福井大学医学部附属病院(福井県吉田郡永平寺町)が名医に推薦されている分野
住所 | 〒910-1193 福井県吉田郡永平寺町松岡下合月23-3地図を見る |
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電話番号 | 0776-61-3111 |
専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域
福井大学医学部附属病院は、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。
※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表
消化器・一般内科
分野 |
消化器・一般内科 |
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特色 |
各種消化器疾患:食道、胃、腸、肝臓、胆・膵疾患の診断と治療を行っている。特に消化管内視鏡診断と治療は光学医療診療部と共に、月曜日~金曜日まで毎日対応できる体制を整えている。特に食道癌、胃癌、大腸癌に対するESD(内視鏡的粘膜下層切開剥離術)、総胆管結石に対するEST(内視鏡的十二指腸乳頭切開術)、胆道癌・膵癌による閉塞性黄疸に対する各種内視鏡的治療、食道静脈瘤に対するEIS(内視鏡的硬化療法)を積極的に行い、患者さんのQOL(生活の質)の向上に成果をあげている。 |
症例数 |
外来患者1日平均50人。年間入院患者数約750人。主な診療内容:①食道癌、胃癌、大腸癌に対する内視鏡的治療:早期癌に対するESD、進行癌による通過障害に対するステント留置術、②肝硬変の合併症である食道静脈瘤に対する内視鏡的治療:EISやEVL(内視鏡的静脈瘤結紮術)、③総胆管結石に対するESTおよび内視鏡的結石除去、④進行胆管癌および膵癌に対する内視鏡的治療:内視鏡的胆道ドレナージ、⑤消化性潰瘍の治療:ヘリコバクター・ピロリ除菌治療、⑥緊急内視鏡診断・治療:内視鏡的止血術や異物除去、⑦肝癌に対するTAE(肝動脈塞栓療法)、RFA(ラジオ波熱凝固療法)、PEIT(エタノール注入療法)。年間の内視鏡検査数は上部消化管約2,800件、下部消化管約1,300件、ERCP(内視鏡的逆行性膵胆管造影)約250件。内視鏡治療も年々増加し、食道癌、胃癌、大腸癌に対するESD約50件、上部下部消化管ポリペクトミーおよびEMR(内視鏡的粘膜切除術)約200件、食道静脈瘤に対するEISおよびEVL約100件、総胆管結石に対するEST約60件、進行胆管癌および膵癌に対する内視鏡的胆道ドレナージ約100件など。 |
医療設備 |
3T-MRI、MDCT、PET-CT、EUS-FNA超音波内視鏡穿刺診断装置、カプセル内視鏡、シングルバルーン小腸内視鏡、カラードプラ超音波装置など。 |
「医者がすすめる専門病院 北信越版」(ライフ企画 2009年5月)
消化器・一般外科
分野 |
消化器・一般外科 |
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特色 |
消化器癌、乳癌を中心とした一般消化器外科領域の疾患、乳腺疾患を対象に専門的な治療を行っている。各疾患とも拡大手術から機能温存手術まで、精密な外科診断学を駆使することで、診療ガイドラインを基本に、患者の病態に応じた最適な手術、治療法を選択している。直腸癌では高率に肛門を温存し、神経温存手術により機能維持を図るとともに、最近は大腸癌に対する腹腔鏡下手術を積極的に取り入れている。また、最新の化学療法、分子生物学的薬剤による治療を行っている。胃癌も縮小手術から、腹腔鏡手術、拡大手術、さらには術前化学療法を併用した手術を行っている。肝臓、胆道、膵臓の高度な手術も積極的に行っている。腹腔鏡下手術は最新の医療機器を用い、良性疾患、各種癌から、稀な疾患にまで、多岐に渡り患者の希望と適応に応じて行っている。また、癌腹膜転移に対する温熱化学療法、切除不能膵臓癌に対する温熱化学療法といった独特の治療法を行っており、従来治療困難な病態の患者の生存期間の改善を認めている。乳癌に対してはPET診断、センチネルリンパ節生検を併用し、乳房温存手術を施行している。また、最新の化学療法、ホルモン療法、分子生物額的薬剤治療を行っている。 |
症例数 |
年間の入院患者数は延べ1,319人、手術数は518件。大腸癌手術は年間約100例。直腸癌では高率に肛門を温存した上で神経温存手術を行い、根治性を損なうことなく機能を温存している。結腸癌の5年生存率は、Stage I:100%、II:92.5%、IIIa:80.0%、IIIb:67.9%、IV:11.6%。直腸癌の5年生存率は、Stage I:95.7%、II:90.1%、IIIa:77.2%、IIIb:53.0%、IV:14.7%。胃癌手術は年間約60例。進行度に応じて、縮小手術、腹腔鏡下手術、拡大手術を行っている。胃癌の5年生存率は、Stage Ia:99.0%、Ib:96.6%、II:89.9%、IIIa:76.3%、IIIb:52.7%、IV:18.6%。胃癌、大腸癌、卵巣癌などの腹膜転移に対して、独自の方法で温熱化学灌流療法(CHPP)を行っており、予後不良例の改善を認めている。膵臓癌症例は年間約20例。5年生存率は、StageIII:26.0%、IVa:15.0%、IVb:0%。切除不能膵臓癌に対して、独自の術中放射線治療と術後放射線温熱化学療法を組み合わせた集学的治療を行い、著しく不良な予後の改善を認めている。肝臓癌症例は年間約20例。肝切除術を中心にラジオ波焼灼療法などを行っている。5年生存率は、Stage I:95.9%、II:89.5%、III:57.1%。食道癌症例は放射線化学療法を手術に併用している。5年生存率は、Stage 0:100%、I:80.0%、II:75.0%、III:52.3%、IVa:21.4%。乳癌手術症例は年間30例。乳房MRI、PETを用いた詳細な診断に基づきセンチネルリンパ節生検を併用した乳房温存手術を行っている。5年生存率は、Stage I:95.9%、II:89.5%、III:57.1%、IV:32.4%。腹腔鏡下手術は年間80例。胆石症、胃癌、大腸癌、脾臓疾患、その他に行っている。当科ではすべての手術治療に最高の質と治療結果を求めて改良を重ねている。 |
医療設備 |
PET-CT、MRI、MDCT、ハイビジョン消化管内視鏡、カプセル内視鏡、血管造影室、ハイビジョン腹腔鏡下手術システム(OR-1)、術中放射線照射手術室、各種放射線治療装置、RF温熱治療装置、超音波凝固・各種レーザー等手術装置、温熱化学灌流療法装置。 |
「医者がすすめる専門病院 北信越版」(ライフ企画 2009年5月)
呼吸器内科
分野 |
呼吸器内科 |
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特色 |
院内唯一の呼吸器内科として呼吸器疾患全般にわたって診療している。核医学的画像診断法の最先端検査の一角を担うPET/CTを用いて、肺癌の早期診断、遠隔転移の検出および原発巣不明の悪性腫瘍の原発巣の探求に役立てて適切な治療を迅速に行えるよう努力している。内視鏡分野では、極細径までの内視鏡と末梢病変、縦隔病変それぞれに対応した専用の超音波内視鏡をそろえ、積極的に低侵襲な病変の診断ができるよう努力している。進行肺癌の場合、患者さんの負担を避けるためCTを応用した非侵襲的なステレオタクティック治療を放射線科と共同で試みている。胸部外科、放射線科と共同で肺癌の手術適応も積極的に検討している。間質性肺炎(肺線維症)の精密診断を放射線科、高エネルギー医学研究センターと共同で行い、治療に役立てている。睡眠時無呼吸症候群の診断と治療を行っている。なお、各種肺疾患の診断と治療方針が決定した後は当県の交通事情のため、患者さんの希望に応じて、最寄りの関連病院や基幹病院へ紹介し、治療を継続してもらっている。 |
症例数 |
各種呼吸器疾患の診断と治療目的で気管支鏡を年間250件(2008年)行った。経気管支肺生検212例、経気管支針吸引30例、肺胞洗浄231例、肺癌治療としてステント挿入10例を行った ★肺癌=インフォームド・コンセントの上、分子標的治療薬を含めた抗癌剤を用いて肺癌の治療を年間60例試みているが、毎年治療例は増加しており、3~5年の長期生存例も出てきている。関連病院と共同で新規抗癌剤の種々組み合わせの効果をも検討している。末期肺癌の窒息を避ける気管内ステント挿入療法もこれまで15例以上経験した ★原因不明の間質性肺炎(肺線維症)は従来予後の悪い疾病であったが、近年、ステロイド゛など免疫抑制療法の効果のある亜型も明らかとなり、当科でも外科と共同で、必要に応じて胸腔鏡下肺生検を行い、治療方針を決定している。2008年には40例の本疾患を診断し、18例の治療を行った。間質性肺炎は慢性関節リウマチや強皮症などの膠原病にも合併しやすいが、そのような膠原病を基礎疾患に持つ患者さんの診療も行っている ★慢性呼吸不全の治療法としての在宅酸素療法(当県の在宅酸素療法研究会事務局を当科が兼務)は24例導入し(2008年)、導入数はこれまで200例を超えた。そのなかには、15年経過した人も出てきている。さらに、在宅人工呼吸器療法を受けている人も10人いる。呼吸不全の患者さんの生活の向上を目指して看護学科のスタッフや看護師、コメディカルと共同で生活設計の改善(Quality of Life)の相談を積極的に行っている。呼吸不全例で在宅酸素療法前段階の患者さんとのインタビューを通して心理状態を把握し、酸素療法の意味づけを検討している ★急性呼吸不全の亜型である急性呼吸切迫症候群はこれまで治療成績の悪いものであったが、放射線科、麻酔科、ICUとの共同で早期診断を行い、呼吸管理を含めた積極治療を試みて救命率も向上してきた ★近年着目されている睡眠時無呼吸症候群は夜間のアプノモニターを用いて年間15~20人診断し、4~5人が経鼻陽圧呼吸療法を受けている ★閉塞性肺疾患(肺気腫)と気管支喘息は外来でのケアを重視し、生活指導、禁煙指導、吸入療法に力を入れている。閉塞性肺疾患の吸入は抗コリン剤を、そして気管支喘息はステロイド゛吸入をそれぞれ基本にし、吸入指導は薬剤部と共同で患者さん個々に長時間をかけてその意義と使用方法とを説明し、効果を上げている ★厚生労働省特定疾患事業対象のサルコイドーシスは、眼科、皮膚科、放射線科と共同で早期発見に積極的に取り組み、これまで140例を経験した。同じく、厚生労働省特定疾患事業対象の特発性慢性肺血栓塞栓症も現在まで10例経験した。近年話題のエコノミークラス症候群(急性肺血栓塞栓症)も年々増加し、これまで30例経験した。副鼻腔気管支症候群、びまん性汎細気管支炎などの慢性下気道感染症もニューマクロライド療法にて外来での長期ケアができるようになった。これまで80例を経験している。また、非定型抗酸菌(非結核性抗酸菌)症も漸増し47例に達した。 |
医療設備 |
MRI、CT、気管支鏡、超音波内視鏡、仮想気管支鏡ナビゲーションシステム、PET、PET/CT。 |
「医者がすすめる専門病院 北信越版」(ライフ企画 2009年5月)
呼吸器外科
分野 |
呼吸器外科 |
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特色 |
肺癌を中心とする呼吸器外科領域の疾患を対象に専門的な診療を行っている。特に、胸腔鏡を併用した手術に力を入れ、気胸などの良性疾患は言うまでもなく、早期の肺癌に適応を広げ、より侵襲の少ない手術を行っている。6年前より提唱したTriangle Target Principleや胸膜癒着を術前胸壁超音波検査にて評価する方法で胸腔鏡下手術の技術向上に努めている。また、進行肺癌の治療では、手術療法、化学療法、放射線療法を組み合わせた集学的治療を行い成績向上に努めている。術前の診断は、PET-CTを含めた最新設備を備え、より精度の高い術前診断を行い治療にあたっている。 |
症例数 |
年間の呼吸器外科手術症例数は、平均112例/年(06〜08年)で、その内、原発性肺癌60例前後の手術を行っている。IA-IIB期の非小細胞肺癌症例に対しては、標準的根治手術を行い、IIIA、IIIB期の症例に対しては、術前導入療法後に標準手術を行っている。手術後は、早期離床により術後肺炎等の合併症もほとんどなく早期退院につながっている。胸腔鏡を用いた手術は、診断、治療も含めて全症例の8割以上に導入し行っており、術前の胸膜癒着の程度を超音波検査にて評価し、精度の高い胸腔鏡下手術を行っている。肺気腫に対する容量減少手術や漏斗胸に対するNuss法手術も胸腔鏡を併用し行い、良好な成績を残している。肺癌切除例全体の5年生存率は58%であり、進行肺癌の治療に際しては、術前の導入療法(抗癌剤±放射線療法)及び、抗癌剤感受性試験の結果を踏まえた術後補助化学療法を行い、その成果として、IIIA、IIIB期合わせた症例では、5年生存率48%と進行癌に対する集学的治療が効果を挙げ良好な成績を残している。 |
医療設備 |
CT、超音波検査、MRI、PET、気管支鏡検査(超音波内視鏡も含む)、胸腔鏡検査、核医学検査、放射線治療(ガンマナイフを含む)。 |
「医者がすすめる専門病院 北信越版」(ライフ企画 2009年5月)
循環器科
分野 |
循環器科 |
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特色 |
虚血性心疾患、心不全、不整脈を中心に心臓病全般にわたる診療を行っている。循環器内科専門医数は県内最多であり、急性期から慢性期のあらゆる心臓病に対し、最新の治療を行っている。急性心筋梗塞や急性心不全など緊急疾患の受け入れをしつつ、一方ではPET、血管内エコーなどを駆使した、より精度の高い診断・病態把握を行うよう努めている。また、高血圧、高脂血症などの治療にも積極的に取り組んでいる。 |
症例数 |
入院症例としては狭心症、心筋梗塞等の虚血性心疾患が多くを占めるが、弁膜症、心筋症、不整脈、心不全等の疾患も多い。虚血性心疾患の診断に関しては、経胸壁心エコー、経食道心エコー、運動負荷心電図、ホルター心電図、心筋シンチグラフィーのほか、適応と考えられる症例ではPETなどのさらに精密な非侵襲的検査に加えて冠動脈造影検査を実施している。年間の冠動脈造影検査数は年間約700件である。冠動脈病変に対しては冠動脈内stenting、ロータブレーターを含めた経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を施行している(年間約250件)。PCIの成功率は95%を超える。PTCA後の再狭窄予防についても積極的に取り組んでいる。さらに、危険因子の是正、薬物治療による二次予防も積極的に行っている。心房細動などの不整脈に対する診療も重視しており、適応患者に対するペースメーカー移植術、ICD植え込みカテーテルアブレーションを行っている。急性心不全に際しては、機械的補助治療に対する(IABP、PCPSなど)も積極的に行っており、重症心不全に対するCRTも行っている。 |
医療設備 |
心エコー、運動負荷心電図、高速CT、MRI、心筋シンチグラフィー、PET検査、心臓カテーテル検査、シネ心血管造影装置など。 |
「医者がすすめる専門病院 北信越版」(ライフ企画 2009年5月)
腎臓内科
分野 |
腎臓内科 |
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特色 |
開院以来、スタッフは腎臓内科の診療とともに検査部の運営にも携わってきていることを利点として、進行性腎疾患の生化学的・免疫血清学的診断、および腎生検の組織診断に関する方法を日常診療に最大限に生かしている。また、腎疾患の進行要因や、透析患者の心血管系合併症についての遺伝子診断を開発している。透析、移植に関する泌尿器科との連携がよく、他科の腎障害患者の併診に積極的に協力している。 |
症例数 |
外来患者数は月に約220人、広く県内の医療機関からの紹介患者を受け入れている。腎生検はエコーガイド下で年間約40人、透析導入患者は年間30人前後あり、維持血液透析は、近隣の透析施設に依頼している。入院患者は、第1内科、第3内科の併診患者を合わせて年間約100人である ★健診時の血尿・蛋白尿や、糸球体腎炎(IgA腎症を含む)、糖尿病性腎症、腎硬化症、膠原病性腎障害、慢性腎不全、腎移植後の管理など、幅広い腎臓内科診療を行っている。IgA腎症患者には、学会基準に基づいて扁桃摘出術およびステロイドパルス療法を行って好成績をあげている ★外来では、糖尿病性腎症の進展阻止のために種々の薬物療法を積極的に行うとともに、栄養士の親密な指導による食事療法を行っている。腎炎・ネフローゼのみならず、尿異常の診断のためには、インフォームド・コンセントに基づき腎生検診断を行い、的確な治療方針を立てている。血液浄化療法部では9台の機器を保有し、透析導入期の治療のみならず、長期通院透析患者18人の管理も行っている。 |
医療設備 |
血液浄化療法部、腹部エコー機器など。 |
「医者がすすめる専門病院 北信越版」(ライフ企画 2009年5月)
泌尿器科
分野 |
泌尿器科 |
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特色 |
①尿路性器悪性腫瘍の診断から集学的治療に至るまで、総合的診療を行っている。PETを用いた早期診断、腹腔鏡手術、膀胱摘除後の腸管利用した代用膀胱、再発転移に対する低侵襲化学療法など患者のQOLを重視している。②前立腺肥大症に対する薬物療法やレーザー治療。③女医による女性泌尿器科(尿失禁専門)外来と失禁に対するメッシュ手術(TOT/TVM)。④尿路結石に対する体外衝撃波破砕やレーザー治療。⑤男性更年期障害外来(ED外来)。 |
症例数 |
2008年の年間新規患者数908人、延べ外来患者数11,165人、入院患者数667人、手術件数388件(体外衝撃波結石破砕術除く)。2004年から2008年までの5年間における主たる手術術式別の件数は、腹腔鏡手術(腎摘除を含む)102、腎全摘除術104、腎部分切除術12、腎移植4、前立腺全摘除術85、膀胱全摘除術54、経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-BT)262、経尿道的前立腺切除術(TUR-P)79、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)194、前立腺癌に対する小線源治療は121件である ★PET/3T-MRIなどの先端画像診断技術を用い、癌の早期発見に努めている。特に高エネルギー医学研究センターとの共同で、11C-acetate PETによる嚢胞性腎癌の、あるいは再燃前立腺癌の診断に関する先端画像診断を行っている。腎癌のうちでも嚢胞型のものは良性疾患との鑑別が難しいが、癌細胞に選択的に取り込まれる11C-acetateを利用し診断精度を向上させることを目的としている。また、前立腺癌治療後、PSA上昇時の再発病変の局在診断も行っていて、通常のFDG-PETでは得られない精度の高い画像診断技術を持っている。また、米国ワシントン大学との共同研究ではあるが、従来のRIスキャンによる骨転移部位診断の精度を高める目的で、18F-fluoride PETを用いた新規検査を始めた。18F-fluoride PETでは解像度の高い画像が得られるため、骨シンチでは偽陰性となりやすい微小骨転移病変を検出できる可能性が期待される ★ご高齢の方が多いため低侵襲治療を積極的に行っている。前立腺癌に対する小線源治療(ブラキテラピー)や腎癌に対する腹腔鏡手術を施行し、早期離床・退院を指導している。特に、前立腺癌に対する小線源治療を北陸では最も早くから導入し、これまで121件の治療経験を有している。入院期間は3泊4日で開腹せず、2時間程度で終了する。進行癌に対しても独自の化学療法を行い、副作用も少なく、また良好な成績を収めている。さらに尿失禁、膀胱瘤、子宮脱に対しメッシュを用いた新手術(TOTやTVM)を行って低侵襲かつ高いQOLを得ている。これまで(2009年2月現在)TOT25件、TVM33件行っているが、子宮脱症例でも子宮を摘除することなく、もとの位置に修復できるため性交障害などの合併症が生じにくい。また県下初の男性更年期障害外来(ED外来)では、性機能を含めアンチエイジングを目指している。その他、前立腺肥大症に対しては経尿道的手術法としてレーザーを用いた新技術(HoLEP)を採用している。腎尿管結石に対し2009年11月に体外衝撃破砕装置の新機種が導入され、またレーザーを用いた破砕も行っている。 |
医療設備 |
体外衝撃波結石破砕装置、尿流動態検査装置、超音波診断装置、小線源治療装置、ホルミウム・ヤグレーザー、CT、MRI、PET。 |
「医者がすすめる専門病院 北信越版」(ライフ企画 2009年5月)
整形外科
分野 |
整形外科 |
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特色 |
脊椎、膝・股関節、手の外科と整形外科全般を網羅するスタッフで診療に臨み、基礎的研究成果の臨床へのフィードバックを常に念頭に置き、最先端の医療を目指している。特に、早期離床、早期社会復帰を目標に患者のQOLに重点を置いている。 |
症例数 |
年間の手術件数は約700例 ★脊椎外科=厚生科学研究費補助金特定疾患対策事業・脊柱靱帯骨化症に関する調査研究班班員として、脊柱靱帯骨化症(後縦靱帯骨化症、黄色靱帯骨化症)に関わる“脊髄の可塑性と脊髄機能”に関する基礎的研究を行っている。特に世界に先駆けてPET(ポジトロンエミションCT)による脊髄機能の評価を臨床応用している。脊椎手術は年間150件で、当大学病院の使命から内科的合併症を有する高齢者の割合が高いのが特徽である。骨粗鬆症による椎体骨折は、社会的にも問題となっているが、後に生じる脊髄麻痺に対し、積極的に前方除圧固定術を行い早期離床を可能としている。その他の手術では、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症はもちろんのこと、腰椎椎間孔狭窄を見のがすことなく診断し、的確に除圧術を行っている。頸椎では、前方除圧固定手術、椎弓形成術を症例に応じて行い、MRIやPETによる評価を行っている。また、側彎症や変形性脊椎症に対しても精力的に取り組んでいる ★膝関節=変形性膝関節症の病態と治療に関する基礎的、臨床的研究を行っており、その成果を臨床治療に生かしている。手術件数は年間100件以上で、人工膝関節置換術は年間50件以上行っている。現在使用している人エ膝関節は使用開始から10年経過した現在、1例も再置換した症例はない。その他、膝靱帯再建術や半月板手術を関節鏡視下に行い、安定した成績を得ている ★股関節=1995年に当教室で開発した本邦初の日本人の股関節症例に適合する新しいセメントレス人工股関節ステム(FMS)およびその改良版であるFMS-Anatomic・FMS-Profitステム(97年に完成)を既に150症例に臨床応用されており、現在のところ非常に良好な臨床経過を示している。股関節領域の手術件数は、人工股関節置換術が83例、人工骨頭置換術が11例、および関節温存手術(寛骨臼回転骨切り術、大腿骨頭回転骨切り術、キアリ骨盤骨切り術、大腿骨外反骨切り術、股関節鏡視下手術など)が20例であり、いずれも良好な臨床成績を収めている。また、全股関節手術の98%は、自己血輸血のみないし無輸血手術で完了しており、術前・術後のクリ二カルパスに基づいて、約90%以上の症例が、人工股関節・人工骨頭の初回手術であれば術後2~4週間で、人工股関節の再置換術および骨切り術であっても術後6~8週間で自宅に退院できるシステムも確立してきている。なお、術前後の歩行および筋力の評価には、最新の動作解析装置であるVICONや、SIMMGAITやADAMSなどの最新のコンピューターシミュレーション技術を用いている ★手の外科=手~肘関節・末梢神経の疾患・外傷を対象とし、手術件数は年間約150件である。そのうち約40%は骨折、腱損傷、神経損傷、肢指切断などの外傷であり、開放性損傷の場合には緊急手術を行っている。マイクロサージャリーによる切断肢指再接着術の生着率は約90%である。手指の欠損に対する母趾部分移植(Wrap-around flap法)による再建術は、3例に対して行い、全例生着している ★骨折・外傷外科=当院救急部と連携し、24時間体制で救急患者に対応している。骨折治療に関しては国内外の講習会に参加し、常に技術を切磋琢磨している。さらに、脊椎、膝・股関節など各部位ごとに診療分野の医師が診療、手術にあたり、より適切で最新の治療に取り組んでいる。 |
医療設備 |
MRI、CT、PET、骨密度測定装置(DXA)、歩行分析装置など。 |
「医者がすすめる専門病院 北信越版」(ライフ企画 2009年5月)
小児医療
分野 |
小児医療 |
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特色 |
総合外来で小児科疾患全般に対応すると共に、アレルギー・免疫・膠原病、腎・尿路疾患、血液・腫瘍性疾患、内分泌・代謝疾患、循環器疾患、神経・筋疾患、発達障害、不登校・心身症、未熟児・新生児など、小児科の全領域の専門家による専門外来を別途開いて、両者の統合による小児疾患の総合的な医療を行っている。また、救急部との連携の下に、三次救急を主体とした救急患者にも対応している。外来は予約制、紹介制を原則として、診療待ち時間の短縮に努めているが、一部の専門外来を除いて、予約や紹介がなくとも受診に問題はない。院内には養護学校分教室(小学生、中学生対象)があり、長期入院学童・生徒のためのベッドサイドでの学習環境も充実している。 |
症例数 |
県内で唯一の骨髄バンク、臍帯血バンクの移植認定施設であり、白血病などの悪性腫瘍患者が入院の半数を占める。他にアレルギー・免疫・膠原病、腎疾患、内分泌代謝疾患、心疾患、神経・筋疾患、感染症、未熟児など小児科領域の全ての疾患を専門的に治療している。県内で唯一の高度先進医療実施病院であり、県内外の病院・医院からの紹介患者が多い ★小児の骨髄移植、臍帯血移植を行っており、無菌室などの最新設備を使って白血病、先天性代謝疾患などに対する同種造血幹細胞移植医療を実施し、良好な治療成績を挙げている。小児がん患者に対する自己造血幹細胞移植を併用した強力な化学療法も実施している ★小児気管支喘息に対しては寛解・治癒を目指して、発作ゼロを達成すべく重症度に応じた治療を行い、外来治療でコントロール中の患者が喘息発作のため入院することは、数%以下である ★アトピー性皮膚炎に対しては、原因アレルゲンや悪化要因の検索と対策、スキンケア、薬物療法の組み合わせによる総合的治療を行っている。食物アレルギーに対しては除去試験・負荷試験を行い、正確な診断に基づき、食物除去が必要最小限となるよう努めている ★若年性関節リウマチやSLEなどの小児膠原病やクローン病、潰瘍性大腸炎といった炎症性腸疾患、原発性免疫不全症などの免疫疾患患者も多く、病態の解析などの高度な先進的医療も積極的に行っている ★ネフローゼ症候群に対しては全国レベルの臨床研究に参加し、より効果的で安全な治療法の関発を目指している ★超音波検査による乳児腎・尿路奇形の早期発見と治療、マス・スクリーニングに基づく先天性代謝異常症や内分泌疾患の早期発見と早期治療などにより、異常を持った子どもたちができるだけ正常の機能を保って成長できるような医療を行っている ★成長ホルモン分泌不全による小人症や小児糖尿病などの内分泌疾患患者も多い ★発達障害や子どものこころの問題については、保育・教育・福祉との連携をとりながら診療を行っている。発達検査・心理検査・人格検査に加え、臨床心理士による心理相談・カウンセリングを行っている ★てんかん・筋ジストロフィーなど神経・筋疾患、注意欠陥・多動性障害、学習障害、不登校、摂食障害、小児心身症なども多い。 ★未熟児診療部はベッド数6床であるが、超未熟児、仮死出生児などの重症児の入院が多く、後遺症を伴わない生存・成長を目指して産科分娩部との協力の下に母体搬送を積極的に受け入れている ★未熟児呼吸不全に対して早期少量デキサメタゾン療法を実施し、気管内挿管日数の30%短縮に成功している。さらに、血液以外に尿の検査を多く取り入れ、入院している児の採血量、採血回数の減少を図っている ★院内の外科系各診療科、麻酔科、放射線科、輸血部、集中治療部、救急部等との密接な協力体制の下、迅速で集学的な対応をしている。遠方の患者については各地区の関連基幹病院との密接な連携の下、本院での検査・治療に引き続いて地元の基幹病院での通院・入院加療も可能である。 |
医療設備 |
無菌室、MRI、PET、腎生検、血液透析、血漿交換など、小児科関連の全ての先進的医療に対応できる設備と技術を擁する。 |
「医者がすすめる専門病院 北信越版」(ライフ企画 2009年5月)
耳鼻咽喉科・頭頸部外科
分野 |
耳鼻咽喉科・頭頸部外科 |
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特色 |
耳鼻咽喉科での2大疾患である頭頸部癌、慢性中耳炎や真珠腫性中耳炎などの中耳疾患に対する手術数は県内で最も多く、優れた治療成績を残している。①喉頭癌や舌癌などは、治療により発声や発音、嚥下機能を損ない、治療が適切でないと命を縮めることになるが、前腕皮弁や腓骨皮弁などを駆使した再建術を行い、QOLを保持しながら生存率の向上に努めている。②慢性・真珠腫性中耳炎に対する手術では耳漏の完全停止はもちろんのこと、聴力改善にも力を入れている。耳鼻咽喉科の年間外来延べ患者数約20,000人、1日平均73人。福井県内の患者が多いが、石川県加賀地方、京都府北部からの受診もある。医療法上の紹介率40~50%、医療報酬上約35%。 |
症例数 |
年間の手術数は約500例 ★腫瘍=喉頭、咽頭、舌、甲状腺、耳下腺、副鼻腔などの頭頸部悪性腫瘍の治療に力を注いでおり、開院以来約1,500例の経験がある。喉頭癌全体の5年生存率は91%で全国水準を凌駕している。病期分類別生存率では、I期99%、II期95%、III期79%、IV期67%である。治療は放射線と抗癌剤の併用療法を行い、腫瘍が残存する場合は手術を行う。この領域でもっとも予後の悪い下咽頭・頸部食道癌では、遊離空腸移植などを行った手術群の原因特異的5年生存率は50%を越えており、群を抜いている。下顎骨を切除するまで進展した舌・口腔癌に対しては、足からの腓骨複合皮弁をいち早く導入しており、機能と形態の保持を獲得できる。その他、前腕皮弁、腹直筋皮弁、独自の広頸筋皮弁などで欠損部を再建できる技術を持っているので、生命予後と共にQOLの向上にもつながっている。甲状腺癌全体の10年生存率は94%、副鼻腔癌I期~III期の5年生存率は 72%であり、全国水準よりも高い ★高度先進医療である、頭頸部癌に対する抗癌剤感受性試験を施行して、有効な抗癌剤を選別し、副作用を少なくして有効率を高めている ★慢性・真珠腫性中耳炎などに対する中耳手術は年間約150例に達している。最も代表的な鼓室形成手術数は全国ランキングで常に10位~20位台をキープしている。県内で唯一、人工内耳埋め込み術を行っている。その他、メニエール病に対する内リンパ嚢開放術、高度顔面神経麻痺に対する顔面神経管開放術、聴神経腫瘍摘出術も行っている ★アレルギー性鼻炎=年々増加するスギ花粉症に対する舌下免疫療法を全国に先駆けて開始し、良好な結果が得られている。また、保存的治療の限界を越えた、鼻閉の強い通年性アレルギー性鼻炎に対しては、粘膜下下甲介切除術+後鼻神経切断術の同時併用により、鼻汁やくしゃみも消失し、薬を内服することから解放される症例が増加している。長期的な有効率も高い ★慢性副鼻腔炎(蓄膿症)に対しては早くから内視鏡下手術を取り入れており、手術侵襲が少なくなっている ★反回神経麻痺や嚥下障害に対する手術適応例を選別し、甲状軟骨形成術、神経移植術、喉頭挙上術などの機能改善手術を行い、音声持続時間の延長による日常会話改善、鼻腔栄養チューブ抜去など良好な成績が得られている ★睡眠時無呼吸症候群の原因探索を二泊三日の入院で行い、原因の説明と治療を行っている。 |
医療設備 |
本院では全国に先駆けて導入したPET(ポジトロン・エミッション・トモグラフィ)により、5mm以上の癌の検出が可能になり、頭頸部癌の頸部リンパ節転移や原発巣の発見に貢献している。癌治療に威力を持つ温熱療法器、サーモトロンが設置されている。また手術室にCTを保有し、術中の治療効果確認に役立っている。手術用には、出血や時間短縮にための各種レーザー機器がある。また、病巣の正確な位置確認に有用なナビゲーションシステムも保有している。その他、CT、MRI、光学医療診療部などがあり、特定機能病院として指定を受けている。 |
「医者がすすめる専門病院 北信越版」(ライフ企画 2009年5月)
皮膚科
分野 |
皮膚科 |
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特色 |
福井県における専門医・医師の養成機関であるため、皮膚科全般および形成外科診療を行っている。接触皮膚炎や薬疹などの原因を検索するためパッチテストは月曜日に施行している。薬疹患者には原因薬剤について薬疹カードを発行している。とくに腫瘍に関しては、形成外科専門医による整容面にも配慮した皮膚良性・悪性腫瘍の専門的治療を行っているが、熊切教授のサブスペシャリティーが皮膚病理診断学ということもあり、迅速な診断、的確な治療に心掛けている。悪性黒色腫、悪性皮膚付属器腫瘍に対して前哨リンパ節生検を施行し、積極的にリンパ節微小転移評価を行っている。また頭頸部腫瘍におけるマイクロサージャリーを用いた組織移植など高度な再建手技による他科とのチーム医療を積極的に展開している。 |
症例数 |
年間総患者数は約20,000人。初診患者約1,700人。年間手術件数約300件。皮膚科診療は外来での視診、臨床検査に加え病変部の皮膚生検を行っている。診断学が教授の専門であるため1週間程度で病理診断が下る。的確な診断のもとに治療を行い、さらに治療前後でデジカメによる臨床写真を用い、患者とともに治療効果を判断する試みも行っている。重症のアトピー性皮膚炎、薬疹、自己免疫性水疱症、膠原病などは入院治療を行っている。また他の医療機関からの紹介患者は2008年では50施設から182人。そのつど紹介医に回答する他、年1回、福井大学皮膚科紹介患者検討会を開催して治療成績、経過などを報告している。 |
医療設備 |
ナローバンド、紫外線照射装置、ダーモスコピー、皮膚表面解析装置、発汗検査機器、血流測定装置など。 |
「医者がすすめる専門病院 北信越版」(ライフ企画 2009年5月)
血液内科
分野 |
血液内科 |
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特色 |
国内の大学病院血液内科において、癌化学療法を臨床的にもあるいは基礎的研究においても中心に据えている数少ない内科である。無菌室6床、準無菌室8床を有し、末梢血幹細胞移植・骨髄移植を中心に造血幹細胞移植も積極的に行っている。急性白血病に対して薬物の血中濃度・癌細胞内濃度を専門的に測定することで客観的な治療を行い、疾患亜型に応じて分子標的療法や抗がん剤大量療法を行っている。さらに、患者さんの十分な同意を得た上で最新の治験にも取り組んでいる。重要な疾患については全国的な共同研究グループに参加して治療に取り組み、そのレベルを維持するかたわら、独自の専門的試みも積極的に行っている。日本血液学会認定施設、日本輸血学会認定施設、日本臨床薬理学会認定施設、日本臨床腫瘍学会認定施設、臍帯血バンク。 |
症例数 |
入院患者数は血液疾患については、年間延べ約200例。うち急性白血病約30例、慢性白血病約10例、悪性リンパ腫約80例、多発性骨髄腫約10例、骨髄異形成症候群約20例などである。外来患者は血液・腫瘍内科として年間に新患が1,200人、再来をあわせると計18,000人程度である ★血液癌化学療法については、急性骨髄性白血病は本科に事務局をおく北陸造血器腫瘍研究会プロトコールに基づいて治療しており、他施設との共同研究であるが治療患者のうち寛解症例数は約80%、ほぼ治癒したと考えられる5年無病生存率は69%と優れた成績をあげている。急性リンパ性白血病については、日本白血病治療研究グループ(JALSG)の共通プロトコールを行っている。悪性リンパ腫についても全国的研究グループ(JCOG-LSG)のプロトコールに参加し、いずれも良好な成績である。また再発症例には独自のプロトコールを試みている。その他の造血器腫瘍のうちまだ標準的治療法がない多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群などについては、上記の共同研究グループのプロトコールを行うかたわら、当科でも新しい試みを行っており、一部著効例も認めている ★造血幹細胞移植も同胞一致ドナーがいる際には同種幹細胞移植、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫には自己末梢血幹細胞移植を積極的に行っている ★癌ではないが難病指定の血液疾患である再生不良性貧血については免疫抑制剤を中心として用いる共同治療研究に参加している ★患者さんに対するインフォームド・コンセントの取得も十分に行っている。専門ナースによる看護体制も充実している ★固形腫瘍については、大量化学療法やoncologic emergencyに対して必要に応じて各科と連携し対応している ★今後の方向性として、化学療法ではテーラーメイド治療(個々の患者に応じたきめの細かい治療)の充実を図る予定である ★これらの高度専門診療と同時に、地域の中核病院として貧血、白血球減少、血小板減少などの血液異常についての精密検査・治療を希望しての紹介受診も多数ある。これらの診療は外来を中心として行われ、紹介医と密接な連絡をとりつつ、きめ細かい診療にあたっている。なお、血液疾患では重症感染症を発症することが多く、感染症についての診療・研究も当科で専門的に行っている。感染症重症化のメカニズム解明と救命のための新治療法開発を研究テーマにしており、癌治療後や免疫力低下により感染症にかかりやすくなった患者の感染症については充実した専門的対応が可能である。更に、抗がん剤の作用特性の理論的共通性から痛風・高尿酸血症も専門とし全国でも数少ない専門施設である。血液・腫瘍内科として36床の病棟を有する。 |
医療設備 |
無菌室6床、準無菌室8床、簡易無菌装置2セット、連続血球分離装置、フローサイトメトリー、造血幹細胞凍結保存システム、薬剤血中濃度モニタリングシステム。 |
「医者がすすめる専門病院 北信越版」(ライフ企画 2009年5月)
リウマチ・膠原病内科
分野 |
リウマチ・膠原病内科 |
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特色 |
福井県の地域基幹病院として、感染症ならびに膠原病の診療を行っている。感染症としては、2007年より福井県のエイズ治療中核拠点病院としてHAARTを積極的に導入する他、免疫不全患者の感染症の診断、治療、ならびに造血幹細胞移植後の同種免疫による移植片対宿主病患者の診療にも多く携わっている。膠原病としては関節リウマチを中心に診療を行い、最近では、生物学的製剤を導入し、有効例を多数経験している。当科では抗腫瘍剤や抗菌剤など化学療法剤の基礎的研究も行い、薬物の作用機序、病態の理解に努め、自己免疫あるいは同種免疫により引き起こされる病態に対し種々の免疫抑制療法を駆使するとともに、免疫不全状態で感染防御能の低下した患者への適切な対応に心掛けている。 |
症例数 |
2008年に診療を行った主な疾患の患者数は、HIV/エイズ10人、他に疾患を有し感染症を患った方約100人、関節リウマチ約50人、全身性エリテマトーデス約20人、その他の膠原病が約40人であった。原則として各疾患に対する標準的治療を第一選択としている。HIV/エイズ診療では、飲みやすい(回数の少ない)抗ウイルス剤を選択した最先端のHAARTを提供している。関節リウマチ、全身性エリテマトーデスでは活動性に応じて抗リウマチ薬、副腎皮質ステロイドをそれぞれ適宜使用しているが、抗サイトカイン抗体などの新薬の開発研究にも積極的に参加し、難治性疾患の克服を目指している。 |
医療設備 |
バイオクリーンルーム(無菌室)、CT、MRI、RI、サーモグラフィ、血漿交換療法機器。 |
「医者がすすめる専門病院 北信越版」(ライフ企画 2009年5月)
神経内科
分野 |
神経内科 |
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特色 |
県下の神経内科医は非常に少ないため、県下全域からの患者が集まる。そのため神経内科全般にわたっての疾患に対応することになる。神経内科は内科の中でも特殊と一般的にみられがちであるが、全身の中の神経という観点から、一般内科を十分診られて、しかも神経疾患が専門であるという診療従事者を目指している。また、特に脳血管障害の患者が非常に多く、急性期治療を含め脳血管障害に対する最良の医療を行うことに力を入れている。 |
症例数 |
第2内科病棟ベッド数52床のうち、約50%は神経内科が占めている。変性疾患、パーキンソン病、末梢神経疾患、脳血管障害、神経感染症、多発性硬化症、筋肉疾患、重症筋無力症、眩暈症、その他全般的な神経疾患患者が入院している。また当科は消化器内科も担当しているため、消化管疾患、肝臓、胆のう、膵臓疾患などの患者および肺炎、膠原病など広範囲の内科疾患患者が入院し、治療を受けている。当大学は国立大学の中でも救急患者を積極的に受け入れ、救急患者数が多いこともあり、多くの脳血管障害患者が入院し、治療実績がある。変性疾患では運動ニューロン病、脊髄小脳変性症、パーキンソン病など、また脱髄疾患、末梢神経疾患などの神経免疫疾患の診察と研究にも力を入れている。神経難病患者に対しては、県の難病支援センターと協力して診療、支援を行っている。ギラン・バレー症候群など神経免疫疾患に対する血液浄化療法や免疫グロブリン大量療法、顔面痙攣などに対するボツリヌス筋肉注射療法など最新の情報に基づいて医療を行っている。 |
医療設備 |
節電図計、脳波計、誘発脳波計、超音波診断装置、CT、MR、SPECTなど。付属施設として高エネルギーセンターがあり、PETなど最先端の診断装置を備えている。 |
「医者がすすめる専門病院 北信越版」(ライフ企画 2009年5月)
精神科
分野 |
精神科 |
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特色 |
総合診療機能を有する国立の医療機関である特徴を生かして、精神科救急、身体疾患合併症診療、一般診療科患者の精神疾患合併症診療(リエゾン精神医療)および高度先駆的医療を目指した精神科診療を心掛けている。また、紹介患者を多く受け入れて、地域の精神医学・精神保健活動にも精力的に取り組んでいる。外来は一般の外来診療に加え、各領域の専門医が専門外来(不眠症、ストレス、てんかん、物忘れ、思春期関連など)を開設し、診療にあたっている。入院治療では(病棟は病床数40床で、開放と閉鎖病棟に分かれている)、院内他科との密接な連携を持ち、PETやMRIなどの先進的医療機器と高度な医療技術を備えた経験豊富なスタッフによるチーム医療が実践されている。てんかんや不眠症を対象とした、検査目的の短期入院も行っている。病棟では主治医制をとり、患者さんのプライバシーを十分配慮した上で、治療が進められている。医師、看護婦、コメディカル・スタッフによるケースカンファレンスも頻回に行われている。「生活の中での医療」をモットーとして、患者さんの現実感覚、生活意識を高めるため、病棟行事(運動会、クリスマス会など)が年間を通じて盛んに行われ、また、毎日のワーキング(習字、絵画、木工、スポーツなど)も活発に行われている。 |
症例数 |
外来患者数は1日平均約60人で、年間の初診者数は約500人である。外来初診患者の疾患別内訳は、統合失調症12%、躁うつ病20%、神経症38%、認知症を含む脳器質性疾患12%などが中心であるが、治療中断率は低く、きめ細かな治療がなされている。新患の紹介率は65%と高く、地域の医療ネットワークに根ざした診療がなされている。 |
医療設備 |
PET、MRI、SPECT、CT、脳波(一般、終夜、誘発電位)、心理検査各種。 |
「医者がすすめる専門病院 北信越版」(ライフ企画 2009年5月)
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回答者:40代 男性 勤務先:病院(200床以上)
2015年12月17日投稿
近代的な造りで、中は明るく待合所は快適、インターネットコーナーもあります。 予約制なので長く待たされることはありませんが、日中でも予約利用者は多く、各検査...続きをみる