専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域

群馬県立がんセンターは、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。 ※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表

呼吸器内科

分野

呼吸器内科

特色

県立のがん専門施設として、肺癌を主とした呼吸器の腫瘍性疾患の診断および内科治療(化学療法)を中心に行っている。呼吸器外科、放射線科と連携を図り、化学療法を含む集学的治療も行っている。

症例数

当科の年間の新規肺癌症例は50~100例。気管支鏡検査は年間約150件で、肺癌の診断を目的としての生検、擦過細胞診、超音波気管支鏡下針吸引細胞診を行っている。この他の診断法として、超音波あるいはCTガイド下に経皮針生検を行っている。2週に1回、呼吸器外科・放射線診断部・放射線治療部・病理部・呼吸器内科による呼吸器カンファレンスを行い、治療方針などを検討している。小細胞肺癌は限局型では化学療法と放射線療法の併用を、進展型では化学療法を中心に治療している。非小細胞肺癌(腺癌・扁平上皮癌・大細胞癌など)は、臨床病期I、II、およびIIIA期の一部の切除可能な症例は呼吸器外科にて外科治療を行う。その後、一部では術後化学療法を行っている。臨床病期III、IV期の手術不能な症例が当科の対象となる。III期では、化学療法と放射線療法の併用を、IV期では化学療法、分子標的治療薬などの治療を積極的に行っている。全国の多施設共同の試験治療も行っている。

医療設備

カラードプラ超音波装置、高速X線CT装置、RI診断用ガンマカメラ装置、マイクロ波凝固装置、放射線治療用リニアック装置、MRI、IVR-CT/アンギオシステム、気管支鏡、胸腔鏡、全身用PET-CT装置。

「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)

呼吸器外科

分野

呼吸器外科

特色

"当センターの呼吸器外科は、特に肺がんや転移性肺腫瘍を中心とした外科治療(手術療法)を行っている。呼吸器内科、放射線診断部、放射線治療部、病院病理部との合同カンファレンスを定期的に行っており、集学的な肺癌治療を実践している。JCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)肺がん外科グループの参加施設である。①各種医療装置を用いた積極的な診断:レントゲン検査により発見された病巣に対し、最新鋭のCT装置(MDCT)や核磁気共鳴画像装置(MRI)、PET-CTを使用することにより、質の高い画像診断を行っている。確定診断のためには呼吸器内科と協力して気管支鏡を用いた生検やCT装置を利用した肺生検を、また診断が難しい小さな病巣に対しては胸腔鏡検査を行っている。②最新技術を駆使した外科治療:従来肺がん手術は胸部におよそ30cm程度の皮膚を切開して、筋肉や肋骨を切断して行われる開胸手術が主流であったが、近年内視鏡技術の進歩により胸部に内視鏡(胸腔鏡)を挿入することによる胸腔鏡下手術(VATS)が行われている。胸腔鏡を用いることで手術創が小さく、「体にやさしい手術」が可能となった。当科においても患者さんの状態にあわせて、胸腔鏡下手術を積極的に行っている。③安全性、根治性の維持:外科治療は常にリスクを伴うものと考えられているが、我々は手術方法の選択において安全性を重要視している。そのうえで手術により可能な限りがん病巣を切除するという根治性が損なわれぬよう努力したいと考えている。肺がんは時として気管や気管支周囲のリンパ節に転移をきたすことがあるが、我々はそのリンパ節の切除(リンパ節郭清)を標準的に行っている。 "

症例数

2008年度の手術件数は63例で、そのうち39例が胸腔鏡手術もしくは胸腔鏡補助下手術であった。手術症例の内訳は肺癌根治手術39例(胸腔鏡補助下手術26例)、縦隔腫瘍5例、転移性肺腫瘍4例、縦隔鏡検査3例、その他12例であった。

医療設備

CT(MDCT、3DCT)、MRI、PET-CT、核医学検査、放射線治療設備、気管支鏡、超音波気管支鏡(EBUS)。手術:胸腔鏡、気管支レーザー、気道ステントなど。

「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)

泌尿器科

分野

泌尿器科

特色

泌尿器癌、特に腎(細胞)癌、腎盂癌、尿管癌、膀胱癌、尿道癌、前立腺癌、精巣癌、陰茎癌、副腎癌を専門的に診療している。患者さんとの話し合いの上治療方針を決める、インフォームド・コンセントを基本とした治療を行っている。膀胱癌では、できる限り膀胱温存を考慮しているが、膀胱摘出例にはQOLを重視した自然排尿型の尿路変更手術、前立腺癌では神経温存(勃起障害の予防)手術、末期癌症例には緩和療法を行っている。

症例数

年間の手術件数は約380例

★腎(細胞)癌では手術療法が第一選択である。小さな腫瘍に対しては腎部分切除術。転移癌では手術が可能な症例に対して腎摘出後、転移病巣の摘出手術。多発転移例には分子標的薬であるスニチニブやソラフェニブや、インターフェロンを中心とした免疫療法、放射線治療。5年生存率は病期I:100%、II:65%、III:40%、IV:25%

★腎盂・尿管癌:手術療法が中心。進行症例では抗癌剤による化学療法を、摘出手術前後に施行している。転移症例には化学療法や放射線治療

★膀胱癌:大部分の症例では内視鏡手術で根治。再発危険因子の高い症例にはBCG膀胱内注入療法。浸潤癌の症例には摘出術以外に、抗癌剤と放射線治療併用による膀胱温存治療。膀胱摘出症例には、可能な限り自然排尿型の尿路変更術を行っている

★前立腺癌:早期癌では前立腺摘出術や小線源療法、外照射療法(IMRT:強度変調照射も症例によって行っている)。進行癌や転移癌に対してはLHRHアゴニスト(薬剤)を中心とした内分泌治療。骨転移による疼痛には放射線治療が有効である。内分泌療法抵抗性がんには、ドセタキセルによる化学療法を外来で行っている

★精巣癌:セミノーマには放射線治療、非セミノーマには化学療法を施行している。病期Iでは希望により無治療経過観察を施行している。セミノーマ病期I:100%、II:100%、III:50%、非セミノーマI:100%、II:70%、III:45%。

医療設備

CT、MRI、PET、CTアンギオ、リニアック治療装置、前立腺小線源療法治療装置。

「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)

頭頸科

分野

耳鼻咽喉科・頭頸部外科

特色

当科は1972年の群馬県立がんセンター設立以来続く頭頸部腫瘍の専門診療科である。がんセンターの特色から主に頭頸部腫瘍(脳、眼を除く頭と頸の領域に生じる腫瘍)の悪性腫瘍(喉頭癌、上・中・下咽頭癌、舌癌を含む口腔癌、上顎洞癌、甲状腺癌など)の診断ならびに治療を行っている。治療方法は手術切除、再建手術、放射線治療、全身化学療法、超選択的動注化学療法などを組み合わせたQOLを高める集学的治療を基本としている。2007年には新病院が開院し、最新の医療器機が導入され、頭頸部腫瘍の診断・治療向上に寄与している。また、治療前後の口腔ケアを口腔外科の協力を得て積極的に行い、放射線科とは緊密な連携体制となっている。

症例数

近年の年間頭頸部癌登録数は100-120例、年間手術数は200-250例である。2008年の癌登録数は喉頭癌17例、咽頭癌27例、口腔癌16例、甲状腺癌20例であった。治療法は舌を含めた進行口腔癌・下咽頭癌は、1990年以降血管吻合による遊離組織移植を積極的に行っている。早期喉頭癌の治療は放射線単独・化学放射線治療が行われ、制御できないあるいは再発した場合には積極的に喉頭部分切除術を行い、音声の温存に努めている。中咽頭癌・早期下咽頭癌の治療は主に胃瘻作成後に化学放射線治療が行われ、治療の完遂と臓器温存を目指している。上顎洞癌の治療は超選択動注化学療法と放射線治療を初期治療とし、癌の残存が考えられる場合にはT3では口蓋の温存をできるだけ図る上顎部分切除術、T4aでは上顎全摘と遊離組織移植を行っている。これまでの治療と比較し、副作用が少なく審美的にも優れた治療である。早期舌癌は口内法による舌部分切除術を行っている。甲状腺癌の治療は手術治療が中心である。甲状腺分化癌で肺転移をある場合には甲状腺全摘後に放射線ヨードによる内照射治療を行っている。頸部リンパ節転移の治療の主体は頸部郭清術であるが、可能な限り頸部の筋肉・静脈・神経を温存する保存的頸部郭清術を行い、術後後遺症の軽減に努めている。

医療設備

リニアック放射線治療、MRI、CT、PET-CT、血管撮影装置、超音波装置、核医学診断装置、術中照射装置。

「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)

血液・腫瘍科

分野

血液内科

特色

全国がん(成人病)センター協議会に所属するがん専門施設である。群馬県東部を中心として、埼玉県北部と栃木県南部における悪性リンパ腫や多発性骨髄腫、白血病などの造血器腫瘍患者や、各種の血液疾患、化学療法感受性の固形腫瘍患者を対象として診療を行っている。特に、悪性リンパ腫のように放射線科、頭頸科や外科など各科にわたる疾患の治療では、迅速に対応し集学的治療を行っている。 リンパ増殖性疾患・造血器腫瘍の診断および治療法の選択などについては、毎週、病理部門 放射線部門と合同のカンファレンスを行い、よりきめ細かな対策を立てている。

症例数

外来における年間の血液疾患患者数は約300人である。一方、年間の入院患者数は約100人で、常時50人前後の血液疾患患者が入院している。2007年度に新しく登録された疾患数は、悪性リンパ腫53例、急性白血病7例、多発性骨髄腫4例、骨髄異形性症候群2例、慢性白血病1例であった。主な臨床試験は、リツキシマブの再発・治療抵抗性悪性リンパ腫に対するリツキシマブの8週投与の市販後臨床試験参加症例9例の追跡中であり、多発性骨髄腫におけるリツキシマブ適応拡大の臨床第2相試験へは、3例が仮登録された。骨髄腫では新規分子標的薬剤であるボルテゾミブの市販後調査に2例登録し治療を実施した。 化学療法感受性の固形腫瘍、中枢神経悪性リンパ腫症例も徐々に増加傾向にある。2007年度は新病院の開院、血液内科病棟への移動、新システムへの適応など大変な時期であったが、入院治療・外来通院化学療法いずれも前年度同様の内容を継続した。造血幹細胞移植は悪性リンパ腫、多発性骨髄腫にて自家末梢血幹細胞移植を実施した。電子診療が開始され、補助療法の統一、化学療法プロトコールの整備、チーム医療の推進などを継続中である。

医療設備

2007年に新病院が建設され、血液疾患単独の病棟を中心に、複数の腫瘍に対する標準的化学療法を積極的に実施しはじめている。放射線診断部において、MRI, PET-CT, SPECT 検査などが可能である。無菌室6床も完成し、自家造血幹細胞移植を中心に稼動開始しており、同種移植についても準備中である。

「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)

外科第2診療部(乳腺外科)

分野

乳腺・内分泌外科

特色

全国がん(成人病)センター協議会(25施設)に所属するがん専門施設。乳癌診療は全国がん(成人病)センター協議会(25施設)に所属するがん専門施設。乳がん診療は乳腺科、放射線科、病理部、看護師、心理療法師等によるチーム医療を重視した専門職の連携により、患者の心理に配慮した医療を実践している。十分なインフォームド・コンセントのもとにQOLを重視した医療を目指している。術後の補助療法や再発進行乳がんの治療については、EBM(根拠に基づいた医療)に基づき対応。Qualityの高い治療がを行うために、多くの臨床試験を取り入れている。合同カンファレンスは、①病理画像カンファを、病理部、放射線科と②ブレストキャンサーボードを多職種の参加者で定期的に行っている。また、患者さんのための乳がん勉強会を毎月第2金曜日に行っており、参加は自由。乳腺外科、放射線科、病理部、ナース等によるチーム医療を重視した専門職の連携による患者の心理に配慮した医療を実践している。十分なインフォームド・コンセントのもとにQOLを重視した医療が目的である。特に乳房温存療法における放射線療法併用については、完全に病理学的に取りきれている場合、その予後は極めて良好であるため、不必要な放射線療法を避ける意味で併用せずに経過観察を行っている。完全に病理学的に取りきれているか否かの判断については、病理部による全割組織検索に基づき、適応を決定している。また、画像診断等の精度向上を目指し、術後の組織検索結果を踏まえ、放射線科との合同カンファレンスを定期的に行っている。再発進行乳癌の治療や術後の補助療法についてはEBM(根拠に基づいた医療)に基づき対応。Qualityの高い治療が行われるために、積極的に全国規模の臨床試験を取り入れ、その重要性の認識と啓蒙を行っている。

症例数

年間の初発乳がん症例数は約170例、再発乳がん例40例、年間の乳腺外来患者数は延べ1万人。過去30年間の乳がん初発症例約3,200例。5年生存率(1999~2000年症例)はI期98.6%、II期94.4%、III期51.0%、IV期28.6%である。乳房温存手術の頻度は、I期症例の70%を超え、II期以降でも術前治療で縮小した後に温存手術を行うことを目指している。また乳房再建のためのエクスパンダー挿入も施行している。センチネルリンパ節生検は、臨床的腋窩リンパ節転移陰性の方に勧めており、全症例の80%以上に施行している。

医療設備

マンモグラフィ、超音波、乳管内視鏡、マンモトーム(ステレオガイド、エコーガイド)、MRI、3DCT、PET-CT、全身骨シンチグラフィ、リニアック、モベトロン(術中照射)など。

「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)

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