九州大学病院(福岡県福岡市東区)が名医に推薦されている分野
専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域
九州大学病院は、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。
※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表
- 消化器管内科
- 第1外科
- 呼吸器科
- 心臓血管外科
- 腎・高血圧・脳血管内科
- 泌尿器科
- 第1外科移植グループ
- 整形外科
- 小児外科
- 眼科
- 顎口腔外科
- 皮膚科
- 病態制御内科学(内分泌代謝・糖尿病内科)
- 第1内科(血液グループ)
- 免疫・膠原病・感染症内科(リウマチ・膠原病グループ)
- 神経内科
- 脳神経外科
- 麻酔科蘇生科(ペインクリニック)
消化器管内科
分野 |
消化器・一般内科 |
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特色 |
大学附属病院の消化管内科部門として、消化管疾患全般にわたる診療、教育、研究活動を積極的に行っている。診療としては、食道疾患、胃疾患、大腸疾患に加えて、比較的少ないが難治性の小腸疾患の診断と治療に努めている。また、福岡県の基幹病院として病診連携の中枢に位置し、多くの消化器専門医を関連施設に送り出している。X線・内視鏡検査を駆使した消化管悪性腫瘍の診断に力を注ぎ、早期癌や悪性リンパ腫に対する非侵襲的治療を行っている。また、難治性消化管疾患に対する最新の診断法や先端治療を取り入れている。特に、北部九州地区で有病率の高いクローン病や潰瘍性大腸炎などの慢性炎症性腸疾患の診断と治療に対して精力的に取り組み、最新の治療を積極的に行っている。クローン病に対しては栄養療法を中心に、潰瘍性大腸炎では薬物治療を中心に治療を行っているが、最新の治療も取り入れた総合的な治療方針を立てている。日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学会の指導施設で、指導医2人(飯田、松本)、認定医2人(中村、江崎)を中心とした消化器疾患の教育を行っている。 |
症例数 |
当科は総病床数40床の診療施設で、このうち常時消化管疾患患者が満床に近い状態で入院している。年間の消化管疾患入院患者は約500人である。消化管検査件数はX線検査が約700件(このうち、小腸X線検査150件)、消化管内視鏡検査が2,710件(上部消化管内視鏡1,800件、大腸内視鏡900件、小腸内視鏡150件)である。また、特殊内視鏡検査(超音波内視鏡、拡大内視鏡)も施行し、消化管疾患の質的診断を行っている ★上部消化管疾患では、年間約80例の食道表在癌や早期胃癌に対して内視鏡的粘膜切除術を施行している。食道癌と胃癌に関しては粘膜内癌を内視鏡的治療の適応とし、内視鏡的治療後も至適な間隔で慎重に経過観察を行っている。その結果95%以上の患者で根治を得ている。その他にも数多くの食道癌や胃癌を診断しているが、X線・内視鏡検査や特殊内視鏡を併用することで適切な治療方針を立てている。胃・十二指腸潰瘍患者に対するピロリ菌除菌療法を行っているが、さらにピロリ菌との関係が深い胃悪性リンパ腫患者では200例を超える治療経験をもとに、ピロリ菌除菌療法に加え化学療法や放射線療法を加えた非侵襲的・集学的な治療を行っている ★十二指腸・小腸疾患の診断は、X線検査を中心に小腸内視鏡検査などの画像検査と生検病理診断や生理機能検査を併用しながら、腫瘍性疾患や炎症性疾患の的確な診断を行っている。特に、クローン病の診断と治療は本邦における先駆的施設で、150人以上の患者が外来通院中である。本疾患患者に対しては栄養療法を中心に、薬物療法や抗サイトカイン療法を併用して患者のQOLの向上に努めている。さらに、手術が必要となる患者では、外科と連携し慎重に手術適応を決定し、術後も内科的治療を継続している ★大腸疾患としては、大腸癌の診断と治療に力を注いでいる。大腸X線・内視鏡検査に加えて、拡大内視鏡検査や超音波内視鏡検査を駆使しながら、粘膜内癌と粘膜下層微小浸潤癌を内視鏡的治療の適応と考え、年間約100件の大腸腺腫や早期癌の内視鏡的治療を行っている。さらに、本邦で増加している潰瘍性大腸炎については、紹介を含めた200例以上の患者を診療している。薬物治療に加えて、顆粒球除去療法や高度先進医療の遠心法白血球除去療法などを併用し、難治性の患者に対して治療を行い、良好な効果を得ている。また、潰瘍性大腸炎の長期経過例では大腸腫瘍の早期発見のため、大腸内視鏡検査を施行している ★当科では遺伝性消化管ポリポーシスの患者を多数診療している。なかでも、家族性大腸腺腫症50家系が通院中で、これらの患者に対しては消化管の微細病変の診断と癌の早期発見に努め、適切な患者管理と治療法の選択を行っている。 |
医療設備 |
大学病院の設備として、最新の医療設備を備えている。消化器内科が主に使用するのは、デジタル消化管透視、電子内視鏡、超音波内視鏡、アルゴン・プラズマ凝固装置、超音波ガイド下穿刺装置、白血球除去療法体外循環装置等。 |
「医者がすすめる専門病院 福岡」(ライフ企画 2009年8月)
- 消化器管内科
- 第1外科
- 呼吸器科
- 心臓血管外科
- 腎・高血圧・脳血管内科
- 泌尿器科
- 第1外科移植グループ
- 整形外科
- 小児外科
- 眼科
- 顎口腔外科
- 皮膚科
- 病態制御内科学(内分泌代謝・糖尿病内科)
- 第1内科(血液グループ)
- 免疫・膠原病・感染症内科(リウマチ・膠原病グループ)
- 神経内科
- 脳神経外科
- 麻酔科蘇生科(ペインクリニック)
第1外科
分野 |
消化器・一般外科 |
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特色 |
九州を代表する大学病院として先端医療、臨床および基礎研究と医学教育を担っている。02年2月に新病院外科病棟が完成し、高次医療を担うにふさわしい設備が充実してきた。当診療科では消化器外科を中心として乳腺内分泌外科、移植血管外科、呼吸器外科と幅広く外科的診療を行っている。近年広く普及してきた鏡視下手術は早くから取り入れ、多岐にわたる疾患治療に応用し、多くの手術経験数と実績をあげ、学会や論文発表を行ってきた。移植医療に関しては、糖尿病性腎不全患者に対する脳死下ドナーからの膵腎同時移植での認定施設でもあり、また通常の慢性腎不全患者に対する腎移植も積極的に行ってきた。診療方針は、教授を始めとするスタッフで頻回にカンファレンスを開き、患者さん中心の医療になるかどうかが討議され、インフォームド・コンセントの下に治療は選択される。 |
症例数 |
08年の手術総数は683例で、肝胆膵疾患130例、食道癌12例、胃癌92例、下部消化管疾患222例、乳腺内分泌疾患115例、呼吸器疾患20例、移植41例、その他51例であった ★肝胆膵疾患においては、複雑な病態を正確に診断するための手技として、経皮経肝胆道造影(PTC)や逆行性内視鏡的膵管胆管造影(ERCP)に習熟している。膵癌早期診断を目的として、ERCPで採取された膵液を用いて遺伝子診断を行っている。膵癌に対する治療では、手術治療のみでは限界があり、進行度II、III、IVでは放射線化学療法を併用した集学的治療の効果を検討している ★食道癌手術では、侵襲が高度で手術合併症も高率かつ致死的であるため、胸腔鏡下食道切除を導入して08年は12例に施行してきた。開胸手術と同等のリンパ節郭清が、ほぼできうると考えられる ★早期胃癌に対しては、低侵襲縮小手術の適応が胃癌治療ガイドラインでもあり、これを腹腔鏡補助下に行い、92例を経験した。癌の根治性を損なわず、疼痛軽減や腸管運動の早期回復を始めとする高いQOL(Quality of Life:生活の質)が確認された ★大腸癌も08年、腹腔鏡下手術は100例以上に施行し、潰瘍性大腸炎に対する大腸全摘術にも応用した。切除不能や再発大腸癌に対する化学療法の無作為抽出試験を行っている ★乳腺手術は乳房温存手術が中心となり、リンパ節転移の検索に核医学を用いたセンチネルリンパ節ナビゲーションを利用している。切除範囲が大きくなったものでは、生理的食塩水バッグによる再建や広背筋皮弁による再建なども行っている。また、鏡視下手術にも取り組んでいる。内分泌疾患では甲状腺外科が中心で、良性疾患では美容目的の鏡視下手術も導入し、今まで48例に施行した ★肺切除も鏡視下手術が中心となり、部分切除だけでなくリンパ節郭清を伴う肺葉切除を行っている。呼吸機能の回復に有用と判断している。重症筋無力症の治療として胸腺の摘出がなされるが、従来、前胸部に縦に切開を加え胸骨を切離していたが、これを心窩部に挿入した縦隔鏡と鉗子のみで切除するいわゆる縦隔鏡下胸腺摘出術を今までに40例に行い、侵襲的にも美容的にも良好な結果を得ている ★移植では、08年41例の腎移植を集積している。脳死下ドナーからの膵腎同時移植も当施設で行われ、すべて順調な経過である。 |
医療設備 |
鏡視下手術専用手術室(OR1)、MRI、ヘリカルCT、PET(ポジトロンCT)。 |
「医者がすすめる専門病院 福岡」(ライフ企画 2009年8月)
- 消化器管内科
- 第1外科
- 呼吸器科
- 心臓血管外科
- 腎・高血圧・脳血管内科
- 泌尿器科
- 第1外科移植グループ
- 整形外科
- 小児外科
- 眼科
- 顎口腔外科
- 皮膚科
- 病態制御内科学(内分泌代謝・糖尿病内科)
- 第1内科(血液グループ)
- 免疫・膠原病・感染症内科(リウマチ・膠原病グループ)
- 神経内科
- 脳神経外科
- 麻酔科蘇生科(ペインクリニック)
呼吸器科
分野 |
呼吸器内科 |
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特色 |
当院は九州大学医学部・歯学部・生体防御医学研究所の附属病院であり、呼吸器科は結核研究施設として設立されて以来56年目を迎える。大学病院の使命である高度先進医療の提供と呼吸器専門医育成のための卒前・卒後教育を行いながら、一方で地域の基幹病院としての役割も担っている。ほとんどすべての呼吸器疾患を対象としており、多数の呼吸器専門医、指導医を擁している。日本呼吸器学会より指導施設の認定を受けている。 |
症例数 |
★肺癌:毎年150人程度の肺癌症例の入院があり、外科、放射線科との密な連携の下に診断と治療を進めている。2008年には県のがん診療拠点病院に認定され、今後地域の拠点病院と連携をとりながら福岡県全体としてレベルの高い診療を目指していくことになる。診断に際しては、通常の診療手技に加え、高分解能CTやMRI、PET、超音波内視鏡を駆使し安全で正確な診断を心掛けている。治療では、JCOG、WJOG、LOGIKなどの共同研究グループに属し、化学療法、化学放射線療法、分子標的治療薬などの臨床試験に積極的に取り組んでいる。最近の関連施設との共同試験では、高齢者非小細胞肺癌に対するカルボプラチンとジェムシタビン併用隔週療法において従来の治療法よりも副作用が少なく、中央生存期間398日、1年生存率57%という成績をあげている。今後も抗癌剤や分子標的治療薬を組み合わせた最良の治療法の開発を進めるとともに、免疫治療にも取り組む予定である。また、患者さんとそのご家族を対象に勉強会を週一回開き、1時間程度で肺がんについての一般的な説明とトピックについての解説を行っている ★びまん性肺疾患:特発性間質性肺炎、肺サルコイドーシス、薬剤性肺炎、過敏性肺炎、放射線肺炎、ARDS、肺胞蛋白症など、多種多様な肺疾患が含まれる。診断の確定が容易でない病気も多く、まれな病気や国の難病指定を受けている病気もある。診断確定や治療方針決定を目的とした入院は年間約70人程度。採血検査、高分解能CTを用いた画像診断、気管支鏡検査による肺組織検査と気管支肺胞洗浄液分析検査、さらに必要であれば胸部外科と連携して外科的肺生検も行っている。こうした検査結果を複数の医師で検討することで、より適切な確定診断と治療方針の決定に努めている ★気管支喘息=肺機能検査・気道過敏性検査・喀痰検査・呼気ガス分析などを利用した喘息の確定診断とコントロール状態の把握を行い、綿密な治療・管理を行っている。喘息日誌や肺機能(ピークフロー)の自己モニターを積極的に推奨し、吸入服薬指導にも力を注いでいる。解熱鎮痛剤で誘発される喘息の診断も行っている ★肺気腫・慢性閉塞性肺疾患(COPD)=症状の緩和や運動耐用能の改善、進行の予防を目標に吸入薬や内服薬を用いた治療を行い、急性増悪事には非侵襲的(マスク)人工呼吸管理を取り入れた加療を行っている。慢性呼吸不全患者には、在宅酸素療法を行っている ★呼吸器感染症=毎年約60名程度の入院がある。COPD、間質性肺炎、糖尿病、膠原病等もともと何らかの病気をもつ患者さんに発生した肺炎や、一般病院での加療にもかかわらず改善しない重症肺炎を主な対象としている。 |
医療設備 |
X線検査(単純、断層、CTなど)、MRI、核医学検査、PET、超音波検査、気管支鏡検査、気管支超音波検査、胸腔鏡、呼吸機能検査、レーザー治療など。 |
「医者がすすめる専門病院 福岡」(ライフ企画 2009年8月)
- 消化器管内科
- 第1外科
- 呼吸器科
- 心臓血管外科
- 腎・高血圧・脳血管内科
- 泌尿器科
- 第1外科移植グループ
- 整形外科
- 小児外科
- 眼科
- 顎口腔外科
- 皮膚科
- 病態制御内科学(内分泌代謝・糖尿病内科)
- 第1内科(血液グループ)
- 免疫・膠原病・感染症内科(リウマチ・膠原病グループ)
- 神経内科
- 脳神経外科
- 麻酔科蘇生科(ペインクリニック)
心臓血管外科
分野 |
心臓血管外科 |
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特色 |
新生児から高齢者まで、先天性心疾患、心臓弁膜症、虚血性心疾患、動脈瘤、不整脈、永久ペースメーカー、埋め込み型除細動器、補助人工心臓、心臓移植とあらゆる疾患の心臓大血管手術に対応している。2006年4月、内科と外科の病棟を統一し、同一階に手術室、ICU、CCU、心臓カテーテル検査室、心臓超音波検査室を集約させたハートセンターを設立し、内科医と外科医が同一の病棟でリアルタイムに協力しながら治療を行っている。救急救命センターとタイアップし24時間体制であらゆる緊急手術に対応している。大学病院の特徴として、透析を要する慢性腎不全や膠原病、間質性肺炎など、種々の特殊な合併症を有する危険性の高い手術症例が多い。各診療科との連携を密に行い、高度かつ信頼のできる医療を提供すべく日々努力をしている。九州唯一の心臓移植認定施設として、重症の心不全に対する補助人工心臓の装着術を積極的に行っている他、種々の高度先端医療を遂行している。 |
症例数 |
手術症例数は、開心術数は年間200~240症例であり、非開心術は20~30症例である。その他、永久ペースメーカー手術は年間80症例程度であり、植え込み型除細動器挿入術が年間20症例程度である。手術成績は、開心術と非開心術を合わせた緊急手術を含める病院死亡率は2%前後である ★先天性心疾患に関しては、新生児、乳児、幼児の症例はもとより、1kg以下の未熟児の症例にもNICUと連携して対応している。前述したハートセンターの特性を生かし、成人先天性心疾患の症例に対し、小児科、循環器内科、心臓外科と連携して対応している。右開胸切開による心房中隔欠損症の手術はを美容目的に行っており、好評を得ている ★心臓弁膜症の手術は、一般的な人工弁置換術に加え、弁形成術にも積極的に取り組み、安定した成績を維持している。本施設の歴史が長いこともあり、再手術、再々手術の症例が多いが、初回手術例と同等の成績を維持している ★冠動脈バイパス術は、より確実な血行再建をめざし人工心肺を用いた心停止下による手術を標準術式としているが、頸部血管エコーや脳血流シンチ等の検査により脳合併症の危険性の高い症例に対しては、人工心肺を用いないオフポンプ手術を選択し、心機能が不良な症例では人工心肺心拍動下の術式を選択し、病院死亡、周術期の脳合併症の頻度は1%以下と安定した成績を維持している。また、グラフトの長期開存を目的に、内胸動脈、橈骨動脈、胃大網動脈を用いた、動脈グラフトのみによる完全血行再建をめざしている ★大動脈手術は、最も困難な手術の一つといわれる胸腹部大動脈瘤の症例を含め、前述した危険性の高い合併症を有する症例に対しても対応している。本施設のオリジナルであるL切開による大動脈弓部下から下行大動脈の広範囲におよぶ人工血管置換術を一期的に行い、安定した成績をおさめている。また、ステントグラフトによる治療もハートセンターの利点を生かし、積極的に行っている ★不整脈に対する外科的治療に関しては、ペースメーカー移植術はもとより、植え込み型除細動器挿入術を行っている。感染症その他の合併症の発症率はこの10年間で皆無である。また、紹介を受けたペースメーカー感染症の症例はすべて完治している。開心術症例において心房細動を合併する症例に対しては、適応があればメイズ手術、肺静脈隔離術を行い良好な成績をあげている ★重症心不全に対する外科治療に関しては、疾患に応じ僧帽弁形成術や左心室形成手術を施行しているが、心臓移植しか治療法がないと判断された場合には、補助人工心臓を装着している。長期間に及ぶ移植医療に対する患者支援体制の一環として、リハビリテーション専門医や精神科医師によるサポート体制も充実している ★小切開手術は、美容を目的に、可能な症例では積極的に行い、従来の半分以下の手術創で行うことも可能となっている。 |
医療設備 |
人工心肺装置、経皮的補助循環装置、大動脈内バルーンポンプ、補助人工心臓。 |
「医者がすすめる専門病院 福岡」(ライフ企画 2009年8月)
- 消化器管内科
- 第1外科
- 呼吸器科
- 心臓血管外科
- 腎・高血圧・脳血管内科
- 泌尿器科
- 第1外科移植グループ
- 整形外科
- 小児外科
- 眼科
- 顎口腔外科
- 皮膚科
- 病態制御内科学(内分泌代謝・糖尿病内科)
- 第1内科(血液グループ)
- 免疫・膠原病・感染症内科(リウマチ・膠原病グループ)
- 神経内科
- 脳神経外科
- 麻酔科蘇生科(ペインクリニック)
腎・高血圧・脳血管内科
分野 |
腎臓内科 |
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特色 |
研究室創設は1972年。腎炎・ネフローゼ症候群から腎不全、水・電解質異常、透析療法、腎移植まで、腎臓病をトータルにカバーできる体制を目指している。1983年に中央診療施設として腎疾患治療部が開設され26年が経過した。2002年の新病院移転以降、透析ベッド数はそれまでの4床から13床に拡充され、入院病床も5床有している。2006年に包括的腎不全治療学講座が開講し、成人の腹膜透析を開始した。これで第一外科移植グループと合わせて、腎代替療法の全てを当院で完結する体制が整った。腎臓病の患者さんは高血圧、糖尿病、心血管病など多彩な合併症を有していることが多く、全身状態や患者さんを取り巻く社会的環境を踏まえた全人的医療を重視している。また、各診療科の医師、コメディカルと協力するチーム医療を実践し、患者さんの信頼を得られる、質の高い医療を行うことを常に心がけている ★関連病院は、福岡市内に福岡赤十字病院、九州医療センター、浜の町病院、原三信病院、白十字病院、長尾病院、北九州市には新日鐵八幡記念病院、掖済会門司病院、済生会八幡総合病院、小倉記念病院、近郊には福岡東医療センター、宗像医師会病院、飯塚病院、聖マリア病院、他県では松山赤十字病院、広島赤十字・原爆病院、山口赤十字病院、唐津赤十字病院がある。また福岡腎臓内科クリニックを中心に当グループ出身の医師が数多くのサテライト透析施設を開設しており、地域の透析医療を支えている。 |
症例数 |
腎炎・ネフローゼ症候群=腎臓再来患者は月当たり約300人(慢性腎炎、慢性腎不全、ネフローゼ症候群、膠原病など)。腎生検数=九州大学病院だけで年間約250例。関連施設からの診断以来を含めると年間380例にのぼる。週1回腎生検組織カンファレンスを行い、全員で標本を観察し、治療方針を決定している。最も頻度の高いIgA腎症のうち、腎不全への進行が予想される例に対しては副腎皮質ステロイド薬と免疫抑制薬による治療法を検討している。また、高血圧と尿蛋白を有する慢性腎臓病患者に対してはアンジオテンシンII抑制薬と利尿薬を中心とする治療法の確立を目指している ★慢性透析療法=透析療法の新規導入数は年間約60例。患者さんのライフスタイルに応じて血液透析と腹膜透析の選択が可能である。腹膜透析患者さんは退院後も当院外来で管理し、血液透析患者はサテライト透析施設に維持透析を依頼している。どちらの患者さんについても、心血管・骨関節合併症などを生じた場合は、当科が対応、あるいは当院の各診療科に治療を依頼し、透析患者さんのQOLの維持に努めている。また、北部九州地区の透析施設の協力を得て大規模コホート研究を行っており、慢性透析患者の合併症予防や生命予後の改善に寄与する因子について探索を行っている ★腎移植・膵腎同時移植=1998年以降、当院では腎移植・膵腎同時移植を強力に推進してきた。これまでの腎移植実績は300件を超え、膵腎同時移植は19件で国内有数の膵・腎移植施設である。2008年に移植グループの主任を北田助教が引き継いだが、2009年の腎移植は50件以上となる見込みで、九州各地からの移植希望者が集まっている。移植後の管理は移植外科と腎臓内科が共同で行い、検査部門の協力を得て移植腎生検、抗ドナー抗体の検出などによる拒絶反応の診断と治療を行っている。また、移植後の感染症、高血圧やメタボリック症候群、移植後慢性腎不全の管理も重視しており、移植腎の長期生着、それに伴う生命予後の改善を目指している ★急性腎不全および水・電解質・酸塩基平衡異常の管理=院内・院外から、心血管病とその治療、化学療法などに伴い急性腎不全や水・電解質・酸塩基平衡異常を発症した患者さんについてのコンサルテーション(年間250件以上)に応じている。原因の除去や輸液療法のみで改善するものから透析療法を必要とする例まで多岐にわたり、腎疾患治療部が24時間365日体制で臨んでいる。 |
医療設備 |
大学病院として、ほぼ全ての医療機器が使用可能である。当科に特徴的なものとして、腎炎・ネフローゼ症候群の診断には超音波ガイド下腎生検を実施している。また、血液透析装置を13台有し、他の血液浄化法として血漿交換、LDL吸着療法にも対応可能である。二次性副甲状腺機能亢進症に対して超音波ガイド下に経皮的エタノール注入療法を行っている。 |
「医者がすすめる専門病院 福岡」(ライフ企画 2009年8月)
- 消化器管内科
- 第1外科
- 呼吸器科
- 心臓血管外科
- 腎・高血圧・脳血管内科
- 泌尿器科
- 第1外科移植グループ
- 整形外科
- 小児外科
- 眼科
- 顎口腔外科
- 皮膚科
- 病態制御内科学(内分泌代謝・糖尿病内科)
- 第1内科(血液グループ)
- 免疫・膠原病・感染症内科(リウマチ・膠原病グループ)
- 神経内科
- 脳神経外科
- 麻酔科蘇生科(ペインクリニック)
泌尿器科
分野 |
泌尿器科 |
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特色 |
泌尿器科領域の悪性腫瘍の診断治療を診療の柱として扱い、病気の進行段階に応じた適切な治療法を確立している。癌の早期発見に努めるとともに、癌種に応じて手術療法・化学療法・放射線療法・免疫療法などの治療法を組み合わせて癌の根治を目指している。また、患者のQOLを重視した低侵襲治療として腹腔鏡等を用いた鏡視下手術をいち早く導入し、手術支援ロボット(ダヴィンチ)を用いた根治的前立腺適除術も全国に先駆けて行っている。他の低侵襲治療として前立腺癌に対するヨウ素125密封小線源療法や前立腺肥大症に対する前立腺蒸散術、尿路結石症に対するレーザーを用いた内視鏡手術も行っている。 |
症例数 |
★前立腺癌の治療法の決定は年齢、病期、悪性度、前立腺特異抗原(PSA)値などを参考にして行うが、治療は手術療法、放射線療法、内分泌療法に大別できる。原則的に早期癌であれば、根治的前立腺摘除術(40例)か放射線治療を行うが、最近は低侵襲の腹腔鏡下根治的前立腺摘除術を積極的に行い(18例)、入院期間も従来の半分近くに短縮されている。さらに米国で主流となっているダヴィンチを使用した根治的前立腺適除術を2007年より開始し、2009年度より高度医療の認定を受けて治療を行っている。放射線療法では外照射療法(35例)に加えヨウ素125密封小線源療法(28例)を行っており、患者背景に応じた多様な治療が可能となっている。内藤は2002年度厚生労働省科学研究費補助金により根治術後の再発に対する標準的治療法の確立に関する研究班を組織し、その代表者として全国規模の研究を行っている。また限局性前立腺癌の臨床病理研究会の研究代表者として、全国規模の正確な術前病期予測のためのノモグラムを作成した ★膀胱癌の約8割は表在性腫瘍であり、内視鏡手術を行う(100例)。術後再発予防目的で抗癌剤の膀胱内注入療法を行うが、約50%は再発し、再発症例の約10%は浸潤癌となり、膀胱全摘除術が必要となる(14例)。膀胱全摘除術後の尿路変更として、従来型の回腸導管造設術以外に、患者の生活の質(QOL)を重視した自然排尿型の回腸を用いた新膀胱造設術も行っている。筋層内浸潤のT2の5年生存率は70~80%である。膀胱周囲への浸潤があるT3以上や脈管浸潤例では、術前あるいは術後に化学療法を行い、5年生存率は約50%である。転移症例では化学療法や放射線療法を組み合わせるが、一般に予後不良である。上皮内癌ではBCG膀胱内注入療法が第一選択であり奏効率約80%と良好であるが、BCG無効例では浸潤癌となり膀胱全摘除術が必要となる場合もある ★腎癌において腫瘍径が小さい場合(一般には4cm以下)では、腫瘍のみを切除する”腎部分切除術”と腫瘍を腎臓とともに摘出する”根治的腎摘除術”の臨床経過に差がないことが報告されている。このため、腎機能の温存を目的とした腎部分切除術を積極的に行っており(29例)、現在では腹腔鏡による腎部分切除も可能となっている(13例)。根治的腎摘除術においても(38例)、静脈塞栓、リンパ節転移や腎周囲への浸潤を伴う進行癌を除いては腹腔鏡手術を積極的に行っており(26例)、肺や副腎等への単一転移巣に対しては積極的に外科的切除を行っている。多発性転移例に対しては、インターフェロンαを用いた免疫療法やソラフェニブ、スニチニブなどの分子標的薬による治療を行っている。腎癌においても内藤が「インターフェロンα+ソラフェニブ併用療法の有効性および安全性の検討を目的とした共同研究」の研究代表者として、全国規模の研究を行っている ★副腎腫瘍については、内分泌活性の有無および腫瘍径などから手術適応を決めているが、患者のQOLの向上を考えて手術の大部分は腹腔鏡手術である(27例) ★前立腺肥大症には、従来の経尿道的前立腺切除術に加えて、より低侵襲の前立腺蒸散術を行い、入院期間の短縮を図っている(症例数は2008年度実績)。 |
医療設備 |
ホルミウムレーザー、体外衝撃波結石破砕装置、軟性および硬性尿管鏡、腎盂鏡、超音波結石破砕装置。 |
「医者がすすめる専門病院 福岡」(ライフ企画 2009年8月)
- 消化器管内科
- 第1外科
- 呼吸器科
- 心臓血管外科
- 腎・高血圧・脳血管内科
- 泌尿器科
- 第1外科移植グループ
- 整形外科
- 小児外科
- 眼科
- 顎口腔外科
- 皮膚科
- 病態制御内科学(内分泌代謝・糖尿病内科)
- 第1内科(血液グループ)
- 免疫・膠原病・感染症内科(リウマチ・膠原病グループ)
- 神経内科
- 脳神経外科
- 麻酔科蘇生科(ペインクリニック)
第1外科移植グループ
分野 |
腎移植 |
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特色 |
当グループでの腎移植の歴史は古く1966年から行われてきた。2004年ごろより腎移植数が飛躍的に増え、この数年は年間40例を超え、全国有数の移植施設となった。腎移植に関しては、小児腎移植・血液型不適合移植も積極的に行っている。また献腎提供が多い福岡県における臓器摘出はほぼ全例当グループが摘出チームとして出動しており、ときには県外の摘出応援にも駆けつけている。膵臓移植に関しても、1997年の臓器法案成立後より認定施設となっており全国有数の膵臓移植施設である。 |
症例数 |
★腎臓移植=当科ではこれまでに300例以上の腎移植を行ってきた。特にここ数年の症例数は全国有数であり毎年40例以上の腎移植が行われている。2009年はさらに症例数が増え、50例以上の腎移植が行われる見込みである。その中心となる生体腎移植は毎週実施されているが、ドナーは内視鏡手術で腎を摘出し術後約5日で退院、レシピエントは約2~3週間で退院となる。近年は血液型不適合移植も日常医療となりつつあり、全体の約20%を占めるが、全例脾臓摘出することなく移植が行われている。小児腎移植にも積極的に取り組んでおり、体重8kgの2歳児への移植も成功している。小児から成人まで九州各地より移植希望者が集まっている ★膵臓移植=2001年より現在に至るまで19例の膵臓移植を行っており全国有数の膵臓移植施設である。待機患者数も全国各地より集まっている。移植法案の改正に伴い膵臓移植症例も増加してくると思われる。移植前後より腎臓内科医をはじめとした各専門科医師が関わり万全の体制で移植を実施している。検査部門の協力を得て移植膵腎生検、抗ドナー抗体の検出などによる拒絶反応の診断と治療を行っている。また、移植後の感染症、高血圧やメタボリック症候群、移植後慢性腎不全の管理も重視しており、腎臓内科医を中心とした専門家への定期受診を行い、移植腎の長期生着、それに伴う生命予後の改善を目指している。 |
医療設備 |
大学病院として、ほぼ全ての医療機器が使用可能であり、移植に関する設備は完備している。当科に特徴的なものとして、フローサイトメトリーの検査を院内で実施しており、拒絶の診断・治療に大きな力を発揮している。またチームの1員として移植腎病理の専門医がいるため、移植病理についての迅速かつ適格な対応が可能である。 |
「医者がすすめる専門病院 福岡」(ライフ企画 2009年8月)
- 消化器管内科
- 第1外科
- 呼吸器科
- 心臓血管外科
- 腎・高血圧・脳血管内科
- 泌尿器科
- 第1外科移植グループ
- 整形外科
- 小児外科
- 眼科
- 顎口腔外科
- 皮膚科
- 病態制御内科学(内分泌代謝・糖尿病内科)
- 第1内科(血液グループ)
- 免疫・膠原病・感染症内科(リウマチ・膠原病グループ)
- 神経内科
- 脳神経外科
- 麻酔科蘇生科(ペインクリニック)
整形外科
分野 |
整形外科 |
---|---|
特色 |
四肢、体幹(脊椎)における骨、関節、神経、筋、靭帯など運動器に関連する疾患はすべて対応している。分野ごとに診療グループに分かれ、それぞれが専門的な診療を行うのみならず、研究・教育にも重点を置き活動している。日常診療においては、診療を受ける立場にとってより理想的な治療を受けられるよう、治療成績・QOLの向上を目指している。また、悪性骨軟部腫瘍や大腿骨頭壊死症についての研究をはじめとして、各分野で基礎研究および臨床研究を行っている。教育面では、研修医はスタッフより直接指導を受け多数の症例を経験する事ができ、さらに関連病院との連携により整形外科のあらゆる領域においての高度な知識を獲得することが可能である。 |
症例数 |
外来患者数は1日平均85人、入院ベッド数は約100床、年間手術件数は約650例である ★骨軟部腫瘍=対象疾患は多岐にわたり、小児から成人までの骨軟部腫瘍性疾患はすべて診断治療を行っている。特に、悪性骨軟部腫瘍に対しては、強力な術前化学療法、放射線療法、温熱療法を集学的に行うことにより、ほとんどの症例(97%)で患肢温存が可能となっており、良好な成績を得ている。腫瘍広範切除後の再建においても、腫瘍用人工関節、人工血管、神経移植、血管柄付き筋皮弁移植、血管柄付き骨移植等の技術により、良好な機能保持を図っている。ハイリスクな症例に対しては末梢血幹細胞移植による超大量化学療法も実施しており、化学療法に伴う骨髄抑制時の感染対策として、病棟内にクリーンルームも設置している。また、ユーイング肉腫、滑膜肉腫等の腫瘍に対して、分子生物学的手法による遺伝子診断も行っている。当科での現在の治療成績は、骨肉腫で5年生存率79.0%、ユーイング肉腫で70.0%であり、良好な結果を得ている。年間手術症例数160例 ★股関節外科=変形性股関節症、大腿骨頭壊死、ペルテス病、大腿骨頭すべり症など、股関節すべての疾患を扱っている。股関節疾患に対する回転骨切り術、寛骨臼移動術、転子間彎曲内反骨切り術など、多くの骨切り術は当教室にて開発され臨床応用している。変形性股関節症については、それぞれの関節の病態に最も適した骨切り術を選んで手術がなされており、良好な成績をあげている。高齢者で高度な関節症関節に対しては、人工股関節置換術が行われている。欧米で作られた人工関節を使用せず、日本人の骨の形状にあった人工関節を開発し使用している。大腿骨頭壊死は比較的若年者に発症する難治性疾患として知られているが、当教室において開発された回転骨切り術を中心とした治療方法により、良好な成績をあげている。ペルテス病、大腿骨頭すべり症など小児に発症するこれらの疾患についても、多彩な骨切り術を駆使し良好な成績をあげている。年間手術症例数約180例 ★膝関節外科=膝関節のほとんどすべての疾患を対象としている。特に最近はスポーツ外傷の代表的疾患である膝十字靱帯損傷や半月板損傷、高齢化社会を迎えて増加してきている変形性膝関節症や骨壊死に対する治療例が多い。活動性の高いスポーツ外傷例に対しては保存的治療を基本とするが、手術療法が必要である場合はMRI・CTなどを用い、正確な診断のもとに関節鏡視下に靱帯再建や半月板の処置を行うことで患者への侵襲をできるだけ小さくし、術後も早期リハビリテーションを行い入院期間の短縮を図っている。また、中高年者の退行性変性である変形性膝関節症などの膝関節疾患に対しては外来での薬物療法、足底挿板などの装具療法も行っているが、それでも改善しない進行例に対しては、高位脛骨骨切り術や人工関節置換術などを行い、優れた臨床成績を残している。特に高位脛骨骨切り術では骨切りの方法と後療法に独自の工夫がなされており、10年以上の長期経過例も多数あり、安定した成績を得ている。年間手術症例数約120例 ★脊椎外科=頸椎から腰椎までの脊椎、脊髄に関わるほとんどの疾患の診断、治療を行っている。疾患としては、椎間板ヘルニア、頸椎症性脊髄症、腰部脊柱管狭窄症等の退行変性疾患の他、脊椎変形、脊柱靱帯骨化症、脊椎・脊髄腫瘍など多岐にわたる。脊椎疾患は非常に多く、保存的治療の他、神経症状を有する症例に対しては手術的治療を行っている。また、側彎症に対しては、いち早く脊椎インスツルメンテーションを導入し、94年以降はTSRHを採用して良好な成績を残している。高度側彎症症例に対しては、後方固定術に胸腔鏡視下前方解離術を併用することで良好な結果を得ている。最近では後方からのインスツルメンテーションの利用が増加しているが、側彎症や腰仙椎固定術等のインスツルメンテーションを併用する際には、術前および術中に自己血輸血を行い、同種血輸血を回避している。脊椎外傷は、脊椎が体幹の支持・脊髄の保護という重要な機能を持つため、正確な診断と手術的治療を必要とすることから、脊椎グループがその診断と治療を行っている。近年、高齢者の脊椎手術症例も増加しており、早期離床、早期社会復帰に心掛けている。年間手術症例数約90例 ★リウマチ=早期にリウマチを発見し、当科で作成したリウマチ診療プログラムにてコンピューターで各症例のデータを管理し、その病勢を的確に把握、適切な抗リウマチ薬を投与している。従って、リウマチの活動性が鎮静化する症例も多くなってきている。また、長期罹患にて各関節が破壊された症例においては、股関節・膝関節・肘関節には人工関節置換術を、手足には関節形成術を行い、患者の日常生活動作の改善に努め、良好な成績をあげている。また、リウマチ患者も高齢化してきており、骨粗鬆症対策が非常に重要になってきている。当科でも早期から骨塩量や骨代謝マーカーを定期的に測定し、適切な薬物療法などを行うことで骨粗鬆症の進行の防止ならびにこれに伴う骨折の予防に努めている。関節リウマチ以外のリウマチ性疾患では、強直性脊椎炎などの血清反応陰性脊椎関節症の症例が多く、内科や皮膚科などとも密に連絡を取りながら治療を行っている。年間手術症例数約50例 ★手の外科=外傷、先天異常、絞扼性神経障害、腕神経叢麻痺、キーンベック病など、手に関連したすべての疾患を対象としている。先天異常に関しては歴史も古く、小児の先天性奇形の機能再建を行って優れた成績を得ており、手術後の長期観察例を含め豊富な症例を有している。中でもキーンベック病に対しては独自の手術法(橈骨楔状骨切り術)を開発し、良好な成績をあげており、本術式は現在、国内外で広く用いられている。術後はリハビリテーション部と密接な連携を保ちながら、早期の機能回復を目指しての指導、訓練を実施している。屈筋腱損傷に対して、新たな縫合法と術後リハビリテーションの改良を行い、良好な成績を収めている ★小児整形=先天性股関節脱臼、ペルテス病、大腿骨頭すべり症、小児の外傷性疾患、先天性疾患や骨系統疾患などを対象としている。大腿骨頭回転骨切り術の開発により、治療に難渋していた重度変形のペルテス病や大腿骨頭すべり症に対して良好な成績をあげている。当然ながら、四肢・脊椎の先天性疾患全般にわたる治療も熱心に行われているが、最近では大学附属病院の特色を生かし、周産期母子センターなど他科との連携を密にして、二分脊椎など全身管理を必要とする疾患に出生前からのアプローチを進めている ★骨粗鬆症=高齢化社会を迎え社会的にも注目されている骨粗鬆症に対して、整形外科の立場から本疾患の正しい認識の啓発に努力している。その一環として、外来診療のみならず地域での講演活動なども活発に行い、一般の人々に骨粗鬆症を正しく理解して頂くように指導している。さらに、新しい骨粗鬆症診断基準の作成にも参画し、また本疾患のとらえ方や、骨量とQOLの関連付けなどに関して疫学調査を行い、学会のリーダー的立場で活躍している。さらに、他科との連携により、ステロイド性を始めとする種々の二次性骨粗鬆症ならびに各種代謝性骨疾患に対する診断・治療も行っている。 |
医療設備 |
MRI、CT、骨塩量測定装置、骨シンチグラム、筋電計、エコー、無菌室、リハビリテーション施設など。 |
「医者がすすめる専門病院 福岡」(ライフ企画 2009年8月)
- 消化器管内科
- 第1外科
- 呼吸器科
- 心臓血管外科
- 腎・高血圧・脳血管内科
- 泌尿器科
- 第1外科移植グループ
- 整形外科
- 小児外科
- 眼科
- 顎口腔外科
- 皮膚科
- 病態制御内科学(内分泌代謝・糖尿病内科)
- 第1内科(血液グループ)
- 免疫・膠原病・感染症内科(リウマチ・膠原病グループ)
- 神経内科
- 脳神経外科
- 麻酔科蘇生科(ペインクリニック)
小児外科
分野 |
小児外科 |
---|---|
特色 |
全国の国立大学の中で最初に小児外科学講座として1979年に開設されて以来、胎児治療から新生児・乳幼児・学童さらにcarry over症例のあらゆる外科的疾患の診療を行っている。治療や検査では子供たちに痛みや恐怖を与えないような、子供にやさしい診療を心掛けており、最新の技術や装置を取り入れた高度先進的な診断・治療を積極的に行っている。新病院の完成に伴い北病棟の6階の小児医療センターに小児外科・小腸移植外科として16床、南病棟5階に総合周産期母子医療センターの新生児外科部門として6床、計22床として稼働している。常時満床ではあるが、小児医療センターの共通病床やICUの病床運用により、常時24時間患者受け入れ可能な状態を維持している。 |
症例数 |
過去3年間の平均症例数は年間外来数約3,000例、入院症例数約500例、手術症例数約450例である。近年新生児症例が増加傾向にあり、全入院症例の約10%が新生児例となっている ★新生児の外科的疾患としては、先天性食道閉鎖症、先天性腸閉鎖症、直腸肛門奇形、先天性横隔膜ヘルニア、消化管穿孔、臍帯ヘルニア・腹壁破裂、肺嚢胞、仙尾部奇形腫などがある。これらの新生児外科疾患は染色体異常や重症心奇形などの致命的な合併例を除くと、救命率はほぼ100%である。先天性横隔膜ヘルニアは出生前に診断される例は重症例が多いが、近年、gentle ventilationによる待機手術と、NO吸入やHFO(高頻度振動換気)やECMO(人工肺)などの集学的治療により救命率が著明に向上し94%となった。また1000g未満の超低出生体重児の消化管穿孔は一般に救命率が低く70%程度であるが、我々はNICU内で低侵襲手術を行い93%の生存率を得ている。さらに最近では腋窩皺切開や臍部皺切開により食道閉鎖、肺嚢胞性疾患、腸閉鎖、腸回転異常、肥厚性幽門狭窄症などはほとんど傷の残らない手術となった。新生児以外では小児がん、小児肝臓移植、胆道閉鎖症、胆道拡張症、ヒルシュスプルング病および類縁疾患、慢性便秘、虫垂炎、肥厚性幽門狭窄症、鼠径ヘルニア、停留精巣、陰嚢水腫、水腎症など、小児外科および小児泌尿器全般にわたる疾患の治療を行っている ★小児がんについては、当施設が九州地区の小児固形悪性腫瘍の登録センターとなっている。神経芽腫をはじめとして肝芽腫、腎芽腫、悪性奇形種、横紋筋肉腫など、年間約30例の小児固形悪性腫瘍の最新の標準的な集学的治療をそれぞれの腫瘍の全国のスタディグループのプロトコールに基づいて行っており、各腫瘍とも最近5年間の生存率は著明に改善している ★小児肝臓移植は当院の消化器総合外科と一緒に主に生体肝移植を行っている。胆道閉鎖症、劇症肝炎、代謝性肝疾患、肝芽腫など45例に実施し生存率90%で、現在、月に1例のペースで行っている。また ★小腸移植は脳死小腸移植の認定施設であり、移植に向けた準備が完了し、いつでも小腸移植のできる体制である。また短腸症候群の患児には、在宅静脈栄養や経腸栄養など栄養代謝面の指導および管理うと同時に腸管延長術(STEP法)も施行し良好な結果を得ている ★ヒルシュスプルング病は、開腹せずに経肛門的に正常腸管をプルスルーする手術を行っており、術後、腹部に傷がなく、早期退院が可能となった。術後の排便機能も良好である。またヒルシュスプルング病類縁疾患の病理診断は全国の小児外科施設からよく依頼されている ★鼠径ヘルニアでは、昔から対側検索について議論が多かったが、当院では術創から腹腔鏡を挿入し対側検索を行っている。この方法により対側が陽性の場合は対側手術を行うようにしている。この方法は対側出現を防止するとともに、不必要な対側手術を避ける意味でも有用性が高い ★小児腹腔鏡手術を積極的に行っている。虫垂炎、脾摘、胆摘、噴門形成、遅発性横隔膜ヘルニア、腹部良性腫瘍、LPECなどが主なものである。また小児外科医のための腹腔鏡トレーニングセミナーも開催している ★出生前診断の普及により、水腎症や多嚢腎などの泌尿器疾患や卵巣嚢腫が胎児期に発見される例が増加した。当院周産母子センターの母性胎児部門と協力して、母体とともに胎児期から厳重に管理し、新生児期・小児期までの一貫した治療を行っている。またシャント術やレーザー治療などの胎児鏡下の治療ができる装置を総合周産期母子医療センター内に整備している。 |
医療設備 |
カラードプラエコー、小児内視鏡、小児腹腔鏡、小児胸腔鏡、OpenMRI、ナビゲーション手術、直腸肛門内圧測定装置、消化管PHモニター、無菌室、胎児治療室、胎児鏡手術装置、HFO、NO吸入装置、ECMO(膜型人工肺)、CHDF、CT、ヘリカルCT、MRI、核医学。 |
「医者がすすめる専門病院 福岡」(ライフ企画 2009年8月)
- 消化器管内科
- 第1外科
- 呼吸器科
- 心臓血管外科
- 腎・高血圧・脳血管内科
- 泌尿器科
- 第1外科移植グループ
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- 眼科
- 顎口腔外科
- 皮膚科
- 病態制御内科学(内分泌代謝・糖尿病内科)
- 第1内科(血液グループ)
- 免疫・膠原病・感染症内科(リウマチ・膠原病グループ)
- 神経内科
- 脳神経外科
- 麻酔科蘇生科(ペインクリニック)
眼科
分野 |
眼科 |
---|---|
特色 |
大学病院の役割とされている、患者さんの診療、眼科学分野の研究、医療スタッフの教育という幅広い活動を積極的に行っている。これらは病気の患者さんを治すため、すなわち現代の医学、医療の発展に貢献するため、という目標を持っている。診療面においては、福岡県、九州地方のみならず西日本各地から患者さんが紹介されるため、難治性の疾患や希少な疾患も多数治療しており、経験が豊富なスタッフを多数擁している。検査、診断、治療のために最先端の技術や医療機器を導入し、高度な医療を実践している。研究面においては、世界でも最先端の臨床的研究、基礎的研究を行っており、国際的にも高い評価が得られている。スタッフはこれらの研究の成果を随時、論文発表や学会報告や講演を通じて、国内、国外へ向けて報告し、情報を発信している。日常の診療においては、患者さんが安心して良質かつ高度な医療を受けられるようにと、十分な説明、複数の医師による診察が行われている。 |
症例数 |
年間約11,000人が眼科の外来を受診する。初診の患者さんのほとんどは、各地の医療施設からの紹介状を持参する難治性の症例や、精密検査・手術などが必要な症例である。2008年の眼科手術件数は1,501件であった。その内、硝子体手術(糖尿病網膜症、網膜剥離、黄斑円孔、黄斑上膜など)が411件、網膜復位手術が76件、緑内障手術が56件、白内障手術が約半数であった ★加齢黄斑変性=石橋教授をはじめとする専門スタッフにより、診断・治療を精力的に行っている全国でも有数の専門施設である。患者数は年々増加しており、現在では年間600〜700人の新患患者さんが来院している。活動性病変に対する治療として、光凝固療法、光線力学療法、抗血管新生療法を主に行っている。光線力学療法は2004年より行っており、現在では年間150〜200件である。抗血管新生療法は2008年より施行し、治療効果をあげている。また新しい治療法の確立にも積極的に取り組んでおり、種々の治験・臨床治験を行っている ★網膜硝子体=網膜硝子体疾患は、月水金の外来日に専門の医師が診療にあたっている。Spectral-domain OCTやHRAなど複数の最新検査機器を組み合わせることで、客観的な評価による診断と病期の判定を行い、個々の症例に応じた外来診療を行っている。手術は、黄斑円孔や黄斑上膜などの黄斑疾患から糖尿病網膜症や増殖硝子体網膜症などの増殖性疾患まで多岐にわたり、年間約650件を行っている。そのうち、ぶどう膜炎や腫瘍に伴う硝子体混濁に対する診断的硝子体手術は、各領域の専門家の繋がりにより、迅速かつ正確な診断を可能にしている。これまで、当教室ではトリアムシノロンアセトニドやブリリアントブルーGに関する臨床的意義を数多く報告してきたが、最近では網膜静脈閉塞症や黄斑円孔、および黄斑上膜の成因や病態に関する新知見を、学会や国際誌に報告している。また、以前から黄斑円孔に対する術中タンポナーデ物質に空気を選択し、患者の早期社会復帰を目指す一方、最近では術後数時間のOCT評価で体位制限を解除するなど、患者の負担を軽減させる試みも行っている。さらに、眼内広角観察システムやシャンデリア照明を導入し、23ゲージおよび25ゲージの経結膜無縫合硝子体手術を積極的に行っている ★ぶどう膜炎=毎週月曜午後と火曜午前にぶどう膜炎専門外来を行っている。北部九州を中心に各地から様々な難治性ぶどう膜炎の患者さんが集まっている。中でもベーチェット病患者さんは多く、内科との共同体制で新しい治療を提案してきた歴史がある。治療は内科的(ステロイド・免疫抑制剤全身投与、トリアムシノロン眼内注、ステロイド眼内インプラント、顆粒球除去療法、抗TNF抗体治療など)、外科的(診断的・治療的硝子体手術など)の双方の選択肢から、患者さんに応じたベストな治療を行える体制が整っている ★緑内障=原発開放隅角緑内障、慢性閉塞隅角緑内障、続発緑内障、発達緑内障、血管新生緑内障などに対する点眼治療や手術治療(線維柱帯切除術、線維柱帯切開術、毛様体凝固術など)を行っている。手術は年間70-80件行っている。特に難治性の血管新生緑内障に対しては、抗VEGF剤を併用した線維柱帯切除術を積極的に行い、一定の治療効果が得られている。また、正常眼圧緑内障に対しては、視神経周囲の血流検査を行い、点眼薬選択の補助として活用している ★網膜色素変性=毎月第1・3火曜日に行っており、年間約200人の患者さんをフォローしている。患者さんやご家族の話に耳を傾けることを基本姿勢とし、黄斑部合併症など治療可能な合併症の早期発見・早期治療を目指した診療を実践している。また、臨床研究も積極的に行っており、現在は緑内障点眼薬による神経保護効果の検討を進めている。近未来の治療法開発のひとつとして、遺伝子治療の臨床応用を目指した研究も進めているが、その第一歩として、2008年10月に学内倫理委員会で臨床プロトコールの承認を受けた。今後は、厚労省での審議を受ける予定となっている ★未熟児網膜症=年間約80例の未熟児室での新患があり、厚生労働省分類I型3期以上に進行した症例や、中間型、II型に対してレーザー治療を行っている(年間約10例程度)。2003年度からは未熟児室に半導体レーザーを常設し、未熟児室内での治療が可能となっている。また、未熟児室退院後は外来で定期的に経過観察を行い、屈折異常・斜視・弱視や網膜剥離など長期合併症への対応も行っている ★眼部腫瘍=伝統である病理組織学の知識をもとに、正確な臨床診断、無駄のない手術、合併症の少ない治療を行っている。眼腫瘍を専門に診療する施設として地域を代表し、症例数は新患約150、外来含め手術約80件(うち眼瞼30、結膜25、眼窩10、眼内10例)である。眼瞼大型腫瘍の切除後は有茎皮弁、耳介軟骨、口唇粘膜、Cutler-Beard法やMcGregor法、瞼板自家移植などで再建、結膜腫瘍は症例により冷凍凝固や炭酸ガスレーザーを併用、眼内腫瘍では眼内液のマーカー測定を行うなどで診断精度を向上させている。眼内腫瘍の治療では網膜芽細胞腫治療に対するダイオードレーザーを用いた眼球保存治療、また眼内悪性黒色腫に対してサイバーナイフやダイオードレーザーを用いた眼球保存治療を行っている。眼窩部悪性リンパ腫では内服化学療法や独自に作成した角膜防護用小型鉛板の使用を含め個々の症例に応じた確実安全な治療を選択している。 |
医療設備 |
眼科一般検査機器に加えて、眼科超音波診断装置、角膜内皮細胞検査器、角膜形状解析装置、走査レーザー検眼鏡(SLO)、病理組織学的検査システム、光干渉断層計(OCT)、網膜血流解析装置(HRF、HRT、HRA)、多局所ERG、視覚誘発電位計(VEP)、視神経厚解析装置、レーザーフレアセルメータ、フルオロフォトメトリ、三次元眼底解析装置、各種レーザー治療装置(半導体レーザー、ヤグレーザー、温熱療法レーザーなど)、硝子体手術システム、眼内内視鏡システム、涙道内視鏡システムなど、高度医療を行うための機器がそろっている。 |
「医者がすすめる専門病院 福岡」(ライフ企画 2009年8月)
- 消化器管内科
- 第1外科
- 呼吸器科
- 心臓血管外科
- 腎・高血圧・脳血管内科
- 泌尿器科
- 第1外科移植グループ
- 整形外科
- 小児外科
- 眼科
- 顎口腔外科
- 皮膚科
- 病態制御内科学(内分泌代謝・糖尿病内科)
- 第1内科(血液グループ)
- 免疫・膠原病・感染症内科(リウマチ・膠原病グループ)
- 神経内科
- 脳神経外科
- 麻酔科蘇生科(ペインクリニック)
顎口腔外科
分野 |
歯科口腔外科 |
---|---|
特色 |
口腔顎顔面領域の疾患全般に対して治療的対応を行うことができる。日本口腔外科学会指定研修機関。なかでも口腔癌、口唇口蓋裂は専門外来制を設けて専従者が治療、手術およびフォローアップを行っている。 |
症例数 |
08年(1〜12月)外来新患患者総数2,600人。内訳は抜歯・小手術依頼や炎症が41%を占めている。08年入院患者総数350人、中央手術室での手術件数280件(口唇口蓋裂61件、口腔癌61件、顎変形症46件、良性腫瘍・嚢胞38件、骨折・外傷11件、その他63件)。入院患者の治療と看護にあたってはクリニカルパスを積極的に使用している。外来手術件数1,800件 ★口腔癌:08年外来新患患者数55人。腫瘍の進展度に応じ、外科的手術もしくは術前治療後に外科的手術を行うことを中心にしている。CT、超音波エコー、MRI、PETを取り入れることにより病期分類、リンパ節転移診断についての診断精度が向上し、正確な診断のもとに十分なインフォームド・コンセントを得た上で治療法を決定している。術前治療は放射線化学療法が主体で、化学療法薬剤としてはTS1、カルボプラチン、5FUなどを使用している。術後の形態・機能回復のために顎骨再建、有茎組織移植やマイクロサージャリーによる遊離組織移植を含めた再建法を工夫し、術後QOLの向上に努めている。術後のリハビリテーションに対しては看護師、言語聴覚士や栄養士を含む摂食・嚥下機能支援外来や顎顔面補綴外来との連携を行っている。口腔癌全体の累積5年生存率はstageI94.3%、II90.7%、III81.1%、IV58.6%である ★口唇口蓋裂:08年外来新患患者数59人。矯正科、小児歯科、言語治療部、看護部と連携し、口唇口蓋裂クリニックとしてチームアプローチ体制をとっている。出生直後からNAMプレートによる術前外鼻歯槽矯正、哺乳状態の改善を行い、口唇形成術、口蓋形成術、その後の言語治療、矯正治療、骨移植、顎矯正、二次修正術など出生直後から成人に至るまで、口唇口蓋裂クリニックで一貫した治療を行っている。言語治療は専任の言語聴覚士が行っており、小学校就学時の鼻咽腔閉鎖機能の獲得は95%である。出生前診断がえられた場合は出生前カウンセリングを行い、産科に対しては出産後すぐに往診できる体制をとっている。保護者への説明、指導のための保護者教室、同じく患者親子の会(つばさの会)などがある ★顎変形症:下顎の移動あるいは上顎のみの骨切り手術であれば、ほとんど全例少量の出血で済んでおり、輸血は行われていない。患者の初診窓口は口腔外科あるいは矯正科であるが、いずれの場合においても補綴科もまじえた外科矯正カンファレンスを開催し治療方針を検討し、チームアプローチによる診療を行っている ★顎関節症:08年外来新患患者数は約500人で、スプリント治療、薬物治療など保存的療法を治療の中心に据えている ★ドライマウス:口腔乾燥症状に対する系統的な診断治療を行っている。とくにシェーグレン症候群に関しては他科と緊密な連携をとり、総合的に診断し治療研究を行っている ★摂食・嚥下機能支援外来:摂食・嚥下機能障害に対し他科と連携をとり専門スタッフからなる合同チームにより診療にあたっている。乳幼児から高齢者まで幅広く対応しており、往診も可能である ★その他:口腔粘膜疾患、顎口腔領域の炎症、顎顔面領域の骨折や軟組織外傷、嚢胞、歯原性腫瘍、金属アレルギー検査、インプラント前処置、歯牙移植、舌痛症、神経疾患などについての治療を行っている。 |
医療設備 |
ヘリカルCT、超音波エコー、手術用顕微鏡、ヤグレーザー装置、ドプラー血流計、ファイバースコープなど。手術設備は九州大学病院中央手術室(20室完備)および外来全麻処置室(歯科ユニット2台)である。 |
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- 呼吸器科
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- 腎・高血圧・脳血管内科
- 泌尿器科
- 第1外科移植グループ
- 整形外科
- 小児外科
- 眼科
- 顎口腔外科
- 皮膚科
- 病態制御内科学(内分泌代謝・糖尿病内科)
- 第1内科(血液グループ)
- 免疫・膠原病・感染症内科(リウマチ・膠原病グループ)
- 神経内科
- 脳神経外科
- 麻酔科蘇生科(ペインクリニック)
皮膚科
分野 |
皮膚科 |
---|---|
特色 |
先進的な医療の提供と充実した地域医療との連携を心掛けている。皮膚疾患全般の患者に対して、できるだけ最新の検査や治療を提供する目的で、種々の今までにない検査、治療法を導入して、診療向上に努めている。スタッフの医療技術も高度で医療設備も充実している。アトピー性皮膚炎や乾癬などの炎症性疾患や膠原病・自己免疫疾患、感染症などの内科的皮膚疾患に幅広く対応できるだけでなく、さまざまな悪性ないし良性腫瘍の外科的治療にも長じ、高度先進医療を行っている。厚生労働省のアトピー性皮膚炎の治療評価に関する研究班や油症治療研究班の班長を兼務している。アトピー性皮膚炎外来、腫瘍外来、レーザー外来、形成外来、真菌外来、美容外来など専門外来が充実している。地域や他科との医療連携がとてもスムーズである。 |
症例数 |
年間の外来初診患者は約7,000人、病棟入院患者数は約350人、入院手術件数は中央手術室で約180件、皮膚科手術室で約100件。02年3月に新病院に移転してからは、皮膚科の占有病床は20床で(4人部屋4室、個室4室)、100%近い病床稼働率となっている。悪性黒色腫、悪性リンパ腫、有棘細胞癌、基底細胞癌、パジェット病、血管肉腫などの皮膚悪性腫瘍の患者が最も多く、以下膠原病(皮膚筋炎、強皮症など)、水疱症(天疱瘡、類天疱瘡)、難治性下腿潰瘍、脂肪腫などの良性腫瘍、母斑症、重症型薬疹、乾癬などの患者に対して入院治療している。また、アトピー性皮膚炎、皮膚悪性腫瘍、皮膚外科疾患、真菌症などに対しては、専門外来を設けて、安全な責任ある治療を行っている ★アトピー性皮膚炎=ステロイド外用薬、免疫抑制外用薬、抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬、紫外線療法、アレルゲン除去療法、漢方剤による治療法の適応と有効性を大学の立場から評価し、専門外来などを設けて治療している。また、生活環境、住環境、食環境などの改善による発症や増悪の防止も指導している ★悪性黒色腫=原発巣の評価にダーモスコピー検査を利用、腫瘍範囲を決定。早期悪性黒色腫の場合は、FDG-PET検査で遠隔転移の有無の検索、リンパシンチグラフィーとガンマプローブによるセンチネルリンパ節生検、センチネルリンパ節の病理学的診断に加えて免疫組織検査とRT-PCR検査を実施し、転移の有無を総合的に判断している。治療としては、拡大切除術±リンパ節郭清。術後に抗癌剤療法。進行期症例に対して、抗癌剤療法、転移腫瘍切除、経カテーテル的動注療法などを実施 ★乾癬=外用療法(ステロイド外用薬、ビタミンD3外用薬など)に加えて、内服療法(レチノイド、シクロスポリンなど)や光線療法(PUVA-bath療法)を同時期に組み合わせたり、あるいは、時期的にずらしたりして、より一層の治療効果を期待できる治療法を行っている ★水疱症(天疱瘡、類天疱瘡)=ステロイド剤や免疫抑制剤の全身的投与、また、血漿交換療法も行っている ★薬疹、接触皮膚炎、蕁麻疹=パッチテスト、プリックテストなどで、原因アレルゲンの検査を実施。症例によっては内服チャレンジテストも行っている ★太田母斑、扁平母斑、異所性蒙古斑、血管腫=Qスイッチルビーレーザー療法 ★難治性脱毛症=局所的免疫賦活法など ★種々の全身疾患に伴う皮膚病変の各種評価(例えば、GVH diseaseなど)について、関連する臨床各科と密な連携をとっている ★膠原病=皮膚筋炎、強皮症、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群などの皮疹を伴う膠原病について、関連する臨床各科と連携して、診断、治療に当たっている ★高度先進医療=悪性黒色腫に対するセンチネルリンパ節生検と免疫組織、RT-PCR検査。 |
医療設備 |
Qスイッチルビーレーザー、ダイレーザー、炭酸ガスレーザー、診断カラードプラ超音波エコー、サーモグラフィ、全身照射型紫外線装置(UVA、UVB)、ナローバンドUVB照射装置(全身型、局所型)、ビデオマイクロスコピー。 |
「医者がすすめる専門病院 福岡」(ライフ企画 2009年8月)
- 消化器管内科
- 第1外科
- 呼吸器科
- 心臓血管外科
- 腎・高血圧・脳血管内科
- 泌尿器科
- 第1外科移植グループ
- 整形外科
- 小児外科
- 眼科
- 顎口腔外科
- 皮膚科
- 病態制御内科学(内分泌代謝・糖尿病内科)
- 第1内科(血液グループ)
- 免疫・膠原病・感染症内科(リウマチ・膠原病グループ)
- 神経内科
- 脳神経外科
- 麻酔科蘇生科(ペインクリニック)
病態制御内科学(内分泌代謝・糖尿病内科)
分野 |
糖尿病内分泌内科 |
---|---|
特色 |
内分泌代謝・糖尿病疾患を中心に広範囲かつ専門的に診療している。病態制御内科学(旧第3内科)は一般内科として、ほかに肝臓、膵臓、消化器、血液の各研究室を擁することから、全身病の糖尿病診療においては総合的内科診療が可能である。また本施設は日本内科学会および日本糖尿病学会の認定教育施設である。内分泌代謝領域では、間脳・下垂体、甲状腺、副甲状腺、副腎、性腺における各種古典的疾患の専門的診療にあたると同時に肥満、脂質異常症、内分泌高血圧、ホルモン依存癌、抗加齢、骨粗鬆症などの生活習慣病診療にも力を注いでいる。髙栁教授は現在、医学研究院長ならびに副学長の要職にある。 |
症例数 |
この20年間の内分泌代謝診療患者の入院概数は間脳・下垂体550人、甲状腺680人、副甲状腺120人、副腎350人、性腺80人、肥満症100人におよび、1週間の外来患者数は平均150人である ★間脳・下垂体疾患=クッシング病、末端肥大症、プロラクチン産生腫瘍、非機能性下垂体腫瘍、下垂体機能低下症、尿崩症などの診療を行い、下垂体腫瘍に関しては院内脳外科あるいは院外病院と連携の上、Hardy手術やガンマナイフ療法による加療を積極的に行い、成果をあげている ★甲状腺疾患=バセドウ病、慢性甲状腺炎、各種甲状腺腫瘍の診断・治療にあたっている。甲状腺腫瘍の穿刺吸引細胞診を毎週施行し、外科治療の適応を決定している ★副甲状腺、骨代謝疾患=副甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能低下症、悪性腫瘍による高Ca血症、骨粗鬆症、多発性内分泌腺腫症の診断にあたっている ★副腎疾患=副腎偶発腫を含めクッシング症候群、原発性アルドステロン症、褐色細胞腫などの副腎腫瘍の機能や局在診断に加えて先天性副腎過形成やアジソン病の診療を行っている。副腎腫瘍は連携先の当院泌尿器科にて腹腔鏡的摘出術が行われている ★性腺疾患=多毛症、多のう胞性卵巣の診療や原発性・続発性性腺機能不全症の診療にあたっている ★肥満症=二次性肥満の鑑別診断と同時に、減量指導、並びに肥満教室(毎月第4金曜午後)を実施 ★糖尿病=糖尿病再来は1週間に約120人、入院患者は常時20人前後である。糖尿病は特に疾患に対する理解や自己管理が重要であるため、血糖コントロール、合併症評価や治療のための入院のみならず、クリニカルパスを作成して2週間の短期教育入院コースも行っている。代表的合併症である網膜症や腎症は、当院眼科や腎疾患治療部門と密接に連携し診療にあたっている。近年激増しつつある大血管障害(動脈硬化症)についても力を注いでいる。最新の超音波機器による頚動脈内膜中膜複合体肥厚の定量評価や大動脈脈波伝搬速度測定により全身の動脈硬化症進行度を判定しており、脳神経外科・循環器内科・心臓外科・血管外科と連携して脳血管障害、虚血性心疾患および閉塞性動脈硬化症の早期発見・治療を行っている。さらに肝疾患、膵疾患に伴う糖代謝異常の診療研究も行っている。いち早く人工膵島を導入して、生活習慣病全般に影響をおよぼすインスリン抵抗性の定量的評価を行うなど各個人の病態を把握したオーダーメイドの糖尿病治療を目指している。また人工膵島は、画像診断が困難な微小インスリノーマの局在診断やインスリン受容体異常症の診断にも威力を発揮している。外来や入院での集団糖尿病教室や管理栄養士による個人栄養相談も随時行われている。専門医師・看護師・薬剤師・管理栄養士によるミーティングを定期的に持ち、診療・指導教育の充実および改善に努めている。糖尿病患者の会「三糖会友の会」は現在会員数約150人で、幹事会・総会を定期的に行い、また食事会・遠足などのレクリエーションを通じて会員相互の交流・情報交換を行っている。さらに講演会やマスコミを通じて地域における啓蒙活動も積極的に行っており、基礎研究を含めて国内外での学会・論文発表も数多い。 |
医療設備 |
特定機能病院であらゆる設備を完備。人工膵島・超音波検査機器、CT、MRl、シンチグラフィ、DSA、X線骨塩量測定装置、PET。 |
「医者がすすめる専門病院 福岡」(ライフ企画 2009年8月)
- 消化器管内科
- 第1外科
- 呼吸器科
- 心臓血管外科
- 腎・高血圧・脳血管内科
- 泌尿器科
- 第1外科移植グループ
- 整形外科
- 小児外科
- 眼科
- 顎口腔外科
- 皮膚科
- 病態制御内科学(内分泌代謝・糖尿病内科)
- 第1内科(血液グループ)
- 免疫・膠原病・感染症内科(リウマチ・膠原病グループ)
- 神経内科
- 脳神経外科
- 麻酔科蘇生科(ペインクリニック)
第1内科(血液グループ)
分野 |
血液内科 |
---|---|
特色 |
血液疾患、なかでも白血病、悪性リンパ腫、再生不良性貧血などの難治性血液疾患を対象に診療を行っている。治療方針は、国内外の最新の情報に基づき、患者さん本人および家族と十分話し合った上で決定している。治療法は、化学療法、免疫抑制療法、サイトカイン療法、分子標的療法、抗体療法、造血幹細胞移植(骨髄移植、末梢血幹細胞移植、さい帯血移植)など多岐にわたっている。難治性の膠原病に対しても造血幹細胞移植による治療を展開している。治療法が確立されていない血液疾患に対しては、他施設との共同研究や臨床試験に積極的に取り組み、さらに安全で有効な治療法の確立を目指している。日本血液学会認定施設。日本骨髄バンク・さい帯血バンク認定施設。 |
症例数 |
血液疾患患者さんが常時30~40人が入院している ★入院患者の疾患分布は、白血病が30~40%、骨髄異形成症候群が10~20%、悪性リンパ腫が30~40%、多発性骨髄腫が5~10%、再生不良性貧血が5~10%である ★急性白血病の化学療法は当科で確立したレジメン、悪性リンパ腫にはCHOP療法を基本とし抗体療法の併用、多発性骨髄腫にはVAD療法やベルケイドなど、慢性骨髄性白血病にはグリベックなどを用いている。化学療法の治療成績は国内外の治療成績と同等である ★造血幹細胞移植の年間症例数は、同種移植が30~40例、自家移植が10~20例。幹細胞の種類別では、骨髄移植が10~15例、末梢血幹細胞移植が20~30例、さい帯血移植が約10例である。治療成績は国内外の成績と同等である ★急性骨髄性白血病、再発悪性リンパ腫、多発性骨髄腫に対しては適応症例を選択し、自己末梢血幹細胞移植を積極的に実施している ★高齢者などを対象にしたミニ移植も年間約10例実施している ★難治性膠原病に対し自己末梢血幹細胞移植をこれまでに約20例実施し、症状の改善をみている。 |
医療設備 |
無菌病床24床、輸血センターに幹細胞採取装置、幹細胞分離装置。遺伝子細胞療法部にフローサイトメトリー。 |
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免疫・膠原病・感染症内科(リウマチ・膠原病グループ)
分野 |
リウマチ・膠原病内科 |
---|---|
特色 |
当科は膠原病に対する標準治療から、生物学的製剤を用いた最新の治療、自己造血幹細胞移植等の最先端の医療まで幅広い治療の選択肢を持ち、あらゆる疾患、病態に対応できることが特徴である。難治性膠原病に対する自己造血幹細胞移植については、西日本随一の経験を有している。また、九州・山口一円の関連病院の専門医と緊密な連携を取りつつ、膠原病・免疫疾患・リウマチ性疾患全般についての診療および患者教育を行っている。 |
症例数 |
外来患者は約1,000人、入院患者は平均20人、新規入院患者数は年間約180人。外来患者の内訳は、全身性エリテマトーデス(SLE)が最も多いが、次いで薬物治療の重要性が高くなった関節リウマチ(RA)患者の受診が年々増加している。その他、強皮症(SSc)、多発性筋炎・皮膚筋炎(PM/DM)、混合性結合組織病(MCTD)、ベーチェット病や種々の血管炎症候群(結節性多発動脈炎・大動脈炎症候群・ウェゲナー肉芽腫症など)、シェーグレン症候群、成人スティル病など広く全般にわたる。不明熱や多発関節痛の原因精査と治療を依頼されたり、あるいは病診連携の一環としてセカンド・オピニオンを求めて紹介されるケースが多い。副腎皮質ステロイド剤に加えて免疫抑制剤の併用により、良好なコントロールを得ることが種々の疾患で可能になった。特に、合併症である腎障害や間質性肺炎に対する治療成績は向上している ★関節リウマチ(RA)は、担当領域の中で最も頻度の高い疾患であるが、抗CCP抗体や関節MRIの臨床応用により診断精度が向上した。治療面では生物学的製剤の登場により、治療成績は飛躍的に向上し、治療目標は疼痛の緩和から臨床的、画像的寛解へと大きく変化した。当施設では保険収載されている生物学的製剤のみならず、新規の生物学的製剤の治験も積極的に行っており、関節リウマチ治療に関して幅広い選択肢を有していると言える ★全身性エリテマトーデス(SLE)や多発性筋炎・皮膚筋炎は、腎障害や間質性肺炎の合併が多く、そのコントロールが生命予後に大きな影響を与える。大量のステロイド剤の使用が必要なケースが多かったが、シクロホスファミドやタクロリムス、シクロスポリンなどの免疫抑制剤の使用法の開発によって、これらの合併症のコントロールが良好となる例が増えてきた。その結果、外来診療にて従来よりも低容量のステロイド剤で維持することが可能になっており、社会復帰の頻度も高まりつつある。強皮症や皮膚筋炎などでは、薬物療法のみでは難治性の例も残念ながら残っている。当科では、2002年より血液腫瘍内科と共同で自己造血幹細胞移植を開始した。2009年までに20人以上に本療法を施行し有効性と安全性を確認した ★血管炎症候群は診断名が多彩であるために、冒される血管の部位によって他科(眼科や皮膚科など全診療科)との診療連携をとることが重要である。そのために、同じ病棟内の循環器、血液、感染症、糖尿病領域の専門医と綿密な討論のうえに診療を進めている。また、リウマチ性多発筋痛症は高齢者には比較的頻度が高い疾患で、ステロイド剤が著効する。抗リン脂質抗体症候群は、血栓症を基盤として多臓器疾患に発展する可能性の高い疾患であるため、診断後には抗血小板療法や抗凝固療法による予防的治療が必要である ★膠原病リウマチ性疾患は、女性に多い傾向があり、特に妊娠・出産については十分なアドバイスを与える必要があるが、経過中に原疾患のコントロールが不良になることも多く、産科との診療連携は重要である。また、根本原因は詳細には明らかでないこともあり、患者から遺伝学的質問が多く寄せられ、その回答を求められることが多い。 |
医療設備 |
大学病院として、すべての高度医療機器が完備している。無菌病室4床。 |
「医者がすすめる専門病院 福岡」(ライフ企画 2009年8月)
- 消化器管内科
- 第1外科
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- 第1外科移植グループ
- 整形外科
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- 神経内科
- 脳神経外科
- 麻酔科蘇生科(ペインクリニック)
神経内科
分野 |
神経内科 |
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特色 |
脳、脊髄、末梢神経、筋肉の疾患を対象に、専門スタッフが最新機器や専門診療による正確な診断と最先端の特殊専門治療を行っている。当神経内科は63年に日本で最初の独立した神経内科診療科として活動を開始し、以来長年にわたり遠近を問わず様々な神経病理患者を診療している。スタッフは日本神経学会認定の神経内科専門医であり、施設は学会教育施設として認定されている。予約受付☎092-642-5349。ホームページはhttp://www.hosp.kyushu-u.ac.jp/ |
症例数 |
病床数は30床。最近の新患外来患者数は年間1,151人、入院患者数は423人である。神経疾患の病歴聴取・診察・検査などは時間がかかることが多いので、外来は原則として予約制としている。また、再来は疾患毎の専門再来を行っている。一方、救急神経疾患も多く、急患には常に対応できる体制にしている ★脳血管障害=神経内科、脳神経外科、放射線科、第2内科の協力体制の下、脳卒中ホットラインとしてチーム医療を行っている。脳卒中ケアユニット(SCU)を集中治療部内に確保し、重症度に応じたクリニカルパス(入院時の診療予定表)を活用し、診療効率ともに治療成績の改善を図っている ★多発性硬化症=急性期患者に対してはステロイドパルス療法などを行い、慢性期にはインターフェロンβ注射や免疫抑制剤による再発防止なども行い、また、様々な治験も行っている。血液細胞内サイトカインの測定などにより、病勢の評価を行っている ★脊髄疾患=アトピー性疾患に伴う脊髄炎や寄生虫性脊髄炎などの診断の困難な脊髄疾患を中心に、精密検査、原因究明および特異的治療を行っている ★認知症=アルツハイマー病を始めとする認知症に関して、精神神経科と共同で「脳の健康クリニック(もの忘れ外来)」を開設して診療に当たっている。神経心理検査と画像検査を行い、正確な診断と治療方針の確立を行っている。またアルツハイマードックも行っている ★パーキンソン病・類縁疾患=臨床神経生理学教室と共同で、各種機能画像検査にて評価・病態解明を行い、専門的投薬治療を行っている。また、脳神経外科と協力して外科的に深部磁気刺激による治療も行っている ★てんかん=専門外来を設けて、てんかん専門医による投薬治療を行っている。必要に応じて短期入院での24時間ビデオ脳波モニター検査により、発作型の正確な診断や評価を行っている。難治例では、脳神経外科と協力して外科的治療を行うこともある ★筋萎縮性側索硬化症=針筋電図・神経伝導速度検査などによる正確な診断・説明を行っている。また、難病情報センターには患者・家族の療養相談窓口を設けており、難病コーディネーターが常駐し、社会面・環境面からの相談にも対応している ★脊髄小脳変性症=通常の診断・治療に加えて、遺伝性のものが疑われるときには、本人の同意の下に遺伝子検査による診断確定を行っている ★末梢神経疾患=近年、慢性炎症性ニューロパチーや多巣性運動ニューロパチーに対して、免疫グロブリン療法が行われるようになってきている。正確な電気生理学的評価に基づいて診断し、適切な治療法を選択することにより良好な成績をあげている ★筋疾患=原因不明の筋疾患の診断のために、電気生理・画像診断に加えて、必要に応じて筋生検・病理学的診断を行っている ★重症筋無力症=専門外来における診察・診断とともに、第1外科と協力して胸腺摘除術とその後のステロイド治療を行っている。また急性増悪時には血液浄化療法などを行っている ★睡眠時無呼吸症候群=睡眠時無呼吸症の診断・原因精査のためにアプノモニターを活用した検査・評価を行っている ★頭痛=頭痛専門外来を設けて、各種慢性頭痛の診断・治療を行っている ★その他=眼瞼けいれん、片側顔面けいれん、痙性斜頸に対して、ボツリヌス毒素を使った局所注射療法を行っている。 |
医療設備 |
頸動脈超音波(エコー)、MRI、機能的MRI、ポジトロンCT(PET)、脳磁図、経頭蓋磁気刺激運動誘発電位、体性感覚誘発電位、視覚誘発電位、24時間ビデオ脳波モニター、アプノモニター、ビデオ眼球運動解析装置など。 |
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脳神経外科
分野 |
脳神経外科 |
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特色 |
脳・眼窩内腫瘍、脳血管障害、頭部外傷、脊椎・脊髄疾患、中枢神経奇形、機能的脳外科疾患など、脳神経外科疾患全般を対象に専門的な高度医療を行っている。患者さんの立場に立ってQOLの改善と維持を目指し、より確実な、かつより侵襲の少ない治療法を開発・実践している。佐々木教授を中心として、電気生理学的モニタリングやニューロナビゲーションを併用した脳腫瘍手術、神経内視鏡を用いた下垂体手術、術中蛍光色素造影を併用した脳動脈瘤、脳動静脈奇形手術、機能外科としててんかん外科、パーキンソン病に対する定位脳手術などを積極的に行っている。 |
症例数 |
年間手術症例は300-350例程度である。内訳は良性、悪性を含んだ脳腫瘍、眼窩内腫瘍に対する手術、脳動脈瘤、脳動静脈奇形、脳内出血、頸動脈血栓内膜剥離術、血管吻合術などの血管障害に対する手術、頭部外傷に対する手術、二分脊椎や水頭症などの小児先天奇形に対する手術、神経血管減圧術、てんかん手術、定位脳手術などの機能外科である。特に佐々木教授が専門とする聴神経腫瘍などの頭蓋底腫瘍や悪性脳腫瘍に対する手術、機能外科の手術症例が多いのが特徴である ★良性脳腫瘍=手術は全摘出を目指すが、原則は機能温存・改善を第一に考えている。術中は手術用顕微鏡下で、超音波診断、術中CT、神経内視鏡などの形態学的モニターに加えて、聴性脳幹反応(ABR)、運動誘発電位(MEP)、体性感覚誘発電位(SEP)、顔面神経刺激誘発筋電図などの電気生理学的な機能的モニター下に行っている。言語野や運動野などに腫瘍の存在が疑われる場合には覚醒下に手術を行う場合もある。頭蓋底部の髄膜腫や神経鞘腫においても上記手法を用いて、ほとんどの脳神経は温存されている。特に聴神経腫瘍の手術では、顔面神経機能はほぼ全例で温存され、聴力も約半数で温存されている。下垂体腫瘍は原則として経鼻的に内視鏡手術を行い、ニューロナビゲーションも併用し下垂体機能を温存して腫瘍を全摘している ★悪性脳腫瘍=診断にはMRIやCTスキャンに加えて、MRIスペクトロスコピーやポジトロン・エミション・トモグラフィ(PET)、脳シンチグラフィ (SPECT)などを用いて腫瘍の質的診断も行っている。手術は電気生理学的モニター下に超音波診断と術中蛍光診断を駆使して、安全かつ最大限の摘出に努めている。摘出した腫瘍は免疫組織学的・分子生物学的手法を用いて腫瘍の増殖能や遺伝子解析を行い、テーラーメイド治療を目指し、術後の治療に役立てている ★脳動脈瘤=破裂例では早期の直達手術を原則としている。症候性血管攣縮に対しては積極的な血管内治療で対応している。未破裂例に対する手術適応は、患者さんの年齢・全身状態・動脈瘤の場所や大きさなど、複数の要因から慎重に決定している。術中は細かい血管の開通性を確認するために、ドプラ血流計や蛍光色素による造影を行っている ★脳動静脈奇形=血管内治療で流入動脈を閉塞し、できるだけ安全な状態で全摘出を行っている。術中には血管造影(DSA)を行い全摘出を確認している ★虚血性脳血管障害=動脈硬化性脳血管閉塞症やモヤモヤ病などの虚血性脳血管障害に対しては、MRIや血管造影に加えてPETやSPECTなどを用いて、局所脳血流量や酸素摂取率などを定量的に評価した後に、バイパス手術や血栓内膜剥離術の適応を決定している。モヤモヤ病の小児例に対しては、安全で有効な治療効果が期待できる複合間接バイパス術を行っている ★中枢神経奇形=当院周産母子センター(産科、小児科、小児外科)とのチーム医療で、胎生期における二分脊椎や水頭症などの早期診断に努め、確実な周産期管理のもとで治療を行っている。頭蓋縫合早期癒合症や脊髄脂肪腫に対しても長期的な機能予後を重視し、積極的に手術を行っている ★機能的脳外科=三叉神経痛や顔面けいれんに対する神経血管減圧術を行っている。難治性てんかんに対してはMRI、PET、神経磁気計測装置(脳磁図、MEG)などに加えて、頭皮上・頭蓋内脳波・ビデオモニターを用い、正確にてんかん原性域を同定したのちに切除手術、または脳梁離断術や軟膜下皮質多切術(MST)などの遮断手術を行い、良好な成績をあげている。パーキンソン病に対しては脳深部刺激療法を積極的に行っており、日本定位、機能脳神経外科学会により機能的定位脳手術技術認定施設に選ばれている。 |
医療設備 |
MRI、3D-CT、術中CT、ニューロナビゲーション、脳血管撮影装置(DSA)、術中DSA、ポジトロンエミッショントモグラフィ(PET)、脳シンチグラフィ(SPECT)、神経磁気計測装置(脳磁図、MEG)、128chデジタル脳波・ビデオモニター装置、脳血流測定装置(レーザードプラ)、定位脳手術装置(レクセル、駒井式)、神経内視鏡、各種誘発電位測定装置、手術用超音波診断装置、手術用超音波吸引装置。 |
「医者がすすめる専門病院 福岡」(ライフ企画 2009年8月)
- 消化器管内科
- 第1外科
- 呼吸器科
- 心臓血管外科
- 腎・高血圧・脳血管内科
- 泌尿器科
- 第1外科移植グループ
- 整形外科
- 小児外科
- 眼科
- 顎口腔外科
- 皮膚科
- 病態制御内科学(内分泌代謝・糖尿病内科)
- 第1内科(血液グループ)
- 免疫・膠原病・感染症内科(リウマチ・膠原病グループ)
- 神経内科
- 脳神経外科
- 麻酔科蘇生科(ペインクリニック)
麻酔科蘇生科(ペインクリニック)
分野 |
ペインクリニック |
---|---|
特色 |
痛みを持つ患者さんに対しては、痛みの原因を検査し、原因を取り除くことが第1であるが、原因が分かっても取り除くことが困難な痛みや、原因は取り除いたのにもかかわらず持続する痛み、原因そのものが不明である痛みも多く存在する。そのような痛みに苦しんでいる患者さんに対して全人的な痛みの治療を行っている。とくに帯状疱疹後神経痛や三叉神経痛、外傷や手術の後に生じる複合性局所疼痛症候群(CRPS: complex regional pain syndrome)などの神経障害性疼痛に対して様々な薬物療法や非薬物療法を試みている。これらの痛みは慢性痛となり、長期間にわたり患者さんを苦しめるため、心理的要因も加わって痛みが増強する。心理的因子の関与に対して、ペインクリニックだけの対応では十分でない場合、心療内科との連携を深めている。また、口腔、顔面痛や頭痛では、脳神経外科、歯学部口腔外科との連携、また、頸部、腰部、上肢、下肢の痛みでは整形外科との連携を深めて診療にあたっている。痛みの治療法としては、鎮痛薬や抗うつ薬、抗けいれん薬などによる薬物療法や神経ブロック療法に加え、低出力レーザー照射、低周波電気治療、近赤外線照射、イオントフォレーシスなど、副作用や合併症の少ない非侵襲的治療を行っている。難治性疼痛に対しては、脊髄硬膜外刺激電極挿入術も行っている。また、東洋医学的アプローチ(漢方薬や遠絡療法)も取り入れて、様々な痛みに対処している。さらに、がん性疼痛に対する緩和ケアも行っている。 |
症例数 |
年間の症例数は、新患約300人、総患者数約5,500人である。主な疾患は、帯状疱疹、帯状疱疹後神経痛、三叉神経痛、複合性局所疼痛症候群(CRPS)、がん性疼痛、脊椎疾患による腰下肢痛、末梢性顔面麻痺などである。とくに三叉神経痛やがん性疼痛、CRPSの紹介患者が多い。がんの痛みは、身体的な痛みだけでなく、社会的、精神的、霊的な痛みを伴うため、全人的ケアが必要となる。そのため、大学病院における緩和ケアチームの一員として、チーム医療の観点から、痛みの軽減に努めている。 |
医療設備 |
半導体レーザー装置、近赤外線照射装置、電気刺激装置(SSP)、イオントフォレーシス用装置、神経刺激装置を備えている。 |
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医師各科部長クラスの医師の対応が適切・迅速
回答者:70代 男性 勤務先:診療所
2015年12月29日投稿
福岡東区の代表的な総合病院で、脳神経外科、循環器内科、内科(糖尿病)、脊髄外科、整形外科、消化器内科など多岐にわたり、よく連携がとれています。 診断・医療...続きをみる