患者さんに最先端の日帰り低侵襲・血管内治療を提供する為に、11年5月にオープンした新・銀座資生堂パーラービル内に血管内治療件数日本一を誇る慈恵医大血管外科スタッフと大木教授が治療にあたる下肢静脈瘤専門のセンターが開設された。当センターでは、11年から保険適用となった「切らずに治すレーザー血管内治療」を中心とした日帰り手術を行っている。当施設では、平日の日帰り手術だけでなく、希望者には麻酔科専門医による全身麻酔や土曜日手術にも対応している。クリニックの詳細は、「銀座7丁目クリニック」 中央区銀座7-8-10 Shiseido the Ginza 7階 電話03-5537-0002 www.ginza-7th.jp参照。 

症例数

月~金の週5日予定手術日で、大木教授の水曜外来診療日以外に大きな手術を行っている。06年7月の大木教授赴任以降に現血管外科診療体制が開始されたので、06年7月から10年7月までの診療状況(HPに記載)を基に記載する。11年の手術件数は約1,000例のペースで推移している

胸部大動脈瘤=ステントグラフト内挿術(待機手術)250例、弓部大動脈瘤140例(ハイブリッド手術を含む)、下行大動脈瘤110例、緊急手術20例。胸部大動脈瘤の合併症:弓部19例(7.6%)、下行0%。胸部大動脈瘤の死亡率:弓部6例(2.4%)、下行0%

胸腹部大動脈瘤=ステントグラフト内挿術(待機手術)79例、うち枝付きステントグラフト術58例(症例数日本一)、開胸開腹手術(待機手術)88例、ステントグラフト内挿術(緊急手術)5例、開胸開腹手術(緊急手術)9例(06年7月~10年11月まで)。胸腹部大動脈瘤(待機手術)の合併症:ステントグラフト内挿術6例(7.4%)、開胸開腹手術9例(10.1%)。胸腹部大動脈瘤(待機手術)の死亡率:ステントグラフト内挿術2例(2.5%)、開胸開腹手術4例(4.5%)。全国平均死亡率15%

腹部大動脈瘤=ステントグラフト内挿術(待機手術)704例(症例数日本一)、開腹による人工血管置換術(待機手術)89例、ステントグラフト内挿術(緊急手術)13例、開胸開腹手術(緊急手術)12例。腹部大動脈瘤(待機手術)の合併症:ステントグラフト内挿術17例(2.4%)、人工血管置換術6例(6.6%)。腹部大動脈瘤(待機手術)の死亡率:ステントグラフト内挿術2例(0.3%)、人工血管置換術0%

閉塞性動脈硬化症=外科手術(下肢バイパス手術、内膜摘除術、血管内治療とのハイブリッド手術)168例、血管内治療{ステント挿入術、PTA(バルーン拡張)}184例。閉塞性動脈硬化症の合併症:外科手術8例(4.8%)、血管内治療:1例(0.5%)。閉塞性動脈硬化症の死亡率:外科手術1例(0.5%)、血管内治療:1例(0.5%)

頸動脈狭窄症=頸動脈内膜摘除術60例、頸動脈ステント挿入術30例。頸動脈狭窄症の合併症:頸動脈内膜摘除術1例(1.6%)、頸動脈ステント挿入術3(10%)。頸動脈狭窄症の死亡率0%

腎動脈狭窄症=ステント挿入術/PTA(バルーン拡張)95例、110動脈。腎動脈狭窄症の手術成功率94例(98.9%)。腎動脈狭窄症の死亡率0%。下肢静脈瘤=当科直轄施設(銀座7丁目クリニック)にて最先端のレーザー血管内治療や超小切開(2mm)静脈瘤切除術を始めとする低侵襲治療を日帰りで行っている。

医療設備

血管外科専用フラットパネルX線透過装置付き血管外科手術室、大動脈瘤専用3次元画像処理ワークステーション、移動式血管造影装置装備の手術室、自己血回収装置、ICU、CCU、MDCT、MRI、血管内超音波、心臓核医学検査、心エコー、人工心肺、PCPS(経皮的人工心肺補助装置)、IABP(大動脈内バルーンパンピング装置)。
  • セカンドオピニオン受入 ×
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 ×

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東京都版」(ライフ企画 2011年11月)

腎臓・高血圧内科

分野

腎臓内科

特色

血尿、蛋白尿や浮腫を主症状とするlgA腎症、膜性腎症などの原発性糸球体腎炎・ネフローゼ症候群、膠原病に伴う腎障害、糖尿病性腎症、痛風・高尿酸血症に伴う腎障害、高血圧に伴う腎硬化症など、すべての腎臓病および高血圧症患者を対象に診療を行っている。全国からも数多くの患者の紹介を受け、腎臓病専門医がその治療を担当するとともに管理栄養士による腎臓病の専門的な指導を行っている。さらに、末期腎不全に至った患者の腹膜透析あるいは血液透析の施行や腎移植に至るまで、その合併症を含め定期的に専門外来で管理している。

症例数

外来患者数は月間約4,000~4,500人、病床数約50床、腎生検数は年間約150例、年間透析導入患者数は血液透析約80人・CAPD約90人、経皮的エタノール注入療法(PEIT)施行数は年間50例

★lgA腎症は世界で最も頻度の高い原発性糸球体腎炎とされている。当教室はわが国で初めて本症を報告し、多数例の治療経験に基づき、臨床所見や腎生検による腎病理組織像より、症例ごとの病期に即した治療方針を選択している全国でも数少ない施設といえる

★膠原病(SLEなど)に伴う腎障害は、膠原病専門医と協力し、症例ごとの臨床所見と腎病理所見に基づき治療法を決定している

★糖尿病性腎症は近年、慢性糸球体腎炎を抜き透析導入原因腎疾患の第1位となり、その治療法の確立が必要とされている。本症の治療ならびに管理については、初期より糖尿病専門医と協力して患者を指導管理している

★痛風・高尿酸血症は、腎障害や尿路結石を合併する率が高いことが知られており、当教室では数多くの症例をもとに、その原因や他の生活習慣病との関連性についての研究を行い、これらの豊富な経験に基づいた治療方針を選択している

★慢性腎不全患者については、保存期から末期腎不全に至り透析導入となる患者を腎臓専門医・透析専門スタッフが担当している。患者への食事指導は、腎臓病を専門とする管理栄養士が患者ごとに必要栄養カロリー量、食塩量、摂取蛋白量などについて医師の指示のもと、入院あるいは外来で行っている。また、末期腎不全患者に対する血液浄化療法、すなわち血液透析と持続腹膜透析(CAPD)の選択については、その原理から方法まで実際にビデオや本により十分な情報を患者に提供し、患者の希望などを考慮し決定している。当教室はCAPD導入後の患者を多数外来にて管理できる施設の一つである。最近は二次性副甲状腺機能亢進症について外科的摘出術のみならず、侵襲性と患者への負担の少ないPEITを推奨している

★腎移植については、末期腎不全で透析導入となった患者に対して泌尿器科の医師と連携をとり、生体腎移植を年間5~7例施行している。現在までに約90例に施行し、その成績は85年以降の生体腎移植の1年生着率約97%、10年生着率は約80%と非常に良い

★血漿交換療法や各種吸着療法は、様々な疾患でその有用性が明らかになっている。難治性ネフローゼ症候群を呈する巣状糸球体硬化症、家族性高コレステロール血症に対してLDL吸着療法を行い、その予後改善効果を図っている。その他、ギラン・バレー症候群(神経疾患)や類天疱瘡(皮膚疾患)については二重濾過法を各疾患の専門医と協力しながら施行している

★当教室に併設する血液浄化部門では、外来透析患者(基本的には透析導入後は関連施設や他院へ紹介している)や入院透析患者の血液浄化を行っている。

医療設備

透析ベッド18床。その他ICUやCCU、外科病棟での急性血液浄化のための移動式血液浄化装置を5台保有。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東京都版」(ライフ企画 2011年11月)

泌尿器科

分野

泌尿器科

特色

1922年に本邦初の独立した大学泌尿器科講座として開講されて以来、80有余年にわたる日本で最も歴史のある泌尿器科である。この間、国内の主要な大学や基幹病院の責任者を多数輩出しており、日本の近代泌尿器科を牽引していいる。

症例数

10年度手術総件数は1,500件。その内訳は、副腎手術32件、腎癌手術58件、腎部分切除10件、腎盂・尿管癌手術18件、膀胱癌手術182件(TUR手術165件・膀胱全摘17件)、前立腺肥大症手術59件(TUR手術41件・HOLAP:レーザー手術18件)、前立腺癌手術134件(開腹手術29件・腹腔鏡手術105件)、前立腺癌放射線治療204件、前立腺針生検439件、ESWL184件などである

★前立腺癌に関しては、その診断、治療、経過観察を地域の診療所などと共同で行うことが可能な病診連携のクリニカルパス(CaPMnet.)を構築し、運営している。前立腺癌は各リスク群別に治療方法の選択肢を多く用意している。低リスク群は前立腺全摘、小線源治療、無治療経過観察、中間リスク群は前立腺全摘、ホルモン併用小線源治療、外部照射併用小線源治療、高リスク群にはホルモン併用高線量率ブラキセラピー(HDR)、前立腺全摘などである。なかでも前立腺全摘は腹腔鏡手術を積極的に行い、希望があれば症例を選択しつつ神経温存手術も行っている。腹腔鏡手術における尿失禁は、3カ月でほぼオムツがいらなくなる割合が80%以上、1年で95%以上であり、良好な術後経過である。小線源治療は本邦では2番目に歴史があり、すでに800人を超える実績がある。特に中間リスク群のホルモン併用治療は多施設共同の臨床試験(SHIP)を実行中であるホルモン抵抗性前立腺癌に対して、ワクチン療法の臨床治験を行っている

★副腎腫瘍は内分泌内科と連携し、速やかな診断と可能な限りの腹腔鏡による手術を行っている

★腎腫瘍は、4cm以下のものは部分切除術を行っている。可能であれば腹腔鏡下部分切除術を行う。臨床病期T2以下のものは、積極的に腹腔鏡手術を行っている。転移のある腎癌でも、切除可能であれば開腹手術を行っている。また、免疫治療、分子標的薬を使用している

★膀胱腫瘍は、表在性であればTUR手術を行う。浸潤性で転移を認めないものは、積極的に膀胱全摘術を行っている。膀胱全摘術は、腹腔鏡補助下に行い、出血量の減少が期待できる

★女性の尿失禁に対しては専門外来を設け、TVTスリング手術などを積極的に行っている。女性泌尿器専門外来では、排尿管理資格をもった専門のナースを配置し、医師による治療とともにきめ細かいサポートを行っている

★前立腺肥大症の手術は、TUR手術とホルミウムレーザーを使用した手術を行っている。レーザー手術は、出血量の減少が期待できる

★セカンドオピニオンに積極的に応じている。また、逆にセカンドオピニオンに行くことも気軽に応じている。患者さんが納得できる治療を行えるように努めている。

医療設備

MRI、3次元CT、RI、ESWL、リニアック、電子スコープ内視鏡(軟性鏡)、DSAなどを備えている。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 ○

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東京都版」(ライフ企画 2011年11月)

整形外科

分野

整形外科

特色

新生児から高齢者までのあらゆる年齢層の整形外科疾患を扱っている。また、各種の専門外来を設けて、さらにきめの細かい診療を行っている。専門外来には、膝関節、股関節、肩関節、脊椎・側彎症、手の外科、足の外科、関節リウマチ、腫瘍、骨代謝などがあり、それぞれ専門の担当スタッフが高レベルの診療を行っている。ホームページ:http://www.jikeiseikei.com/

症例数

10年度の外来患者数は56,972人、新患者数は5,852人、年間手術件数は1,217件

膝関節=変形性膝関節症に対しては、コンピューター支援システムを活用した人工膝関節置換術、骨切り術を多数行っている。術前にCTを撮影し、コンピューター上に構築された3次元画像をもとに手術シミュレーションを行い、術中にそのデータを用いることで、正確な骨切りと、至適位置へのインプラント設置を行っている。また、MRIの画像データをもとに、個々の患者さんに対して、シミュレーションした位置での正確な骨切除を可能とするオーダーメイドの骨切り器械を作製して使用している。こうした先進的な取り組みにより、骨切り器械の設置にともなう侵襲や手術時間の短縮化を図っている。一方、症例に応じて、可及的に人工関節置換術を回避し、最小の侵襲で痛みをとるために、関節鏡視下デブリドマン手術を積極的に行っている。スポーツ外傷の症例が多く、レクリエーションレベルから競技スポーツレベルに至るまで、幅広い層の患者さんが訪れている。特に前十字靱帯損傷に対する靱帯再建術例が多く、骨付き膝蓋腱あるいは半腱様筋腱を用いる方法を症例によって使い分けており、半腱様筋腱を用いる術式では、ここ数年TransFix pinを使用し良好な成績を得ている。このほか、半月板損傷、骨軟骨損傷、膝蓋骨脱臼・亜脱臼など幅広い症例に対する治療を行っている。年間手術件数約300件

股関節=当講座では、1970年から日本人の変形性股関節症に適した独自のインプラントを開発しており、この慈恵医大式インプラントも含め、個々の骨・関節の形態に適したインプラントを選択し、良好な成績を得ている。関節温存手術として、早期関節症には寛骨臼回転骨切り術、臼蓋棚形成術、進行した関節症には大腿骨外反骨切り術、筋解離術などを中心に行っている。さらに、手術的治療だけでなく保存的治療の研究にも力を注ぎ、より効果的な運動療法の開発に努めている。大腿骨頭壊死症では、各種骨切り術(寛骨臼回転、大腿骨内反、彎曲内反、大腿骨頭回転、前方・後方回転)などによる治療を行っている。骨盤や大腿骨の骨切り術に関しては、術前に3次元CTを撮影してコンピューター上の手術シミュレーションを行うとともに、症例によっては実物大の骨関節の石膏モデルを作製して手術に役立てている。また、先天性股関節脱臼、ペルテス病、大腿骨頭すべり症などの小児の疾患に対して幅広い治療を行っている。年間手術件数約150件

肩関節=スポーツ障害肩に対して、集約的な治療を開始している。すなわち、野球やハンドボールといったthrowing athlete(投球アスリート)に伴う広義の投球肩障害、さらにアスリートに生じた肩鎖関節脱臼や反復性肩関節脱臼などに対するアスレチックリハビリテーションを行っている。投球肩障害では保存療法を原則とし、全身の柔軟性などを評価し、トレーニングルームを利用して投球フォームのチェックを行い、症例に応じて柔軟性や体幹バランスの獲得、筋力訓練、投球フォームの改善などのリハを行っており、多くの症例で症状の改善がみられ、元の競技レベルへ復帰している。保存療法によって改善が得られない場合には鏡視下手術を行っている。そのほか、高齢者の上腕骨近位端骨折では、骨粗鬆症を伴っていることが多く、その手術に際しては固定力の問題があるため、当講座では独自の内固定材を開発し、早期のリハビリを可能にしている。年間手術件数約60件

脊椎=脊椎・脊髄疾患は多岐にわたっており、頸椎疾患の主なものは、頸髄症、ヘルニア、後縦靱帯骨化症などがあり、また、日常もっとも多く遭遇する腰椎疾患は、ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎変性すべり症、腰椎分離症、分離すべり症などが挙げられ、その他としては、全身疾患に伴うもの(透析や関節リウマチなど)、脊髄腫瘍、脊椎外傷などがある。これらの疾患に対して除圧、整復固定術などの手術療法を積極的に行っているが、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などは、保存療法(ブロック、点滴などの治療)もすすんで行っている。さらに最近では、骨粗鬆症に伴う脊椎圧迫骨折に対して早期除痛が可能で、入院や安静期間を短縮できる椎体形成術を取り入れ、骨代謝グループ、放射線科などと共同で適応を選んで行っている。年間手術件数約150件

側彎症=近年、側彎症に対する学校検診制度が確立され、当外来はその3次健診を担っており、生活指導ならびに装具療法を主体に積極的な治療を行っているが、進行を予防できない症例には手術療法を行い良好な成績を得ている。また他科との連携により、先天性側彎症、レックリングハウゼン病に伴う側彎症、成人期側彎症などの患者さんも多くなっている。年間手術件数約10件

手の外科=骨折、脱臼や腱・神経断裂などの外傷、手指のシビレや運動障害をきたす末梢神経障害、痙性麻痺などによる手の変形、関節リウマチによる手指の変形、先天異常や腫瘍など多岐にわたる外傷、疾患を取り扱っている。手関節の痛みには、関節造影や関節鏡などによる診断を行い、キーンベック病、舟状骨偽関節や三角線維軟骨損傷に対して良好な手術成績が得られている。近年のバイク事故などによる腕神経叢麻痺に対する上肢の機能再建術や切断された指の再接着術、機能再建なども行っている。年間手術件数約280件

足の外科=靱帯損傷などの外傷のほか、内反足、麻痺足、扁平足、外反母趾などの足部の変形、変形性足関節症、関節リウマチによる変形などを扱っている。注目されている疾患のひとつに、中年女性に多く、足関節内果後方の腫脹・疼痛を訴え、進行性の扁平足をきたし、つま先立ちがしづらくなるなどの特徴をもつ後脛骨筋腱機能不全(PTTD)があり、当講座では筋腱再建に加え、踵骨の矯正骨切り術か踵立方関節の延長固定術などを行っている。また、外反母趾には靴の処方による保存的治療を行い、好評を得ている。ここ数年は、外反母趾の成因についてCTを用いた3次元的検討を行っており、その研究結果を基盤として回旋や扁平足の矯正も考慮した骨切り術を行っており、変形の強いものにはプレートによる固定を行い、良好な矯正が得られるようになってきた。手術件数約100件

関節リウマチ=近年、関節リウマチの治療は免疫反応を抑える種々の薬剤の開発とともに大きく様変わりしてきた。当講座では、炎症が著明な症例には積極的に免疫抑制剤を使用している。さらに抗TNF-α剤のような強力な抗炎症作用のある薬剤をリウマチ内科と連携して治療を行っている。しかし、薬物療法でも骨・軟骨の破壊が抑えられない症例には、適切な時期に滑膜切除術や人工関節置換術を主体とする関節形成術を行い、良好な成績を得ている。また、関節リウマチではなくても関節炎を発症する疾患も多数存在するため、その症例に起きている免疫学的事象を全体的に捉え、診断・治療にあたっている。年間手術件数約40件

骨・軟部腫瘍=骨、筋肉などの軟部組織の良性、悪性の腫瘍を取り扱っている。化学療法は全身投与のほか、リザーバーを用いた動脈内注入法を適宜行うが、腫瘍の状態により放射線治療、温熱療法を併用している。手術療法としては、腫瘍を切除した後に人工関節を用いた機能再建術を行い、良好な成績を得ている。年間手術件数約20件

骨代謝=主に原発性・続発性骨粗鬆症、骨軟化症、骨Paget病などを診療しているが、原因不明の骨量減少、脆弱性骨折の原因検索や治療を積極的に行っている。骨粗鬆症の検診希望や既に骨粗鬆症治療を受けているのに骨折を起こしてしまった患者さんには、骨密度・骨質マーカー(コラーゲンの評価)を行い、既存の骨粗鬆症治療薬のみならず、アンチエイジングとしてコラーゲンの老化防止について食事や薬剤の組み合わせを提案している

外傷=種々の骨折に対しては、必要に応じて受傷当日に手術が行えるように、内固定材や創外固定器を常備し、対応している。

医療設備

MRI、CT、MDCT、人工膝関節置換術用ナビゲーションシステム、骨塩定量測定装置(DEXA、PRODIGY)、骨シンチグラフィ、無菌手術室、院内骨銀行、サイベックスNORM装置、リハビリテーション施設など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 ○

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東京都版」(ライフ企画 2011年11月)

リハビリテーション科

分野

リハビリテーション科

特色

世界に先駆けて08年4月より、経頭蓋磁気刺激と集中的作業療法を組み合わせて系統化した入院治療(NEURO)を実施している。当院は、特定機能病院であるため急性期が主体である。しかしながら急性期だけでなく、脳卒中発症後6カ月以上経過した上肢麻痺に対して、リハビリテーション科専門医が中心になってIntensive Neurorehabilitative Approachを試み、機能改善を得ている。加えて、10年10月末より保険収載された上肢痙縮・下肢痙縮に対するボツリヌス療法を、11年6月末日までに上肢253件、下肢20件実施し、上肢は日本一の件数である

★脳外傷後遺症などによる高次脳機能障害には、画像診断・神経心理検査等から得られる情報をもとに、当事者とその家族に対し生活・社会環境における対処法を個別に指導する通院治療・支援プログラムを実施している

★癌の合併症としてのリンパ浮腫に対しては、治療時期ごとにリンパマッサージ、スキンケア、圧迫療法、圧迫下運動療法を適切に組み合わせたテーラーメイドリハビリテーション(APPLAUSE)を実施し、患者さんのセルフマネジメント能力の向上、QOL(生活の質)の向上が得られている

★このほか当院は、地域リハビリテーション支援センター、リハビリテーション科専門医研修施設にも認定されている。「病気を診ずして、病人を診よ」という本学の精神に基づき、患者さんの全体像を見つめながら、チーム医療として包括的に対応している。

症例数

10年度の外来受診者総件数は15,741件、入院患者の当科依頼総件数は39,269件であった。NEURO実施件数は上肢麻痺患者50件、失語症患者23件であった。

医療設備

頭部CT、頭部MRI(統計画像解析による微細な萎縮の検出)、SPECT(統計画像解析による効果判定)、functional SPECT、経頭蓋磁気刺激装置、心肺運動負荷試験装置など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東京都版」(ライフ企画 2011年11月)

眼科

分野

眼科

特色

一般外来に加えて白内障、緑内障、網膜剥離、糖尿病網膜症、網膜色素変性、ぶどう膜炎、視神経炎、眼球運動の異常、脳内の病気による視力や視野障害、眼瞼や眼の腫瘍、斜視弱視、小児の眼の病気、涙目、角膜疾患、色覚異常など、眼科の広い分野の病気に対してそれぞれ専門医がそろっていることが特色であり、最先端・最善の医療を提供している。毎日手術が施行されており、緊急手術にも速やかに対応できる体制が整えられている。

症例数

年間の初診患者数は約10,500人、再診延べ患者数は約52,000人、中央手術室での手術件数は、白内障、網膜硝子体、緑内障、斜視、眼窩腫瘍、涙器疾患、角膜疾患など、年間約3,600件である。03年からは外来棟手術センターが設置され、外来手術にも快適な環境が整備された

白内障=白内障手術件数は年間約2,000件で、大学病院の白内障手術件数としては全国屈指。極小切開など新しい術式の開発とともに、新しい多焦点眼内レンズの挿入にも積極的に取り組んでいる。また、それぞれの眼の状態や生活様式に合わせた手術術式や眼内レンズの選択を行っており、満足度の高い手術の提供を心がけている

緑内障=緑内障の年間手術件数は約150件で、難治例に対してもマイトマイシンを併用した線維柱帯切除術により、良好な成績を得ている。また、緑内障の視野に対する最先端の研究や、新しい点眼薬の治験も行っている

網膜硝子体=網膜剥離、増殖糖尿病網膜症、黄斑疾患を中心に年間約500件の手術を行っている。糖尿病網膜症などの難症例に対しても、極小切開白内障手術を併用した小切開硝子体手術を行っており、良好な成績が得られている

視覚外来=先天色覚異常、網膜変性疾患に対して、分子遺伝学的、心理物理的、電気生理学的手法を用いて診断を行い、病態に応じた治療や生活指導を行っている

ぶどう膜外来=Multiplex PCR法により、ウイルス性ぶどう膜炎の早期確定診断を行う。非感染性ぶどう膜炎の難治性の黄斑浮腫や増殖性病変を合併した感染性ぶどう膜炎に対し、トリアムシノロン併用硝子体手術を行い、良好な成績を収めている

神経眼科=視神経疾患、眼瞼下垂、眼球運動障害に関し多くの疾患を扱っている。眼瞼けいれんに対してはボツリヌス毒素注射も行っている。また、神経内科・脳神経外科・耳鼻科・放射線科と連携体制を整えている

眼瞼・眼窩疾患=わが国において専門とする術者が少ない眼窩腫瘍や涙嚢腫瘍手術を積極的に行っている

弱視・斜視・小児眼科=多数の優秀な視能訓練士と3人の専門医により、専門外来が行われている。斜視手術は年間約120件で、子どもの視機能の正常な発達を目標に、的確な診断と手術、術後治療が行われている

涙器外来=涙目に対して、その原因を適切に診断し、シリコンチューブを用いた治療(年間約250件)や手術を行っている。特に涙嚢鼻腔吻合術は年間約50件で、良好な治療成績が得られている

角膜=様々な角膜の難治性疾患に対して全層角膜移植など、常に最善の治療法を速やかに提供できるよう万全の体制を整えている。また、白内障術後の水疱性角膜症に対する角膜内皮移植術(DESAEK)も積極的に行っている

コンタクト=角膜専門医によって、円錐角膜などの病的角膜にも最善のフィッティングが得られやすい種々の特殊レンズが処方されている。

医療設備

各種視野計、各種レーザー、各種角膜検査装置、最新の白内障・硝子体手術装置をはじめ、特定機能病院として最先端の医療を行うために必要な機材を保有。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 ○

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東京都版」(ライフ企画 2011年11月)

耳鼻咽喉科

分野

耳鼻咽喉科・頭頸部外科 

特色

日本で最初に耳鼻咽喉科が開設されたのが本大学で、耳鼻咽喉科発祥の地であり119年の伝統とともに臨床に重点を置いてきた歴史が特色。耳疾患、鼻副鼻腔疾患をはじめ頭頸部腫瘍、アレルギー、めまい、喉頭・音声・嚥下、睡眠時無呼吸・いびき、難聴、補聴器、人工内耳などそれぞれ特殊外来を設け、すべての耳鼻咽喉科疾患に対して常勤専門医が高度の医療を提供。当教室で開発した低侵襲手術の内視鏡下鼻内手術の普及のため、毎年2~3月に内視鏡下鼻内手術講習会を開催。中耳真珠腫や慢性中耳炎に対して当教室独自の鼓室形成術(聴力改善手術)の研修目的で毎年7月に耳の手術研修会を開催。毎回全国から20~30人の医師が参加し、鼻は18回、耳は26回となり、本邦の医療の質的向上を担っている。アジアの耳鼻咽喉科医を対象とした内視鏡下鼻内手術研修会も毎年開催し、10年で15回となり国際交流を深めている。

症例数

10年の手術件数は1,500件を超え、耳鼻咽喉科用手術室を3室有し、月曜~金曜まで毎日手術を施行。期日指定入院で、全身麻酔も前日入院、多くの疾患がクリニカルパスで短期入院。病床定数は65床で、平均在院日数は10.9日。年間外来新患数は6,559人、紹介率45%前後、延べ外来患者数は61,300人

★慢性中耳炎、中耳真珠腫、癒着性中耳炎など中耳炎の治療は、過去の豊富な経験より各種聴力改善手術をその病態に応じて施行。中耳真珠腫は外耳道後壁保存による聴力改善手術を入院8日で術後は中耳炎術後外来で徹底的な経過観察と治療を行う。10年は鼓室形成術172例で成功率は85~90%。耳硬化症、耳小骨奇形、外傷などはあぶみ骨手術や耳小骨形成術の難聴改善は90~95%。耳硬化症、耳小骨奇形は過去各々200例、100例以上で10年のあぶみ骨手術14例、外リンパ瘻閉鎖術4例、人工内耳埋め込み術3例。脳外科とナビゲーションを用いた聴神経腫瘍など頭蓋底の手術も行う

★当科で開発した内視鏡下鼻内副鼻腔手術は全国に普及しているが、内視鏡下鼻内手術を慢性副鼻腔炎の手術治療のみでなく独自の鉗子の開発、手術器具を改良し副鼻腔嚢胞、副鼻腔真菌症、アレルギー性真菌性副鼻腔炎、乳頭腫、良性腫瘍、外傷(眼窩吹き抜け骨折、髄液鼻漏の手術)、下垂体腫瘍などに応用、低侵襲性の手術で治癒率向上と入院期間の短縮。手術困難例などもナビゲーション装置を用いて安全に手術を行う。好酸球性副鼻腔も手術と術後治療で成績は良好。10年は内視鏡下鼻内手術(ナビゲーション支援手術含む)724例、眼窩吹き抜け骨折10例、鼻中隔彎曲矯正術およびアレルギー性鼻炎に対する手術137例など。内視鏡下鼻内手術の治癒率は90%

★アレルギー性鼻炎は専門外来で検査を行い、原因抗原の同定および副鼻腔炎の合併の有無を確認し、生活指導、減感作療法、薬物治療組み合わせて治療。手術は下甲介切除術、軽症例は外来手術センターで手術

★頭頸部腫瘍は治療成績向上と術後機能を重視した治療。進行癌は形成外科医が遊離皮弁再建術で術後合併症も減少し在院期間も短縮。放射線科と合同カンファレンスで化学放射線療法での機能温存治療。耳下腺腫瘍、甲状腺腫瘍、頸部腫瘤疾患などの手術治療

★喉頭・音声・嚥下疾患はポリープ切除、反回神経麻痺のアテロコラーゲン注入は外来。入院手術はマイクロフラップテクニークで良好な音声の回復。嚥下障害は神経内科と協力して生活指導やリハビリテーション

★睡眠時無呼吸症候群では睡眠時検査を1泊のポリソムノグラフィで行い、精神科、呼吸器内科と合同で診断、保存治療や手術療法を選択

★突発性難聴、急性低音障害型感音難聴、メニエール病など内耳疾患はストレスがその誘因となることが多く、専門医による診断と治療、特にステロイドおよびプロスタグランジンなどの治療と共に生活指導

★補聴器の適応では専門外来でフィッティングを行う

★治療方針は教授、准教授、講師や各専門外来の熟練医が決定

★手術は患者の希望日指定入院。

医療設備

MRI、MD-CT、エコー、リニアック、ナビゲーションシステム(3台)など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東京都版」(ライフ企画 2011年11月)

歯科

分野

歯科口腔外科

特色

一般歯科治療から口腔外科疾患治療まで広範囲にわたる診療を行っている。医科大学附属病院の特性を生かし、他科との連携のもとに有病者歯科治療にも力を入れている。口腔外科小手術は外来手術センターにて日帰り手術を行っている。

症例数

外来患者数は約1,600人/月。年間の全手術件数(概数)は、抜歯などの小外科手術を除いて外来250例、入院74例。疾患別では、口腔腫瘍10例、顎骨内嚢胞30例、骨折などの外傷10例、顎関節疾患5例、炎症15例

顎関節症=生活指導、食事指導、投薬などの保存療法を主体に行い、必要に応じて関節腔内洗浄、顎関節鏡視下手術、顎関節外科を施行している

顎骨腫瘍、嚢胞=両者の鑑別は造影CTにて行っている。症例により、腸骨海綿骨移植や腸骨ブロック骨移植を併用し、インプラント植立による顎機能と形態の回復を図っている

顎骨骨折=チタンミニプレートによる整復固定術を積極的に行い、顎間固定期間の短縮を図っている

睡眠時無呼吸症候群=他科との連携により口腔内装置治療を主体に行っている

有病者の歯科治療=他科との連携を綿密にとり、全身状態をモニタリングしながら処置を行っている。笑気吸入鎮静法、静脈鎮静法を併用することもある。

医療設備

MDCT、MRI、高周波ラジオ波メス、ヤグレーザー、ファイバースコープ、顎関節鏡等。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東京都版」(ライフ企画 2011年11月)

皮膚科

分野

皮膚科

特色

皮膚科一般を診療しているが、乾癬、アトピー性皮膚炎、皮膚悪性腫瘍、神経線維腫症、ならびに帯状疱疹、単純ヘルペス、疣贅(イボ)などのウイルス性皮膚疾患の精査、治療に力を入れている。治りづらい皮膚疾患で悩んでいる患者さんの生活の質(QOL)を向上させることを大切にしている。初めてご来院の方は、診療情報提供書(医療機関が発行した紹介状)をお持ちくださるようお願いしている。外来は午前の一般外来、午後の専門外来以外にスキンケア外来、皮膚レーザー治療外来がある。スキンケア外来、皮膚レーザー治療外来は、午前の一般外来を必ず受診してから予約にて施行している。http://www.jikei.ac.jp/hospital/honin/

症例数

1日の平均外来患者数約160人、入院患者数は約10人であり、年間手術件数は約300例である。難治性皮膚疾患は、午前の初診を受診した後、午後の各専門外来(乾癬、アトピー性皮膚炎、神経線維腫症、腫瘍、ヘルペス、疣贅、膠原病)で精査、治療を行っている。全身麻酔を要する手術や重症例は、入院治療を行っている

乾癬=治療の選択肢が増えつつある。基本的な外用療法としてステロイド外用剤と活性型ビタミンD3製剤を用いている。内服療法としてシクロスポリン、メトトレキサート、エトレチネートを症状、年齢、性別によって選択している。また、ナローバンドUVB、ターゲット型エキシマライトを含む紫外線療法も積極的に行っている。生物学的製剤の臨床試験を実施している

アトピー性皮膚炎=EBM(科学的根拠に基づく医療)に則った適正な薬物療法の選択と外用・内服療法、スキンケアを中心に治療を行っている

腫瘍=ダーモスコピー検査、病理診断、手術療法(センチネルリンパ節生検を含む)、放射線療法、化学療法など診断から治療、経過観察まで一貫して行っている。退院後も専門外来で経過観察をしている。皮膚良性腫瘍は、外来日帰り手術を中心に手術療法を行っている

神経線維腫症=専門外来で経過を長期にわたり観察している。必要に応じて集学的検査、腫瘍の切除などを行っている

ヘルペス=口唇ヘルペス、性器ヘルペスなどに対し、蛍光抗体法を行い迅速診断、抗体価測定で単純ヘルペスの型判定を行うとともに、認識療法、抑制療法などの治療や生活指導を行っている。帯状疱疹の初期では必要に応じて入院治療を行い、皮疹の治癒後も長期にわたり帯状疱疹後神経痛の管理を行っている

疣贅(イボ)=尋常性疣贅、尖圭コンジローマ、青年性扁平疣贅、疣贅状表皮発育異常症などに対し、液体窒素法に加え、接触免疫療法などの特殊治療を行っている

膠原病=強皮症、皮膚筋炎、エリテマトーデス、ベーチェット病など長期にわたる診療が必要な疾患も対応している。必要に応じて入院による精査、治療を行っている

パッチテスト=各種の薬疹、接触皮膚炎、口腔粘膜の扁平苔癬などの原因薬剤、物質のパッチテストを積極的に施行している

★スキンケア外来にて専門スタッフによるニキビケア、セラピーメーキャップ、スキンケアの患者さん向けの指導を行っている

光線療法=スキンケア外来内で外用、内服だけでは難治な乾癬、白斑、アトピー性皮膚炎、痒疹等に対してナローバンドUVB全身照射、PUVA療法、ターゲット型エキシマライト照射による光線治療を行っている

★皮膚レーザー治療センターにて色素系のアザ、シミ、血管腫、皮膚良性腫瘍に対してレーザー治療を施行している。

医療設備

MRI、CT、ECHO、PUVA全身照射装置、ナローバンドUVB全身照射装置、ターゲット型エキシマライト、炭酸ガスレーザー、Qスイッチルビーレーザー、色素レーザー、ダーモスコピーなど最新機器を揃えている。
  • セカンドオピニオン受入 △
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東京都版」(ライフ企画 2011年11月)

神経内科

分野

神経内科

特色

パーキンソン病、脊髄小脳変性症、重症筋無力症などの神経難病を含め、神経内科疾患全般にわたって診断と治療を行っている。最も多いのは脳血管障害である。なお、当大学病院は都内では青戸病院(葛飾区)と第三病院(狛江市)にも附属病院を持ち、日本神経学会教育施設、日本脳卒中学会研修教育病院および東京都神経難病医療の拠点病院に指定されている。

症例数

外来患者数:1日約50人、年間15,000人。紹介率:60%、入院患者数:平均26人で年間340人、平均入院期間:平均20日

疾患名と治療方針=主に脳血管障害、パーキンソン病、ギラン・バレー症候群、重症筋無力症、多発性硬化症などを対象としている。脳血管障害患者は救急部から入院することが多く、十分な診察の後、CTやMRIなどで早期に診断する。脳梗塞急性期患者ではt-PAなど血栓溶解療法をはじめとする抗凝固薬、抗血小板薬および抗脳浮腫薬を使用して良い成績をあげている。頸動脈の高度狭窄などのみられる場合には血管内治療部と相談の上、治療方針を検討している

★変性疾患・末梢神経疾患・筋疾患では電気生理学的検査や各種の抗体検査などを行っている。パーキンソン病に対して各種の薬物療法の適応や種類を検討し、リハビリテーションとともに治療を行っている。ギラン・バレー症候群ではヒト免疫グロブリン大量静注療法などを行っている。重症筋無力症では胸腔鏡下拡大胸腺摘出術を念頭においてステロイドや抗コリンエステラーゼ剤の投与などを行っている

特殊検査=神経・筋生検は当科で、遺伝子検査や特殊抗体検査等は他施設に依頼している。

医療設備

CT、MRI、MRA、SPECT、頸動脈エコー、心エコー、経食道心エコー、脳波、筋電図、神経伝導速度、誘発電位など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東京都版」(ライフ企画 2011年11月)

脳神経外科

分野

脳神経外科

特色

脳神経外科疾患全般を取り扱っているが、特に脳血管内治療と脊髄空洞症を含む脊椎脊髄疾患、小児神経外科疾患の症例数が多い。当院は日本脳神経学会訓練施設であり同学会専門医19人、さらに日本脊髄外科学会認定の訓練施設であり学会認定指導医が2人、認定医が3人、また脳血管内治療学会認定の指導医が1人、認定医が4人常勤している。小児神経外科部門は、日本で初めて大学付属病院に設置され、東京慈恵会医科大学附属病院総合母子健康医療センターの一部門である。

症例数

病床数は36床、07年の手術件数は590例で年々増加傾向である。内訳は脳血管内手術165例、脊髄脊椎109例、脊髄空洞症66例、小児先天奇形89例、血管障害62例、脳腫瘍59例、外傷25例、その他(機能外科など)15例である

★脊髄空洞症(阿部教授の専門)の手術症例数は450例を超えており、全国から患者が紹介されてくる。病態に応じて適切な手術術式を選択することにより、ほぼ全例に症状の改善または進行の停止を得ている

★脊髄脊椎疾患は年々増加傾向にある。当院では整形外科との合同カンファレンスを毎週行い、診断・治療に苦慮する症例は協力して治療を行っている。変形性頸椎症、椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などの変性疾患の手術が約70%を占めるが、脊髄腫瘍、血管障害の手術も多い。すべての手術を顕微鏡下に行い、低侵襲手術を心がけている

★脳血管治療部関連の07年の脳血管関連の手術総数は195例で、その内訳は脳動脈瘤に対するコイル塞栓術109例、脳動脈クリッピング術27例、頸動脈ステント28例、その他脳動静脈奇形、硬膜動静脈瘻等31例。未破裂脳動脈瘤に対する治療方針は原則的に5mm以上の動脈瘤に対して血管内手術第一選択で治療を検討している。塞栓術に不適な場合には、開頭クリッピング術を施行している。脳動脈瘤治療全体での合併症頻度は2.9%である(開頭、血管内手術含む)。外来で経過観察をしている脳動脈瘤は総数で1,000例を超えており、これらをすべてデータベースに蓄積、解析を行い、より安全な治療方針へ貢献している。脳梗塞治療に関しては、頸動脈狭窄に対する手術、モヤモヤ病、頭蓋内動脈狭窄に対するバイパス術を行っている。また臨床研究面では、新たな脳梗塞治療機器の開発も行っている。脳血管内手術が中心ではあるが、直逹手術を含めた総合的な視野から、より安全性の高い治療を目指している

★悪性脳腫瘍(グリオーマ)は、神経病理、放射線治療部、画像診断部とチーム医療を行っている。手術は、術中CTを駆使した術中ナビゲーションシステムを用い、可能な限り機能温存を追求しながら積極摘出を行う。摘出した組織は、神経病理医が染色体診断を含めて確定診断を行う。術後の後療法は、癌治療専門医が施行、放射線治療は、放射線治療専門医によって行われる。また、摘出した組織を培養し、当院独自の免疫療法も行っている。下垂体腺腫は、鼻腔内温存のため耳鼻咽喉科と共同で神経内視鏡を用いた経鼻的腫瘍摘出を行っている。頭蓋底腫瘍は、神経モニタリング、ナビゲーションシステムを駆使し、積極的治療を行っている。機能温存を重視した手術を行い、術後定位的放射線治療を併用する。頭蓋底再建が必要な手術には、耳鼻咽喉科、形成外科との共同手術を施行している。

医療設備

MRI、fMRI、CT、3D-CTA、SPECT、DSA、3D-DSA、手術ナビゲーション支援装置、定位放射線治療装置、神経内視鏡など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東京都版」(ライフ企画 2011年11月)

乳腺内分泌外科・乳腺グループ

分野

乳腺・内分泌外科

特色

日本で初めて、85年より集学的治療(チーム医療)を導入し、乳腺外科医の意見だけではなく腫瘍内科医、放射線治療医の意見を治療方針に反映させてきた。現在では緩和医療医師、ペインクリニック専門医師、看護師、薬剤師など、多岐にわたる分野のスタッフが充実し、週1回のカンファレンスにおいて入院、手術患者、全症例のみならず、各科外来における治療方針の決定に困難な症例や問題症例を検討し、患者へのフィードバックを行っている

★診断面では、マンモグラフィ(MMG)、超音波、MRI、MDCTを用いて腫瘍の広がりを評価し、術前カンファレンスで放射線診断医、技師とともに最適な術式は何かを全例について検討している

★治療の基本は治癒を目指す積極的なものであるが、治療開始前には患者および家族等、患者をサポートする方とじっくり話しあい、ライフスタイル、目標とする自己イメージなど、患者自身や家族の望むことも治療に反映させ、治療に積極的に参加できるように心がけている

★術前化学療法は85年より開始している。薬剤師、看護師とともに嘔気の軽減を図る薬物治療、爪の変形を防ぐ冷却手袋など、臨床試験を施行しつつQOL(Quality of Life:生活の質)をできるだけ保った化学療法に取り組んでいる。手術のための入院はクリニカルパスを導入し、安全に最短で退院できるような態勢を整えている。センチネルリンパ節生検は色素法とRI法の2重標識にて施行し、手術中の迅速診断にて判定を行っている。部分切除でリンパ節に転移のない場合は、最短3日間の入院にて可能である

★術後創部の慢性疼痛(乳房切除後疼痛症候群)には、乳房専門ペインクリニックにて治療を行う。上肢の浮腫は、軽度なものから何十年も以前から継続するものでも、専門リハビリスタッフの協力のもと、QOLの改善を図ることが可能である

★再発乳癌の治療は「症状の緩和、QOLの向上を重視する」方針に加え、抗癌剤による「完全寛解を目指す治療」を提案し、本人の納得のいく方法を取り入れている。痛みや不安に対しては緩和チームとして専門医師、精神科医、専門看護師が介入する。骨転移による疼痛・骨折や、肺転移による呼吸困難等が原因で日常生活に困難をきたした場合や、支援が必要な場合、患者・家族の希望を聞いて介護保険を導入したり、在宅での訪問看護師等、在宅支援室が中心となり支援を行っている。個人では難しい医療連携を、入院時にソーシャルワーカーや病棟看護師のサポートにて行うことも可能である。

症例数

10年度の乳癌手術260例。乳房温存手術頻度74%。温存手術の適応:病期II以上では基本的に術前化学療法をすすめている。温存手術(乳房部分切除)は術後の整容性が保たれる場合に適応し、原則は残存乳房には腫瘍を残さないことを一番に心がけている。しかし、いずれも最終判断は本人の意思による。病期Iまたは0でも乳管内に広範囲に広がっている場合は乳房切除をすすめ、希望に応じて同時再建、2期再建を行う。センチネルリンパ節生検は診断時に腋窩リンパ節転移のない場合に行う。術前化学療法前にリンパ節転移を認めない場合も同様に施行している。治療成績:4年生存率は、StageI:100%、II:98%、III:70%、IV:0%(04年の手術症例を解析)。4年無病生存率は、Stage 0:100%、I:100%、II:90%、III:63%。

医療設備

MMG、US、CT、MRI、マンモトーム(X線ガイド下、超音波ガイド下)、エラストグラフィ(診断用)、乳管内視鏡、ガンマプローブ(センチネルリンパ節生検用)、放射線治療装置(リニアック、定位脳照射)など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 ○

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東京都版」(ライフ企画 2011年11月)

放射線治療部

分野

放射線科

特色

全員が放射線科専門医の資格を有している。本学建学の精神「病気を診ずして病人を診よ」に沿った医療を実践することを目標としている。他診療科とも密接な連携を図るための臨床カンファレンスを定期的に開き、最善の治療方針を選択している。

症例数

10年の全治療症例数は約850例(機器更新によりリニアック1台は10年10月~11年5月まで停止、6月より再稼働予定、疾患によってはこの間他院で治療依頼を行う)で、主な疾患はおおよそ乳癌180例(約130例は乳房温存療法)、肺癌50例、頭頸部癌120例、子宮癌65例、食道癌20例、前立腺癌220例、大腸癌10例、胆道癌10例、リンパ腫70例などである

★85年から現在までに舌癌・咽頭癌など頭頸部癌に対する小線源治療(組織内照射)数は400例を超えている。I~II期舌癌全体の局所制御率は85%であり、5年生存率はI期99%、II期97%である(95年~00年215例)。10年より、局所進行頭頸部腫瘍に対し耳鼻科と連携し化学放射線治療、高精度放射線治療を施行している

★前立腺癌には、Ir-192を用いた高線量率小線源治療(年間約40例)とともにヨード125を用いた低線量率小線源治療(年間約140例)を行い、早期から進行癌まで幅広く治療している

★血液腫瘍ではリンパ腫、白血病への移植を含めた治療も施行可能である

★核医学治療では甲状腺癌に対するヨード内用療法に加え、08年より多発骨転移に対するストロンチウム治療を施行している。リンパ腫に対するイットリウム治療も検討中である。当科の連携施設にはサイバーナイフ治療施設がある。

医療設備

リニアック2台、高線量率小線源治療装置、放射線治療病室(密封小線源治療用1床、ヨード内服治療用2床)、前立腺小線源治療システムなど。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東京都版」(ライフ企画 2011年11月)

ペインクリニック

分野

ペインクリニック

特色

世界最初のペインセンターである米国シアトルのワシントン州立ワシントン大学で痛み治療を実践してきた北原医師の経験を応用し、痛みに対する「生物心理社会的アプローチ」を診療の基礎とする。神経ブロック療法や鎮痛薬等の通常の治療法が無効な難治性慢性疼痛に効果が高い。診察に十分な時間(初診時1~3時間)をかけ、生活の質が向上することを目的とした全人的なアプローチを行う。必要に応じ院内他科と連携し学際的治療を行う。

症例数

年間新患数は400人以上。多くが他院や院内他科から紹介された難治性慢性疼痛患者である。頭痛、頚部痛、腰背部痛、手足の痛み、帯状疱疹後神経痛などのほか、手術後の慢性疼痛や、原因不明の慢性疼痛(線維筋痛症、CRPS、筋筋膜性疼痛など)、癌性疼痛等、様々な痛みを対象とする。薬物療法・運動療法(加圧トレーニング、AKAを含む)・心理療法・神経ブロック療法・トリガーポイント療法・栄養指導など多方面からアプローチする

★急性帯状疱疹・顔面神経麻痺急性期・突発性難聴急性期などへの神経ブロック療法も施行する。また、顔面けいれんや痙性斜頚に対するボツリヌス抽出物の注射も行う

★乳癌手術後の痛みについては、女性医師(小島)を中心として積極的な治療を行っている日本では数少ない施設の一つで、治療有効率は約80%

★難治性神経障害性疼痛に対し、薬物療法を中心として治療有効率は約75%。癌性疼痛に対しては緩和ケア科などと連携し、治療有効率は90%以上

★東洋医学専門外来(水曜午前)あり。

医療設備

スーパーライザー治療器、キセノン光治療器、低周波治療器、温灸器、レントゲン透視室。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東京都版」(ライフ企画 2011年11月)

呼吸器内科

分野

呼吸器内科

特色

学祖高木兼寛の「病気を診ずして、病人を診よ」という建学の精神に基づき、びまん性肺疾患(間質性肺炎、膠原病肺、塵肺症、過敏性肺臓炎、サルコイドーシスなど)、呼吸器感染症(肺炎、胸膜炎、肺結核、非結核性抗酸菌、肺真菌症など)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気管支喘息、胸部悪性腫瘍(肺癌、縦隔腫瘍など)、睡眠時無呼吸症候群などの幅広い呼吸器疾患の最新の情報を取り入れ総合的に診療している。診断と治療に関しては、放射線診断部、呼吸器外科、病理と密接な連携をとり、迅速かつ正確な診断を実践し、毎週全例カンファレンスで呼吸器内科としての方針を決め、エビデンス(科学的根拠)に基づく治療を行っている。肺結核で入院が必要な場合は慈恵医大第三病院の結核病棟と連携し、迅速な入院が可能である。

症例数

病床数30で、平均在院日数20日前後である。10年度年間外来患者数は23,600人で、内訳は気管支喘息およびその関連疾患26%、呼吸器感染症23%、胸部悪性腫瘍12%、COPD 10%、睡眠時無呼吸症候群8%、間質性肺炎4%、その他17%であった。また10年度年間入院患者数は470人で、内訳は胸部悪性腫瘍50%、睡眠時無呼吸症候群15%、呼吸器感染症11%、間質性肺炎8%、検査入院(気管支鏡、CTガイド下肺生検)7%、COPD 5%、気管支喘息1%、その他3%であった

気管支喘息=重症度により吸入ステロイド、長時間作用型気管支拡張薬、抗ロイコトリエン薬などにより主に外来でコントロールを行っている。治療の進歩により以前と比べ入院患者は少なくなっているが、発作で臨時受診を要する場合もあり、適宜ネブライザーやステロイド点滴などで対応している。他疾患の手術のため全身麻酔を要する患者の周術期管理も行い、安全に手術が施行できるよう努めている

呼吸器感染症=市中肺炎、院内肺炎ともに迅速な診断とガイドラインを念頭においた適切な治療を施行している。市中肺炎の軽症例は、可能な場合は外来で治療を行っている。肺結核は慈恵医大第三病院結核病棟と連携し、迅速な対応が可能である。院内発症した場合の感染症用陰圧室も用意している

肺癌=主に気管支鏡または放射線科医師によるCTガイド下肺生検で組織を採取し、確定診断を行っている。手術適応のない患者を当科で治療する。治療前に病状、治療の選択肢、治療のメリット、デメリットを説明の上で治療方針を決定する。エビデンスに基づき、現時点で最善の化学療法または放射線化学療法を行っている。入院の上で全身状態や合併症を考慮し、治療導入を行う。その後可能であればQOL(生活の質)を重視し、外来化学療法に移行している。合併症のある患者でも当該科と連携し、最適な治療方針を決定している。また、より有効な新しい治療法の開発のため多施設共同の臨床試験にも参加している

睡眠時無呼吸症候群=ポリソムノグラフィーによる診断と、マスクによる持続陽圧人工呼吸器の調整のため個室入院を要する。耳鼻咽喉科、精神科と連携し、最善の治療方針を決定している

COPD=呼吸機能検査および高分解能CTにより診断し、国際ガイドラインに準じ抗コリン薬吸入を中心とした薬物治療、禁煙指導などを行っている。慢性呼吸不全に対しては在宅酸素療法や非侵襲的人工呼吸療法も行っている

びまん性肺疾患=高分解能CTなどの画像検査、気管支肺胞洗浄、経気管支的肺生検、胸腔鏡下肺生検により正確な診断を行い、病型や原因によりステロイド剤、免疫抑制剤の導入なども考慮に入れた治療方針を決定している。特発性肺線維症の急性増悪に対しては、厚生労働省びまん性肺疾患研究班の一員として新しい治療法開発のための臨床試験にも参加している。サルコイドーシスに対しては、循環器内科、眼科と連携し治療方針を決定している

気胸=必要に応じ胸腔ドレーンやアスピレーションキットの挿入を行っているが、難治性の気胸は呼吸器外科に依頼し胸腔鏡を用いた低侵襲手術を行っている

呼吸不全=急性呼吸不全に対しては、可能な限り高分解能CTなどの画像検査、血液検査、気管支鏡による肺胞洗浄液採取などにより診断し、治療を行っている。原疾患の治療に並行し、人工呼吸器管理が必要な場合は、主に集中治療室(ICU)において、挿管による侵襲的な人工呼吸器だけでなく非侵襲的人工呼吸器(NIPPV)も積極的に施行している。慢性呼吸不全に対しては在宅酸素療法、NIPPVを導入している。

医療設備

CT、MRI、核医学検査、気管支鏡検査、CTガイド下針生検、呼吸機能検査、胸腔鏡、ポリソムノグラフィー、人工呼吸器(侵襲的、非侵襲的)、リニアックなど。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

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