専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域

大阪赤十字病院は、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。 ※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表

消化器科

分野

消化器・一般内科

特色

日本人の死因の1位を占める悪性新生物、すなわち「癌」の多くは消化器領域の疾患であり、がん拠点病院として、常に最新で、かつ最も信頼のできる診断法・治療法の提供を目指している。また、ばらつきのない均一な医療を提供するために消化管、肝、胆膵各領域にエキスパートをおき、それを核としてチームによる医療を行うことに心がけている。各グループのスタッフは完全には分離されることなく、緊密な連携を保ち、そのことにより「診断・治療の高いレベルでの均一化」と、「くぐった暖簾により治療法が決まってしまう」ことなく、患者様個々人の病態に応じた、最も望ましい治療法を提供することに努めている。外来は毎日4もしくは5診察室開けており、うち一つは肝臓専門外来としている。吐下血、腹腔内出血等の消化器緊急例に対しては、救急センターと連携して365日・24時間対応している。

症例数

消化器科ベッド定数121床、08年1年間の入院患者数は3,412人

★B型肝炎に対するインターフェロン治療は開発段階から30年の歴史を持っており、多数の治療経験を有している。様々な投与法を検討するとともに、近年では各種核酸アナログを用いた治療を積極的に行っている(ラミブジン200余例、アデフォビル約50例、エンテカビル5,200余例)。ペグインターフェロンとの併用も試みており、HBs抗原の消失を見据えた長期的な視点からの管理フォローアップをしている

★C型肝炎に対しては、この1年間のペグインターフェロン・リバビリン併用療法導入例数は約120例、著効率40~50%。約半数が従来のインターフェロン・リバビリン併用療法無効の難治例であり、また高齢者が多く副作用、合併症により投与薬剤の減量・中止をきたし、治療を十分行えないことも少なくない。そのため、より安全でより高い著効率を得るために様々な投与法の工夫、臨床的検討を行っている。またプロテアーゼインヒビターやポリメラーゼコファクターインヒビター等の新しい薬剤の治験にも携わっている。さらにC型肝硬変に対しても積極的にインターフェロン治療を行っている

★肝細胞癌の症例数はきわめて多い(09年新規症例約160例)。09年の検査処置件数は腹部超音波12,476件、肝血管造影751件(CTアンギオ712件)、経カテーテル治療658件、肝生検291件、エタノール局注(PEIT)101件、ラジオ波凝固療法(RFA)365件で、肝癌に対する年間の治療総件数は約1,200件となっている。治療法の選択は各種画像診断(CT、US、造影US、血管造影、CTA、CTAP)による進行度の正確な評価に基づき、StageIではRFA、それ以上では切除可能例は手術、切除不能例では経カテーテル治療を行い可能であればRFA、PEITを併用している。切除可能例においても切除による犠牲肝容量の大きいもの、切除を望まれない例等ではRFAを施行している。RFAは約4,000結節の治療経験を持ち、3種類の機器の使い分け、RFA治療専用ベッドの開発、リアルタイムバーチャルソノグラフィ(プロトタイプの試用器)等の機器を駆使して安全で確実な治療に心がけている。StageI、Child A/B症例(356例)に対するRFAの累積生存率は3年83.6%、5年70%である。また根治的治療後の大きな問題である再発の抑制のために、レチノイド、積極的なインターフェロン治療、核酸アナログ投与を施行している。進行例に対しては分子標的薬を投与しするとともに新規薬剤の治験にも携わっている。さらに長期予後の改善のために、背景にある慢性肝炎、肝硬変に対する治療にも心がけており、BCAA製剤、肝庇護剤を用いてトータルリバーケアに留意している

胆膵疾患=胆石あるいは胆道閉塞性疾患に伴う緊急を要する病態に対しては、まず緊急ERCPを施行し総胆管結石採石術、あるいは経鼻胆汁ドレナージ(ENBD)とその後必要な例には速やかにステント留置を行っている。また内視鏡的に対処し得ないものでは経皮経肝胆管ドレナージ(PTCD)を行っている。その後手術が必要で可能な例では、腹腔鏡による低侵襲的な手術を行っている。胆膵の悪性腫瘍に対しては根治を目指し積極的に切除を行っているが、切除できないものに対してはジェムザール、TS-1による化学療法、あるいは放射線を併用した化学療法も施行している。09年の件数はERCP 479件、ENBD 98件、EST 147件、ステント留置159件、採石術151件、PTCD 52件

内視鏡部門=当院ではより楽にかつ安全に内視鏡検査を受けていただくため、血圧・呼吸状態モニタリング下に鎮静剤(軽い麻酔)を使用して検査を行っている。これまで6万人以上の使用経験を有しているが重篤な合併症を経験していない。好評を得ており検査件数は急速に増加している。さらにより安全で楽な検査を目指して05年4月から経鼻的内視鏡検査法を導入し、これまで約3000例施行している。経鼻的内視鏡とは径4.9~5.9mmの極細内視鏡を鼻から挿入するもので、嘔吐反射を最小限に抑えることができ、口がフリーなため会話も可能であり、さらに鎮静剤を使用しないため検査後の安静が不要であることなどのメリットがある。近年経鼻的内視鏡検査が普及しつつあるが、当院はそのパイオニアとして初期から導入し、研究会などを通じてその普及に貢献している。また消化管出血に対しては365日・24時間対応で緊急内視鏡を施行しており、潰瘍性病変に対してはクリップ、APC等による止血術、静脈瘤に対しては内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)、硬化療法(EIS)を施行している。09年の件数は、上部消化管内視鏡10,480件、内視鏡的粘膜剥離術(ESD)142件、内視鏡的粘膜切除術(EMR)49件、緊急止血術345件、食道静脈瘤硬化療法・結紮術168件、PEG造設術27件、食道拡張術77件。下部消化管内視鏡4292件、ポリープ切除術689件、緊急止血術35件

上部消化管疾患=胃潰瘍、十二指腸潰瘍に対してはヘリコバクタ・ピロリ陽性例ではまず除菌を行い、再発させない治療、維持療法を不要とする治療を心がけている。食道癌・胃癌においては色素内視鏡、超音波内視鏡による深達度の正確な診断に基づき、早期例に対しては内視鏡治療(EMR、ESD)を施行している。なかでも病変を一括切除できるESDに積極的に取り組んでおり、件数は急速に増加している。進行例に対しては可能なものは切除、切除不能例に対しても近年積極的に化学療法を施行している。特に食道癌に対しては放射線科と連携し、放射線化学療法を行っている。また経口摂取不能例に対してPEGの造設、管腔内ステントの留置も行っている

下部消化管疾患=大腸癌早期例に対しては色素内視鏡、拡大内視鏡を用いた深達度、広がりの正確な診断を行い、浸潤が粘膜下層までにとどまるものに対してはまず内視鏡的処置(EMR)を行う。組織検査の結果、深達度の深いもの、あるいは固有筋層まで浸潤するものに対しては腹腔鏡下での大腸切除術を優先し、手術侵襲を最大限少なくすることに心がけている。他臓器転移を伴うものに対しても、転移病巣が予後を規定すると思われるものに対しては、切除も含めて積極的に加療している。肝転移例では3cm以下、3個以下では切除、RFAを考慮し、それを超えるものでは肝動注療法、全身化学療法を施行している。潰瘍性大腸炎、クローン病などの炎症性腸疾患に対しては、各種薬物療法(内服、注腸)はもちろん、栄養療法・インフリキシマブ・白血球除去療法を積極的に導入し、多角的に治療を進めている。また外科との連携を図り、時期を逸することなく必要な外科治療を施せるよう心がけている。さらに当院の患者会の要請に応じて、講演会や懇話会などを行っている。

医療設備

ファイリングシステム:Nexus Sif/v imaging filing system(内視鏡、超音波)、FujiFilm 医療画像ネットワークシステム(放射線関係)、内視鏡室5室、専用X線透視室1室、APC 2台、高周波電気凝固装置3台、内視鏡回復室リクライニングシート6脚、腹部超音波室6室、超音波処置室2室、CT 5台(MD・CT 3台、IVR-CT 1台、共用)、MRI 3台(共用)、血管造影DSA 2台(バイプレーン/3D:1台、IVR-/CT/3D/FPD搭載:1台、共用)、超音波装置8台(造影剤対応器7台)、マイクロウエーブ2台、ラジオ波熱凝固装置3台、リアルタイムバーチャルソノグラフィ(RVS、マルチウインドウ/プロトタイプ)。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

呼吸器内科

分野

呼吸器内科

特色

当科は毎日3~4診の外来および62床の入院病床を運用して、多種多様な呼吸器疾患の診療にあたっている。939床の大規模総合病院の中の呼吸器内科としての特性を生かし、疾患や病態に応じて院内他科と緊密な連携をとりながら診療にあたっている。また、救急部の全面的な協力のもとで、外来受診患者の夜間や休日の症状増悪時の対応にあたっている。当科は肺癌・呼吸器感染症・気管支喘息・慢性閉塞性肺疾患(COPD)・呼吸不全などの主要な呼吸器疾患・病態の各々に関する専門の医師を擁し、また呼吸器疾患ケアを専門とする看護師、薬剤師、さらには理学療法士の協力を得てチームとして幅広い呼吸器疾患に対応している。

症例数

当科の年間の入院患者数は1,300人余、外来患者数は延べ32,000人余。下記の主要な呼吸器疾患を中心に診療を行っている

腫瘍性疾患=肺癌、良性肺腫瘍、縦隔腫瘍、胸膜中皮腫などを対象に、呼吸器外科ならびに放射線科と緊密に連携し、症例に応じて手術・化学療法・放射線治療を組み合わせた集学的治療を心がけている。最近では、1回目の入院治療時の病状・経過を考慮した上で、その後は外来での化学療法に切り替えることも多い。アスベスト暴露歴を有する場合には、肺癌や胸膜中皮腫の合併の有無について胸部X線や胸部CTで定期的に経過観察を行っている

呼吸器感染症=肺炎、感冒・上気道炎、インフルエンザ、急性気管支炎、結核、非結核性抗酸菌症、肺真菌症、胸膜炎、膿胸、気管支拡張症などの診療を行っている。特に重症の急性感染症に対しては極力迅速な対応をとっている。中高年女性を中心に発症頻度の増加が目立つ非結核性抗酸菌症や、アスペルギルス症などの肺真菌症の治療も積極的に行っている。なお、当院は結核病床を持たないため、排菌陽性の結核の場合は原則として結核専門病院に紹介している

気管支喘息=当院でも気管支喘息の患者数は着実な増加を示しており、当科の外来受診患者総数の半数近くを占めている。吸入療法を主体とした治療法の進歩によって重症発作を生じることが少なくなり、大部分の患者さんが外来治療で良好にコントロールされている。週2回の喘息専門外来および毎日の一般呼吸器外来で吸入療法を中心とした治療を行うとともに、ピークフローメーターを用いた自己管理による喘息治療の普及にも努めている。毎月1回(原則として第3木曜の午後3時~4時)呼吸器外来で患者ならびに家族を対象に開催している「喘息教室」では、呼吸器内科医師、薬剤師、呼吸器外来看護師がチームを組んで、吸入療法の具体的方法や注意点、日常生活での留意点、他の薬剤使用の際の注意事項などについてできるだけ分かりやすく説明・指導を行っている

慢性閉塞性肺疾患(COPD)=肺気腫、慢性気管支炎を合わせてCOPDと称しているが、近年ますます患者数の増加が指摘されている。多くは喫煙が原因といわれており、禁煙を指導しつつ吸入療法主体の薬物療法を継続している

急性呼吸不全・慢性呼吸不全=急性呼吸不全や慢性呼吸不全の急性増悪に対しては、救急外来ならびにICUの協力を得て迅速に対応している。肺気腫、肺線維症、結核後遺症などによる慢性呼吸不全の患者さんについては、在宅酸素療法(現在150人余)や在宅人工呼吸(鼻マスク使用を含む)を行っている

喀血・血痰=喀血に対しては、放射線科および救急外来の全面的な協力を得て迅速に気管支鏡検査、気管支動脈塞栓術などを行って対処している

★その他:間質性肺炎・肺線維症、過敏性肺炎、好酸球性肺炎、塵肺、肺血管炎、サルコイドーシス等のびまん性肺疾患、自然気胸、胸膜炎などの胸膜疾患も多数経験している

外来診療=紹介状は必須ではないが、前医からの紹介状があれば診療上たいへん参考になる。2回目以降の受診は待ち時間短縮のため予約診療にしている。

医療設備

胸部X線撮影装置、CT、MRI、核医学検査装置、気管支鏡検査用機器、胸腔鏡検査用機器、呼吸機能検査装置、放射線治療装置(リニアック)、レーザー治療装置。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

心臓血管センター(循環器科・不整脈科)

分野

循環器科

特色

高機能集約型急性期総合病院で、大阪府の災害医療拠点病院の指定も受けている。全診療科数23科、病床数は1,021床という規模を生かして、先進的、集学的治療を行う。特に心臓外科とは心臓血管センターを形成し、同一病舎で共同して24時間体制で治療を行う。 急速に進歩する不整脈治療(アブレーション、ICD、CRTなど)に対応するため、専門の不整脈科を設置している。

症例数

★09年度の循環器科での冠動脈造影件数は1,476件、冠動脈形成術324件(うちステント植え込み術288件)、下肢動脈などの末梢血管インターベンション79件を行い、90%以上の初期成功を得ている。肺塞栓に対する下大静脈フィルター植え込みは25件である

★不整脈科での電気生理学的検査は144件、カテーテルアブレーションは100件で、上室性頻拍の他、心室頻拍、心房細動などでも、良好な成績を得ている。ペースメーカー植え込みは64件、ICD植え込みは17件、難治性心不全に対するCRTは5件となっている。循環器科病床数はCCU 7、一般43床であり、心臓外科の20床をあわせて心臓血管センターとして計70床である。

医療設備

心臓カテーテル装置2台、心臓超音波診断装置(組織ドプラ含む)7台、心臓核医学検査装置、トレッドミル運動負荷装置、ホルター心電図、MRI、CT、補助循環装置(IABP、PCPS)。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

腎臓内科

分野

腎臓内科

特色

尿異常(蛋白尿、血尿、色調)、腎炎、ネフローゼ症候群、腎硬化症、腎不全(急性・慢性)、糖尿病・血管炎・膠原病・高血圧などによる二次性腎臓病、酸-塩基異常、水・電解質異常など、内科的腎疾患全般について診断、治療を行っている。また末期腎不全患者には血液透析、持続腹膜透析(CAPD)療法を、さらに各疾患に応じた各種血液浄化療法(顆粒球吸着・LDL吸着・エンドトキシン吸着・免疫吸着・血漿交換など)も施行。最近増加している多臓器疾患患者の治療には各専門分野の異なる医師と意見を交換し、協力する体制をとっている。

症例数

月間外来患者数は約1,200人。腎炎・糖尿病性腎症・ネフローゼ症候群、血管炎の患者が2/3以上を占めている

★外来では、尿検査、血液生化学検査、血清学検査、腎臓画像診断(超音波、CT、MRIなど)、核医学検査など行っている。また、必要に応じて入院のうえ腎生検(年間約101人)を施行。腎生検組織のすべてに光学顕微鏡、蛍光顕微鏡、電子顕微鏡による検査を行い、治療方針の決定や予後の推定、治療効果の判定を行っている

★各種病態に応じて食事治療、薬物治療を行い末期腎不全への進行防止に努めている。それにもかかわらず腎不全が進行し透析が必要となった場合は、患者さんと協議の上で血液透析かCAPDかの選択を行っている。09年の血液透析導入は102人、CAPD導入は3人

★高血圧は一次性か二次性の鑑別を行い、一次性には降圧薬の厳選な選択、二次性(腎血管性高血圧、原発性アルドステロンなど)には各疾患治療に積極的に取り組んでいる。

医療設備

超音波診断装置、CT、MRI、RI、血液透析装置、LDL吸着装置、顆粒球吸着装置。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

泌尿器科

分野

泌尿器科

特色

当科は1923年(大正12年)に開設された皮膚花柳病科に始まり、1962年には泌尿器科として独立しており、泌尿器科としては歴史の古い科である。しかし最近の泌尿器科検査、治療の進歩はめざましいものがあり、常に最新の医療機器を駆使し、最新の技術を提供できるよう努力している。常に家族に接するように患者様に接し、患者様の言葉で十分に病気の説明を行い、治療法を選択していただくよう努力している。病院は09年新病棟に移転し、快適な入院生活を送っていただけるものと確信している。

症例数

年間手術数(体外衝撃波結石破砕術を除く)600件。体外衝撃波は200件。2009年は膀胱癌に対する膀胱全摘術17件、経尿道的手術140件、前立腺癌に対する前立腺全摘術は34件、前立腺肥大症に対する経尿道的手術59件、腎癌に対する根治的腎摘21件、腎部分切除2件、尿路結石に対する内視鏡手術50件、腹腔鏡手術は33件であった

★膀胱癌に対しては抗癌剤動注療法、放射線、BCG膀胱注入療法などを併用し極力膀胱保存を試みているが、膀胱保存の可能性の少ないものに対しては積極的に自然排尿可能な回腸新膀胱を形成している。当科は89年より体内蓄尿可能な自己導尿型の尿路変更法(コックポウチ法)を大阪の他施設に先がけて開始し、独自の改良を重ね患者様に満足していただいてきたが、自然排尿型の回腸新膀胱の術式が発表されて以来、コックポウチはほとんど行われなくなり、回腸新膀胱に変わってきた。体内蓄尿型の両者の尿路変更は合わせて100例近い豊富な経験数を誇っている。膀胱癌に対する全摘術は年間平均10例。最近は極力膀胱温存を試みるようになったため、膀胱全摘の件数は激減している。膀胱全摘術後の5年生存率は62%

★前立腺癌に関しては、比較的若年者(75歳以下程度を考えている)で根治性のある症例では、手術を中心にお勧めしているが、手術以外にも各種放射線療法、内分泌療法についてご説明し、患者様に納得行く方法を選択してもらっている。自施設にない放射線療法(密封小線源療法、IMRT、粒子線治療など)に関しては治療可能な施設に紹介している。なお、当院にもIMRTが設置され10年中には稼働予定である。また比較的PSA高値でも画像上転移のない症例で、患者様の希望が強ければ放射線、内分泌療法を含めた集学的治療の一環として全摘術を行っている。全摘術の場合は、原則EPO(造血ホルモン)を使用せずに800mlの自己血貯血を行っており、同種血(献血の血液)輸血は5%程度の成績である。手術時間は平均2.5時間である。また極力10cm以下(最低7cm)の小切開創で手術を行うよう努力している。根治療法の対象にならない症例では内分泌療法の副作用軽減、医療費軽減と内分泌療法不応性になる時期を遅らせることを期待し、独自の間欠的療法を10年前より150人以上に行い、良好な成績である。間欠的内分泌療法の最長治療中断期間は8年の長きにわたっている方もいる。根治手術の手術成績は、PSA10以下の症例では3年でのPSA failureは30%以下である)

★腎癌に関しては、腹腔鏡手術、開腹による腎摘除術、小腎癌に限っては腎部分切除術のメリット、デメリットを説明し術式を選択してもらっている(腎部分切除は体腔鏡手術下にも行うが、止血などの安全面を考え、体腔鏡下に腎を剥離した後、5cm以下の小切開を加え直視下に摘出することが多い)。手術成績は、早期の症例が多いため(T1、2が60%)5年生存率は86%である

外来診療=月~金。初診受付は午前8時30分~11時30分。午後は予約診療のみ。セカンドオピニオン外来は私費で、予約制。カルテ開示正式の手続きに乗っ取ったものであれば可。

医療設備

16ch-MDCT、オープンMRI、MRI、リニアック、IVR-CT/アンギオ装置、IVRデジタルイメージングシステム、体外衝撃波結石破砕装置、カラードプラ超音波装置、尿水力学的検査装置、電子スコープ膀胱鏡など。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

形成外科

分野

形成外科

特色

顔面骨骨折を含む外傷一般、唇顎口蓋裂・小耳症などの顔面先天異常、合趾・多趾などの四肢の先天異常、皮膚悪性腫瘍、眼瞼下垂、下肢静脈瘤、ケロイドなどを中心に形成外科疾患全般を診療している。各科との密な連携のもとに治療に専念している。

症例数

年間の全手術数は約800例

小耳症(先天性耳介外耳道欠損:6例)=側頭部の大きさ、枠型の材料となる肋軟骨の成長具合から判断して初回手術の至適年齢は小学校就学後の8~10歳頃である。初回手術の失敗の救済はほとんど不可能であり、作成した耳介は50年以上の形態持続が求められることから、医学的に正確な理由に基づいた手術時期の判断がなされるべきである

四肢の先天異常と外傷(20例)=多合指・趾症は、生後1歳半頃に手術を行う。機能面での再建はもちろんのこと、整容面でも術後瘢痕を最小限にするとともに健側指趾の形態に可能な限り近づけている

顔面骨折、外傷(40例)=眼窩壁骨折、頬骨骨折、多発骨折の順に多い。骨折整復進入路の皮膚切開線の瘢痕は半年たてばほとんど判別できない位置にとることが特徴である

悪性腫瘍と再建(約100例)=特に顔面の皮膚悪性腫瘍は切除術、再建術が困難なことが多く、当科の専門分野の一つである。腫瘍の切除はもちろん、できるだけ元の顔貌になるよう高度な技術を駆使して再建に努めている。頭頸部悪性腫瘍摘出後再建手術は他科の耳鼻咽喉科、口腔外科との共同手術となることが多い

瘢痕拘縮・ケロイド(37例)=ケロイドは非常に再発率の高い腫瘍である。切除後電子線を照射することで低い再発率を得ている

下肢静脈瘤(80例)=皮膚科との連携の下、症例に合わせて高位結紮法、ストリッピング、抜去・切除法による治療を行っている。

★良性腫瘍(約400例)

★眼瞼下垂などの眼瞼手術(約60例)

★レーザー治療は行っていない。必要な症例は提携する形成外科へ紹介している。

医療設備

MRI、CT、3D-CT、手術用顕微鏡、電子線照射装置など。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

小児外科

分野

小児外科

特色

一般総合病院の特性を生かし、家族・開業医・周辺病院とのコンタクトをはかり、「小児外科」の地域への普及に努めている。小児科、NICUも充実、病院をあげて新生児・小児の救急医療に力を注いでいる。外来では画像・アニメーションを使って、わかりやすく説明している。病院ホームページに小児外科の日常疾患を詳しく解説している。陰唇癒合、リンパ管腫、埋没陰茎、ちらした虫垂炎など、このサイトを見て遠方からの来院も多い。小児泌尿器科疾患(停留精巣、包茎、水腫、尿道下裂など)、包茎の内科治療、リンパ管腫の治療、でべその手術などの相談も多い。エコー診断はスタッフ自らが担当。小児の便秘・腹満など手術にならない疾患も広く扱っている。

症例数

最近の年間入院数は、2008年288例、2009年243例。手術件数は、2008年241例、2009年214例。うち8割は小児外科の日常疾患(鼠径ヘルニア、陰嚢水腫、急性虫垂炎、停留精巣、臍ヘルニア、包茎など)である。日常疾患、救急疾患が多いが、鎖肛・胆道閉鎖症・腸閉鎖・小児悪性腫瘍などの新生児・乳児疾患も多数手術している。

医療設備

NICU、ICU、CT、MRI、超音波、RI、24時間phモニター、内圧測定など。2004年に新病舎となり設備、スタッフは充実。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

耳鼻咽喉科・頭頚部外科

分野

耳鼻咽喉科・頭頸部外科

特色

耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の疾患全般を対象とする。とくに真珠腫・慢性中耳炎・耳小骨離断・耳硬化症など中耳疾患の手術治療、頭頸部癌に対する集学的治療、副鼻腔炎の内視鏡手術、音声外科などに重点を置き、高いレベルの医療を行っている。日本耳鼻咽喉科学会認定専門医研修施設。

症例数

09年の年間手術件数は1,429件で、主な手術の内訳は、鼓室形成術538件、アブミ骨手術23件、鼻内内視鏡手術195件、鼻中隔矯正・下甲介手術77件、扁桃摘出術83件、喉頭微細手術97件、喉頭形成術8件、甲状腺・上皮小体手術77件、喉頭癌などの頭頸部悪性腫瘍手術78件

★真珠腫・慢性中耳炎・鼓室硬化症に対しては、徹底的な病変の清掃を行い再発を防止するとともに、聴力の改善にも重点を置き、術後聴力改善率は80%を超える。耳漏がなく鼓膜穿孔の小さい症例では、入院せず日帰りの鼓膜形成術を行っている

★耳硬化症に対しては、積極的にアブミ骨手術を行い、90%以上の聴力改善を得ている

★聴器癌は、05年の根治手術件数は5件で、5年生存率は70%以上である

★突発性難聴は、特に高度難聴例やめまい合併例では、原則として入院の上ステロイドやPGE1 製剤の点滴を中心とした治療を行っている

★顔面神経麻痺は、まず保存的治療を行い、SR、NET、電気味覚検査などの検査で改善困難と診断した症例に対しては顔面神経減荷術を行い、良好な成績を得ている

★眩暈に対しては、ENG、カロリック、重心動揺計などの平衡機能検査とMRIを行い診断している。難治性のメニエール病に対しては、眩暈のコントロールのためにポルトマン手術を行っている

★頭頸部癌に対しては、CT、MRIの画像診断に加え、近隣施設でのFDG-PET検査で病期診断を行っている。その上で患者本人、ご家族との十分なインフォームド・コンセントにより治療法を決定する。喉頭癌のI、II期には放射線治療と症例によっては化学療法を併用して音声機能を保存するようにしている(I、II期の5年生存率は約90%)。また、放射線治療後の再発例や放射線治療では根治が困難な進行癌に対しても、症例によって可能な限り喉頭部分切除術を行い、機能保存を心がけている(III、IV期の5年生存率は約70%)。予後不良疾患である下咽頭癌、頸部食道癌には、病変を含めた広範囲の切除および遊離空腸などの移植による一期的再建を行い、さらに強力な術後治療(放射線治療および化学療法)も徹底することで治療成績の向上を目指している(5年生存率は約50%)。甲状腺癌に対しては、反回神経麻痺を伴う進行例にも音声外科手術による嗄声の治療を行っている

★慢性副鼻腔炎に対しては、侵襲の少ない鼻内内視鏡手術を行っている。喘息合併例など重症症例に対しても、手術に併せて術前術後の徹底した薬物治療を行うことで根治を目指している

★アレルギー性鼻炎のうち薬物治療に抵抗性のものに対しては積極的に下鼻甲介手術(症例によりレーザー、ハーモニック・スカルペル、マイクロデブリッダーなどを使用)を行い、症状の改善を得ている

★声帯結節、声帯ポリープ、ポリープ様声帯に対しては顕微鏡下喉頭微細手術を、喉頭乳頭腫に対しては喉頭微細手術にレーザーを用いて良好な成績を得ている。反回神経麻痺による嗄声症例には喉頭枠組手術(甲状軟骨形成術I型、披裂軟骨内転術)を、声の高さの異常には甲状軟骨形成術III型、輪状甲状軟骨接近術を行い、音声の改善を得ている。重篤な嚥下性肺炎を繰り返す症例に対しては、誤嚥防止のための喉頭閉鎖術、喉頭気管分離術を行っており、大半の症例が術後に経口摂取可能となっている。

医療設備

MRI、マルチスライスCT、ヘリカルCT、RI、超音波、各内視鏡、発声機能検査装置、耳音響放射検査装置、ABR、ENG、平衡機能検査機器、KTP・CO2・YAGレーザーなどを完備している。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

歯科・歯科口腔外科

分野

歯科口腔外科

特色

地域の歯科医院や病院などから紹介を受けた患者様を中心に、口腔顎顔面領域の疾患に対しての口腔外科的治療を主に施行しており、腫瘍、外傷、顎変形症、炎症、嚢胞・唾液腺疾患、顎関節症など幅広く治療している。特に、口腔癌の治療ではQOL(Quality of Life:生活の質)を重視し、放射線科、耳鼻咽喉科、頭頚部外科、形成外科と連携した集学的治療を行っている。また、がん化学・放射線療法の口腔トラブルを軽減するために、口腔ケアを積極的に行っており、栄養管理・摂食嚥下チームにも参加している。

症例数

09年度の延外来患者数は10,036人、1日平均45.6人、紹介率は55.0%逆紹介率56.2%。延入院患者数は1,393人、1日平均3.8人であった。外来における手術は約1,200例で、そのほとんどが埋伏歯抜歯や嚢胞摘出術などの小手術である。入院症例は年間100~120例、中央手術室における手術件数は年間80~100例。09年度の手術内訳は、悪性腫瘍10例、良性腫瘍6例、外傷顎顔面骨折例13例、顎変形症4例、炎症性疾患5例、嚢胞性疾患28例、抜歯術その他18例である

★口腔悪性腫瘍に対しては、術前治療後の手術療法が主体であるが、治療後のQOLを維持するため、症例ごとに手術、放射線治療、化学療法を適切に組み入れて行い、広範囲切除例には、形成外科の協力を受け各種皮弁を用いた再建手術を行っている。症例数が少ないが、口腔癌の病期別5年生存率はI期93%、II期90%、III期77%、IV期57%である

★顎骨骨折に対しては、症例に応じてチタン製ミニプレートや吸収性ミニプレートを用いて整復固定術を施行し、顎間固定期間を短縮させている

外来診療=月~金。初診受付は午前8時30分~11時30分、原則は紹介外来。午後は外来手術(予約制)。木は手術日。

医療設備

CT(MDCT3台、SDCT1台)、MRI3台、RI、ガンマカメラ、YAGレーザー、リニアックなど。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

皮膚科

分野

皮膚科

特色

皮膚疾患全般の診断・治療に加え、形成外科と連携して下肢静脈瘤に対する高位結紮術と硬化術を行う。堀口部長は日本東洋医学会の認定医であり、保険適用の範囲内で漢方製剤を応用する。紫外線治療器(ナローバンドUVBと広域のUVBおよびUVA)があり、尋常性乾癬、白斑、その他皮膚悪性リンパ腫の一部の症例に用いている。政次医師は嵌入爪外来を行っている。湊医師は尋常性ざ瘡にケミカルピーリングを行っている。慢性の皮膚疾患は患者自身が病態をよく理解して増悪の誘因を避けることに努めなければならない。そのために、当科では病態の徹底的な説明を行っている。日本皮膚科学会認定専門医主研修施設。

症例数

年間平均新患者受診数2,750人、年間平均入院新患者数150人。アトピー性皮膚炎、慢性湿疹、尋常性乾癬、自己免疫性水疱症、帯状疱疹、白癬など多岐にわたる

★アトピー性皮膚炎では黄連解毒湯、白虎加人参湯、柴胡清肝湯など証に従い漢方製剤を用いるが、重症例では副腎皮質ホルモン剤を短期間だけ内服させる場合もある。湿潤病変には酸性電解水による治療も行う

★尋常性乾癬には入院の上、UVB紫外線照射とコールタール製剤塗布を組み合わせたゲッケルマン療法を施行する。退院後はナローバンドUVB療法を継続する

★下肢静脈瘤の硬化療法は年間約100例。高位結紮術を組み合わせて行い、数回の硬化療法で静脈瘤の消失、自覚症状の軽減、消失など良好な成績を得ている

★尋常性疣贅(イボ)には液体窒素による冷凍凝固術を行うほか、モノクロロ酢酸による腐食や10%尿素軟膏療、グルタルアルデヒド法など、痛みの少ない治療法も試みが、足底疣贅にはくりぬき術を行う

★皮膚悪性腫瘍については形成外科にて外科的な対応をする。

医療設備

長・中波長紫外線照射器、エコー装置、冷凍凝固装置。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

糖尿病内分泌内科

分野

糖尿病内分泌内科

特色

大阪地区でもっとも早くから糖尿病外来を開設し、糖尿病の診療に50年近い歴史を持っている。内分泌疾患全般に対しても専門施設として長い専門診療の実績を持っている。特に、初期教育から合併症治療まで糖尿病に対する総合診療に力を入れ、地域の基幹病院や実地医家との病診連携を積極的に行っている。日本糖尿学会及び日本内分泌学会認定教育施設。

症例数

定期通院中の糖尿病・内分泌患者は約4,000人、年間入院患者は約450~500人

★糖尿病教育は、外来患者を対象とした糖尿病教室と教育入院(医師、看護師、栄養士、薬剤師、糖尿病認定看護士及び療養指導士で構成)で行っている。血糖自己測定、インスリン導入等の指導は外来でも行い、栄養指導も随時行っている。糖尿病のすべての合併症に対して院内、院外の専門診療科と共同して迅速な対応をとっている。1型及び2型糖尿病妊婦の管理においても長年の実績がある。地域の医師会、病院と糖尿病地域連携パスを構築し、積極的に病診連携をすすめている

★甲状腺疾患では、バセドウ病は主として、外来で薬物療法と放射線治療を行っている。甲状腺腫瘍は超音波検査を主体とした画像診断と吸引細胞診を併用して診断し、外科的処置の場合は頭頚部外科に依頼している。妊婦の甲状腺疾患の管理に関しても長年の実績があり、良好な治療成績を得ている

★副甲状腺腫瘍の局在診断は超音波検査やMIBIシンチを行い、外科的処置は頭頚部外科で行っている

★間脳下垂体、副腎、性腺疾患には内分泌負荷試験による診断を確立すると共に画像診断を行い、ホルモン補償療法や外科的処置の適応を決定している

★肥満、高脂血症、高血圧などの生活習慣病全般に対しても生活指導や薬物療法を行っている

★糖尿病患者会「大阪日赤みどり会」は50年の歴史を有し、歩こう会、1泊研修会、総会、会報発行などを通じて糖尿病の啓蒙、会員相互の研鑽、懇親等に活発な活動を行っている。

医療設備

甲状腺超音波、DEXA、MRI、CT、ラジオアイソトープ診断機器など。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

血液内科

分野

血液内科

特色

血液内科病床52床。骨髄移植や抗がん剤治療を安全に行うための無菌室16床を擁し、近畿圏では最大規模である。主治医により治療方針や治療成績が異ならないよう、また患者の病状に応じて最善の結果が期待できるように治療の標準化と、看護師・薬剤師・コメディカルを含むチーム医療を心がけている。白血病や悪性リンパ腫などの血液がんに対しては造血幹細胞移植(いわゆる骨髄移植)を含む積極的な治療を行い、治癒を目指している。当科は骨髄バンクおよび臍帯血バンクの認定施設であり、非血縁者間骨髄移植や臍帯血移植が可能である。また、高齢者や臓器障害などのリスクがある患者にも移植治療ができるように、移植前の抗がん剤や放射線照射を少なくした「ミニ移植」も行っている。一方、QOL(生活の質)を重視し、できるだけ入院期間を短くして外来における抗がん剤治療を推進している。日本血液学会認定施設。

症例数

08年の新患者数は、急性白血病29人、成人T細胞白血病/リンパ腫を含む悪性リンパ腫93人、多発性骨髄腫31人、骨髄異形成症候群47人、慢性骨髄性白血病5人、再生不良性貧血6人である。09年の同種造血幹細胞移植は26例に行われ、そのうち臍帯血移植は7例である。自己末梢血幹細胞移植も年平均15例行われている

★急性骨髄性白血病に対しては、JALSG(日本成人白血病研究グループ)の共通プロトコールに準じた化学療法を行っているが、その1型である急性前骨髄球性白血病(APL)に対しては、世界でもっともよい成績を示しているスペインPETHEMAグループのAIDA(活性型ビタミンA+イダマイシン)療法を用いており、完遂できた例ではこの9年間16例で再発例はない。急性リンパ性白血病には米国MDアンダーソン病院のHyper CVAD/High-dose MTX・AraC療法を行っている。急性白血病全体として肝前寛解導入率は80%を超えるが、予後不良群や再発例に対しては積極的に同種造血幹細胞移植を行っている

★悪性リンパ腫:CHOP療法(B細胞性であればモノクローナル抗体のリツキサンを併用する)を基本とするが、ハイリスク群には自己末梢血幹細胞移植を併用する。再発例にはMECP、DeVIC、ESHAPなどの救援療法を行い、条件が整えば同種造血幹細胞移植を施行する

★多発性骨髄腫:寛解導入療法としてVAD療法を行い、65歳未満であれば自己末梢血幹細胞移植を行う。最近では新規薬剤のボルテゾミブ(ベルケイド)やサリドマイドを取り入れた治療が増えている。移植の適応にならない高齢者には経口抗がん剤によるやさしいMP(+サリドマイド)療法が行われる

★骨髄異形成症候群:予後因子の比較的良好群にはマルチビタミン療法・蛋白同化ホルモン・免疫抑制療法(シクロスポリン)を行う。予後不良群にはAraC少量療法を基本とするが、若年者には通常の同種移植を、55~65歳であれば同種ミニ移植を行う

★再生不良性貧血:中~重症例にはシクロスポリンとウサギ抗Tリンパ球グロブリン(ATG)による免疫抑制療法を行い、ほとんどが社会復帰できている

★特発性血小板減少性紫斑病:出血傾向が高度の場合は早急にガンマグロブリン大量療法と副腎皮質ホルモンによる治療を開始するが、出血傾向がほとんどなく、さらに胃のヘリコバクター・ピロリ菌が陽性の場合は、初期治療としてステロイドは用いず、まず除菌療法を行っている。この奏効率は65%である

外来診療=月~金、常時2診体制。紹介状があれば医療連携科を通じて予約可能。再診は予約制。セカンド・オピニオン外来も開設されており、医療連携科(電話06-6774-5132)が窓口となっている。

医療設備

血液内科病床52床、うち無菌室16床。成分採血(造血幹細胞採取)装置。全身照射可能なリニアック(放射線照射装置)。外来における抗がん剤治療のため全病院的な「通院治療センター(16床)」が整備されている。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

リウマチ・膠原病内科

分野

リウマチ・膠原病内科

特色

関節リウマチを始めとしたリウマチ・膠原病疾患を診療対象とする。全身に様々な症状が起こりうる疾患群だが、総合病院の強みを生かして他科との連携を密に行い、診断・治療をより確実なものとしている。スタッフはいずれも京都大学医学部付属病院免疫・膠原病内科の出身であり、難治例では同院との連携も行っていく。

症例数

年間の定期通院患者数は約800人で、その半数程度を関節リウマチ患者が占める

★関節リウマチ治療では、最近の流れである早期診断・早期治療を前提として、メトトレキサートを中心とした抗リウマチ薬や生物学的製剤で治療を行う。生物学的製剤は関節リウマチ患者の2割程度に使用している。可能な限り通院治療を優先しているが、重篤な合併症による難治例では入院が前提となる

★その他の膠原病では疾患や病態、重症度に応じて治療を選択する。大量の副腎皮質ステロイドを投与する場合は入院となる。難治例では免疫抑制剤の併用を行う。

医療設備

大規模総合病院として一通りの設備があり、適宜利用できる。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

神経内科

分野

神経内科

特色

大阪南部の病院(900床)の神経内科として、様々な種類の神経系の病気の治療にあたっている。他の診療科との連携も緊密であり、内科の病気に合併した神経疾患を見ることも多い。また、手術を要する場合には脳神経外科や整形外科との連絡はスムーズである。

症例数

年間の神経内科の全入院患者数は約350人。平均入院期間は17日。外来患者数は1日に120人。外来ではまず患者の話をよく聴き、診察所見を重視し、そのうえで必要があればCT、あるいはMRIを外来初診日にとり、できるだけその日のうちに問題を解決する努力をしている。入院症例については部長の病棟回診を週1回、カンファレンスを週1回行い、治療方針を決定している。年間の入院治療業績は、脳血管障害(若年性含む)121人、筋萎縮性側索硬化症8人、多発性硬化症16人、ギラン・バレー症候群その他21人、重症筋無力症7人、多発性筋炎その他筋肉疾患6人、各種の髄膜炎や脳炎35人、パーキンソン病およびその類縁疾患14人、アルツハイマー病や脳血管性の認知症23人、正常圧水頭症11人、脊髄小脳変性症14人などである。その他、自己免疫疾患や悪性腫瘍に伴う神経系合併症、急性播種性脳脊髄炎、神経ベーチェット病、クロイツェル・ヤコブ病その他の患者が入院している。急性期からリハビリテーションまでの治療を行っている。入院ベッドが25床と限られているため多発性硬化症などのステロイドパルス治療など外来ですることもある。また痙性斜頸、片側顔面けいれん、ジストニアなどに対するボトックス治療をしている。

医療設備

MRI 3台、CT 3台、脳血流シンチ、脳波、末梢神経伝導検査、頸動脈超音波。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

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